越前禅定道
越前禅定道
福井県勝山市平泉寺白山神社から白山山頂(御前峰)に至る約34kmの登山道。10世紀に編算された「泰澄和尚伝」によると養老元年(717)年4月に、越の僧泰澄が平泉で白山妙理大権現の感得を受け、白山山頂へ向かったとされる。白山を開山したとされる泰澄が登ったとされるのが越前禅定道とされる。平泉寺白山神社から三頭山(みつがしらやま)、法恩寺山、小原峠(福井県・石川県境)、三ツ谷、市ノ瀬、六万山、指尾山、慶松平、弥陀ヶ原を得て白山山頂(御前峰)に至る。現在、白山室堂と呼ばれる宿泊所は、元は越前室堂であった。文献から天長4年(834)年頃には、道が開かれた。12世紀頃には、道中に、夏場に長期滞在できる諸堂が整備されたとみられる。このころには、修験道が盛んになり全国からの修行僧が夏修行の聖地とした。三ツ頭山頂、法音寺跡、川上御前社跡、白山温泉跡、相撲場跡、室堂平、には、諸堂の礎石や土塁が残る。御前峰、越前室、白山温泉薬師堂には、明治7年(1874)7月まで、仏像が祀られていたが、慶応3年9月に明治政府によって発令された神仏判然令により仏像は山から下された。また、室町時代から江戸時代前期にかけて白山の所属について、三国の別当の間で裁判となったが寛文9年(1668)に幕府領となり、以後、白山の管理は平泉寺が行ったが、明治7年の仏像を下した際に、加賀の白山比咩神社となり現在に至る。
現存する信仰の道としては、古代・中世の形態が残存し、貴重な歴史遺産でもある。平成8年に文化庁が歴史の道100選に選定した。
メタデータ
越前禅定道