天狗総本店
天狗総本店
所在の場所 岐阜県高山市本町1丁目21番地
所有者の氏名又は名称 山口房子(個人所有)
建築年代 昭和11年夏
施工 西田清
員数 1棟
構造及び形式並びに大きさ 木造、2階建、
建築面積102.96㎡、延床面積205.92㎡
飛騨の本格的精肉店。外観2階で、一見城館のようなデザインをもち、上部は当初の姿を残しているが、下階は外観・間取りに手が入っている。
故山口倍次郎が、地元大工棟梁・西田清に建てさせた。北陸の金沢、富山等の大きな精肉店にあやかって「天狗」の屋号を用いた。この肉と天狗との結び付きは、食物の洋風化が始まった明治初期に京都で『肉料理大天狗』という書物が出ていることが源といわれる。
外観は洋風だが、内部は木造和風。当時としては珍しい冷凍用モーター設備があった。
〈特徴〉
伝統的な城下町にハイカラを持ち込んだ洋館建である。外観をよく残す。2階角柱上部の楕円型装飾と渦巻型柱頭、屋根部分の馬蹄型アーチ模様、小尖塔などがきわだつ洋風詳細で、隅の2階部分にベランダを付設するため一度内側へ屈折し凹状に、扉部分は外開きで直線状になり錯覚で凸状にみえ、バロック的雰囲気が濃厚である。
1階で肉販売、2階はすき焼きの座敷があり高山のハイカラであった。今も肉屋を営業。近年、壁面が塗り替えられた。