城郭-4 山下城(一之宮町)
城郭-4 山下城(一之宮町)
山下城は天正5年(1577)飛騨一宮水無神社の神官、三木入道三澤が築いたという(『宮村史』)。三木三澤は、一宮坪の内(高山市一之宮町)に館を構えていたが、神社の安泰を図るために松倉城主三木自綱の妹と婚を結び、神職を家臣の森某に譲って自ら武門に入り、山下城に移ったという。天正13年(1585)に金森氏が飛騨に侵攻して三木氏が滅亡すると金森可重が山下城に入った。三木三澤は戦わずに逃亡したが、翌月再び蜂起し、その戦いで敗れて討死にした。
<概要>
山下城は、標高920mの尾根上に築かれている。主郭は、西側の尾根を2本の堀切で遮断している。主郭は平坦で、平たい石が並べられているが、城に関わる遺構ではなく、後世の遺構と思われる。
主郭より東に下ると尾根は二つに分かれている。東の尾根の曲輪②は、周囲に低いながらも明瞭な土塁を設けており、隅部は櫓台状を呈している。東南の尾根の曲輪③は、小規模な曲輪が下段にも続いている。山下城から麓に下る際は、尾根がいくつも分かれていて迷いやすい。