八幡神社・日吉神社
八幡神社・日吉神社
日吉神社社殿は、隣接する八幡神社とともに当初より数度の補修、屋根葺替えが施されており、日吉神社社殿は昭和38年(1963)に解体修理が行われた。現在、勾欄[こうらん]、縁束、板壁、浜床[はまゆか]、破風板の一部が取替えられているが、その他の部材は当初のもので解体修理に取替えられた部材の内、当初のものはすべて各社の小屋裏内に保存されている。この解体修理のほか、数度の補修においてもよく当初の形式、手法が踏襲されてきている。
部材は長年の風雪により著しく風化しているが、虫害は比較的僅少で桃山時代の技風を示す蟇股[かえるまた]の牡丹、鴛鳥等の彫刻も一部破損はしているが原形を保っており、また、時代の特色を表わす妻飾、組物[くみもの]の彫刻も優れたものが残存していることから、建築年代は桃山時代末と思われる。