【資料集】デジタルアーカイブ研究所資料集(飛騨高山編)
デジタルアーカイブ研究所資料集(飛騨高山編)
はじめに
平成29年度に文部科学省の私立大学研究ブランディング事業の「地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備事業」で採択され、3年間にわたりこれまでに本学独自で育んできたデジタルアーカイブ研究を活用し、地域資源のデジタルアーカイブ化とその展開によって、伝統文化産業の活性化などの地域課題の実践的な解決や新しい文化を創造できる人材育成を行い、地域の知の拠点となる大学を目指し事業を展開してきた。
その中でも「飛騨高山の匠の技デジタルアーカイブ」は、以下の点に注力して研究を進めてきた。
①伝統文化産業(飛騨春慶・一位一刀彫等)を多視点でデジタルアーカイブし、歴史的な視点を総合的にまとめ、匠の “こころ”をオーラルヒストリー等により「知の増殖型サイクル」を構成し、これらの一部を海外へ発信することにより伝統文化産業の振興を図る。
②伝統文化産業における匠の技とその歴史的な背景をまとめてデジタルアーカイブ化することで、伝統文化産業の理解と継承が容易になる。さらに、継承の過程で生まれた新しい知見を「知的創造サイクル」で取り込み、その利活用によって地域社会の振興を支援できる。
③フィールドにおける効果検証をするためのデジタルアーカイブ研究として捉え、解の見えない地域課題の解決をするための地域資源デジタルアーカイブとそのメソッドを確立する。
これらにより、地域の知が適切に循環・増殖することで新たな価値の創造と、これらを実践できる高度な専門的な知識を持つ人材の養成による雇用の創出を促進し、その結果として「知的創造サイクル」としてデジタルアーカイブの効果が認められ、さらにデジタルアーカイブの新たな展開が期待できる。また、これにより大学は地域に開かれた「知の拠点」となりうる。
この「デジタルアーカイブ研究所資料集(飛騨高山匠の技編)」は、本学が展開しているデジタルアーカイブの最新成果であり、これらの研究の拠点となるデジタルアーカイブ研究所では、大学が大学としてのアイデンティティを確立するためにも、「知」の拠点としての地域資源デジタルアーカイブを含めた総合的な大学デジタルアーカイブを構築することを支援している。今後は継続してデジタルアーカイブ研究に取り組むとともに新たな養成カリキュラムを構築することが本学として社会的な責務と捉えている。
2023年10月 デジタルアーカイブ研究所長 久世 均
岐阜女子大学 デジタルアーカイブ研究所
資料集(飛騨高山匠の技編)
発行年月日 2023年10月
発 行 所 岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所
〒500-8813
岐阜県岐阜市明徳町10番地 杉山ビル4階
印 刷 所 有限会社 青山印刷