【授業】調理学実習Ⅰ
Ⅰ はじめに
調理の基本を身につけるため、調理の基本操作、食品の調理特性と扱い方、調理設備・器具の取り扱い方を学ぶ。また、衛生・安全管理や環境への配慮も踏まえ、おいしい料理を作ることができる能力を養う。さらに、後期の家庭料理技能検定2級または3級の受験を目指す。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
調理学の理論をもとに、食品特性をいかした調理の基本的技術を習得することを目的とする。
そのために、適切な調味のための計算や料理の栄養価計算ができる、料理ごとに適切な調理器具を選択し、使用法が理解できる、動物性、植物性食品各々の調理特性を理解した上で、適切な調理操作(茹でる、焼く、煮るなど)ができることをねらいとする。
Ⅲ 授業の教育目標
各講に学修到達目標を設定し、個々に学修の到達を確認することができる。
第1講 基礎調理①日本料理1
1.何を学ぶか
(1)主食:白飯
(2)主菜:厚焼き卵
(3)副菜:ほうれん草のお浸し
(4)汁物:油揚げと小ねぎのみそ汁
2.学習到達目標
・白飯の炊飯の要点について説明でき、白飯が調理できる。
・卵の調理特性が説明でき、卵料理が調理できる。
・青菜を色よく茹で仕上げるための調理法が説明でき、青菜を使った副菜が調理できる。
・煮干し昆布だしの取り方が説明でき、みそ汁が調理できる。
3.研究課題
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第2講 基礎調理②日本料理2
1.何を学ぶか
(1)主食:枝豆ご飯
(2)主菜:魚の煮つけ
(3)副菜:きゅうりとみょうがの酢の物
(4)汁物:かきたま汁
2.学習到達目標
・味付け飯の炊飯の要点について説明でき、味付け飯が調理できる。
・魚の調理特性が説明でき、煮魚が調理できる。
・乾物(わかめ)の扱い方について説明できる。
・きゅうりの輪切りができ、酢の物が調理できる。
・1番、2番だしのとり方が説明でき、かきたま汁が調理できる。
3.研究課題
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第3講 基礎調理③中国料理
1.何を学ぶか
(1)主食:チャーハン
(2)主菜:鶏肉のから揚げ
(3)副菜:胡瓜ともやしの中華風和え物
(4)デザート:牛乳のかんてん寄せ
2.学習到達目標
・炒め物について調理の要点が説明でき、炒飯が調理できる。
・揚げ物について調理の要点が説明でき、唐揚げが調理できる。
・胡瓜と人参のせん切りができ、和え物が調理できる。
・ゲル化剤としての寒天の扱い方が説明でき、寄せ物が調理できる。
3.研究課題
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第4講 基礎調理④西洋料理
1.何を学ぶか
(1)主食:ハムライス
(2)主菜:ポークソテー・ピーマン添え
(3)副菜:ポテトサラダ
(4)デザート:ぶどうゼリー
2.学習到達目標
・玉ねぎのみじん切りができる。
・肉の調理特性が説明でき、肉の焼き物が調理できる。
・芋の扱い方を説明でき、サラダが調理できる。
・ゲル化剤としてのゼラチンの扱い方が説明でき、ゼリーが調理できる。
3.研究課題
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第5講 基礎調理⑤日本料理3
1.何を学ぶか
(1)主食+主菜:親子丼
(2)副菜:さといもの煮物
(3)汁物:けんちん汁
(4)デザート:りんご
2.学習到達目標
・鶏胸肉のそぎ切りができる。
・冷凍食品の扱い方が説明でき、冷凍食品を使った煮物が調理できる。
・野菜・果物の褐変について説明できる。
・ごぼうのささがきができ、具沢山の汁物が調理できる。
・りんごの皮の縦むきができる。
3.研究課題
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第6講 実技対策
1.何を学ぶか
(1)きゅうりの輪切り
(2)玉ねぎのみじん切り
(3)りんごの皮むき
(4)かきたま汁
2.学習到達目標
・きゅうり1/2本を4㎜以下の輪切りにできる(1分半以内)。
・玉ねぎ1/2個分を5㎜以下のみじん切りにできる(5分以内)。
・りんご1/4個を2等分にし、皮を縦むきできる(3分以内)
・かきたま汁を作ることができる(15分以内)
3.研究課題
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
Ⅳ レポート課題
課題1
(1)「基礎調理①日本料理1」実習の評価をレポートに記録する。
(2)家庭で応用として「卵または青菜を使った料理」を調理し評価を記録する。
課題2
(1)「基礎調理②日本料理2」実習の評価をレポートに記録する。
(2)家庭で応用として「味付け飯または魚の煮物」を調理し評価を記録する。
課題3
(1)「基礎調理③中国料理」実習の評価をレポートに記録する。
(2)家庭で応用として「炒め物または和え物」を調理し評価を記録する。
課題4
(1)「基礎調理④西洋料理」実習の評価をレポートに記録する。
(2)家庭で応用として「ゼラチンまたは寒天を使ったデザート」を調理し評価を記録する。
課題5
(1)「基礎調理③日本料理3」実習の評価をレポートに記録する。
(2)家庭で応用として「丼物または冷凍食品を使った煮物」を調理し評価を記録する。
Ⅴ アドバイス
課題1~5解説 各講の到達目標を達成するため、美味しく作る技術面のポイントや食材の特性を踏まえた科学的なポイントを踏まえ、記録すること。また、美味しく作るだけでなく、調味%や栄養価、衛生管理についてもまとめておくこと。
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
(1)映像で学ぶ調理の基礎とサイエンス 学際企画株式会社
(2)「家庭料理技能検定公式ガイド 1級 準1級 2級 改訂版」女子栄養大学出版部
(3)日本食品成分表2024 栄養計算ソフト・電子版付 医歯薬出版株式会社 編
Ⅷ 参考文献
「調理のためのベーシックデータ第6版」松本仲子監修,女子栄養大学出版部,2022年
「流れと要点がわかる 調理学実習 ―豊富な献立と説明―第4版」香西みどり・綾部園子 編著,光生館、2024年