【授業】メディア論Ⅲ
【授業】メディア論Ⅲ
Ⅰ はじめに
文化に関する知識を身につけた上で、それらをデジタル化して記録・保存・管理し、知的財産(著作)権やプライバシー保護などの倫理に留意し創造・発信する能力を持ち、情報化社会に貢献できる専門職である「デジタルアーキビスト」及び教員を育成するための理論的学びが必要である。メディア論Ⅲでは、知的財産(著作)権や肖像権、個人情報保護、プライバシー保護や情報倫理を学び、発信・活用する能力を獲得する。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
デジタル・ネットワーク社会において、メディアの意義や性質、種類を学び、メディアを用いてメッセージを発信するあるいはメディアを活用するためには、倫理・著作権・肖像権・個人情報保護・プライバシー等に配慮した権利処理が出来るようになることを到達目標とする。
Ⅲ 授業の教育目標
権利処理の全体像がわかる
著作権処理契約書が作成できる
倫理・著作権・肖像権・プライバシー等に配慮して情報が扱える
デジタルアーカイブの開発及び活用について、権利処理の視点から提案できる
第1講 デジタルアーカイブにおける権利処理の概要
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブにおける権利処理の概要
2.学習到達目標
・デジタル・ネットワーク社会において、メディアの意義や性質、種類を学び、メディアを用いてメッセージを発信するあるいはメディアを活用する上において、倫理・著作権・肖像権・プライバシー等への権利処理に配慮できる。
3.研究課題
・あなたはメディアを利用する際、法と倫理、権利処理を意識したことがありますか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第2講 メディア
1.何を学ぶか
メディアの種類、意義、特徴
2.学習到達目標
・メディアは何を伝えるのか、自分にどのような影響があったのかを説明できる。
・情報源の5分類とそれぞれのメディアの形態を説明できる。
3.研究課題
(1)あなたはどのような情報源がデジタルアーカイブの対象になると思いますか?
(2)それぞれの情報源でどのようなメディアが利用されていると思いますか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第3講 著作者と著作者人格権
1.何を学ぶか
・著作者と著作者人格権
2.学習到達目標
・著作物を理解できる。
・著作人格権を理解できる。
3.研究課題
(1)著作物とは何ですか?
(2)著作物にするには届け出が必要ですか?
(3)著作人格権とは何ですか?
(4)著作人格権はどのように保護されますか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第4講 著作物と著作財産権
1.何を学ぶか
・著作物と著作財産権
2.学習到達目標
・著作財産権を理解できる
3.研究課題
(1)複製権とは何ですか?
(2)公衆送信権とは何ですか?
(3)口述権、上映権、貸与権、頒布権、翻訳権、翻案権とは何ですか?
(4)著作物の二次利用はとは何ですか?
(5)著作財産権の保護期間は何年ですか?
(6)権利は譲渡できますか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第5講 著作隣接権
1.何を学ぶか
・著作隣接権
2.学習到達目標
・著作隣接権を理解できる。
3.研究課題
(1)著作隣接権とは何ですか?
(2)実演家の権利とは何ですか?
(3)レコード製作者の権利とは何ですか?
(4)放送事業者・有線放送事業者の権利とは何ですか?
(5)著作隣接権の保護期間は何年ですか?
(6)権利は譲渡できますか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第6講 著作物を無断で利用できる例外
1.何を学ぶか
・著作物を無断で利用できる例外
2.学習到達目標
・著作物を無断で利用できる例外を説明できる
。
3.研究課題
(1)例外的な無断利用としての私的使用、附属的対象物、教育利用、図書館・美術館・博物館による利用とは何ですか?
(2)例外的な無断利用としての引用とは何ですか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第7講 教育利用
1.何を学ぶか
・教育利用
2.学習到達目標
・教育機関での著作物の複製や公衆送信について説明できる。
3.研究課題
(1)利用できる6つの条件とは何ですか?
(2)授業目的公衆送信保証金制度と一般社団法人授業目的公衆送信保証金等管理協会(SARTRAS)とは何ですか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第8講 利用のための意思表示
1.何を学ぶか
・クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
2.学習到達目標
・クリエイティブ・コモンズ・ライセンスや文化庁の自由利用マーク等の2次利用条件(意思)表示について説明できる。
3.研究課題
(1)2次利用条件(意思)表示の必要性を説明できますか?
(2)クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについて説明できますか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第9講 図書館・博物館の利用
1.何を学ぶか
・図書館・博物館の利用
2.学習到達目標
・図書館・博物館の利用について説明できる。
3.研究課題
(1)公立図書館等での資料の複製について説明できますか?
(2)国立国会図書館の資料デジタル化と提供について説明できますか?
(3)図書館等公衆送信保証金制度について説明できますか?
(4)博物館の権利処理について説明できますか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第10講 著作権契約書
1.何を学ぶか
・著作権契約書の作成
2.学習到達目標
・著作財産権については契約によって譲渡できることを説明できる。
3.研究課題
(1)文化庁の著作権契約書作成支援システムを活用して契約書を作成しましょう。
(2)著作人格権の同一性保持権実演家人格権は一身専属性で譲渡できませんが、権利の不行使はできますか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第11講 肖像権
1.何を学ぶか
・肖像権
2.学習到達目標
・肖像権は、勝手に自分の肖像や全身の姿を撮影されたり、公開したりしない権利であることを理解する。
3.研究課題
(1)撮影によって人格的の侵害が社会生活上の受忍限度を超える場合とは何ですか?
(2)記者会見場、公道などでの著名人や政治家などの肖像権は保護されますか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第12講 個人情報保護・プライバシー保護
1.何を学ぶか
・個人情報保護・プライバシー保護
2.学習到達目標
・デジタルアーカイブ公開による、個人情報保護・プライバシー保護を説明できる。
3.研究課題
デジタルアーカイブの公開にあって、個人情報やプライバシーを保護するためには、どのようなチェックが必要でしょうか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第13講 情報倫理・慣習
1.何を学ぶか
・情報倫理・慣習
2.学習到達目標
・デジタルアーカイブ開発には、著作権、個人情報保護・プライバシー保護に関する知識だけでなく、ファクトチェックや慣習に関する配慮が必要なことを理解する。
3.研究課題
(1)日本ファクトチェックセンターのウェブサイトを見て、どのようなファクトがあるかを理解しましょう。
(2)祭礼や民俗行事を撮影する際、どのような行動が人々を傷つけるか考えましょう。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第14講 利用規約
1.何を学ぶか
・利用規約
2.学習到達目標
・デジタルアーカイブの公開に際して、スムーズな利用を図るため利用規約が必要なことを理解する。
3.研究課題
(1)省庁や政府機関の提供するデジタルアーカイブの利用規約を見て、どのような利用条件が含まれていたでしょうか?
(2)「いらすとや」など民間事業者が提供するデジタルアーカイブをみて、どのような利用条件が含まれていたでしょうか?
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第15講 まとめ
1.何を学ぶか
・まとめ・著作権等の情報
2.学習到達目標
・情報化社会の進展に伴い、著作権法などが頻繁に改正されている状況を踏まえて、常に権利処理に関する新しい情報を入手することが必要なことを理解する。
3.研究課題
(1)文化庁の著作権関連サイトにから最新情報を閲覧しましょう。(2)文化庁の「著作権テキスト」を閲覧してみましょう。
(3)著作権情報センター(CRIC)はの「Q&A」を閲覧してどのような事例があるかを知りましょう。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
Ⅳ レポート課題
課題1
デジタルデータ活用における権利処理への配慮について、①著作権・著作隣接権、②肖像権、③個人情報保護、④プライバシー権、⑤情報倫理、項目ごとに簡潔に整理しなさい。
課題2
デジタルデータ発信・活用のための、①著作権契約書の作成、②クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの活用、③利用規約作成、④授業目的公衆送信保証金制度の必要性について、項目ごとに簡潔に整理しなさい。
Ⅴ アドバイス
課題1
解説 項目別に、なぜ権利処理が必要かを、テキストを参考にまとめなさい。
課題2
解説 項目別に、デジタルアーカイブによるデータ発信・活用になぜ必要かを、テキストを参考にまとめなさい。
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
ジャパンサーチ等特定のデジタルアーカイブを対象に、権利処理がどのように行われ、活用が促進されているかを具体的な事例によって説明しなさい。
Ⅶ テキスト
『デジタルアーカイブの理論と実践』 日本デジタルアーキビスト資格認定機構編 樹村房 2023年
Ⅷ 参考文献
文化庁webサイト「著作権テキスト」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/textbook/index.html
著作権情報センター https://www.cric.or.jp/