金森家臣団は10月22日(新暦では11月29)、地蔵堂から船に乗って信濃川を下って行き、小須戸橋(新潟県)を通過し臼井に到着、ここで泊まっている。10月23日(旧暦では11月30日)、また船に乗って臼井を出発、沼垂(ぬったり)の渡しを通って大仏(大仏庵)に到着、ここで宿泊。翌日の10月24日(新暦では12月1日)は再び徒歩で次第浜、村松浜を通過して黒川(胎内市)に到着。ここで宿泊している。翌日の10月25日(新暦では12月2日)には関川方面へと出発している。
金森家臣団は10月21日(新暦では11月28)、宿泊地の出雲崎を出発した。出雲崎町・井鼻海水浴場、お春ごぜの碑周辺、山田(長岡市寺泊・山田)、寺泊、地蔵堂(燕市分水)に着いて宿泊。翌朝、地蔵堂からは信濃川を舟で下っている。船の上で遠くにある弥彦神社に向かって参拝したと道中記には記されている。船に乗ったのは新潟地区は信濃川や阿賀野川の洪水なので街道がよく寸断されることがあり、船運も交通手段であったからである。
金森家臣団は10月20日(新暦では11月27日)、宮川宿(新潟県柏崎市)、椎谷宿(柏崎市)、石地宿(柏崎市)を通って出雲崎に泊まっている。出雲崎町は妻入りの町並みが保存されていて、番所・獄門跡、石油井戸などがある。
金森家臣団は今町(直江津)で２泊し、鉢崎へと向かう。１０月１９日(新暦では11月26)に鉢崎で宿泊、翌10月20日(新暦では11月27日)は米山、鯨波、柏崎に至っている。いずれも海岸沿いを歩く道筋で、気候が厳しい時期に通っている。柏崎港には日蓮上人が上陸した浜がある。
現在の上越市は昭和45年に直江津市と高田市が対等合併して成立している。戦国時代には上杉氏が春日山城(新潟県上越市中屋敷他)を造って拠点としていた。また江戸時代には家康の六男・松平忠輝が高田城( 新潟県上越市本城町)を造って高田藩を治めている。
金森家臣団は今町(上越市)に入ると五智の如来(国分寺)を通っていて、春日山城の上杉氏の事も道中記に記している。今町で公事があって2泊し、次は黒井に至る。
金森家臣団は糸魚川を出発すると梶屋敷、能生海岸、名立、有間川の橋、谷浜(長浜)を通って今町(上越市＊旧直江津市)方面に向かう。能の海岸には「かにや横丁」があって、昔から旨い蟹が有名である。
江戸時代の北陸道の近くを北陸自動車道(高速道路)が通っていて、親不知地区はほとんどがトンネル化されている。途中に親不知展望台があって、親不知の険しい断崖を見ることができる。
糸魚川に入ると海岸にラベンダービーチ、奴奈川姫像がある。糸飯川市内のホテルからは妙高山を遠望し、姫川の上流にはフォッサマグナミュージアム、フォッサマグナパークがある。金森家臣団は10月16日(新暦では11月23日)、糸魚川に泊まっている。
金森家臣団は10月15日(新暦では11月22日)、泊に宿泊、次の宿は糸魚川であった。泊の宿場を過ぎた所に芭蕉の句碑がある。国道沿いにはたら汁の食堂が並び、名物となっている。
糸魚川方面に進むと境集落、境一里塚、市振地区、親知不、糸魚川に至る。市振の海岸からは親不知が遠望できる。
古川を出発した最終の班は10月11日に古川を発ち、12日に三川原、13日に楡原、14日に滑川宿に泊まった。10月14日は新暦で11月21日になり、冬が近くなっていた。
滑川宿には櫟原神社、常夜灯、芭蕉句碑、芭蕉宿泊宿・川瀬屋、桐沢本陣跡、瀬羽町と立山信仰の地、養照寺、宮崎酒造などの史跡、建物がある。滑川海岸の夕日がきれいである。
金森家臣団は高山から越中街道を進んで、太田口に到達すると北陸道に合流する。その地点は総曲輪商店街周辺で、北陸道は鍵の手になってアーケード街を通り抜けてゆく。
家臣団は飛騨からの越中街道を富山城下に入ると足洗地蔵で休み、富山城へは入らずに右折して北陸道をひたすら進んでいる。
勝連城10代目按司の阿麻和利（最後の城主）は15世紀の琉球王国において勝連半島を勢力下に置いていた按司で、護佐丸・阿麻和利の乱により首里王府への反逆者とされているが、首里王府が編纂した歌集「おもろさうし」では、阿麻和利について肝高（きむたか／ちむたき、気高い／心豊かなどという意味）と表現され、現在でも市民に敬愛されている。
尚泰久王は王女 百度踏揚（ももとふみあがり）を阿麻和利に嫁がせており、その後、勝連城で起こる数々の出来事は組踊や現在版組踊にもなっている。
琉球最古の歌謡集「おもろさうし」には、勝連（現在の沖縄県うるま市勝連地区）を日本本土の鎌倉に例えた歌をはじめ、勝連の繁栄や、勝連地域に繁栄をもたらした10代目城主である阿麻和利を讃える歌謡(第12章47歌中12歌)が数多く残されている。
【真玉橋にまつわる怖い話『七色ムーティー』】
当時、木で造られた真玉橋は、大雨のたびに洪水で流されていた。そのため、1707年、尚貞王の時代に丈夫な石で造り替えることになった。
だが、建設中に大雨が降ると造りかけの橋が流され工事はなかなか進まなかった。困り果てた役人が、ユタ（民間霊媒師）をたずねると、「完成させたければ、子年生まれで七色の元結（七色ムーティー）をした女性を人柱にすることだ。」と告げられた。役人は告げられた女性をいたるところで探したが、条件にあった女性は見つけられなかった。
ある日、そのユタも子年生まれであることが役人の耳に入ったため、再びユタを尋ねると、ユタの元結が七色に輝いていた。ユタは「誰かが私を陥れようとしている」と訴えたが、聞き入れられず人柱として埋められてしまった。
(参考：豊見城市商工会とみぐすく，豊見城の民話「真玉橋の人柱伝説 ― 七色ムーティー」，http://www.tomi-shoko.or.jp/tomi_minwa,[アクセス 2023/11/03])＊諸説あり
510-2592 岐阜市太郎丸80番地
岐阜女子大学 文化創造学部