飛騨の史跡 ~ 石工の作品(高原忠次郎を除く) ~
飛騨の史跡 ~ 石工の作品(高原忠次郎を除く) ~
石工組合が建てた組合員の碑が善応寺の裏側墓地にある。50人の組合員の氏名が裏面に記され、表には「侠骨雄心記念碑」と彫られている。神武天皇の即位2600年を記念して昭和15年に建てられた。「侠骨雄心」は弱い人を助け正義を行なう男らしい強い心の意味。現在石工組合は無くなっている。
組合員の名前を見ると、5段に10人ずつが記され、1段目には水木作右衛門、坂本佐左エ門、山本初次郎、宮地勝太郎、高村菊之助、宮地長吉、西島長太郎、平塚常造、立田里平、宮地新次郎と続く。石積み等の黒鍬(土工)を中心とした職人たちである。宮地長吉は横山家、日下部家の江名子川沿いの石垣を積んだ石工である。
宮峠の不動明王像は宮地敬三という石工が彫った。山本初次郎の孫・山本稔氏は高山別院の鐘楼の基礎石垣を積んでいる。別院の総代が鐘楼建設にあたり、昔通りの積み方で施工してくれと言われ、六角の形で積み上げる「亀甲積み」で、苦労しながらノミで丁寧に仕上げ、鐘楼は昭和49年に完成した。