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美術村跡
沖縄戦の後、画家達が多く居住した地区跡。首里儀保町(しゅりぎぼちょう)のニシムイに造られたため、「ニシムイ美術村」、単に「美術村」ともいう。
「ニシムイ」は、首里城の北(方音で「ニシ」という)に位置することから、「ニシムイ」と呼ばれ、「西森」の字が当てられた。かつては松が生い茂る景勝地で、「西森小松(にしむいしょうしょう)」と謳われた首里八景の一つであった。
1945年(昭和20)の沖縄戦で、西森の松林は、日本軍陣地壕構築のため伐り倒され、米軍の首里攻撃で焼失した。沖縄戦終結後、ウィラード・ハンナ海軍少佐等の指導の下、芸能家や画家が集められ、収容所への慰問公演や米軍人の注文で肖像画やクリスマス・カードの製作等が行われた。これらの芸術家が集められた石川市東恩納(いしかわしひがおんな)(現うるま市石川東恩納)には、沖縄陳列館や東恩納美術村が造られた。
1947年(昭和22)7月、東恩納に集められた画家達は、沖縄美術家協会を結成し、さらに、古都首里での活動を希望し、米軍の許可・援助により、西森での美術村建設が実現した。
1948年(昭和23)4月から12月にかけ、アトリエ兼住宅と研究所・陳列場を兼ねた大型コンセット3棟が完成し、名渡山愛順(などやまあいじゅん)・屋部憲(やぶけん)などの8人とその家族が移住した。その他の画家も、美術村に出入りし、美術議論を戦わせたという。美術村の画家は、米軍人の肖像画や注文に応じた絵を描き、グループ展を開催するなど創作活動も盛んで、戦後の美術活動復興の原点ともなった。
現在、西森一帯は住宅地となり、美術村という画家達の理想郷は、その面影を残していない。
砂山
宮古島の西岸にある白砂の海岸で、砂に覆われた丘(砂山)の先にある砂浜であることから砂山ビーチと呼ばれる。砂浜の延長は短いが、背後に迫る砂山に加え、砂浜の左手には天然の岩のアーチがあり、独特の景観を呈する。
岩のアーチは波の浸食によって形成されたもので、宮古島観光の象徴的な存在である。従来から落石が見られたため、アーチの上側を金網で覆っていた。この金網が劣化したため調査を行った結果、金網では不十分と判断され2018年度にも支柱で支える工事を行うことが検討されたが、その後、実施は見送られており、落石や崩落の危険があるため2018年10月上旬から岩の手前に防護柵を設けて周辺は立入禁止とされている。今後の対策は具体化しておらず、立入禁止は当面継続される見込みである。
宮古神社
由来記等によると「昔、宮古島志里満の里の首里大屋子、平良が、首里へ貢納品を納めての帰路、遭難。八年後に帰国することができた。 故国の神に感謝し、波上宮の神を宮古へ勧請して祀った(1590年)。」と記されている。慶長十八年(1611年)の先島検地の折、 薩摩藩の進言により琉球王府は瓦葺の社を造営し「宮古熊野三所大権現」と称した。
大正十四年、平良町では西里一番地に町社・宮古神社を創建。与那覇恵源、仲宗根玄雅を祀ると共に公認の神社を目指していた。 しかし、昭和に入っても長らく認可が下りないまま白蟻や台風の被害を受け、宮古権現堂と共に修繕が望まれるに至る。
昭和十五年、二つの神社を合わせた新・宮古神社 の建立が決定し、奉賛会を組織。同年、すでに神社明細帳に登録されていた権現堂を 「宮古神社」へ改称し、旧宮古神社の豊見親二柱を増祀。昭和十八年、西里五番地に新社殿が竣工し、翌十九年本殿遷座祭を斎行するが、 戦禍に遭い終戦を迎える。やむなく御祭神は張水御嶽に一時遷祀することとなった。
昭和二十四年「宮古神社復興期成会」が組織される。昭和三十一年に目黒盛定政を増祀。本土復帰の昭和四十七年、西里一番地に仮社殿を建立し、 宗教法人格を取得。その後も神社復興が進められ、昭和五十五年に社殿が竣工。同年、遷座祭を斎行した。
平成に入り、宮古神社は社殿の老朽化が顕著であり、また宮古島市誕生といった歴史的節目を迎え、「宮古神社を発祥の地へと移転し、 我が国最南端の神社に相応しい社殿を復興すべし」との気運が高まっていた。平成十八年「宮古神社御造営奉賛会」が組織され、奉賛活動を開始。 平成二十二年六月二十五日、西里五番地の新社殿にて新殿祭・正遷座祭が斎行され、平成の御造営が完遂した。
ニコライ・A・ネフスキー之碑
宮古島市の漲水御嶽の近くに、「ネフスキー通り」 と呼ばれる長さ約 90mの石畳の坂道があります。 石畳の路を上っていくと、通りの終わりの右側にネフスキーの宮古島についての研究を称える石碑、「宮古研究の先駆者 ニコライ・A・ネフスキーの碑」 があります。 石碑があるだけでなく、通りの名前にもなっている ニコライ・A・ネフスキー (Nikolai Aleksandrovich Nevsky) はどこの国の人で、宮古島にとってどのような働きをした人なのでしょうか? ニコライ・ネフスキーとはロシア人の言語学者で、日本旅行から後に留学し、宮古島の方言のほか、アイヌ語などを研究しました。特に宮古島方言については第一人者とのこと。それでこの顕彰碑が建てられたそうです。 ネフスキーは生涯を通じて宮古島にこだわり続けたのですが、それはこの島の文化風習が、日本のどこよりも古来の伝統を維持していたからだと記しています。 言語学者でもあったネフスキーは、宮古島の古語と日本の古語がによく似ていることを指摘し、特に宮古島の人々が虹をティンパウと呼んでいたことに着目しました。もともと宮古島ではティン(太陽)を母神、パウ(蛇=ハブ)を父神とする伝説があり、その二つが組み重なり立ち上るものが「天の蛇」、すなわち「虹(にじ)」というわけのようです。 そしてネフスキーはこの「蛇」と「虹」という漢字の類似性に着目し、日本語の「虹」が宮古島の「天の蛇」に由来すると結論しているのです。 15年に渡る日本滞在後、ネフスキーはソビエト連邦共和国となった祖国に帰国。しかし1937年、日本のスパイである疑いを掛けられ、国家叛逆罪で銃殺刑に処されました。 ニコライ・ネフスキーは方言に興味をもって調査した研究者ですが、宮古島と世界を繋いでくれた功労者でもあります 漲水御嶽や宮古神社など周辺の見所に行った際に、興味のある人は寄ってみてください。 宮古島の歴史を感じることができると思います。
【授業】英語学概論
Ⅰ はじめに
本科目で学ぶことで、英語学における基礎的な概念を理解して、今後に応用的な力を付けるための土台とすることである。これにより、語彙、文法、音声などの各分野の土台を知ることで、英語の読み、書き、話し、聞くという4技能の鍛錬につながるようにしたい。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
英語学は多岐にわたる分野であり、様々に細かく分類される。概念を知ることは大切であるが、将来方向として、その応用的な力、実践的な力が身につくようにしたい。それにより、大学卒業後に、英語が得意科目として、社会で活躍できることが狙いである。
Ⅲ 授業の教育目標
英語学概論を学ぶことで、将来に英語を教えようとする学生に、英語学教育法と同様に、基礎的な力を与えることである。小中学校レベルの英語が教えられるように、その段階の生徒達から出される質問などに容易に答えられるように英語力を付けたい。
テーマ1 言語の起源と語族
1 何を学ぶか
① 言語起源論のいくつかを考察する。
② 語族の定義を調べる。
③ インド・ヨーロッパ語族の中の英語の位置づけを考える。
2 学習到達目標
① 人間がことばを使えることの意味を説明できる。
② 人類の言語能力の発達の歴史を説明できる。
③ 英語と親族関係にある言語を説明できる。
3 課題
① ゲルマン諸語と英語の関係を調べてまとめる。
② 孤立言語とは何かまとめる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ2 人間のことばと言語研究
1 何を学ぶか
① ことばの気まま性(arbitrariness)について考察する。
② ことばの二重性、抽象性、規則性について学ぶ。
③ 言語学の各分野、音声学、音韻論、統語論などの概要を理解する。
2 学習到達目標
① 言語学という学問について説明できる。
② 人間のことばの特徴を説明できる。
③ ことばを分析するときの資料の集めかたを説明できる。
3 課題
① ネット上のコーパスを利用して、いくつかの単語の特徴を調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ3 アルファベット
1 何を学ぶか
① ギリシア文字、キリル文字など類似のアルファベットについて考察する。
② 筆記体について理解する。
2 学習到達目標
① アルファベットの起源について説明できる。
② ローマ字(内閣式とヘボン式)の違いについて説明できる。
3 課題
① 自分の名前を筆記体で書けるようになり、サインできるようにする。
② 文字と印刷術の歴史について調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ4 ことばの変化
1 何を学ぶか
① 通時態と共時態の違いを理解する。
② 英語に文法上の性がない事情を理解する。
③ 英語の変化と社会の動きとの関連を理解する。
2 学習到達目標
① 英語の歴史について簡単な説明ができる。
② ことばの変化の理由について説明できる。
③ 発音、語彙、文法の相互関係について説明できる。
3 課題
① 5つほど英単語を選び、その歴史的な変遷を調べる。
② be動詞の歴史的な推移を調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ5 単語とスペリング
1 何を学ぶか
① ローマン・アルファベットと正書法の関係について調べる。
② 大母音推移について理解する。
③ 英語の母音推移、弱母音化について調べる。
2 学習到達目標
① 英語のスペルと発音のずれについて説明できる。
② 英米英語で異なるスペルや発音を説明できる。
3 課題
① 英米英語で書記法の異なる単語をできるだけたくさん集める。
② 黙字がある英単語を集める。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ6 標準英語の成立
1 何を学ぶか
① アメリカにおける標準語の成立について調べる。
② イギリスにおける標準語の成立について調べる。
③ 世界における共通語の意味について調べる。
2 学習到達目標
① 英語の標準語の成立の経緯を説明できる。
② 共通語の意義について説明できる。
③ RPとGAについて説明できる。
3 課題
① 映画My Fair Lady を鑑賞して、英語の方言と社会階層との関係を理解する。
② 英語の中に取り入れられた日本語について調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ7 単語ができる仕組み
1 何を学ぶか
① 形態素から単語へと構成されていく過程を理解する。
② 自由形態素と拘束形態素の違いについて調べる。
③ 転換、逆成などの語彙の誕生について理解する。
2 学習到達目標
① 単語の意味の恣意性について説明できる。
② 形態論と形態素の関係について説明できる。
③ 接頭辞と接尾辞の構造について説明できる。
3 課題
① いくつかの単語の語形成プロセスについて調べる。
② 複合語の主要部について調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ8 言葉と音声
1 何を学ぶか
① 閉鎖音、摩擦音、破擦音、鼻音、側音、半母音について調べる。そして、実際に発音してみる。
② 高母音、中母音、低母音について発声の訓練を行う。。
2 学習到達目標
① 発音器官のそれぞれについて説明できる。
② 有気音、無気音の違いについて説明できる。
③ 調音点について説明できる。。
3 課題
① 口の中に指を入れて、それぞれの発音の時に、舌がどの位置に来るか確認する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ9 音の組み合わせとアクセント
1 何を学ぶか
① 日本語と英語の実際の発話を聞いて、アクセントの違いを確認する。
② 国際音声記号について簡単な表記を覚える。
2 学習到達目標
① 日本語の高低アクセントと英語の強弱アクセントの違いについて説明できる。
② 母音と子音の違いについて説明できる。
③ 母音を発生するときの口蓋内の様子について説明できる。
3 課題
① 有声歯茎摩擦音、有声軟口蓋閉鎖音などを発話する。そして、それらが使われる単語を複数個見つける。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ10 英語の語彙の多様性
1 何を学ぶか
① 英語に対する、ギリシア語、ラテン語、フランス語の影響を調べる。
② 現代のアメリカ英語に対するスペイン語の影響を考える。。
2 学習到達目標
① 英語に取り入れられた外来語の要素について説明できる。
② フランス語がどの程度、英語に影響を与えたのか説明できる。
③ 語源の研究の意義について説明できる。
3 課題
① 日本語から英語に入った単語を抜き出して、どのようなジャンルの語彙が多いか調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ11 文ができる仕組み
1 何を学ぶか
① 伝統的な文法と変形生成文法が学習者に対する影響を比較してみる。
② 5文型によってどの程度まで文法構造が理解できるか考察する。
③ 句構造標識を考察する。
2 学習到達目標
① 単語から文が作られる過程を説明できる。
② 文法研究の歴史を簡単に説明できる。
③ 変形生成文法の特徴について説明できる。
3 課題
① 任意の英文を取り出して、その句構造標識を示す。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ12 英語の意味
1 何を学ぶか
① 教育の場において、効果的な意味の教え方を考察する。
② 文化的に英語の語彙の持つ二重構造について調べる。。
2 学習到達目標
① 英語の意味と人間の認識の関係を説明できる。
② 指示説、構造意味論、概念論などを説明できる。
③ 意味と文化の関係について説明できる。。
3 課題
① mother, father などの家族を示す英単語は、構造意味論の立場からどのように説明できるか調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ13 英語の意味とコンテキスト
1 何を学ぶか
① 日常会話において、多義性の解消はどのように行われいるか調べる。
② 日本語と英語の意味の構造の違いを考察する。。
2 学習到達目標
① 表面的な意味と深層的な意味の違いについて説明できる。
② 隠喩、換喩などの比喩について説明できる。
3 課題
① My husband is a baby.という文はどのような意味に解釈されるか、それぞれの場合を説明する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ14 英語と文化
1 何を学ぶか
① 多文化共生社会とはどのような社会であるか調べる。
② サピア=ウオーフの仮説を考察する。
③ 高コンテキスト文化と低コンテキスト文化の違いを考える。
2 学習到達目標
① 伝統的な西洋と東洋との二限対立の分類から、多次元化しつつある現代文化を説明できる。
② 文化と言語の関係について説明できる。
③ 言語相対論について説明できる。
3 課題
① 世界に多発する民族問題と言語の事例を収集する。
② 日本語文化は英語文化からどのような影響を受けているか調べる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ15 言葉と社会、言葉と国家
1 何を学ぶか
① 世界での多文化主義の国の特徴を考察する。
② それらの国で、言語教育はどのように進められているか調べる。
③ カナダの2言語多文化主義について考察する。
2 学習到達目標
① 多文化主義を標榜している国の言語教育の特徴を説明できる。
② 公用語と国語の違いを説明できる。
③ 英米の旧植民地では英語がどのように取り扱われているか説明できる。。
3 課題
① いわゆる英語圏の国々で使われる英語以外の言語の特徴を調べる。
② 日本では英語はどの程度必要とされているか考察する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
資料
【授業】在留外国人と言語
Ⅰ はじめに
本科目で学ぶことで、在留外国人の実態とそれらの人々のかかえている言語問題を理解することである。外国人の増加という現象は近年顕著になってきており、我々がどのように対処すべきかは緊急の問題となっている。それらの問題を概観してゆきたい。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
多文化共生社会と言われている現代において、どのような問題が生まれつつあるのか、そしてそれらに対して、我々日本人はどのように取り組んできたのか、そして今後はどのように取り組むべきかについていくのか考察を深めることがこの授業の目的・ねらいである。授業を通して、これらの問題は他人事ではなくて、自分事であるとの認識を持つようになりたい。
Ⅲ 授業の教育目標
在留外国人と言語に関して、基本的な概念を理解して、それらの概念を通して、現代の日本が抱える問題点を理解するようにする。言語問題、とりわけ、外国人に言語サービスをどのように提供するか、外国人は日本語が苦手という点をどのように克服するか検討してゆきたい。
テーマ1 在留外国人の定義
1 何を学ぶか
在留外国人という名称と定義について考える。何故に、この名称が選ばれたのか。その他に相応しい名称はないか。在留外国人の数が増えている実際を数字で理解する。
2 学習到達目標
日本語にまだ慣れていないことで、どのような問題点が生じるか説明することができる。言語サービスという概念の誕生とその発展を時系列的にフォローしてゆくで、外国人の比率が数十%以上に達した欧米諸国と比較して、日本はどのような点が異なるか説明することができる。
3 課題
① 言語サービスはなぜ必要なのかレポートにまとめる。
② 自分の住んでいる自治体で外国人に提供される言語サービスの内容をレポートにまとめる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ2 言語サービスの主体
1 何を学ぶか
言語サービスと多言語サービスの違いについて学び、言語サービスを提供する主体として地方自治体が最適であることを理解する。
2 学習到達目標
① 法的な観点からの、地方自治体の役目を説明することができる。今度はどのような視点から、法整備が行われてゆくべきか説明することができる
② マイナーな言語の話者がかかえる問題点について説明できる。
③ 在留外国人の増加の程度を予想して、地方自治体がどのようなことをするべきか説明できる。
3 課題
自分が経験した外国人とコミュニケーションするときの問題点を互いに紹介しあう。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ3 言語サービスの対象者
1 何を学ぶか
言語サービスの対象者は誰か。げんごサービスの主体とどのように互いと関連する考察する。オーバーステイの外国人はどのように向かい合うか、そしてその子どもたちはどのような教育が必要か。そもそも、言語サービスを行うその法律的な根拠は何か、単なる善意で行っているのか、検討する。
2 学習到達目標
① どのような外国人に言語サービスを提供すべきか説明できる。世界的に話し手の多い言語話者とマイノリティ言語の話者に対してのサービスの違いを説明できる。
② 出身国別の外国人の言語問題の違いを説明できる。
③ 言語サービスの法的根拠を説明できる。
3 課題
① 日本語や英語以外の母語保持教育について考える。
② 緊急事態では、外国人はどの言語に頼るかを説明する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ4 公務員が提供するサービス
1 何を学ぶか
① 公務員とは全体の奉仕者であることを確認する。
② 在留外国人の数が増加している現在を確認する。
③ 地方自治体で働く公務員が在留外国人に対して、どのような言語サービスを行っているか確認する。
2 学習到達目標
① 外国人雇用管理主任者とはどのような仕事か説明できる。
② Visaやpassportの概念について説明ができる。在留カードの歴史や現在の機能について説明できる。
③ 外国人が住民基本台帳に掲載されるまでのプロセスを理解して説明できる。
④ 市民課や外国人課の役割や外国人に対してのサービスの概要を説明できる。
3 課題
① 外国人雇用管理主任者とはどのような役目を行うかまとめる。
② 外国人実習制度についてまとめる。
③ 在留カードの機能についてまとめる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ5 やさしい日本語
1 何を学ぶか
外国人向けに提案されてきた易しくされた日本語の歴史や概要を調べて、どのような役割を果たしているか学ぶ。そして、「やさしい日本語」を普及する場合の問題点を考える。「やさしい日本語」は英語や外国人の母語とどのように異なるか学ぶ。
2 学習到達目標
① やさしい日本語の成立に大きく関与した「簡約日本語」について説明できる。
② 「やさしい日本語」の生まれた必要性について説明できる。
③ 「やさしい日本語」を用いることができる。
3 課題
① 外国人に対して日本語で話したときに感じた問題点を、受講者同士で共有し合う。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ6 日本語の国際化について
1 何を学ぶか
①海外で日本語教師が直面する問題点を考える。
②日本語教師として生計をたてる場合の問題点を考える。
2 学習到達目標
① 日本語教育の国際的な広がりについて説明できる。
② 日本語能力試験、日本語教育能力検定試験などの制度を説明できる。
③ 国連での公用語には何があるか説明できる。
3 課題
① 各国で日本語を学んでいる人の最新の数を調べてみる。
② 外国人に対して日本語で話したときに感じた問題点を、受講者同士で共有し合ってみる。
③ 日本語能力検定試験はどのような目的で作られたのか述べよ。
④ 日本語教育と国語教育の違いを述べよ。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ7 日本語が話せない子どもたちの増大
1 何を学ぶか
① 外国人が直面する問題点をいくつか列挙して、その対策を考えてみる。その中で、日本語の能力の有無がどのような問題点を生み出すか考えてみる。
② 国民である場合(国籍を取得した場合)と永住権を持っている場合の違いについて考える。
2 学習到達目標
① 市役所で外国人の世話をする課の仕事の内容を説明できる。
② 外国人への地方自治体の責任を説明できる。
③ 窓口となる公務員の必要な語学力を説明できる。
3 課題
① 近隣の市町村の役場を訪問して、外国人の世話をする部署について調べてみる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ8 ダブルリミッド
1 何を学ぶか
ダブル・リミテッドとは何か。どのような社会的な背景から生まれたのか考えてみる。減算的バイリンガリズムと加算的バイリンガリズムを調べる。減算的バイリンガリズムを防ぐ手立てを考えてみる。CALPとBICSについて調べる。
2 学習到達目標
① 野生児の事例を調べることで、言語習得の臨界期について説明できる。
② 複数の言語を子どもの時に習得することから生まれる長所と短所を説明できる。
③ ダブル・リミテッドはどのような場合に生まれるか説明できる。
3 課題
自分に子どもができたとして、各国に滞在しなければならないとして、どのような言語教育を与えるか受講者同士で議論し合う。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ9 文化の違い
1 何を学ぶか
① 世界には様々な文化があり、在留外国人もそれらの文化を背景にしていることを理解する。
② 食文化の違い(例えば、イスラム教の子どもが来て、豚肉が食べられないというケースを想定して、どのように対処するかなど)を検討する。あるいは、女性のかぶるベールなど、衣服の習慣なども理解して、日本社会がどのように受け入れるか学ぶ。
2 学習到達目標
① 異文化の子どもをどのように日本に受け入れるべきか説明ができる。
② 異文化の違いで起きる摩擦について説明できる。
③ 異文化間摩擦の克服の仕方について説明できる。
3 課題
① 世界に多発する民族問題と言語の事例を収集する。取りわけ多文化社会がどのように対処してきたか、自分事として考える。
② 近所にハラール対応のレストランがあるか調べてみよう。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ10 社会とルール
1 何を学ぶか
① 西洋人と非西洋人に対しての日本人の態度の違いなどを考える。
② 敬語の使用が社会全体に組み込まれている日本社会の特質を知る。
2 学習到達目標
① 日本の社会でのルールが在留外国人達にどのように映るか説明できる。
② 敬語などの使い方を説明できる。
③ 面接やお辞儀などの文化的な相違を説明できる。
3 課題
① 面接の時の様子の違いを西洋と日本とで比較してみる。
② 握手とかお辞儀の仕方を在留外国人にどのように教えるか考察する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ11 人権宣言
1 何を学ぶか
① 世界言語権宣言を読みながら、言語権という概念について考える。
② 差別をなくすために、国際連合が果たしている役割を考察する。
2 学習到達目標
① 人権宣言の骨子を説明できる。
② マイノリティの権利宣言の内容を説明できる。
③ 様々な宣言(子どもの権利条約、国際人権規約)などの意義を説明できる。
3 課題
① それぞれの宣言を時系列的にまとめてみましょう。
② これらの宣言が在留外国人の言語活動にどのように影響を与えるか考えてみる。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ12 国籍の取得
1 何を学ぶか
① 日本国籍を取得する手続きを説明できる。
② ビザの更新、永住権の取得、とはどのようなことなのか、検討する。
2 学習到達目標
① 国籍を取得するとどのような面で利点があるのか説明ができる。
② 出生地主義と血統主義の違いについて説明できる。
③ 二重国籍について説明できる。
3 課題
① 近所で不就学の外国人児童を見かけた場合、どのようにするか話し合う。
② 日本国籍を保持していない場合、児童生徒はどのような不利な取扱を受けるか考える。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ13 法廷通訳他
1 何を学ぶか
① 司法通訳とは何か、を知る。
② 司法通訳が必要とされる背景を知る。
③ 日本語が不自由な外国人が、犯罪の被害者、加害者として関与した場合にどのような問題点が生じるか考える。
2 学習到達目標
① 法廷通訳の必要性について説明できる。
② マイナーな言語の通訳人の必要性ついて説明できる。
③ 諸外国のとうてい通訳人について説明できる。
3 課題
① 年間で必要とされる法廷通訳人の数を言語別に調べる。
② もしも弁護、検察、裁判で同じ通訳人が兼ねたらどのような弊害が起こるのか考える。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ14 国際観光都市と多言語
1 何を学ぶか
① 外国人向けの標識やポスター、ホームページなどの充実を検討する。
② 主要都市以外の都市への外国人観光客を呼びこむ方法を考える。
2 学習到達目標
① 外国人観光客と在留外国人との違いについて説明できる。
② オーバーツーリズムの問題について説明できる。
③ 観光業が振興することで、在留外国人の言語サービスにどのように貢献するか説明できる。
3 課題
① 受講生が滞在する市町村へ外国人観光客を増やすための政策をいくつか挙げてみる。
② いわゆる観光地を1つ選び、外国人観光客を迎入れる方策がどのように行われているか現地調査をおこなう。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
テーマ15 望ましい多文化共生社会
1 何を学ぶか
① 多文化共生社会とはどのような社会であるか調べる。
② シンガポールの事例を調べて、どのように多文化共生社会を維持しているか考察する。
③ 日本が今後進むべき社会の姿を思い浮かべる。
2 学習到達目標
① 諸外国で多文化共生社会を標榜している国が直面している問題点を説明できる。
② 先進国で行われている多文化共生社会を説明できる。
③ 外国人の比率が一割を超える社会の状況を説明できる。
3 課題
① 小中小学校では、多文化共生社会を考えさせる教材のあり方を考察する。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト