沖縄の世界遺産 首里城復興
沖縄の世界遺産 首里城復興
球王国誕生以来,琉球文化・歴史の象徴であり,沖縄県民の誇りであった首里城正殿を含む建物8棟が,2019年(令和元年)10月31日未明に発生した火災により焼損した。火災により焼け落ちていく首里城の姿は,県民のみならず,多くの国民や世界各国の人々に大きな喪失感を与えた。
国と沖縄県は首里城正殿等の復元に向けて,正殿をはじめとした「首里城復元」,復元の現場や過程を一般へ公開・発信する「段階的公開」,それらの実施をとおした「地域振興・観光振興への貢献」の三本柱を掲げて取組みを進めている。
特に「首里城復興」については「見せる復興」をテーマに,首里城復旧・復元作業を進めている。そのため,昨年から始まった正殿工事に伴って施設跡地や御庭(うなー)には木材倉庫が設置され,北殿側の城壁沿いに全長110メートルの仮設デッキを新たに整備された。
他にもガラス張りの見学エリアが2021年10月1日にオープンし,10月末からは一般公開され,再建に向けた作業の様子を見学できるようになった。首里城復興展示室では,火災前まで首里城正殿の屋根上に設置されていた獅子瓦や首里城正殿を彩っていた小龍柱や石獅子,石高覧等の石彫刻の残存物などを展示している。
すでに首里城正殿再建のための木材加工場や原寸場は完成し,2023年度は正殿を屋内で作れるように巨大な素屋根が作られ,2026年秋には正殿が完成予定である。
焼失した首里城復元への活用を目的とした「沖縄県首里城復興基金」には令和4年3月末日までに55億2,994万円余りが国内外から寄せられた。
古来から復元や復興の際は様々な儀式や行事が各地でおこなわれ、首里城の完成をみんなで見守ってきたことがわかる。