【授業】日本語文章表現
【授業】日本語文章表現
Ⅰ はじめに
本科目では、基本的な語彙・文法から小論文の作成、学術的なレポートの書き方に至るまで、種々の表現方法を学び、多様な文章表現能力を高めることを目的としている。文章を通じて自己の考えを明確に伝え、論理的に説得する力は、学術的な場だけでなく、社会に出た後も必要とされる重要なスキルである。各課は、具体的な課題に沿って、学習を進める。各課で、対象となる文章の特徴や構成を理解し、実際に書くことを通じて学習を深める。また、批判的思考を養い、多角的な視点から情報を分析し、独自の考えを論理的に組み立てる訓練を行う。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
本科目では、明確かつ説得力のある表現能力を習得し、論理的思考をもとにした文章を書くことを目的としている。講義を通じて、日本語の基本的な文法と用語を理解し、小論文や学術的なレポートの作成など、多様な文書を効果的に構成する技術を身につける。また、批判的思考と分析力を養い、継続的な自己改善に取り組むことで、学術的な場だけでなく、将来においても必要とされる表現能力を向上させる。
Ⅲ 授業の教育目標
本科目では、日本語の正確な使用、目的に応じた表現を深く理解し、場に応じて適切に使用できるようになることを目指す。学術的レポート・論文を書く場合は、様々なテキストや情報を批判的に分析し、自身の考えを効果的に、かつ論理的に一貫した文章で表現する能力を養うことを目標とする。さらに、自他の文章を客観的に評価できるようになることも目指す。また、他者からのフィードバックを受け入れることで、継続的に文章能力を向上させる。これらの目標を達成させることで、日本語の文章表現における高い理解と実践的なスキルを獲得し、学術的および社会のあらゆる環境で効果的にコミュニケーションを行う能力を身につける。
テーマ1 「ことばと表現を知ろう」
1.何を学ぶか
この課では、日本語の同音異義語や同訓異義語の違いを理解し、文脈に応じた適切な語彙選択の方法を学ぶ。また、
慣用表現、四字熟語、故事成語といった表現力豊かな語彙の使用法についても習得する。これらの学習を通じて、
豊かで正確な日本語表現の基礎を築く。
2.学習到達目標
・同音異義語、同訓異義語の違いを分析し、文脈に応じて適切に選択できるようになる。
・慣用表現、四字熟語、故事成語を使用した文章を評価し、適切な使用法を創造できるようになる。
3.研究課題
第1 課の範囲内の問題を解き、与えられた文章の中から同音異義語や同訓異義語を見つけ出し、その意味や背景に
ついて簡単なレポートを作成する。
4.プレゼン資料
5.動画資料
テーマ2 「文の構造」
1.何を学ぶか
文の組み立てや文の構造の基本的な理解を深める。具体的には、主語と述語の関係、修飾語と被修飾語の関係、読
点・接続詞・副詞の用法、助詞の使い方を学び、効果的な文章の構築方法を習得する。これにより、より論理的で
読みやすい文章を書くための基礎を築く。
2.学習到達目標
・文の組み立てや構造を理解し、正しく使用できるようになる。
・既存の文章に対して、文の組み立てや構造を分析し、その効果を評価できる。
・最も効果的な文の組み立てや構造について考察し、自身の文章に応用できる。
3.研究課題
第1課のⅣ文の構造とⅤの助詞までの問題を解き、理解を深める。与えられた文章を分析し、文の構造や助詞の使い方を評価するレポートを作成する。このレポートでは、文の効果的な構造とその重要性について論じる。
4.プレゼン資料
5.動画資料
テーマ3
1.何を学ぶか
日本語の敬語と敬意表現に焦点を当てる。学生は場面に応じた正しい敬語の選択、尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いと使用法を理解し、実生活やビジネスシーンで適切な敬意を表現する方法を学ぶ。これにより、円滑で効果的なコミュニケーションが可能になる。
2.学習到達目標
・敬語、敬意表現を身につけ、様々な場面で適切に使うことができる。
・敬語、敬意表現の背景を分析し、特定の文脈での使用を評価できる。
3.研究課題
第3課に関連する問題を解き、敬語表現の理解を深める。与えられたシチュエーションに合わせて、適切な敬語や敬意表現を用いた文章を作成する。
テーマ4
1.何を学ぶか
小論文の目的と特徴を学ぶ。具体的には小論文とは何か、その目的、構成、書き方の基本について理解し、論説文や新聞の社説などを読んで小論文作成のための情報収集やテーマ選定の方法も学ぶ。
2.学習到達目標
・小論文の目的と特徴が理解できる。
・小論文の目的や特徴をもとに、新しいテーマや視点からの小論文の構想を考えることができる。
3.研究課題
論説文や新聞の社説などを読み、関心のあるテーマを探し、主張や論点を抽出し、それに対する自身の意見や考えをまとめる。
テーマ5
1.何を学ぶか
小論文の基本的な構成とその役割を学ぶ。学生は小論文の基本構成を理解し、効果的な論旨の進行を考える方法を習得する。具体的には導入部、本論、結論の各部分がどのように連携し、論旨を明確に伝えるかを学ぶ。
2.学習到達目標
・小論文の基本的な構成が理解できるようになる。
・小論文の基本構成を分析し、より効果的な論旨の進行を考案できるようになる。
3.研究課題
興味のあるトピックを一つ選び、そのトピックに関する文献や情報を調査し、小論文の下書きを作成する。
テーマ6
1.何を学ぶか
自分の考えや意見を筋道立てて説明する方法を学ぶ。具体的には、効果的な書き出しの文と結びの文の作成、読みやすい文章の構築方法、一貫性のある論証の進め方について習得する。
2.学習到達目標
・自分の考え、意見を筋道立てて説明できるようになる。
・効果的な書き出しの文と結びの文を用い、読みやすい文章を構築し、一貫性のある論証を進めることができる。
3.研究課題
小論文の草稿を書く。小論文の草稿をピアレビューに出す。
テーマ7
1.何を学ぶか
他者の論旨や意見を客観的に評価し、自身の小論文作成に応用する方法を学ぶ。具体的には、ピアレビューの方法と効果的なフィードバックの与え方を習得し、他者からの意見を取り入れて自己の小論文を改善する技術を身につける。
2.学習到達目標
・他者の論旨や意見を客観的に評価できるようになる。
・他者の小論文を評価し、正確に伝えるとともに、自身の小論文作成に応用できる。
3.研究課題
他の受講生の小論文の論点や根拠を分析し、それに対する意見や評価をまとめる。受け取ったフィードバックをもとに、自分の小論文を改善する。
テーマ8
1.何を学ぶか
自己紹介を通じて自分をアピールする方法を学ぶ。自己アピールの重要性と目的を理解し、強みやスキル、経験を
効果的に伝える自己分析方法について習得する。さらに、他者の自己紹介を分析し、効果的な自己アピールの要素や方法を探し出す。
2.学習到達目標
・自分をアピールする自己紹介ができるようになる。
・他者の自己紹介を分析することによって、効果的な自己アピールの要素や方法を探し出せるようになる。
3.研究課題
自分の強みやスキル、経験をリストアップし、それをもとに900字程度の自己アピール文を書く。他の受講生の自己アピール文を読み、改善点などをコメントし、ルーブリック評価を行う。
テーマ9
1.何を学ぶか
聞き手や読み手を分析し、効果的な自己アピールを行う方法を学ぶ。具体的には、話す場面や書く場面での自己アピールのポイントと、聞き手や読み手の視点を考慮したアピール方法について学ぶ。
2.学習到達目標
・聞き手や読み手を分析し、効果的な自己アピールを行うことができる。
・他の受講生の自己アピールに対して、その内容の強みや改善点を分析し、具体的な提案や意見を述べることができる。
3.研究課題
他の受講生の自己アピール文を読み、その内容の強みや改善点について分析し、具体的な提案や意見をまとめる。
自分自身の自己アピール文を作成し、ピアレビューを通じてフィードバックを受け、内容を改善する。
テーマ10 「学術的文章の書き方」
1.何を学ぶか
学術的文章と文学的文章の違い、小論文・レポート・論文の特徴と要点を学ぶ。学術的な文章の書き方の基本を理解し、自らの研究や考察を明確かつ効果的に伝えるための文章構成を学ぶ。
2.学習到達目標
・学術的文章と文学的文章の違いが理解できる。
・小論文、レポート、論文の特徴や要点を分析し、それぞれに適した文章を書くことができる。
3.研究課題
興味あるトピックを一つ選び、自由に作文する。同じトピックを学術的文章で書くための分析、研究し、簡単なレポートを作成する。
4.プレゼン資料
5.動画資料
テーマ11 「分析と考察をしよう」
1.何を学ぶか
グラフや表を正しく理解し、データを根拠に客観的な結論を述べる方法を学ぶ。また、データをもとに新しい仮説や考察を生み出すことにも焦点を当てる。データの理解と分析に必要なスキルを習得し、具体的な研究や議論に応用する。
2.学習到達目標
・グラフや表について正しく理解できるようになる。
・データを根拠にして、結論を客観的に述べることができる。
・データをもとに、新しい仮説や考察を生み出せるようになる。
3.研究課題
与えられたデータやグラフを用いて、事実や傾向を分析し、その結果をもとに簡単なレポートを作成する。
ステップ2とステップ3の問題から最低2問ずつ選び、それに対する詳細な説明と考察を行う。
4.プレゼン資料
5.動画資料
テーマ12 「論文の書き方(1)リサーチと情報収集の基礎」
1.何を学ぶか
リサーチと情報収集の基礎を学ぶ。効果的なリサーチ方法を習得し、信頼性のある情報源を見分ける方法を理解する。また、収集した情報をもとに新しい研究テーマや仮説を考える技術についても学ぶ。
2.学習到達目標
・リサーチと情報収集を行うことができる。
・信頼性のある情報源を見分けることができる。
・収集した情報をもとに新しい研究テーマや仮説を考えることができる
3.研究課題
興味のあるトピックに関する最新の研究や文献を調査し、その中から主要な論点や議論を抽出する。
4.プレゼン資料
5.動画資料
テーマ13 「論文の書き方(2)論点の設定と論証の技術」
1.何を学ぶか
明確な論点の設定と強固な論証の技術を学ぶ。情報や知識をもとに新しい論点や視点を創出し、複数の情報源やデータを統合して論証を構築する方法について理解する。
2.学習到達目標
・情報や知識をもとに、新しい論点や視点を創出できるようになる。
・複数の情報源やデータを統合して、強固な論証が行えるようになる。
3.研究課題
トピックに関する既存の意見や論文を分析し、それらの中から新しい視点や論点を提案する。
4.プレゼン資料
5.動画資料
テーマ14 「論文の書き方(3)引用の仕方」
1.何を学ぶか
異なる情報源からの情報を分析し、適切な引用の仕方を選択する方法を学ぶ。直接引用と間接引用の違い、引用時のルールや形式、参考文献の書き方などを理解することが目標である。
2.学習到達目標
・異なる情報源からの情報を分析し、適切な引用方法を選択できるようになる。
・情報を適切に評価し、その情報が論証にどれほど貢献するかを判断できる。
3.研究課題
任意のトピックについて、適切に引用をしながら、論の展開をする。形式を整えたレポートを作成する。
4.プレゼン資料
5.動画資料
テーマ15 「論文の書き方(4)総まとめとフィードバック」
1.何を学ぶか
レポートや論文の構造や内容を総合的に評価し、他者からのフィードバックを受け入れて自らの論証をより高いレベルに再構築する方法を学ぶ。
2.学習到達目標
・レポートや論文の構造や内容を総合的に評価し、その強みや弱みを明確に認識できるようになる。
・他者の意見やフィードバックを受け入れ、自らの論証をより高いレベルに再構築できるようになる。
3.研究課題
他の受講生のレポートを詳細に分析し、その論点や論拠、構成について評価や提案をまとめる。自らもフィードバックを受けて、改善したレポートを作成する。
4.プレゼン資料
5.動画資料
Ⅳ レポート課題
課題1
課題2
Ⅴ アドバイス
課題1解説
課題2解説
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
米田 明美・山上 登志美・藏中 さやか(2010)『大学生のための日本語表現実践ノート 改訂版』風間書房
Ⅷ 参考文献
石黒圭(2012)『この1冊できちんと書ける!論文・レポートの基本』日本実業出版社
渡邊淳子(2015)『大学生のための論文・レポートの論理的な書き方』研究社
資 料
1._e-Learning科目ガイドブック(日本語文章表現)
3.大学教育推進e-Learningテキスト(日本語文章表現)