【授業】教育方法論
【授業】教育方法論
Ⅰ はじめに
「令和の⽇本型学校教育」に⽰された学校の姿では,多様化する学習者と学びの多様化への対応が求められて
いる。「主体的で対話的で深い学び」,「個別最適な学び」と「協働的な学び」をどのように授業の中で実現してい
くか,授業のつくり方をどのようにすればよいかを,本講義では「インストラクショナルデザイン」を基に考え
る。「主体的で対話的で深い学び」の背景にある理論や様々な教育方法についても触れるとともに,ICT 活用の
理論と方法も検討する。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
どのように授業を実施すればうまく教えられるでしょうか︖ どのように教材や学習環境を工夫すれば学習
者はうまく学べるでしょうか︖ この講義では,授業設計にかかわる基本的な考え方,授業場面での指導技術,
ICT(情報通信技術)の効果的な活用や情報社会の中で学び続ける⼒の育成方法を学ぶ。
最新のインストラクショナルデザイン理論の理解とそれに基づく授業や教材設計の方法について,また令和の
学校教育の姿である「主体的・対話的で深い学び」の理解と実現法について,定評のある教科書を読み解き,課
題に取り組むことを求める。
Ⅲ 授業の教育目標
(1)⼦供に育むべき資質・能⼒を理解し,教育方法を工夫する意義を説明できる。
(2)学習指導案の基本的な要素と作成の流れを理解し,実際に設計できる。
(3)学習者を支援する基本的な指導技術を身に着け,活用することができる。重要度を決定することを考える。
(4)ICT を活用する意義や理論を理解し,学習指導や公務に位置づけて説明できる。
(5)情報活用能⼒を育成する意義および育成方法を身につける。
予習事項
☆各講とも予習事項として,教科書各章の表紙にある「やってみよう」に取り組んだのち,各章を精読する。
テーマ1 これからの⼦どもたちに育みたい資質・能⼒
1.何を学ぶか
・学校で⼦どもたちは何を学習するのか
・「学⼒」の定義を探る
・これからの世界を生きるために
2.学習到達目標
・「学⼒」を⼦どもたちに育みたい⼒と捉えることができる
・学⼒の様々な分類を説明できる
・これからの社会を生きていくために求められる⼒がどのようなものであるかを説明できる
3.研究課題
テキスト第1 章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ2 教師に求められる授業⼒とは
1.何を学ぶか
・授業を実践するために必要な知識
・授業を実践するために必要な知識
・省察的実践家としての教師
・教師として学び続けるために
2.学習到達目標
・これからの教師に求められる資質・能⼒を説明できる
「省察的実践家」としての教師の姿を説明できる
3.研究課題
テキスト第2章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ3 授業を作るということ
1.何を学ぶか
・授業ができるまで
・授業の基本形
・主体的・対話的で深い学びに向けて
2.学習到達目標
・授業づくりの基本的な考え方を説明できる
・「主体的・対話的で深い学び」の考え方と,授業づくりの関係について説明できる
3.研究課題
テキスト第3章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ4 評価をデザインする
1.何を学ぶか
・評価を⾏う意味
・目標と評価の関係
・学習目標を5 種類に分けて捉える
・学習目標に応じた評価の方法
2.学習到達目標
・評価をデザインする基本的な考え方と説明できる
・目標に合わせた評価方法を提⽰できる
3.研究課題
テキスト第4章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ5 学習環境のデザインとデジタル化
1.何を学ぶか
・「学習環境」,学びの空間をデザインする
・学習環境のデジタルトランスフォーメーション
・学習環境を活用する授業づくり
2.学習到達目標
・⼦どもたちを取り巻く「学習環境」と,目的に応じて構成する必要性を説明できる
・学習環境を構成する要素と目的に応じてデザインすればよいか考察できる
3.研究課題
テキスト第5章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ6 授業を支える指導技術(教師編)
1.何を学ぶか
・教室の中の教師と⽴ち居振る舞い
・発問・指⽰・説明・応答の実際
・⿊板・資料の提⽰
・ICT を活用した指導
2.学習到達目標
・発声,表情,板書など教師活動の技術やルールを説明できる
3.研究課題
テキスト第6章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ7 学びを引き出す指導技術(児童生徒編)
1.何を学ぶか
・仲間と学ぶ会う学級・⼀人ひとりは学ぶ学級と⼦どもとの関わり
・多様な特性を持つ児童生徒の学びを支援する
・学び合う集団づくり
・児童のICT 活用を指導する
2.学習到達目標
・学習者中心の授業のポイントを説明できる
・先人たちの工夫や知恵を学ぶ
3.研究課題
テキスト第7章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ8 学習目標の設定
1.何を学ぶか
・学習指導案の作成
・授業全の⼦どもの状態を把握する
・学習目標の明確化
・学習目標と学習課題
2.学習到達目標
・学習指導案の構成と要素を理解し,作成できる
・学習目標の計画課や観点別の整理ができる
・学習者の状態の把握のしかたを理解する
3.研究課題
テキスト第8章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ9 深い学びを導く教材研究
1.何を学ぶか
・深い学びと浅い学び
・教科書・教材の役割
・「深い学び」につながる課題分析
2.学習到達目標
・習得・活用・探求の授業場面を理解し想起できる
・「深い学び」につながる課題分析と方法を説明できる
3.研究課題
テキスト第9章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ10 主体的・対話的な学習過程
1.何を学ぶか
・単元の構成方法
・対話的な学習活動,主体的な学習活動
・ARCS モデル,自己調整学習
・探求と主体的。対話的な学習アプローチ
2.学習到達目標
・「対話的な学び」と「主体的な学び」を理解する
・ARCS モデル,学びの責任と自己調整学習を説明できる
・探求型アプローチを設計できる
3.研究課題
テキスト第10章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ11 学びが⾒える評価方法
1.何を学ぶか
・学びの質を問う評価
・学習者による評価
・⻑期的な取り組みを評価する
2.学習到達目標
・学習評価の意味と役割を説明できる
・学習の質を⾒極める評価方法を提⽰できる
3.研究課題
テキスト第11章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ12 ICT・デジタル教材を活用した学習活動
1.何を学ぶか
・ICT 活用と授業・学習観の変容
・ICT を活用した学習活動
・デジタル教材と先端字術の活用可能性
2.学習到達目標
・ICT の特徴と様々な活用場面・事例を理解する
・場学びのスタイルの応じた活用方法を提案できる
3.研究課題
テキスト第12章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ13 教科を横断した情報活用能⼒の育成
1.何を学ぶか
・情報社会を生きる⼒
・教科を横断した情報活用能⼒の育成
・プログラミング学習と指導
・情報モラル・情報セキュリティの指導
2.学習到達目標
・すべての教科・領域に関わる資質・能⼒としての「情報活用能⼒」を理解する
・様々な教科・領域での情報活用能⼒を育成しる授業や学習活動を構想できる
3.研究課題
テキスト第13章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ14 プログラミング学習の授業
1.何を学ぶか
・プログラミング的思考
・ビジュアル型プログラミング言語によるプログラミング学習
2.学習到達目標
・プログラミング教育の目的を説明できる
・自らビジュアル型プログラミングを⾏いプログラミング学習活動の在り方を理解する
・プログラミング学習の具体的授業を構想できる
3.研究課題
テキスト第14章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ15 テクノロジーによる授業の拡張と校務の情報化
1.何を学ぶか
・授業と家庭学習をつなぐICT
・個別最適な学びを実現するICT
・校務の情報化を進める意義
・学校外の学びの変化と学校・教師の役割
2.学習到達目標
・授業以外での学びを支えるICT 活用を理解し構想できる
・校務の情報化によるこれからの学校の姿を提案できる
3.研究課題
テキスト第15章の章末問題に取り組む
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
Ⅳ レポート課題
課題1
テキスト第1 講〜第8 講の章頭に事前学習として⽰されている「やってみよう」か
ら,興味をもったもの2つを選択して、回答してください。
回答の際には,ファイル名に,氏名,専攻,第〇講 の情報を必ず書いてください。
※興味とは,自分がもっと考えてみたいと思えたこと,と捉えてください。
※字数は,それぞれA4・1ページとします
課題2
テキスト第9講〜第15講の章頭に事前学習として⽰されている「やってみよう」か
ら,興味をもったもの2つを選択して,回答してください。
回答の際には,ファイル名に,氏名,専攻,第〇講 情報を必ず書いてください。
※興味とは,自分がもっと考えてみたいと思えたこと、と捉えてください。
※字数は,それぞれA4・1ページとします
Ⅴ アドバイス
課題1 解説 テキストの各章や動画を再度⾒直したり,参考⽂献を読んだりしてください。
「自分なりの解」を導き出すことを意識してください。
課題2 解説 テキストの各章や動画を再度⾒直したり,参考⽂献を読んだりしてください。
「自分なりの解」を導き出すことを意識してください。
Ⅵ 科目修得試験︓レポート試験
「インストラクショナルデザイン」を⼿がかりに,効果的・効率的・魅⼒的な授業づくりや学びの方法について,
自分の考えを具体的に述べることができる。インストラクショナルデザインに基づいた具体的な学びの例を提⽰し
説明できること。
Ⅶ テキスト
(下に⽰すテキストは必ず入⼿のうえ受講すること)
・教育の方法と技術Ver.2 稲垣忠編著 北⼤路書房 2022.12 発⾏
Ⅷ 参考文献
1)鈴⽊克明(2015)研修設計マニュアル 人材育成のためのインストラクショナルデザイン,北⼤路書房
2)岐⾩⼥⼦⼤学編︓教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザイン
3)C.M.ライゲルース他編,鈴⽊克明監訳(2020)学習者中心の教育を実現するインストラクショナルデザ
イン理論とモデル,北⼤路書房