乗鞍岳
乗鞍岳
<雄大な火山地形をみせる複成火山>
標高2,700ⅿ付近まで自動車で登れる乗鞍岳は、三つの火山体が重なりあってできている山の総称で、23個にもなる標高2,500ⅿを越える高峰が南北に延々数㎞も連なっている。
乗鞍火山の噴出物は、標高2,400ⅿ付近まで分布する基盤岩類の上にわずか500~600ⅿの厚さで載っている。また凝灰岩などの火砕岩類が少なく、おもに安山岩質~デイサイト質の溶岩からできていることを特徴としている。
火山活動は、第四紀中期の30万年ほど前から始まり、北から烏帽子、鶴ヶ池、権現池の三つの火山体がつくられた。それぞれの火山体は、古い成層火山体と新期の噴出物からなる。最も大きくて新しい権現池火山体は、乗鞍火山体の南半分を占め、主峰剣ヶ峰(標高3,026ⅿ)もこの火山体の一部にあたる。
標高が高い乗鞍岳の頂上付近には、地面の凍結と融解により砂れきが亀の甲羅状にならぶ構造土と呼ばれるものがみられる。ここは日本で最初に構造土が発見された場所である。
<引用文献>
岐阜県高等学校地学教育研究会編著『アース ウオッチング イン 岐阜』90頁 岐阜新聞社 出版局発行 平成7年
関連資料
4-1 乗鞍岳
資料集
110_319_乗鞍岳