金森氏上山への国替え道中記「北浜偶嘯」の現地を訪ねる ~ 赤湯(山形県)~上山城 ~
金森家臣団は10月27日(新暦では12月4日)は道中最後の宿泊地赤湯に泊まっている。翌日の10月28日(新暦では12月5日)、赤湯を出発して川樋(山形県南陽市)、小岩沢(山形県南陽市)、中山(山形県南陽市)、川口(山形県上山市)を通って上山に到着している。金森家臣団が到着した上山では、その年に城が取り壊されていた。現在の上山城は模擬城(1982年建)である。
この北浜偶嘯という記録本は、金森家臣団の中で最後に出発したと思われる班が10月11日に古川(飛騨市古川町)を出発して10月28日に上山に到着するまでの実質18日間(今町で2泊を含む)に及ぶ道中記である。新暦では11月18日~12月5日にあたり、晩秋、初冬の厳しい気候の旅であった。海沿いはこの時期寒風、波しぶきが吹き荒れ、難儀の道中であったことが記されている。