飛騨民俗村山岳資料館
飛騨民俗村山岳資料館
(旧高山測候所)
所在地 高山市上岡本町3丁目-932-1
所有者 高山市
建築年代 明治36年
設計 八代目 坂下甚吉
施工 八代目 坂下甚吉
員数 1棟
構造等 木造平屋建、寄棟造鉄板葺
この建物は、明治36年、大野郡灘村(現高山市桐生町)に建てられたものである。地元の近代建築を多く手がけた8代目坂下甚吉の施工。わが国における様式気象観測は、横浜などの開港場にきていた外国人や工部省、北海道開拓使庁などのお雇い外国人によって始まっている。明治8年、内務省地理局所管の東京気象台が英国人技術師ジョイネルを主任として開設された。正確な予報・警報への要請に応えようと、明治16年には全国で23ヶ所、同24年には46ヶ所に測候所が設置されている。高山測候所はこの地方測候所の典型を示している。
平面は、間口6間(10.99m)奥行8間(14.62m)で、中廊下を挟んで各室が配されている。
〈特徴〉
小規模な塔屋を冠していたが、現在地へ移転後しばらくしてから撤去されている。
玄関には、この建物の唯一の装飾である瓔珞が軒先に施されている。形はきゃしゃなレース状で、洋風建築のモチーフが、高山では優しく細やかな意匠になって溶け込んでいる。
外壁は下見板張で、下部には上部をアーチ上にした床下換気孔が設けられている。
高山市は、北アルプス飛騨側の登山基地でありながら、山岳資料を展示する施設がなく、昭和45年の測候所改築に際して、この建物は飛騨民俗村に移築され現在は山岳資料館として活用されている。
屋上には手摺り付きの観測台が設置されていたが、移築後、手摺りの腐食がひどくなり、平成4年に手摺りを撤去したため、やや景観を損ねている。
山岳資料館
この建物は明治36年、大野郡灘(なだ)村(現高山市桐生(きりゅう)町)に建設されたもので、高山測(そっ)候(こう)所(しょ)として使用されていた。昭和45年、測候所が改築されたのを機会にこの地に移築された。そして昭和46年11月1日、飛騨山岳会と市民の方々の積極的な協力を得て、「山岳資料館」として開館した。中には北アルプスを中心とした登山・スキー用具、飛騨を中心とした登山の歴史、地学、気象、動植物などの資料を展示している。
平成12年10月20日、特色のある近代建築として文化庁の登録有形文化財に登録された。
説明板より
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