五箇荘
五箇荘
東山道・五箇荘
五個荘は「山前五個荘」 駅があったと推定
山前荘(やまさきのしょう) は鎌倉期から見える荘園名。神崎郡のうち。山前荘は繖(きぬがさ)山の東麓に展開する地域で、一般には「山前五個荘」と称されている。五個は空閑(こかん)の転訛。
元亨3年の「室町院譲状」では、山前荘は南荘・北荘・東荘・橋爪(はしづめ)荘・新八里荘からなっており、「與地志略」は、川並(かわなみ)・金堂(こんどう)・市田・北荘・七里(しちり)・石馬寺(いしばじ)・位田(いんでん)・石川・五位田(ごいでん)・下日吉(しもひよし)・町家の11か村が荘域に含まれるとしている。
応保元年の「妙香院荘園目録」によると、山前新日吉荘が妙香院(青蓮院)の所領であり、これは長亨元年まで確認される。また安元2年には、山前本日吉神田は生源寺の支配から日吉社領に移っており(平遺3769)、弘安7年にも尼正戒相伝の山前北荘内の神田が、大宮御灯油と山門西塔西谷南尾竜樹講米を貢納していた(三浦文書)。
<引用文献>「角川日本地名大辞典」編纂委員会 竹内理三編集『角川日本地名大辞典 25 滋賀県』角川春樹発行 昭和54年