沖縄の有用植物 サトウキビ
沖縄の有用植物 サトウキビ
サトウキビは、琉球王朝時代、儀間真常(1557-1644)により中国福建省からその栽培方法と製糖方法が伝えられた。現在では沖縄県の全耕地面積の約5割がその栽培に使われており、県内農家の約7割が栽培に従事している(令和4年度 沖縄県農林水産部調査)。サトウキビは強風や日照りに強く高温多湿を好むため、台風の多い沖縄でも栽培することができる。
栽培・製糖・加工・販売による雇用機会の確保など、沖縄の地域経済を支える主要農産物である。
サトウキビは沖縄方言でウージとよばれ、沖縄の特産品でもある黒糖は、郷土料理や菓子、土産品など、幅広く使われており、古くからの沖縄の慣習や生活文化に深く根付いている。
野外博物館である琉球村(沖縄県恩納村)には、サーター車(砂糖車)が展示されている。サーター車は牛や馬に砂糖車を引かせてサトウキビを絞る歯車のことで、古くから黒砂糖を作る製糖方法であり、儀間真常によって中国から伝えられたもののひとつである。
近年では、サトウキビのしぼり汁から取り除かれた糖蜜はバイオエタノールの原料や家畜のエサに、搾りかす(バガス)は製糖工場の燃料や次のサトウキビ栽培の肥料に使用されるなど、持続可能なエネルギーや資源として注目されている。