【研究】地域資源デジタルアーカイブにおけるオープンデータの有用性の研究 ~ 沖縄の地域文化遺産を例にして ~
【研究】地域資源デジタルアーカイブにおけるオープンデータの有用性の研究 ~ 沖縄の地域文化遺産を例にして ~
研究概要
1.はじめに
官民データ活用推進基本法(平成28年法律第103号)において、国及び地方公共団体はオープンデータに取り組むことが義務付けられた。しかし、2022年9月の時点で、沖縄県内市町村の取り組み率は、1位である岐阜県の100%に対し、26.8%と全国最下位だ。結果から、DXに対する意識の格差やデジタル技術不足の現状を知った。また、沖縄には特有の地域文化遺産が存在する。それらを地域活性化に活かしたいと考えた。
そこで、本研究では沖縄の地域文化遺産を中心にデジタルアーカイブを行うとともに、データを活用してWebページ制作を行う。そのWebページを地域文化遺産の保存、地域活性化を目的としたオープンデータ化を行い、どのような有用性があるのか明らかにする。
2.研究の方法
①オープンデータの定義、意義・目的などの基本となる情報やオープンデータ化における課題など、その活用推進の社会的背景について調査を行う。
②国及び地方公共団体が取り組んでいるオープンデータの利活用事例を調査する。事例を参考に、沖縄がオープンデータに取り組む際の課題や改善点について考察する。
③デジタルアーカイブの対象を、沖縄の地域文化遺産を情報収集、文献調査して決定する。現地で対象の地域文化遺産の撮影を行い、実際の情報、資料を収集・記録する。
④撮影データをもとに、地域文化遺産の保存、及び地域活性化を目的としたWebページ制作を行い、オープンデータとして公開する。
3.研究の結果
オープンデータの定義とは、機械判読に適し、二次利用可能なルールが適用され、無償で利用できるように公開されたデータである。その意義・目的は、諸課題の解決、経済活性化、行政の高度化・効率化、透明化・信頼の向上だ。日本でオープンデータの活用が推進されるきっかけとなったのは、東日本大震災や急速なインターネット普及による情報社会化が挙げられる。オープンデータの懸念点は、誰でも容易に利用できるため、個人情報漏えいのリスクがあることだ。他にも、オープンデータ化に取り組むことでの具体的なメリットがイメージできない、そもそも方法が分からないという知識・技術者不足も課題である。
利活用事例の調査を行い、大阪市立図書館では、平成28年度より市立図書館の蔵書統計・利用統計や、デジタルアーカイブの著作権が消滅したデジタル画像情報等のオープンデータ化を進めていることが分かった。ブックカバーや書籍、スウェット・Tシャツ等にオープンデータ画像が活用され、日本経済新聞電子版の記事にも活用されるなどその有用性は高いと考える。
4.おわりに
オープンデータの社会的背景、利活用事例の文献調査が終了し、そこから課題や有用性の有無を考察した。今後は現地で地域文化遺産の撮影を行い、Webページ制作も行う。
参考文献
1)琉球新報.今日のニュース.琉球新報.
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1587009.html
参考資料
2.中間発表レジュメ