行事-1 二十四日市岐阜県私立大学地方創生推進事業, 飛騨高山匠の技デジタルアーカイブ, デジタルアーカイブ行事-1 二十四日市 高山では、野菜を中心にした朝市のほかにも市がある。 旧暦を使っていた江戸時代から明治時代の初期までは、「歳の市」として、上二之町で12月24日に開かれていた。田中大秀は『飛騨年中行事記』に、二十四日市では、「こぶ・みかん・はごいた・たつくり・数の子など正月用品が売られていた」と記している。明治5年(1872)に新暦に切り替えられても、正月を今まで通りの日に行なう家があり、新暦の2月1日(旧暦では正月にあたる)に正月行事を行なった。そのため、二十四日市は新暦の1月24日に行なわれても「歳の市」としての性格を持っていた。 しかし、1月1日に正月行事が行なわれるようになるにつれて、二十四日市で売るものの内容が変化し、正月用品は姿を消した。現在1月24日に売られているものは、桶類・竹製品・一位笠など、数・種類ともに旧来のものが少なくなり、現代的な物の店が多くなった。場所も本町へと変わった。当日は、近郊から目当ての商品を求めて、あるいは特に欲しいものがなくても、その雰囲気を味わおうと、訪れる人で大変賑わう。朝市と同様、何か目ぼしいものはないかと見学して歩くのは楽しいものである。 二十四日市と言うと雪が降ることが多く、「やはり雪が降ったか!」という挨拶が飛び交う。伝統工芸のショウケ、江名子バンドリ、宮笠、有道シャクシの店も出店していて、訪れる市民、観光客のお目当ての店となっている。出店している店はさまざまで、魚貝類から花餅、鈴カステラ、お好み焼、タコ焼など多種多様である。 二十四日市の場所は本町1~4丁目で、その地区の商店もこの日は自分の店の前にコマ台を置いて販売する。 二十四日市は、近郷の人たちが出かけてくる年中行事であり、歩いていると何人もの知人と出会い、「まめなかな(元気でしたか)」という飛騨弁があちこちで聞かれる、誠に微笑ましい冬の風物詩である。 資料 ⑤行事-1 二十四日市 2023年1月27日 https://digitalarchiveproject.jp/wp-content/uploads/2023/01/DSCN7436_R.jpg 768 1024 dapro https://digitalarchiveproject.jp/wp-content/uploads/2023/02/logo.jpg dapro2023-01-27 13:20:082023-01-27 13:20:08行事-1 二十四日市