五箇山 相倉合掌集落

五箇山 相倉合掌集落

合掌「合掌造り」の名称は、屋根を構成する主要部材名を合掌と呼び、形式を合掌組みということから一般化したのであろう。いまそれが越中五箇山と飛騨白川郷に発達した民家の代名詞となってひろく紹介され、誰の口にも言い慣らされてきている。この地方では、小屋造り住居を「ナムアミダブツ建て」といっていた。両手を合わせて合掌礼拝する形からであろうが、熱心な真宗信仰地帯らしい命名である。
屋根部の木材は落葉樹自然木を、丸太のまま、または縦に割り裂いたのを用いる。一定の様式どおりに組みたて結び合わせた構造は、一見して張子の骨組みのようで弱そう見えるが、風や雪に耐える力学的構造にかなうといわれており、これがすべて農民の手によって発達進歩した経過を考慮すると、全く地域に根ざし地域の特徴を生かした構造物とみることができる。相倉集落の合掌造りも例外ではなく、屋根部の構成は五箇山一般に共通する。
一階部分の軸部に他地域との違いがあり、同じ集落内でも多少の相違はある。それは家の大小、用材利用の便宜上の方便からといえる点や、生産生業、暮し方の時代的特色のあらわれという視点からみると、そこに人間の知恵を働かせた跡が残っていて、くらしと住まいの発達の関連が合掌造り調査研究の一つのテーマにもなる。さらには、石かち・建前・棟上げ・家渡りといった建築儀礼や、貰い木・寄せ木・屋根葺きなどのムラ風習にまでも関係してくる。そのように集落共同社会の中での合掌造りは、生き物のように人間のくらしと深くかかわってくるが、この調査ではいい尽くせないところが多い。造りの原型である原始合掌小屋・大小様々な合掌造り家屋・茅葺きのお寺等、五箇山の歴史的風景を今に残す集落。集落内では今なお人々が生活を営んでおり、世界的にも珍しい「人が住まう世界遺産」です。

前の記事

五箇山

次の記事

五箇山 菅沼合掌集落