【授業】英語学概論
Ⅰ はじめに
本科目で学ぶことで、英語学における基礎的な概念を理解して、今後に応用的な力を付けるための土台とすることである。これにより、語彙、文法、音声などの各分野の土台を知ることで、英語の読み、書き、話し、聞くという4技能の鍛錬につながるようにしたい。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
英語学は多岐にわたる分野であり、様々に細かく分類される。概念を知ることは大切であるが、将来方向として、その応用的な力、実践的な力が身につくようにしたい。それにより、大学卒業後に、英語が得意科目として、社会で活躍できることが狙いである。
Ⅲ 授業の教育目標
英語学概論を学ぶことで、将来に英語を教えようとする学生に、英語学教育法と同様に、基礎的な力を与えることである。小中学校レベルの英語が教えられるように、その段階の生徒達から出される質問などに容易に答えられるように英語力を付けたい。
テーマ1 言語の起源と語族
1 何を学ぶか
① 言語起源論のいくつかを考察する。
② 語族の定義を調べる。
③ インド・ヨーロッパ語族の中の英語の位置づけを考える。
2 学習到達目標
① 人間がことばを使えることの意味を説明できる。
② 人類の言語能力の発達の歴史を説明できる。
③ 英語と親族関係にある言語を説明できる。
3 課題
① ゲルマン諸語と英語の関係を調べてまとめる。
② 孤立言語とは何かまとめる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ2 人間のことばと言語研究
1 何を学ぶか
① ことばの気まま性(arbitrariness)について考察する。
② ことばの二重性、抽象性、規則性について学ぶ。
③ 言語学の各分野、音声学、音韻論、統語論などの概要を理解する。
2 学習到達目標
① 言語学という学問について説明できる。
② 人間のことばの特徴を説明できる。
③ ことばを分析するときの資料の集めかたを説明できる。
3 課題
① ネット上のコーパスを利用して、いくつかの単語の特徴を調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ3 アルファベット
1 何を学ぶか
① ギリシア文字、キリル文字など類似のアルファベットについて考察する。
② 筆記体について理解する。
2 学習到達目標
① アルファベットの起源について説明できる。
② ローマ字(内閣式とヘボン式)の違いについて説明できる。
3 課題
① 自分の名前を筆記体で書けるようになり、サインできるようにする。
② 文字と印刷術の歴史について調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ4 ことばの変化
1 何を学ぶか
① 通時態と共時態の違いを理解する。
② 英語に文法上の性がない事情を理解する。
③ 英語の変化と社会の動きとの関連を理解する。
2 学習到達目標
① 英語の歴史について簡単な説明ができる。
② ことばの変化の理由について説明できる。
③ 発音、語彙、文法の相互関係について説明できる。
3 課題
① 5つほど英単語を選び、その歴史的な変遷を調べる。
② be動詞の歴史的な推移を調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ5 単語とスペリング
1 何を学ぶか
① ローマン・アルファベットと正書法の関係について調べる。
② 大母音推移について理解する。
③ 英語の母音推移、弱母音化について調べる。
2 学習到達目標
① 英語のスペルと発音のずれについて説明できる。
② 英米英語で異なるスペルや発音を説明できる。
3 課題
① 英米英語で書記法の異なる単語をできるだけたくさん集める。
② 黙字がある英単語を集める。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ6 標準英語の成立
1 何を学ぶか
① アメリカにおける標準語の成立について調べる。
② イギリスにおける標準語の成立について調べる。
③ 世界における共通語の意味について調べる。
2 学習到達目標
① 英語の標準語の成立の経緯を説明できる。
② 共通語の意義について説明できる。
③ RPとGAについて説明できる。
3 課題
① 映画My Fair Lady を鑑賞して、英語の方言と社会階層との関係を理解する。
② 英語の中に取り入れられた日本語について調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ7 単語ができる仕組み
1 何を学ぶか
① 形態素から単語へと構成されていく過程を理解する。
② 自由形態素と拘束形態素の違いについて調べる。
③ 転換、逆成などの語彙の誕生について理解する。
2 学習到達目標
① 単語の意味の恣意性について説明できる。
② 形態論と形態素の関係について説明できる。
③ 接頭辞と接尾辞の構造について説明できる。
3 課題
① いくつかの単語の語形成プロセスについて調べる。
② 複合語の主要部について調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ8 言葉と音声
1 何を学ぶか
① 閉鎖音、摩擦音、破擦音、鼻音、側音、半母音について調べる。そして、実際に発音してみる。
② 高母音、中母音、低母音について発声の訓練を行う。。
2 学習到達目標
① 発音器官のそれぞれについて説明できる。
② 有気音、無気音の違いについて説明できる。
③ 調音点について説明できる。。
3 課題
① 口の中に指を入れて、それぞれの発音の時に、舌がどの位置に来るか確認する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ9 音の組み合わせとアクセント
1 何を学ぶか
① 日本語と英語の実際の発話を聞いて、アクセントの違いを確認する。
② 国際音声記号について簡単な表記を覚える。
2 学習到達目標
① 日本語の高低アクセントと英語の強弱アクセントの違いについて説明できる。
② 母音と子音の違いについて説明できる。
③ 母音を発生するときの口蓋内の様子について説明できる。
3 課題
① 有声歯茎摩擦音、有声軟口蓋閉鎖音などを発話する。そして、それらが使われる単語を複数個見つける。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ10 英語の語彙の多様性
1 何を学ぶか
① 英語に対する、ギリシア語、ラテン語、フランス語の影響を調べる。
② 現代のアメリカ英語に対するスペイン語の影響を考える。。
2 学習到達目標
① 英語に取り入れられた外来語の要素について説明できる。
② フランス語がどの程度、英語に影響を与えたのか説明できる。
③ 語源の研究の意義について説明できる。
3 課題
① 日本語から英語に入った単語を抜き出して、どのようなジャンルの語彙が多いか調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ11 文ができる仕組み
1 何を学ぶか
① 伝統的な文法と変形生成文法が学習者に対する影響を比較してみる。
② 5文型によってどの程度まで文法構造が理解できるか考察する。
③ 句構造標識を考察する。
2 学習到達目標
① 単語から文が作られる過程を説明できる。
② 文法研究の歴史を簡単に説明できる。
③ 変形生成文法の特徴について説明できる。
3 課題
① 任意の英文を取り出して、その句構造標識を示す。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ12 英語の意味
1 何を学ぶか
① 教育の場において、効果的な意味の教え方を考察する。
② 文化的に英語の語彙の持つ二重構造について調べる。。
2 学習到達目標
① 英語の意味と人間の認識の関係を説明できる。
② 指示説、構造意味論、概念論などを説明できる。
③ 意味と文化の関係について説明できる。。
3 課題
① mother, father などの家族を示す英単語は、構造意味論の立場からどのように説明できるか調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ13 英語の意味とコンテキスト
1 何を学ぶか
① 日常会話において、多義性の解消はどのように行われいるか調べる。
② 日本語と英語の意味の構造の違いを考察する。。
2 学習到達目標
① 表面的な意味と深層的な意味の違いについて説明できる。
② 隠喩、換喩などの比喩について説明できる。
3 課題
① My husband is a baby.という文はどのような意味に解釈されるか、それぞれの場合を説明する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ14 英語と文化
1 何を学ぶか
① 多文化共生社会とはどのような社会であるか調べる。
② サピア=ウオーフの仮説を考察する。
③ 高コンテキスト文化と低コンテキスト文化の違いを考える。
2 学習到達目標
① 伝統的な西洋と東洋との二限対立の分類から、多次元化しつつある現代文化を説明できる。
② 文化と言語の関係について説明できる。
③ 言語相対論について説明できる。
3 課題
① 世界に多発する民族問題と言語の事例を収集する。
② 日本語文化は英語文化からどのような影響を受けているか調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ15 言葉と社会、言葉と国家
1 何を学ぶか
① 世界での多文化主義の国の特徴を考察する。
② それらの国で、言語教育はどのように進められているか調べる。
③ カナダの2言語多文化主義について考察する。
2 学習到達目標
① 多文化主義を標榜している国の言語教育の特徴を説明できる。
② 公用語と国語の違いを説明できる。
③ 英米の旧植民地では英語がどのように取り扱われているか説明できる。。
3 課題
① いわゆる英語圏の国々で使われる英語以外の言語の特徴を調べる。
② 日本では英語はどの程度必要とされているか考察する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
資料
【授業】在留外国人と言語
Ⅰ はじめに
本科目で学ぶことで、在留外国人の実態とそれらの人々のかかえている言語問題を理解することである。外国人の増加という現象は近年顕著になってきており、我々がどのように対処すべきかは緊急の問題となっている。それらの問題を概観してゆきたい。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
多文化共生社会と言われている現代において、どのような問題が生まれつつあるのか、そしてそれらに対して、我々日本人はどのように取り組んできたのか、そして今後はどのように取り組むべきかについていくのか考察を深めることがこの授業の目的・ねらいである。授業を通して、これらの問題は他人事ではなくて、自分事であるとの認識を持つようになりたい。
Ⅲ 授業の教育目標
在留外国人と言語に関して、基本的な概念を理解して、それらの概念を通して、現代の日本が抱える問題点を理解するようにする。言語問題、とりわけ、外国人に言語サービスをどのように提供するか、外国人は日本語が苦手という点をどのように克服するか検討してゆきたい。
テーマ1 在留外国人の定義
1 何を学ぶか
在留外国人という名称と定義について考える。何故に、この名称が選ばれたのか。その他に相応しい名称はないか。在留外国人の数が増えている実際を数字で理解する。
2 学習到達目標
日本語にまだ慣れていないことで、どのような問題点が生じるか説明することができる。言語サービスという概念の誕生とその発展を時系列的にフォローしてゆくで、外国人の比率が数十%以上に達した欧米諸国と比較して、日本はどのような点が異なるか説明することができる。
3 課題
① 言語サービスはなぜ必要なのかレポートにまとめる。
② 自分の住んでいる自治体で外国人に提供される言語サービスの内容をレポートにまとめる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ2 言語サービスの主体
1 何を学ぶか
言語サービスと多言語サービスの違いについて学び、言語サービスを提供する主体として地方自治体が最適であることを理解する。
2 学習到達目標
① 法的な観点からの、地方自治体の役目を説明することができる。今度はどのような視点から、法整備が行われてゆくべきか説明することができる
② マイナーな言語の話者がかかえる問題点について説明できる。
③ 在留外国人の増加の程度を予想して、地方自治体がどのようなことをするべきか説明できる。
3 課題
自分が経験した外国人とコミュニケーションするときの問題点を互いに紹介しあう。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ3 言語サービスの対象者
1 何を学ぶか
言語サービスの対象者は誰か。げんごサービスの主体とどのように互いと関連する考察する。オーバーステイの外国人はどのように向かい合うか、そしてその子どもたちはどのような教育が必要か。そもそも、言語サービスを行うその法律的な根拠は何か、単なる善意で行っているのか、検討する。
2 学習到達目標
① どのような外国人に言語サービスを提供すべきか説明できる。世界的に話し手の多い言語話者とマイノリティ言語の話者に対してのサービスの違いを説明できる。
② 出身国別の外国人の言語問題の違いを説明できる。
③ 言語サービスの法的根拠を説明できる。
3 課題
① 日本語や英語以外の母語保持教育について考える。
② 緊急事態では、外国人はどの言語に頼るかを説明する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ4 公務員が提供するサービス
1 何を学ぶか
① 公務員とは全体の奉仕者であることを確認する。
② 在留外国人の数が増加している現在を確認する。
③ 地方自治体で働く公務員が在留外国人に対して、どのような言語サービスを行っているか確認する。
2 学習到達目標
① 外国人雇用管理主任者とはどのような仕事か説明できる。
② Visaやpassportの概念について説明ができる。在留カードの歴史や現在の機能について説明できる。
③ 外国人が住民基本台帳に掲載されるまでのプロセスを理解して説明できる。
④ 市民課や外国人課の役割や外国人に対してのサービスの概要を説明できる。
3 課題
① 外国人雇用管理主任者とはどのような役目を行うかまとめる。
② 外国人実習制度についてまとめる。
③ 在留カードの機能についてまとめる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ5 やさしい日本語
1 何を学ぶか
外国人向けに提案されてきた易しくされた日本語の歴史や概要を調べて、どのような役割を果たしているか学ぶ。そして、「やさしい日本語」を普及する場合の問題点を考える。「やさしい日本語」は英語や外国人の母語とどのように異なるか学ぶ。
2 学習到達目標
① やさしい日本語の成立に大きく関与した「簡約日本語」について説明できる。
② 「やさしい日本語」の生まれた必要性について説明できる。
③ 「やさしい日本語」を用いることができる。
3 課題
① 外国人に対して日本語で話したときに感じた問題点を、受講者同士で共有し合う。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ6 日本語の国際化について
1 何を学ぶか
①海外で日本語教師が直面する問題点を考える。
②日本語教師として生計をたてる場合の問題点を考える。
2 学習到達目標
① 日本語教育の国際的な広がりについて説明できる。
② 日本語能力試験、日本語教育能力検定試験などの制度を説明できる。
③ 国連での公用語には何があるか説明できる。
3 課題
① 各国で日本語を学んでいる人の最新の数を調べてみる。
② 外国人に対して日本語で話したときに感じた問題点を、受講者同士で共有し合ってみる。
③ 日本語能力検定試験はどのような目的で作られたのか述べよ。
④ 日本語教育と国語教育の違いを述べよ。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ7 日本語が話せない子どもたちの増大
1 何を学ぶか
① 外国人が直面する問題点をいくつか列挙して、その対策を考えてみる。その中で、日本語の能力の有無がどのような問題点を生み出すか考えてみる。
② 国民である場合(国籍を取得した場合)と永住権を持っている場合の違いについて考える。
2 学習到達目標
① 市役所で外国人の世話をする課の仕事の内容を説明できる。
② 外国人への地方自治体の責任を説明できる。
③ 窓口となる公務員の必要な語学力を説明できる。
3 課題
① 近隣の市町村の役場を訪問して、外国人の世話をする部署について調べてみる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ8 ダブルリミッド
1 何を学ぶか
ダブル・リミテッドとは何か。どのような社会的な背景から生まれたのか考えてみる。減算的バイリンガリズムと加算的バイリンガリズムを調べる。減算的バイリンガリズムを防ぐ手立てを考えてみる。CALPとBICSについて調べる。
2 学習到達目標
① 野生児の事例を調べることで、言語習得の臨界期について説明できる。
② 複数の言語を子どもの時に習得することから生まれる長所と短所を説明できる。
③ ダブル・リミテッドはどのような場合に生まれるか説明できる。
3 課題
自分に子どもができたとして、各国に滞在しなければならないとして、どのような言語教育を与えるか受講者同士で議論し合う。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ9 文化の違い
1 何を学ぶか
① 世界には様々な文化があり、在留外国人もそれらの文化を背景にしていることを理解する。
② 食文化の違い(例えば、イスラム教の子どもが来て、豚肉が食べられないというケースを想定して、どのように対処するかなど)を検討する。あるいは、女性のかぶるベールなど、衣服の習慣なども理解して、日本社会がどのように受け入れるか学ぶ。
2 学習到達目標
① 異文化の子どもをどのように日本に受け入れるべきか説明ができる。
② 異文化の違いで起きる摩擦について説明できる。
③ 異文化間摩擦の克服の仕方について説明できる。
3 課題
① 世界に多発する民族問題と言語の事例を収集する。取りわけ多文化社会がどのように対処してきたか、自分事として考える。
② 近所にハラール対応のレストランがあるか調べてみよう。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ10 社会とルール
1 何を学ぶか
① 西洋人と非西洋人に対しての日本人の態度の違いなどを考える。
② 敬語の使用が社会全体に組み込まれている日本社会の特質を知る。
2 学習到達目標
① 日本の社会でのルールが在留外国人達にどのように映るか説明できる。
② 敬語などの使い方を説明できる。
③ 面接やお辞儀などの文化的な相違を説明できる。
3 課題
① 面接の時の様子の違いを西洋と日本とで比較してみる。
② 握手とかお辞儀の仕方を在留外国人にどのように教えるか考察する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ11 人権宣言
1 何を学ぶか
① 世界言語権宣言を読みながら、言語権という概念について考える。
② 差別をなくすために、国際連合が果たしている役割を考察する。
2 学習到達目標
① 人権宣言の骨子を説明できる。
② マイノリティの権利宣言の内容を説明できる。
③ 様々な宣言(子どもの権利条約、国際人権規約)などの意義を説明できる。
3 課題
① それぞれの宣言を時系列的にまとめてみましょう。
② これらの宣言が在留外国人の言語活動にどのように影響を与えるか考えてみる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ12 国籍の取得
1 何を学ぶか
① 日本国籍を取得する手続きを説明できる。
② ビザの更新、永住権の取得、とはどのようなことなのか、検討する。
2 学習到達目標
① 国籍を取得するとどのような面で利点があるのか説明ができる。
② 出生地主義と血統主義の違いについて説明できる。
③ 二重国籍について説明できる。
3 課題
① 近所で不就学の外国人児童を見かけた場合、どのようにするか話し合う。
② 日本国籍を保持していない場合、児童生徒はどのような不利な取扱を受けるか考える。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ13 法廷通訳他
1 何を学ぶか
① 司法通訳とは何か、を知る。
② 司法通訳が必要とされる背景を知る。
③ 日本語が不自由な外国人が、犯罪の被害者、加害者として関与した場合にどのような問題点が生じるか考える。
2 学習到達目標
① 法廷通訳の必要性について説明できる。
② マイナーな言語の通訳人の必要性ついて説明できる。
③ 諸外国のとうてい通訳人について説明できる。
3 課題
① 年間で必要とされる法廷通訳人の数を言語別に調べる。
② もしも弁護、検察、裁判で同じ通訳人が兼ねたらどのような弊害が起こるのか考える。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ14 国際観光都市と多言語
1 何を学ぶか
① 外国人向けの標識やポスター、ホームページなどの充実を検討する。
② 主要都市以外の都市への外国人観光客を呼びこむ方法を考える。
2 学習到達目標
① 外国人観光客と在留外国人との違いについて説明できる。
② オーバーツーリズムの問題について説明できる。
③ 観光業が振興することで、在留外国人の言語サービスにどのように貢献するか説明できる。
3 課題
① 受講生が滞在する市町村へ外国人観光客を増やすための政策をいくつか挙げてみる。
② いわゆる観光地を1つ選び、外国人観光客を迎入れる方策がどのように行われているか現地調査をおこなう。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ15 望ましい多文化共生社会
1 何を学ぶか
① 多文化共生社会とはどのような社会であるか調べる。
② シンガポールの事例を調べて、どのように多文化共生社会を維持しているか考察する。
③ 日本が今後進むべき社会の姿を思い浮かべる。
2 学習到達目標
① 諸外国で多文化共生社会を標榜している国が直面している問題点を説明できる。
② 先進国で行われている多文化共生社会を説明できる。
③ 外国人の比率が一割を超える社会の状況を説明できる。
3 課題
① 小中小学校では、多文化共生社会を考えさせる教材のあり方を考察する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
資料
【授業】被服学概論
Ⅰ 学修の概要
衣環境学視点で被服の着用目的、要求性能、要求機能を解説する。被服材料学的には繊維や織物・編物の種類、構造、性質、生産の基礎を講義し、それらを基に被服の企画、製造、流通、購入、着用、管理、廃棄の流れを解説する。
また、人体側から被服を考え、衛生的で健康的な衣生活を送るための基礎的知識を、被服材料が持つ様々な性能と絡めながら講義する。
開講中に2回のレポート課題を与える。
Ⅱ 学修到達目標
快適で健康的な衣生活を営むために、被服に関する基礎的知識を幅広く修得する。
(1) 被服の機能と性能が理解できる。
(2) 被服の基となる繊維や布帛についての基礎知識が修得できる。
(3) 被服と人体との関係を理解することで、快適性の基本的知識が修得できる。
(4) 被服の企画、製造から購入、着用、管理までの流れが理解できる、
(5) 自分の衣生活を振り返ることで、快適で合理的な衣生活の指針を得ることができる。
被服学は様々な学問分野と関連していることが理解できる。
Ⅲ 目 的
被服着用の目的を明確にするとともに、着装行動に影響を与える要因を分析できるようにする。また、被服材料の種類、性能について十分把握し、衣服の種類によってどのような素材をどのようにデザインすれば、合理的で快適な衣生活ができるか考える能力を養う。更に被服材料がもたらすであろう地球環境への影響についても考える能力を養う。
被服生産現場では、どのように被服が設計・生産され、どのように製造されているか、現状把握ができるようにする。
中学校・高等学校の家庭科教員免許を取得するための、被服材料科学分野の必修科目である。
第1講 序論 衣環境学から考える被服 本論:ファッションと生活
1.概要(何を学ぶか)
被服は第2の皮膚として、人間を取り巻く第1の環境を形成する、非常に重要なものであることを認識・理解する。
被服の様々な着装起源を学び、自分の着装行動を振り返って分析する。
太平洋戦争後の社会構造の変化と、ファッションの変遷との関連を考え、現在のファッションのあり方を学ぶ。
2.学修到達目標
(1) 人間を中心にした生活環境の広がりを理解できる。
(2) 衣服のさまざまな着装起源について説明できる。
(3) 衣服の快適性追究が地球環境にもたらす影響を理解できる。
(4) 衣服の快適性追究が人間にもたらす影響を理解できる。
(5) 人間の歴史とファッションの歴史の関係を説明できる。
(6) 近代工業化と衣服の既製服化を理解できる。
(7) 高度経済成長と既製服化の進展の歴史が理解できる。
(8) 人間の心理的欲求とファッションのかかわりを理解できる。
(9) 社会構造の問題がファッションに与える影響を理解できる。
3.追究トピックス
(1) 人間の様々な着装起源説を自分の今の着装状態と関係させて説明しなさい。
(2) 快適性の追究が環境に与える悪影響について、事例をあげて考察しなさい。
(3) 大流行したファッションを例にあげ、その時の社会背景と関連させて流行の状態を考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第2講 被服の機能と材料に求められる性能
1.概要(何を学ぶか)
被服の着装行動に影響を及ぼす様々な要因について学び、自分の着装行動を分析して説明できるようにする。
衣環境がより快適であるために、被服材料に対して大変多くの性能を求めていることを学ぶ。繊維製品の主要製品ごとに、求められる性能が異なっていることを理解し、主要製品の事例をあげて説明できるようにする。
2.学修到達目標
(1) 被服の着装行動に影響を及ぼす要因について説明できる。
(2) 被服の保健衛生的機能と社会生活機能が説明できる。
(3) 衣環境の快・不快は感覚受容器で感受されることを知る。
(4) 被服材料には様々な性能が求められることを理解できる。
(5) 被服材料に要求される性能を主要製品ごとに説明できる。
3.追究トピックス
(1) 自分の着装衣服を自分の着装行動に照合させて説明しなさい。
(2) 被服購入時、被服にどのような性能を求めて購入するか、アイテム別に説明しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第3講 被服用天然繊維の種類と分類、性能
1.概要(何を学ぶか)
被服材料に多く利用されている天然繊維について、分類方法や種類を把握する。植物繊維と動物繊維に分けて、主成分、構造、性能、特徴、利用分野を学び、快適な衣生活を送る指針を得る。
2.学修到達目標
(1) 繊維は高分子物質であることを理解できる。
(2) 天然繊維の分類方法と種類について説明できる。
(3) 植物繊維の主成分、構造、性能、特徴、利用分野を説明できる。
(4) 動物繊維の主成分、構造、性能、特徴、利用分野を説明できる。
3.追究トピックス
(1) 綿と麻は主成分が同じなのに、なぜ性能が異なるか説明しなさい。
(2) 羊毛と絹は主成分が同じなのに、なぜ性能が異なるのか説明しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第4講 被服用化学繊維の種類と分類、性能
1.概要(何を学ぶか)
被服材料に多く利用されている化学繊維について、分類方法や種類を把握する。再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機繊維に分けて、主成分、構造、性能、特徴、利用分野を学び、快適な衣生活を送る基礎知識を得る。
繊維は衣服だけではなく、産業資材としても大変大量に生産使用されている現状を学ぶ。
2.学修到達目標
(1) 化学繊維の分類方法と種類について説明できる。
(2) 再生繊維、半合成繊維、合成繊維の分子構造の違いが説明できる。
(3) 化学繊維の紡糸方法について説明できる。
(4) 再生繊維の主成分、構造、性能、利用分野が説明できる。
(5) 半合成繊維の主成分、構造、性能、利用分野が説明できる。
(6) 合成繊維の主成分、構造、性能、特徴、利用分野が説明できる。
(7) 特殊繊維の利用分野について、事例をあげて説明できる。
3.追究トピックス
(1) 再生繊維の3種類は主成分が同じであるが、若干性能が異なっている。その原因を追究しなさい。
(2) 合成繊維の3種類は利用分野が若干異なっている。その理由を考察しなさい。
(3) 日常生活には様々な繊維が利用されている。被服以外に利用されている材料を、事例をあげて考察しなさい
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第5講 被服用糸の種類と性能
1.概要(何を学ぶか)
綿や羊毛の短繊維の紡績方法を学び、繊維からどのように糸にするかを説明できるようにする。
絹や化学繊維の長繊維から、どのように糸にするかを学ぶ。
糸の分類方法、性能や風合いに影響を与える構成因子などについて学び、糸の太さを表す表示方法を理解する。
2.学修到達目標
(1) 綿や羊毛など短繊維の紡績工程の概略について理解できる。
(2) 絹など長繊維の製糸工程の概略について理解できる。
(3) 糸の形態が布の風合いに与える影響について説明できる。
(4) 糸の風合いに影響を与える構成因子を説明できる。
(5) 糸の太さを表す番手法について説明できる。
3.追究トピックス
(1) 縫製用縫い糸とレース糸を分解して組織の違いを考察しなさい。
(2) 自分の衣服を、紡績糸使用とフィラメント糸使用に分類しなさい。
(3) 綿ミシン糸(カタン糸)を数種類分解して、表示番手数と細さの違いを考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第6講 被服用織物の製造、構造、性能、分類
1.概要(何を学ぶか)
被服材料の多くを占める織物について、その製造法や組織を学び、構成因子の違いによって、様々な風合いを持つ織物ができあがることを学ぶ。実際の被服がどのような織物でできているか、体験的に調査してその理由を理解する。
世界各地の伝統的な織物を学び、伝統衣装との関連を探る。
2.学修到達目標
(1) 織物の製造法の原理について説明できる。
(2) 織物の基本組織と変化組織について説明できる。
(3) 織物の風合いや表情に影響を与える構成因子を説明できる。
(4) 代表的な織物の名称と素材と組織の関係を説明できる。
3.追究トピックス
(1) 自分が着用しているジャケットやズボンの組織を観察しなさい。
(2) 素材と組織の違いで布名称がつけられていることを調査しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第7講 被服用編物の構造、分類、組織、性能
1.概要(何を学ぶか)
被服材料に利用されている編地について、その製造法や組織を学び、構成因子の違いによって、様々な風合いや表情を持つ編地ができ上がることを学ぶ。
どのような繊維製品が編地なのか、どうして編地なのかを、自分が着用している衣服を事例に体験的に知る。
2.学修到達目標
(1) 編物の製造法の原理について説明できる。
(2) 緯編の基本組織と変化組織について説明できる。
(3) 経編の基本組織と変化組織について説明できる。
(4) 編物の風合いや表情に影響を与える構成因子を説明できる。
(5) 代表的な編地の名称と素材と組織の関係を説明できる。
(6) 織布と編地の性能の違いを説明できる。
3.追究トピックス
(1) 自分が着用している肌着やインナーの組織を観察しなさい。
(2) 自分が着用している被服を、織物と編物に分類し、その風合いや着用感を比較して考察しなさい。
(3) 繊維製品が持つ様々な性能が、織物と編物でどのように異なるか考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第8講 繊維製品の染色
1.概要(何を学ぶか)
織物や編物が製織・製編後製品として消費者に渡る前に、どのような加工や染色がなされているかを学ぶ。
天然染料と化学染料に分けて、様々な染料の化学的構造と、各種繊維材料との物理的・化学的相性を学ぶ。
いろいろな染料の染色堅牢性を繊維材料と関連させ、消費者として繊維製品の取り扱い方法や管理方法を学ぶ。
2.学修到達目標
(1) 主な天然染料について説明できる。
(2) 主な合成染料の種類と、対象繊維素材が説明できる。
(3) 日本の伝統的染色方法をあげて比較説明ができる。
(4) 主な繊維素材とその染色方法について説明できる。
(5) 染色堅牢度の種類について説明できる。
3.追究トピックス
(1) 浸染法と捺染法にわけて、その染色原理を比較説明しなさい。
(2) 染色された自分の衣服アイテムについて、その染色方法を推測し、着用中はどの染色堅牢度が重要か考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第9講 被服の製造と品質管理
1.概要(何を学ぶか)
アパレル製品の企画、主資材や副資材の選定、パターン作成、裁断、縫製、流通、販売という製造過程を学ぶ。
各製造過程における品質管理はどうあるべきか、生産者側と消費者側双方の立場から考える。
アパレル生産工業は労働集約型産業であることを学び、今後の繊維産業の方向性を探る。
2.学修到達目標
(1) アパレル商品の企画から販売までの流れを説明できる。
(2) アパレル商品の主資材と副資材の種類と、それぞれの資材に必要な消費科学的特性因子が説明できる。
(3) アパレル商品の工業的生産工程について説明できる。
(4) アパレル商品の品質管理にかかわる因子を説明できる。
3.追究トピックス
(1) アパレル製品の製造において、手作り単品製作と工業的大量生産の相違点を考察しなさい。
(2) マーキング作業において最も重要なことは何か考察しなさい。
(3) 縫製仕様書にはどのような事が重要視されているか考察しなさい。
(4) 大量生産現場における品質管理者が最も気を付けなければならないことは何か考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第10講 人体の発熱と放熱 被服による皮膚温・体温維持作用
1.概要(何を学ぶか)
人間の自律神経の働きを学んだあと、人間の体温維持作用を学び、体温と皮膚温の関連を学ぶ。
環境の快適温熱条件、身体の体温維持作用、被服の衛生的性能の相互の関連を学ぶ。
被服材料の衛生学的諸性能が、被服気候に与える影響を考え、理想的な被服気候と最良の着心地を考える。
2.学修到達目標
(1) 人間の体温維持の生理と、自律神経の関係を説明できる。
(2) 人間の快適環境条件と被服の保温性の関係を説明できる。
(3) 被服気候の快適条件を説明できるとともに、体温と皮膚温の関係を説明できる。
(4) 被服材料の衛生学的性能と着心地の関係を説明できる。
3.追究トピックス
(1) 環境の温熱条件と生活環境の快適条件の関係を考察しなさい。
(2) 夏季と冬季の着用状態を比較して、被服層と空気層の被服気候を考察しなさい。
(3) 人間にとって快適な着用状態とはどのような温熱条件なのか考えなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第11講 被服による皮膚障害、衣料公害
1.概要(何を学ぶか)
衣服の着装時に発生する健康障害を、衣服圧など物理学的側面から、歴史的背景と現状を学ぶ。
人体に悪影響を及ぼす被服、衣料公害や香害について、洗剤や加工剤など化学的側面から、歴史と現状を学ぶ。
衛生的で健康的な衣環境は、どのような着装をすれば達成できるかを考える。
2.学修到達目標
(1) 衣服圧の発生原因と身体への悪影響について説明できる。
(2) 皮膚の汚染原因を分類し、対処方法について説明できる。
(3) 衣服による皮膚障害について、物理的刺激と化学的刺激に分けて説明できる。
3.追究トピックス
(1) 自分の着装状態から、どのような衣服がどの部位に衣服圧を発生しているか考察しなさい。
(2) 衛生的で健康的な衣生活を送るため、日常生活で気をつけることは何か、事例をあげて考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第12講 洗浄理論、仕上げ加工、保管
1.概要(何を学ぶか)
被服は、着用、洗濯、仕上げ、保管の4行程のサイクルで使用され、最後には廃棄されることを理解する。
日常生活において、被服に付着する汚れについて、種類や主成分、性質を学ぶ。
被服に付着する汚れの性質に対応させた適切な洗浄方法を学び、洗浄理論を学ぶ。
家庭洗濯において、効果的に汚れを除去する条件と、合理的な保管方法について学ぶ。
2.学修到達目標
(1) 日常生活における汚れの種類と効果的対処法を説明できる。
(2) 市販洗剤の種類(界面活性剤の種類)と汚れの種類を対応させて、効果的洗浄方法について説明できる。
(3) 洗浄の条件をあげて、効果的洗濯方法を説明できる。
(4) 繊維製品の素材に合わせた合理的保管方法を説明できる。
3.追究トピックス
(1) これまでの自分の洗濯方法を分析して、より効果的な洗濯方法を考察しなさい。
(2) 日本における春と秋の衣替えの重要性を考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第13講 繊維特性による品質苦情
1.概要(何を学ぶか)
被服着用中に発生しやすい繊維素材の損傷事例について、その発生原因を探る。
被服材料の違いによって、発生する損傷形態が異なっていることを学ぶ。
品質苦情が起きないようにするにはどうすればよいか、生産者側と消費者側から、それぞれ対処法を考える。
自分の衣生活において発生した損傷事例をあげて、その原因と対処法を考える。
2.学修到達目標
(1) アパレル製品の消費者苦情について、事例を説明できる。
(2) アパレル製品の消費者苦情の原因を把握するため、製造過程における特性要因について説明できる。
(3) 第2講から第4講で学修した各繊維特性と関連させ、品質苦情を防止するにはどうすれば良いか説明できる。
(4) 消費者苦情が起きないようにするため、生産者として注意すべきことが説明できる。
(5) 自分の衣生活における被服の損傷事例など、具体的な苦情事例の原因と対処法を説明できる。
3.追究トピックス
(1) 自分のこれまでの衣生活を振り返り、アパレル製品に発生した不都合事例をあげ、解決方法を考察しなさい。
(2) アパレル製品の品質苦情が社会問題になった事例をいくつか挙げて、生産者側で注意すべき点と、消費者側で注意すべき点を考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第14講 被服の廃棄問題
1.概要(何を学ぶか)
被服材料の廃棄量が他の製造業と比べて多い理由を考えるとともに、日本における被服廃棄の実態を学ぶ。
被服の廃棄には特殊な事情があることを学び、またリサイクルしにくい側面がある事を学ぶ。
被服の廃棄量を減らすために、生産者側と消費者側の双方の立場から現実的方策を考える。
2.学修到達目標
(1) 被服の製造工程中に発生する素材廃棄の現状を説明できる。
(2) 消費者がどのように衣服を廃棄しているか説明できる。
(3) 被服の廃棄量を減らすための、企業努力と消費者行動を具体的に説明できる。
3.追究トピックス
(1) 被服の廃棄に関する世界的問題と日本での問題を調査しなさい。
(2) 自分の衣生活を振り返り、廃棄量を減らす方策を考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第15講 繊維製品の品質表示、原産国表示、各種の表示
1.概要(何を学ぶか)
家庭用品品質表示法に定められていることを学び、自分の衣服の実際の表示と照合して、表示内容を学ぶ。
不当景品類及び不当表示防止法に定められている内容を学び、実際の表示と照合して、表示内容を学ぶ。
各種繊維製品についている品質保証マークを調べ、その保証内容を学ぶ。
2.学修到達目標
(1) 家庭用品品質表示法に定められている、繊維製品の表示ついて説明できる。
(2) 家庭洗濯等取扱い表示(洗濯絵表示)について説明できる。
(3) 原産国表示が定められている法規とその内容が説明できる。
(4) アパレル製品の様々な品質保証マークを理解できる。
3.追究トピックス
(1) 家庭用品品質表示法と不当景品類及び不当表示防止法の内容を調査して、内容の詳細を述べなさい。
(2) 表示内容を一般消費者に浸透させる方策を考察しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
資料
デジタルアーキビスト講座 ~ デジタルアーカイブの起源と未来 ~
趣 旨:
デジタルアーキビストとは,文化・産業資源等の対象を理解し,著作権・肖像権・プライバシー等の権利処理を行い,デジタル化の知識と技能を持ち,収集・管理・保護・活用・創造を担当できる人材のことをいいます。
ここでは、デジタルアーキビスト資格と絡め知的財産人材の育成を行います。
プログラム:
1.「なぜ、デジタルアーカイブなのか? 地域創成とデジタルアーカイブ活用」
吉見俊哉氏(國學院大學教授・東京大学名誉教授)
動 画
資 料
2.「『デジタル時代のアーカイブ系譜学』~アーカイブの概念史~」
加藤 諭氏(東北大学学術資源研究公開センター 史料館 教授)
動 画
資 料
3.「企業におけるデジタルアーカイブ」
大橋秀亮氏(TOPPAN株式会社 チームリーダー)
動 画
資 料
コーディネータ:井上 透氏(岐阜女子大学教授)
■ e-Learning(オンデマンド講座)
デジタルアーカイブ概論【Ⅰ】 ~ デジタルアーカイブによる地域活性化 ~
デジタルアーカイブ概論【Ⅱ】 ~ デジタルアーカイブにおける新たな価値創造 ~(構想中)
デジタルアーカイブ概論【Ⅲ】 ~ 知識循環型社会における知的財産権 ~(構想中)
学校DX戦略コーディネータ講座 ~ 学校DX戦略とその理論 ~
趣 旨:
学校DX戦略コーディネータは,学校や教育機関においてデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の計画,実施,および評価をし,効果的に推進する役割を担う専門家を育成します。
プログラム:
1.「次期教育課程と教育DX」
武藤久慶氏(文部科学省・教育課程課長)
動 画
2.「GIGAスクール時代に相応しい授業のために」
東原義訓氏(信州大学名誉教授・東原学び研究所)
動 画
資 料
3.「セカンドGIGAへの展望と課題」
堀田龍也氏(東京学芸大学大学院教育学研究科・教授)
動 画
資 料
コーディネータ:村瀬康一郎氏(岐阜女子大学教授)
🔳 e-Learning(オンデマンド講座)
学校DX戦略コーディネータ概論【Ⅰ】 ~ 教育DX時代における新たな学び ~
学校DX戦略コーディネータ概論【Ⅱ】 ~ 学校DX戦略の策定と展望 ~
学校DX戦略コーディネータ概論【Ⅲ】 ~ カリキュラム開発と学びのデザイン ~(構想中)
学校DX戦略コーディネータ概論【Ⅳ】 ~ 教育DX時代における教材開発 ~(構想中)
【公開講座】デジタルアーカイブ概論
~ デジタルアーカイブによる地域活性化 ~
第1講 デジタルアーカイブの基礎
1.目 的
デジタルアーカイブは、「デジタル」と「アーカイブ」という言葉からできた和製英語と言われています。デジタルアーカイブとは何か? デジタルアーキビストに必要な能力は何か?ここでは、言葉の意味と発展の歴史から、基本的な考え方を理解し、今後のデジタルアーカイブの方向性を考えます。
2.学習到達目標
① デジタルアーカイブとは何か説明できる。
② デジタルアーカイブがどのように発展してきたかについて具体例をあげ説明できる。
③ デジタルアーキビストに求められている能力について具体的に説明できる。
3.課 題
① デジタルアーカイブとは何か自身の立場で説明しなさい。
② デジタルアーカイブがどのように発展してきたか説明しなさい。
③ デジタルアーキビストに求められている能力は何か自身の立場で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第2講 デジタルアーカイブ開発と活用プロセス
1.目 的
デジタルアーカイブの利用は、資料の提示や提供から始まり、課題解決、知的創造等の処理へと進みます。またデジタルアーカイブを活用し、新しい「知」の創造を求め、さらに新しい「知」と人々の経験を付加し、新たな知的活動へと発展します。ここでは、デジタルアーカイブの開発と活用プロセスについて考えます。
2.学習到達目標
①デジタルアーカイブの活用について具体例を挙げて説明できる
②資料の選定評価について説明できる。
③デジタルアーカイブのプロセスや記録方法について説明できる。
3.課 題
①デジタルアーカイブの活用について具体例を挙げて説明してください。
②資料の選定評価の課題について説明してください。
③デジタルアーカイブのプロセスや記録方法について説明してください。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第3講 デジタルアーカイブの評価とメタデータ
1.目 的
デジタルアーカイブは、対象とする資料(情報資源)の分野も多岐にわたり、プロジェクト規模なども異なるため、それぞれにあわせた評価手法が求められます。そこで、本講では、デジタルアーカイブの自己点検ツールとして考案された「デジタルアーカイブアセスメントツール」の内容を把握し、その評価項目の中でも重視されているメタデータについて、記述のための国際標準、国際指針として制定されている事例から学びます。
2.学習到達目標
① 「デジタルアーカイブアセスメントツール」の内容について説明できる。
② 記述のための国際標準、国際指針などの事例について説明できる。
③ 資料(情報資源)のメタデータ記述ができる。
3.課 題
① 「デジタルアーカイブアセスメントツール」の評価項目の内、あなたが重要だと思う項目について、なぜそう思うかを含めて説明してください。
② 具体的に何か資料(情報資源)を一つ取り上げ、その資料のメタデータ記述項目を設定した上で実際の記述を行ってください。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第4講 デジタルアーカイブの利活用
1.目 的
デジタルアーカイブは、1990年代の初期から、過去から現在の資料をデジタル化し、次の世代への伝承と現状での利活用を目指して開発が進められてきた。デジタルアーカイブの基本は、過去~現在の資料の収集・保管、デジタル化、さらに現状での利活用と次の世代への伝承である。
過去~現在の各種資料を収集・保管し、次のように使われる。
①次世代へのデジタルコンテンツの確かな伝承
②国内外のデジタルコンテンツの流通と利活用
ここでは、図書館や博物館等におけるデジタルアーカイブの利活用について考える。
2.学習到達目標
① 図書館におけるデジタルアーカイブの実践例を具体的に説明できる。
② 博物館におけるデジタルアーカイブの実践例を具体的に説明できる。
③ デジタルアーカイブの共通利用について説明できる。
3.課 題
① 図書館におけるデジタルアーカイブの実践例を具体的に説明しなさい。
② 博物館におけるデジタルアーカイブの実践例を具体的に説明しなさい。
③ デジタルアーカイブの共通利用について説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第5講 デジタルアーカイブによる地域活性化
1.目 的
知識基盤社会においてデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという本学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,地域課題に実践的な解決方法を確立するために,地域に開かれた地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成をする。このことにより,地域課題に主体的に取り組む人材を養成する大学として,伝統文化産業の振興と新たな観光資源の発掘並びにデジタルアーカイブ研究による地方創成イノベーションの創出について具体的に考える。
2.学習到達目標
① デジタルアーカイブと地域課題解決について説明できる。
② 地方創成イノベーションの創出について具体的に説明できる。
3.課 題
① 飛騨高山匠の技デジタルアーカイブにより,地域の文化産業を振興するための方策を3つ挙げて説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
※本映像は本学の学部の授業(情報の管理と流通)の内容の一部を利用して提供しています。
6.資料
第6講 文化はどのように記録するの?
1.目 的
近年,デジタルアーカイブの対象である“文化”の意味が以前に比べて広がっていること,“文化”は時代によって変化するものであることを理解し,様々な文化のデジタル化(記録),デジタル化の際の留意点について学びます。
2.学習到達目標
①デジタルアーカイブの対象である“文化”について説明できる。
②記録に応じて,多様なデジタル化の方法を説明できる。
③記録の際の留意点について説明できる。
3.課 題
① 身近な“文化”をひとつ挙げ,具体的な記録方法を挙げてください。
② ①で挙げた記録方法の特性を説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.資料
③ 沖縄おうらい
第7講 デジタルデータはどのように管理・流通するの?
1.目 的
情報社会においてデジタル化・データの蓄積をする意味について理解し,具体的なデータの管理方法および流通方法について学びます。また,情報社会におけるデジタルアーカイブの管理と流通の重要性についても考えます。
2.学習到達目標
①デジタルアーカイブの資料データの管理に必須であるメタデータの役割について説明できる。
②データの流通について多様な発信方法があることを理解し,説明できる。
③情報社会においてデータの管理と流通が重要である理由を説明できる。
3.課 題
① デジタルアーカイブにおいて,なぜ管理と流通が重要なプロセスであるのか,具体例を挙げて説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.資料
② 情報の発信と伝達
第8講 デジタルアーカイブと知的財産権(1)
1.目 的
デジタルアーキビストとして、アーカイブを計画し、そして資料収集し、そして構築し、そして利用許諾し、また運用していくという、こういったときに必要な権利処理について説明する。
2.学習到達目標
① デジタルアーキビストに著作権処理の能力が必要であることについて具体的に説明ができる。
② 著作者の権利について具体的に説明できる。
③ 著作権の契約書を作成できる。
3.課 題
① デジタルアーキビストに著作権処理の能力が必要であることについて具体的に説明しなさい。
② 著作者の権利について具体的に説明しなさい。
③ 著作権の契約書を作成しなさい。
4.プレゼン資料
第9講 デジタルアーカイブと知的財産権(2)
1.目 的
著作権について、自分の立ち位置とは関係ない形で第三者的に実践の試みの良い部分と課題について理解を深め、基本的な理解を図った後に、実践の中から法律など制度的な課題について考えます
2.学習到達目標
① デジタルアーカイブの実践における著作権に関する課題について説明できる。
② 著作権のデジタルアーカイブの活用に関する課題について具体例を挙げて説明できる。
3.課 題
1.デジタルアーカイブの実践における著作権に関する課題について説明しなさい。
2.著作権のデジタルアーカイブの活用に関する課題について具体例を挙げて説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第10講 ジャパンサーチとデジタルアーカイブ活用基盤
国立情報学研究所名誉教授 高野明彦氏
1.目 的
ジャパンサーチは,書籍等分野,文化財分野,メディア芸術分野など,さまざまな分野のデジタルアーカイブと連携して,我が国が保有する多様なコンテンツのメタデータをまとめて検索・閲覧・活用できるプラットフォームである.このジャパンサーチについて理解を深め,基本的な理解を図った後に,メタデータの連携⽅法について考えます.
2.学習到達目標
① ジャパンサーチの目的について説明できる.
② メタデータの連携方法について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
① ジャパンサーチについての課題について説明しなさい.
② ジャパンサーチAPIの活⽤例について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像資料
第11講 世界のデジタルアーカイブの発展とその活用
東京大学大学院情報学環 時実象一氏
1.目 的
デジタルアーカイブの種類っていうふうに考えていったときに,書籍,文書,新聞それからテレビ・放送,映画,音楽・音声,舞台芸術,写真,それから美術品があります.その他にも,それとかあとはウェブページ,ゲーム,ソフトウェア,その他というようなのがあります.ここでは,世界のデジタルアーカイブの発展とその活用について考えます.
2.学習到達目標
① 世界のデジタルアーカイブの動向ついて説明できる.
② 世界のデジタルアーカイブを俯瞰して,その活用の変化について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
① ジャパンサーチについての課題について説明しなさい.
② ジャパンサーチAPIの活⽤例について具体例を挙げて説明しなさい.
3.プレゼン資料
4.映像資料
第12講 デジタルアーカイブと法制度の現在地点
骨董通り法律事務所パートナー弁護士 福井健策氏
1.目 的
著作権について,自分の立ち位置とは関係ない形で第三者的に実践の試みの良い部分と課題について理解を深め,基本的な理解を図った後に,実践の中から法律など制度的な課題について考えます.
2.学習到達目標
① デジタルアーカイブの実践における著作権に関する課題について説明できる.
② 著作権のデジタルアーカイブの活用に関する課題について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
① デジタルアーカイブの実践における著作権に関する課題について説明しなさい.
② 著作権のデジタルアーカイブの活用に関する課題について具体例を挙げて説明しなさい.
③ デジタルアーカイブ憲章について,課題を説明しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像資料
第13講 AIと人間の学び
赤堀侃司(東京工業大学名誉教授)
1.目 的
第1次AIブームから第2次AIブームへと移り変わり、生成AIを活用する人間の学びに変化が生じています。これからの私たちの学びに必要となる7つの資質能力とAIについて学びます。
2.学習到達目標
① 第1次AIブームから第2次AIブームへと移り変わり、変化した生成AIの学びについて説明することができる。
② 生成AIの発展により、私たちの学びに求められる7つの資質能力について説明することができる。
3.課 題
① 生成AIの進化から、これからの私たち人間の学びに求められる資質能力について説明しなさい.
4.プレゼン資料
AIと人間の学び(赤堀先生)
5.映像資料
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6.資 料
① AIと人間の学び 壁の向こうで答えているのはAIか人か? (単行本)発売日 : 2022/3/31
② 第11講「AIと人間の学び」デジタルアーカイブin岐阜2023(赤堀先生)
第14講 人とAIの学習研究から考えるこれからの教育
益川弘如(聖心女子大学教授)
1.目 的
人はどのように学ぶのか、また、どのようなときに深く学ぶのかという認知科学の知見に基づき,人の学びと人工知能やAIがつくり上げていく知能を比較することで、AIとの共生時代である今、人間としての「価値ある学び」やそれらの活用による私たちの学びの変容について学びます。
2.学習到達目標
① AI時代における「価値ある学び」について説明することができる。
② 人工知能や生成AIを活用した際の人間の学びの変容について説明することができる。
③ 生成AIを活用した具体的な授業事例から、学習観や授業観をとおして私たちの学びの本質を説明することができる。
3.課 題
① AI時代における「価値ある学び」とデジタル化された情報との関係について説明しなさい.
② 人工知能や生成AIの効果的な活用と私たちの学びの変容について説明しなさい.
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.資料
② 第12講「人とAIの学習研究から考えるこれからの教育」
第15講 人工知能(AI)とデジタルアーカイブの現状と未来
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.目 的
「人工知能とデジタルアーカイブの一体化が未来のブレークスルー,デジタル文化遺伝子となる」というアイディアについて、「AIとデジタルアーカイブの関係」、「デジタルアーカイブの利活用」、「生成AIの驚異的進化」、「AIとデジタルアーカイブが創る未来」、「デジタル文化遺伝子を目指して」の5つの内容から学びます。
2.学習到達目標
① 生成AIとデジタルアーカイブのそれぞれの機能からみた関係性について説明することができる。
② デジタルアーカイブを活用した人工知能との一体化によってもたらされる新たな可能性とは何か、説明することができる。
③ デジタル文化遺伝子というアイディアについて説明することができる。
3.課 題
① デジタル文化遺伝子の重要な役割とは何か、800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
人工知能(AI)とデジタルアーカイブの現状と未来(澤井先生)
5.動画資料
6.資料
2.第13講「人工知能(AI)とデジタルアーカイブの現状と未来」
テキスト
【テキスト】
1.2023版デジタルアーカイブ概論_テキスト(最終)久世_20240401
2.2023版デジタルアーカイブ概論_テキスト(最終)久世_20240401(Word版)
3.2023版デジタルアーカイブ概論_テキスト(最終)久世_20240509
4.2023版デジタルアーカイブ概論_テキスト(最終)久世_20240509(Word版)
【公開講座】人工知能(AI)概論
~ AI(人工知能)の過去から未来へつなぐ ~
Ⅰ はじめに
本講座では、コンピュータの歴史を振り返り、人工知能(AI)の誕生から現在までの進化を解説します。また、AIが今後どのように教育に活用されるのかについて、展望します。
今日のトランスフォーマー革命は機械翻訳の精度を大幅に向上させ、生成AIを誕生させました。生成AI(ChatGPTやGemini等)はAIが人間のような会話を生成できる技術です。
今後必要となるのはAI倫理です。正確無比のデジタルアーカイブとAIの両者の一体化と、その活用の仕方が未来の課題だということを理解します。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
本講座の目的は、AIの過去・現在・未来について幅広く学ぶことです。教育にAIがどのように活用されるのか、AIと共生する未来を生き抜くための教育とは何かについて、考察する機会を提供することをねらっています。
Ⅲ 授業の教育目標
① デジタル社会の「読み書きそろばん」として必須となるAIを理解する。
② AIはコンピュータの発展と密接な関係があることを理解する。
③ AIのデジタルアーカイブとAI文化を理解する。
第1講 AIの過去から未来へのプロローグ ー『コンピュータ歴史博物館』が語るAI文化
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
AI時代の教育「人工知能(AI)の過去・現在・未来」の講座を通して、コンピュータの歴史とAI時代を生きる哲学について学んでいきます。
三浦謙一博士の紹介による「米国シリコンバレーのコンピュータ歴史博物館が語るAI文化」からAIの過去・現在・未来を理解します。
2.学修到達目標
① コンピュータ歴史博物館が語るAI文化について説明できる。
② AI誕生からシンギュラリティにいたるAIの過去・現在・未来を説明できる。
③ 何をどのように学び、如何に自分の資質・能力をアップグレードするかについて考えることができる。
3.課題
① 結婚相手を探す時に信用するのはAIが選んだ人ですかそれとも親が選んだ人ですか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
AIの過去から未来へのプロローグ ー『コンピュータ歴史博物館』が語るAI文化
5.動画資料
6.テキスト
第2講 知能の迷宮を解き明かす-暗号解読とチューリングテストの謎めく挑戦
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
AI時代の教育「人工知能(AI)の過去現在未来」の講座を通して、コンピュータの歴史とAI時代を生きる哲学について学んでいきます。
内容は「知能の迷宮を解き明かすー暗号解読とチューリングテストの謎めく挑戦」です。
アラン・チュリーング(A. M. Turing)が解読不能と言われた「エニグマ」暗号の解読に成功し、汎用コンピュータの誕生やチューリングテストを経て、ダートマス会議で「人工知能(AI)」という言葉が誕生したことを理解します。
2.学修到達目標
① アラン・チュリーングの暗号解読とチューリングテストについて説明できる。
② 汎用コンピュータとAI誕生とについて事例を挙げて説明できる。
③ 日本のコンピュータと日本のAIについて考えることができる。
3.課題
① 貴方はAIの教師と人間の教師どちらから学びますか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
知能の迷宮を解き明かす-暗号解読とチューリングテストの謎めく挑戦
5.動画資料
6.テキスト
第3講 知識が翼を得る瞬間-知識表現とエキスパートシステムの知の舞台裏
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
第2次AIブーム「知識の時代」の代表的な研究成果である第五世代コンピュータプロジェクト、 知識表現形式、機械翻訳、エキスパートシステムを学び、知識(暗黙知)獲得の問題を理解します。
2.学修到達目標
① 第五世代コンピュータプロジェクトを説明できる。
② 知識表現形式、機械翻訳、エキスパートシステムについて事例を挙げて説明できる。
③ 知識(暗黙知)獲得の問題について考えることができる。
3.課題
① AI搭載の自動運転の車は、信号無視で突然歩行者が飛び出した時、壁に激突してでも歩行者を救うべきか、それとも歩行者を犠牲にしてドライバーの命を救うべきか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
知識が翼を得る瞬間-知識表現とエキスパートシステムの知の舞台裏
5.動画資料
6.テキスト
第4講 人間の脳の謎と深層学習の魔法 目を持ったコンピュータが見せる未知の領域
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
「コンピュータが目を持つ」という大変ワクワクするような講座です。「人間の脳のなどと深層学習の魔法 目を持ったコンピュータが見せる未知の領域」というテーマです。
今回の狙いは、第3次Alブームでは「深層学習(ディープラーニング)」がAIを大きく変えました。具体的には、コンピュータが目を持つようになる畳み込みニューラルネットワーク(CNN)等の登場について理解します。
2.学修到達目標
① 3つの機械学習(教師あり/教師なし/強化学習)を説明できる。
② 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)について事例を挙げて説明できる。
③ リカレントニユーラルネットワーク (RNN)について事例を挙げて説明できる。
3.課題
① 人間の医師とAI手術ロボット、どちらに命を預ける?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
人間の脳の謎と深層学習の魔法 目を持ったコンピュータが見せる未知の領域
5.動画資料
6.テキスト
第5講 シンギュラリティの扉を叩け
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
AIが人間を超える「シンギュラリティ」という大変ドキドキするような講座です。「シンギュラリティの扉を叩け-AIが覆す人間の世界チャンピオン」というテーマです。
狙いは、データサイエンスとDX、探索と推論、チェスコンピュータの開発、AI時代のバックギャモンと将棋・囲碁の順にお話ししてまいります。最近のDXやデータサイエンスの背景には、バックギャモンやチェス等の中心的な例題があり、多くの探索アルゴリズムや並列計算技術など広く普及している技術が生み出されていることを理解いたします。
2.学修到達目標
① DXやデータサイエンスの背景を説明できる。
② バックギャモンやチェス等の中心的な例題がAI技術をけん引したことを説明できる。
③ 多くの探索アルゴリズムや並列計算技術などが生み出されたことを説明できる。
3.課題
① AIを使って何をすれば生産性を倍増し、国際競争に勝てるか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第6講 機械翻訳の新時代-トランスフォーマー革命と「生成AI」の驚異的進化
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
トランスフォーマー革命は、生成AI(ChatGPT、Gemini等)を誕生させました。生成AIは人間のような会話を生成できる技術です。その技術が、機械翻訳精度の向上、産業、医療領域や農業等に応用されていることを理解します。
2.学修到達目標
① トランスフォーマー革命が生成AIを誕生させたことを説明できる。
② トランスフォーマー革命により機械翻訳精度が向上したことを説明できる。
③ AIが産業、医療や農業等に応用されていることについて事例を挙げて説明できる。
3.課題
① AIが作った小説、論文、楽曲やプログラム等の著作権はAIにあるか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
機械翻訳の新時代-トランスフォーマー革命と「生成AI」の驚異的進化
5.動画資料
6.テキスト
第7講 AIの過去・現在・未来 - 未来への飛翔 –
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
日本のAI戦略は教育から始まること、教育に利用される生成AI、重要なAI事例である自動運転自動車や、世界で話題になっている国際的なAIのルール作り及びその根底にあるAI倫理を理解します。
2.学修到達目標
① 日本のAI戦略は教育から始まることを説明できる。
② 教育に利用される生成AIや自動運転について,事例を挙げて説明できる。
③ 国際的なAIのルール作りとAI倫理について考えることができる。
3.課題
① 自動運転車が引き起した事故は、誰が責任を負うべきか?について考察し,あなたの考えを800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第8講 人工知能(AI)とデジタルアーカイブの現状と未来
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
「人工知能とデジタルアーカイブの一体化が未来のブレークスルー,デジタル文化遺伝子となる」というアイディアについて、「AIとデジタルアーカイブの関係」、「デジタルアーカイブの利活用」、「生成AIの驚異的進化」、「AIとデジタルアーカイブが創る未来」、「デジタル文化遺伝子を目指して」の5つの内容から学びます。
2.学修到達目標
① 生成AIとデジタルアーカイブのそれぞれの機能からみた関係性について説明することができる。
② デジタルアーカイブを活用した人工知能との一体化によってもたらされる新たな可能性とは何か、説明することができる。
③ デジタル文化遺伝子というアイディアについて説明することができる。
3.課題
① デジタル文化遺伝子の重要な役割とは何か、800字で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第9講 AIと人間の学び
赤堀侃司(東京工業大学名誉教授)
1.何を学ぶか
第1次AIブームから第2次AIブームへと移り変わり、生成AIを活用する人間の学びに変化が生じています。これからの私たちの学びに必要となる7つの資質能力とAIについて学びます。
2.学修到達目標
① 第1次AIブームから第2次AIブームへと移り変わり、変化した生成AIの学びについて説明することができる。
② 生成AIの発展により、私たちの学びに求められる7つの資質能力について説明することができる。
3.課題
① 生成AIの進化から、これからの私たち人間の学びに求められる資質能力について説明しなさい.
4.プレゼン資料
プレゼン資料(赤堀先生)
5.動画資料
6.テキスト
7.資 料
1.AIと人間の学び 壁の向こうで答えているのはAIか人か? (単行本)発売日 : 2022/3/31
第10講 人とAIの学習研究から考えるこれからの教育
益川弘如(聖心女子大学教授)
1.何を学ぶか
人はどのように学ぶのか、また、どのようなときに深く学ぶのかという認知科学の知見に基づき,人の学びと人工知能やAIがつくり上げていく知能を比較することで、AIとの共生時代である今、人間としての「価値ある学び」やそれらの活用による私たちの学びの変容について学びます。
2.学修到達目標
① AI時代における「価値ある学び」について説明することができる。
② 人工知能や生成AIを活用した際の人間の学びの変容について説明することができる。
③ 生成AIを活用した具体的な授業事例から、学習観や授業観をとおして私たちの学びの本質を説明することができる。
3.課題
① AI時代における「価値ある学び」とデジタル化された情報との関係について説明しなさい.
② 人工知能や生成AIの効果的な活用と私たちの学びの変容について説明しなさい.
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第11講 生成AIと学習コンテンツ
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
人工知能AIは社会のあらゆる分野に影響を与え始めており、現在「生成AI世代が日本をどう変える!」と言われています。というのも現在大学で学んでらっしゃる学生さんは大体宿題を作ったり宿題を書いたり論文を作ったりする時に生成AIを使われます。そういう意味で生成AIを含む超AIの発展は教育分野にも大きな影響を与え従来の教育方法では対応できない新たな課題が生じています。
2.学修到達目標
① 超AI世代と2つの超AI世代教育について説明できる。
② 3つある生成AI世代用学習コンテンツを説明できる。
③ 体験学習と個別学習の学習コンテンツおよびその他の要素について、事例を挙げて説明できる。
3.課題
① 生成AIを活用してどのような学習コンテンツを作成したら良い授業になるか考察し、あなたの考えを800字以内で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第12講 教師あり学習を用いたAI倫理
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
現在の第4次AIブームでは、自動運転や画像診断など私たちの暮らしにAI技術が急速に入り込んできています。21世紀の基幹テクノロジーとされるAIとどう付き合い、その活用をどこまで許容していくのか?EUではAI倫理に基づく輸入規制を計画しており、日本のAI倫理が問われています。
2.学修到達目標
① AI倫理の定義と背景を説明できる。
② GIGAスクール構想でAI倫理チャットボットが必要になった理由を説明できる。
③ AI倫理処理で用いる「教師あり学習」について説明できる。
3.課題
① GIGAスクール構想でAI倫理チャットボットをどのように活用したら「いじめ」が減るかを考察し、あなたの考えを800字以内で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第13講 マルチモーダル生成AI共同によるAI倫理処理
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
2023年9月25日、新たな機能追加で、ChatGPT(チャットGPT)がついに目と声を手に入れました。具体的には、ChatGPTに画像解析機能と音声出力機能が追加され、マルチモーダル生成AIが登場しました。その後、各社のマルチモーダル生成AIが開発され、マルチモーダル生成AIは驚異的な発展を行っています。マルチモーダル生成AIとは、異なる種類のデータを組み合わせたり、関連付けたりして処理する人工知能(AI)システムで、生成AIの一種です。マルチモーダル生成AIは、テキスト、音声、画像、動画、センサ情報など、複数の異なるデータの種類(脳が知覚できる様相、Modality)から情報を収集し、統合して処理することで、より豊かな情報を処理し、深い理解や洞察を提供することができると言われています。
2.学修到達目標
① マルチモーダル生成AIについて説明できる。
② 3種のマルチモーダル生成AI共同による倫理問題の解決法を説明できる。
③ モーダル論理の定義を説明できる。
3.課題
① マルチモーダル生成AIのハルシネーションを防ぐにはどのようにしたら良いかを考察し、あなたの考えを800字以内で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第13講 「マルチモーダル生成AI共同によるAI倫理処理」テキスト
第14講 超AIと世界遺産
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
生成AIの脅威的な進展に伴い、早ければ、2020年代後半には業務に依存しない人工汎用知能AGIや、人工超知能ASIが登場すると言われています。
2.学修到達目標
① AIを超える世代教育の必要性を説明できる。
② 世界遺産の事例で先人がどのような文字で「知」を継承したか説明できる。
③ マルチモーダル生成AIの活用事例が説明できる。
3.課題
① 世界遺産の謎を解明するには超AIをどのように活用したら良いかを考察し、あなたの考えを800字以内で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
第15講 AIを超える世代教育
澤井進(岐阜女子大学特任教授)
1.何を学ぶか
2023年12月17日にOpenAIの「超知性」誕生に備える研究チームが、GPT-2(弱いAI)モデルで、GPT-4のように強力なAI(強いAI)を制御する方法を説明しました。OpenAIは、人間よりもはるかに賢いAIである「超知性」が2033年までの10年間で開発されると推測しており、「スーパーアライメントチーム」を立ち上げ、超知性を制御するための研究が行われています。
2.学修到達目標
① マルチモーダル生成AIから発展した2種の「超AI」を説明できる。
② 「AIを超える世代教育」の狙いと授業の仕方を説明できる。
③ 超AIとデジタルアーカイブの役割を説明できる。
3.課題
① 超AIとデジタルアーカイブを活用してどんな社会、そしてどんな未来を実現したいかを考察し、あなたの考えを800字以内で説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
6.テキスト
資料
AI(人工知能)講座 ~ AI(人工知能)最前線 ~
趣 旨:超スマート社会(Society 5.0)の実現に向け,AIを活用して社会課題を解決し,新たな価値を創造できる人材の活躍が期待されている.世界的にAI人材不足が深刻化するなか,各企業の間で優秀なAI人材の争奪戦が行われており,AI人材育成に対するニーズが高まっている.ここでは,次のような内容でAI人材育成を行う。
プログラム:
1.「生成AIの現在地」
加藤邦人氏(岐阜大学工学部人工知能研究推進センター長)
動 画
「生成AIの現在地」については、リンク先で視聴できます。(パスワード必要)
資 料
2.「実践事例から学ぶ生成AIを活用した効果的な教育への応用」
安藤 昇氏(青山学院大学非常勤講師・工学院大学ICTアドバイザー)
動 画
資 料
3.「生成AIスタートアップ、ビジネスでの生成AI活用」
寺澤滉士良氏(株式会社neoAI・取締役 COO(松尾研究室))
動 画
資 料
コーディネータ:澤井進氏(岐阜女子大学特任教授)
🔳 e-Learning(オンデマンド講座)
AI(人工知能)概論【Ⅰ】 ~ AI(人工知能)の過去から未来へつなぐ ~
AI(人工知能)概論【Ⅱ】 ~ AI(人工知能)最前線 ~(構想中)
【授業】書道研究Ⅰ
Ⅰ はじめに
日本における漢字仮名交じりの書の発生とその展開については,書跡としての発生は平安から鎌倉にかけての時代に遡るとはいえ,「漢字仮名交じりの書」という書芸術のジャンルが生まれてからは日が浅いため,その内容と形式についての学術的な研究成果の蓄積が不十分な状況にある.しかしその一方で,高等学校芸術科書道においては,漢字の書,仮名の書と並んで取り上げられるなど,社会的・教育的な位置づけが高まりつつある。現代においては「漢字仮名交じりの書」の歴史的な検討やその評価規準の確立が強く求められている。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
漢字仮名交じりの書の内容と形式の変遷をたどる.また,日本近代の文化人は,墨書やペン書によって数多くの手紙を遺しているが,その多くは「候文」などの特色ある表記によるものとはいえ,現代につながる漢字仮名交じり文によって書かれており,「漢字仮名交じりの書」の制作において,参考とすべきものの一つとなっている.本講義では,漢字仮名交じりの書の長い伝統を踏まえて,その中で定着した手紙の書式とその表現について学びつつ,さらに現代の漢字仮名交じり書作品へ活用する方法について考える.
Ⅲ 授業の教育目標
手紙の書式と表現について理解し,手紙の持つ「漢字仮名交じりの書」としての表現の特質と,それを現代の書の制作に活用する方法について考えることができる.
第1講 漢字仮名交じりの書の発生と展開
1.何を学ぶか
(1)漢字仮名交じりの書の発生
(2)漢字とかなの調和
(3)漢字仮名交じりの書と書式
2.学習到達目標
(1)漢字仮名交じりの書の発生と展開について,漢字とかなの調和の観点を踏まえて,説明することができる.
(2)漢字仮名交じりの書のさまざまな書式について,その具体例を挙げて,説明することができる.
3.研究課題
(1)鎌倉時代の絵巻詞書に見られる漢字仮名交じりの書について,その特徴をまとめなさい.
(2)近世初期の色紙や巻物に見られる漢字仮名交じりの書について,その特徴をまとめなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第2講 手紙の歴史と日本語の表記
1.何を学ぶか
(1)日本における手紙の歴史
(2)表記法としての候文
2.学習到達目標
(1)日本における手紙の歴史について,その概略を説明することができる.
(2)候文の漢語的表現に概ね習熟し,その活字化された文献について,読解を試みることができる.
3.研究課題
(1)藤原佐理《離洛帖》の手紙としての魅力について考察しなさい.
(2)候文の漢語的表現について,謙譲などの敬語的な側面から,その特徴をまとめなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第3講 手紙の書式とその書き方
1.何を学ぶか
(1)手紙の目的と書式
(2)巻紙による手紙の書き方
2.学習到達目標
(1)手紙の目的とそれに応じた書式について,その具体例を挙げて,説明することができる.
(2)巻紙による手紙の書き方について,その概略を説明することができる.
3.研究課題
(1)お見舞・お礼などの手紙の目的を明確にして,かつ具体的な宛先を想定して,巻紙による手紙を書きなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第4講 手紙の読解と鑑賞―安田靭彦―
1.何を学ぶか
(1)良寛讃仰
(2)正しさと確かさと
2.学習到達目標
(1)安田靭彦が良寛の書の紹介において果たした役割について,年譜などの事歴にもとづいて説明することができる.
3.研究課題
(1)墨法の効果などの点から,安田靭彦の書の特質について分析し,まとめなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第5講 手紙の読解と鑑賞―土田麦僊―
1.何を学ぶか
(1)平明の天才
(2)穏やかさへのあこがれ
2.学習到達目標
(1)手紙の内容と書きぶりから,筆者の人間性について想像し,説明することができる.
3.研究課題
(1)安田靭彦の書と土田麦僊の書とを比較して,その共通点・相違点について分析し,まとめなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第6講 手紙の読解と鑑賞―鏑木清方―
1.何を学ぶか
(1)芸術の持つ役割
(2)是非もなきこと
2.学習到達目標
(1)手紙の読解を通じて,戦時における芸術,あるいは芸術家の役割についての,鏑木清方の考えを推察し,説明することができる.
3.研究課題
(1)日本画家の手紙の書の特質について,この講義で取り扱った3人の書を比較しながら,考察しなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第7講 手紙の読解と鑑賞―黒田清輝―
1.何を学ぶか
(1)明治の洋画壇
(2)本文と追而書
(3)速筆と切り返し
2.学習到達目標
(1)黒田清輝の手紙の書の特質について,用筆や運筆の観点から,説明することができる.
3.研究課題
(1)候文という文体のもつ特質について,くり返し音読してから,話し合いなさい.
(2)本文と追而書の部分の内容を読み比べて,追而書の役割について考察しなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第8講 手紙の読解と鑑賞―小出楢重―
1.何を学ぶか
(1)人と人とをつなぐもの
(2)書の線と絵画の線
2.学習到達目標
(1)手紙の内容と書きぶりから,筆者と宛名の人物との人間関係について想像し,説明することができる.
3.研究課題
(1)小出楢重の書の魅力について,その画と見比べながら,話し合いなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第9講 手紙の読解と鑑賞―藤田嗣治―
1.何を学ぶか
(1)作戦記録画
(2)彩管報国
2.学習到達目標
(1)手紙の読解を通じて,藤田嗣治が作戦記録画《アッツ島玉砕》を制作し,発表した事由について,説明することができる.
3.研究課題
(1)歴史的事実を明らかにするうえで,資料としての手紙が果たす役割について,考察しなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第10講 手紙の読解と鑑賞―伊藤左千夫―
1.何を学ぶか
(1)洒々落々たる味
(2)画に題する歌
2.学習到達目標
(1)手紙の内容と書きぶりから,筆者の人間性について想像し,説明することができる.
3.研究課題
(1)伊藤左千夫の書の魅力について,その詠歌や文章を参考にしながら,話し合いなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第11講 手紙の読解と鑑賞―長塚節―
1.何を学ぶか
(1)澄明さ・濁りのなさ
(2)結核という病
2.学習到達目標
(1)手紙の内容と書きぶりから,筆者の人間性について想像し,説明することができる.
3.研究課題
(1)長塚節が自分の病気とどのように向き合ったか,その詠歌を参考にしながら,考察しなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第12講 手紙の読解と鑑賞―斎藤茂吉―
1.何を学ぶか
(1)長塚節と茂吉
(2)粘着気質の人
2.学習到達目標
(1)手紙の内容と書きぶりから,筆者の人間性について想像し,説明することができる.
3.研究課題
(1)斎藤茂吉の編集者としての仕事ぶりについて,考えたことをまとめなさい.
(2)いわゆる「アララギ派」の歌人たちの系譜をたどりながら,歌人と書との関わりについて,考察しなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第13講 手紙の読解と鑑賞―萩原朔太郎―
1.何を学ぶか
(1)昭和十三年六月六日
(2)表記への「こだわり」
2.学習到達目標
(1)手紙の内容と書きぶりから,筆者の人間性について想像し,説明することができる.
3.研究課題
(1)手紙の内容と筆者の年譜とを照合しながら,手紙の書かれた時日を特定していく過程について,まとめなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第14講 手紙の読解と鑑賞―高村光太郎―
1.何を学ぶか
(1)光太郎書の変遷
(2)「造形」と「試み」
2.学習到達目標
(1)高村光太郎の手紙の書における書きぶりの変遷について,様式によりその時期を分けて,説明することができる.
3.研究課題
(1)葉書という書式の特徴について,高村光太郎の場合を具体例として,考察しなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第15講 手紙の書美と制作への活用
1.何を学ぶか
(1)気息の表現―新鮮さ―
(2)初心の表現―純真さ―
(3)率意の表現―自然さ―
(4)手紙に学ぶ
2.学習到達目標
(1)手紙の魅力やその内容と書きぶりとの関わりについて,この講義の内容を踏まえて,説明することができる.
(2)手紙における書表現を漢字仮名交じりの書の制作に活かす方法について,この講義の内容を踏まえて,説明することができる.
3.研究課題
(1)手紙を書くことの意義について,自分が考えていることをまとめた上で,話し合いなさい.
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
Ⅳ レポート課題
課題1
第6講:研究課題(1)について,レポートにまとめなさい.
※冒頭に,自分なりの「題名」を記してから,本文を書いてください。
※レポートは,wordで作成し,PDFファイルで提出のこと.分量は,A4:1枚程度.自分がもっとも適切と考える書式設定で作成してください.
課題2
第14講:研究課題(1)について,レポートにまとめなさい.
※冒頭に,自分なりの「題名」を記してから,本文を書いてください。
※レポートは,wordで作成し,PDFファイルで提出のこと.分量は,A4:1枚程度.自分がもっとも適切と考える書式設定で作成してください.
Ⅴ アドバイス
課題1解説
近代の日本画家は,洋画とは異なる日本画の独自性を求めたといわれています.そのとき彼らが注目したのは,日本画の線のもつ性格(線性)であったとされています.彼らは,線のもつどのような性格に注目したのでしょうか.3人の日本画家と良寛の書との関わりをヒントにして考えてみましょう。
課題2解説
高村光太郎は,生涯にわたって,数多くの書簡を残しています.それらの多くは『高村光太郎全集』に収録されていますが,それらの記録と実際の肉筆とを比較してみると,彼の感じ方や考え方をうかがうことのできる,新たな発見があります.そこから,彼が葉書という書式(メディア)をどのようにとらえていたかを考えてみましょう.
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
手紙における書表現を漢字仮名交じりの書の制作に活かす方法について,この講義の内容を踏まえて,あなたの考えを説明しなさい.
※冒頭に自分なりの「題名」を記してから,本文を書いてください。
※レポートは,wordで作成し,PDFファイルで提出のこと.分量は,A4:1枚程度.自分がもっとも適切と考える書式設定で作成してください.
Ⅶ テキスト
○住川英明著『書道研究Ⅰ』 2024 岐阜女子大学
Ⅷ 参考文献
○野中吟雪著『書を語る』 2017 芸術新聞社
○古谷稔著『漢字かな交じりの書』 1998 雄山閣
○小松茂美編『日本書道辞典』 1987 二玄社
○書学書道史学会編『書道史年表事典』 2007 萱原書房