【授業】国内旅行業務応用
【授業】国内旅行業務応用
Ⅰ はじめに
本科目は、旅行業務に関する国家試験である旅行業務取扱管理者(国内・総合)の試験科目の一つである「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」について学習する。約款とは、事業者が不特定多数の相手方(主に消費者)との間で大量の同種取引を迅速・効率的に行うために作成された典型的な内容の取引条項のことである。国家試験で求められる約款に対する知識は、標準旅行業約款、国内旅行運送約款、一般貸切力自動車運送事業標準運送約款、フェリー標準運送約款、そしてモデル宿泊約款である。これら約款で学習するのは、国が定める標準約款である。
旅行業等、その他観光・旅行にかかわる職に従事するためには、理解しておかなくてはならない事柄であり、観光専修においては必須科目としている。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
旅行業務取扱管理者の試験科目「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」に出題される基礎知識、専門知識を学び、合格点レベルの知識習得を目指す。
全講義対面で受講する学生においても、e-Learning動画を視聴することで何度も繰り返し学習することで理解が深まる。
Ⅲ 授業の教育目標
ここでは、15のテーマに基づき、それぞれのテーマの基礎・専門知識を身につけることとする。また、そのテーマに基づいた問題を解くことによって、理解を深めることができる。なお、第1講は対面とする。
第1講 旅行業法と約款、募集型企画旅行・受注型企画旅行・手配旅行・旅行相談・渡航手続き代行(対面)
1.何を学ぶか
旅行業務取扱管理者試験受験科目の一つである「旅行業約款、運送・宿泊約款」を学ぶにあたり、旅行業法と約款の違い、旅行業者等の業務内容である企画旅行、手配旅行、旅行相談および渡航手続代行とは何かを学ぶ。
2.学習到達目標
・旅行業法と約款の違いが分かる
・旅行業等の業務である募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行、旅行相談、渡航手続き代行とは何かが分かる
3.研究課題
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第2講 標準旅行業約款<募集型企画旅行契約>①
1.何を学ぶか
標準旅行業約款「募集型企画旅行契約の部」より、約款の適用範囲、約款に出てくるさまざまな用語の定義や旅行者との旅行契約締結の申込、予約、契約の拒否事由について学ぶ。
2.学習到達目標
・約款の適用範囲について理解する
・募集型企画旅行契約の定義について説明できる
・標準旅行業約款の用語について理解する
・募集型企画旅行契約の申込方法および契約の成立について理解する
・「適用範囲」「用語の定義」「契約の締結」に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第3講 標準旅行業約款<募集型企画旅行契約>②
1.何を学ぶか
標準旅行業約款「募集型企画旅行契約の部」より、旅行者との契約成立後交付する契約書面と確定書面の交付について、契約後の変更や解除の要件、変更する場合の旅行代金の取扱について学ぶ。
2.学習到達目標
・契約書面と確定書面の違いが分かり、説明できる
・募集型企画旅行契約の「契約の変更」と「契約の解除」について理解する
・募集型企画旅行契約の変更及び解除に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第4講 標準旅行業約款<募集型企画旅行契約>③
1.何を学ぶか
標準旅行業約款「募集型企画旅行契約の部」より、団体・グループ契約における契約締結と代表者の権限と義務について学ぶ。また、旅行業者が旅行者に対して行わなければならない業務の一つである旅程管理について添乗員の業務について学ぶ。
2.学習到達目標
・募集型企画旅行の「団体・グループ契約」の締結と契約責任者の義務について理解する
・募集型企画旅行の団体・グループ契約に関する問題の解答を導き出すことができる
・募集型企画旅行契約の旅程管理について理解する
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第5講 標準旅行業約款<募集型企画旅行契約>④
1.何を学ぶか
標準旅行業約款「募集型企画旅行契約の部」より、第7章「責任」と「特別補償」について学ぶ。旅行には、悪天候による運送・宿泊機関等の旅行サービスの中止や暴動、戦乱などトラブルがつきものである。このような場合の旅行業者が負う損害賠償責任の有無について学ぶ。
2.学習到達目標
・募集型企画旅行契約の特別補償について理解する
・旅行業者の責任の有無についてケースごとに判別することができる
・募集型企画旅行の旅程管理及び特別補償に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第6講 標準旅行業務約款<募集型企画旅行契約>⑤
1.何を学ぶか
標準旅行業約款「募集型企画旅行契約の部」より、「旅程保証」について学ぶ。旅程保証制度は、募集型企画旅行の旅程変更に対する苦情の増加を背景に1995年に標準旅行業約款の改正時、導入された。約款で定められる重要な旅程変更が発生した場合に旅行者へ支払われる変更補償金について学ぶ。
募集型企画旅行契約
・旅程保証
・旅行業者の免責事項
2.学習到達目標
・募集型企画旅行契約の旅程保証について理解する
・旅行業者の免責事項についてケースごとに判別することができる
・募集型企画旅行の旅程保証に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第7講 標準旅行業約款<受注型企画旅行契約>①
1.何を学ぶか
標準旅行業約款「受注型企画旅行契約の部」より、契約の成立、契約の変更と解除について学ぶ。
2.学習到達目標
・受注型企画旅行契約の定義について説明できる
・受注型企画旅行契約の方法について理解する
・受注型企画旅行契約の成立、変更および解除について理解する
・募集型企画旅行契約の成立・変更・解除との違いを説明できる
・受注型企画旅行契約の成立、変更、解除に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第8講 標準旅行業約款<受注型企画旅行契約>②
1.何を学ぶか
標準旅行業約款「受注型企画旅行契約の部」で定められている旅程管理、旅行業者の責任事項について学ぶ。
2.学習到達目標
・受注型企画旅行契約の旅程管理及び旅行業の責任について理解する
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第9講 標準旅行業約款<手配旅行契約>①
1.何を学ぶか
これまで学習した企画旅行(募集型・受注型)と手配旅行の定義の違いについて確認し、標準旅行業約款「手配旅行契約の部」で定められる契約の成立、契約の変更と解除について学ぶ。
2.学習到達目標
・手配旅行契約の定義について説明できる
・手配旅行契約の成立、変更と解除について理解する
・手配旅行契約に関する問題の解答を導きだすことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第10講 標準旅行業約款<手配旅行契約>②
1.何を学ぶか
標準旅行業約款「手配旅行契約の部」より、団体・グループ手配について学ぶ。
2.学習到達目標
・手配旅行契約の団体・グループ手配について理解する
・手配旅行契約の団体・グループ手配に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第11講 標準旅行業約款<旅行相談契約>
1.何を学ぶか
標準旅行業約款「旅行相談契約の部」で定められる契約の成立、契約の解除について学ぶ。
2.学習到達目標
・旅行相談契約の定義について説明できる
・旅行相談契約の成立、契約の解除について理解する
・旅行相談契約に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第12講 国内航空運送約款
1.何を学ぶか
人又は物品を場所的に移動することを引き受ける契約を運送契約といい、そのうち運送の対象が人であるものが「旅客運送」、運送の業域が空中運送である場合を「航空運送」という。本講では、国内航空運送約款で定められている内容について概観しながら、航空券の取り扱い、運賃及び料金システム、受託手荷物・持込手荷物の取り決めについて学ぶ。
2.学習到達目標
・国内航空運送約款の専門用語について理解する
・航空券の仕組みおよび座席予約指定について理解する
・航空運送の制限やその拒否について理解する
・航空運賃について理解する
・国内旅客運送約款で定められている手荷物に関する各種取り決めについて理解する
・国内航空運送約款に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第13講 フェリー運送約款
1.何を学ぶか
一般旅客定期航路事業者が定める標準運送約款「フェリー標準運送約款」には、「旅客運送の部」、「受託手荷物及び小荷物運送の部」、「特殊手荷物運送の部」、「自動車運送の部」がある。国家試験で問われるのはこの「旅客運送の部」が殆どである。本講では、フェリー運送における運賃及び料金設定、乗船券の適用期間や変更、紛失時の取扱について学ぶ。
2.学習到達目標
・フェリー運賃及び料金について理解する
・運送の引受け条件について理解する
・乗船券の適用期間及び変更について理解する
・フェリー運送約款に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第14講 貸切バス運送約款
1.何を学ぶか
本講で取り扱うのは、旅客自動車運送事業のなかでも一般貸切旅客自動車運送事業における約款である。一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款における、運送契約成立までの流れと変更時の取扱、運賃及び料金制度について学ぶ。
2.学習到達目標
・貸切バス運賃及び料金及び違約料について理解する
・貸切バス運送の引受け条件について理解する
・貸切バス運行に関する責任の有無について理解する
・貸切バス運送約款に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第15講 モデル宿泊約款
1.何を学ぶか
ここで取り扱うモデル宿泊約款は令和5年の旅行業法改正に伴い最終改正された約款である。宿泊契約の申込から成立までの流れや契約解除の取り決め、宿泊料金設定、キャンセル料の計算方法について学ぶ。
2.学習到達目標
・宿泊契約の成立・解除について理解する
・宿泊料金と追加料金について理解する
・手荷物、携帯品の保管、駐車の責任の有無について理解する
・モデル宿泊約款に関する問題の解答を導き出すことができる
3.研究課題
・問題集の問題に取り組む
・テキスト:理解度チェック
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
Ⅳ レポート課題
課題1
課題2
Ⅴ アドバイス
課題1解説
課題2解説
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
あり。定期筆記試験(100点満点)
Ⅶ テキスト
『2025旅行実務シリーズ2 旅行業約款、運送・宿泊約款』JTB総合研究所