(1)ヨーロピアーナ
それでネットワークポータルということについてお話ししたいと思いますけれども、先ほど高野先生からも何回も話がありましたけど、ヨーロピアーナというのがあります。これは欧州のデジタルアーカイブコレクション、例えば高野先生のカルチュラルジャパンの話でも出てきましたけども、欧州、アメリカも日本の文化資産っていうのをかなりいっぱい持っていらっしゃるんですね。博物館とか美術館で持っている。そういうものもデジタル化されているものがありますので、こんな感じで、これはUtamaroって書いてありますけど、歌麿の絵と、こういうものがデジタル化されて見ることができます。ここ、日本語が書いてありますのは、これはどこだったかな、National Library of Franceって書いてあります。フランスの国立図書館ですけれども、ここでは日本語のタイトルをつけていると。日本人もいるんでしょうかね。でも全部が全部ついているわけではなくて、ローマ字とか英語になっちゃっているものもあるというわけです。
これはどういうものかっていうと、そもそもデジタルアーカイブのネットワークで、ジャパンサーチのモデルとなったということで、そもそも欧州委員会というところが運営しております。欧州各国のコンテンツプロバイダーを結合。ヨーロッパの場合、もともと各国にコンテンツプロバイダーって、要するにデジタルアーカイブを提供する機関っていうのがある程度はあったわけです。
ただ、そういうところもまだ本格的にやっていない。これがどんどん統合しましょうということでいます。アグリゲーターっていうのはジャパンサーチではつなぎ役って言っていますけども、図書館とか美術館、博物館、文書館、こういうところがつなぎ役になってヨーロピアーナをつくると。この後で出てきますけど、アメリカのデジタル公共図書館、Digital Public Library of America、DPLA、こういうものとも連携しているということです。
このデータ提供者の分布っていうのを見てみますと、国別のアグリゲーターっていうののデータ数、これはメタデータ数になっております。ですから件数ですけど1200万と。それから館種別のアグリゲーターっていうのが900万。館種別っていうのは、例えばオランダの国立美術館、ライクスミュージアムって、ここなんかは自分で直接ヨーロピアーナにデータを提携しているのでこういうのが入ってる。
それからこのヨーロッパの場合はEUプロジェクトというのがあって、これは特徴的なんですけれども、EUで、ECでお金を出しているわけですよね。初めからデジタル化をやらないっていうことで、このヨーロピアーナを通じてお金を出している。
だからヨーロピアーナっていうのはある意味で、デジタルアーカイブの助成機関になっているんですよね。年間20億近いお金を持っていて、これをいろんなところにばらまくって言葉は悪いですけれども、配分して、それでデジタル化をやらせているという、こういうことがありますので、EUプロジェクトの件数が結構大きいというようなことであります。
データの種類としてはやっぱりイメージ、写真ですね。写真が圧倒的に多くて、それから文字、これは本です。新聞もあります。本とか新聞です。それからあとサウンド、ビデオ。これはちょっとデータが2015年で古いのですけれども、なかなかこの辺の新しい数字が手に入らなくてちょっと古い数字になっております。
国別ですが、これも2015年でちょっと古くて申し訳ないですけれども、フランス、ドイツ、スウェーデン、イタリアというのがあって、この大体EUを引っ張っているのはやっぱりフランスとドイツですからね。フランスとドイツが大変多いということです。
意外と少ないのはユナイテッドキングダムっていう真ん中の右のほうにありますけど、イギリスっていうのは今回EUから離脱しちゃいましたけども、なかなかやっぱり独自路線ということで、やや貢献が少ないということであります。やっぱりヨーロピアーナの特徴っていうのは、ヨーロッパのEUに加盟している、あるいは加盟していない国も含めて、ヨーロッパの非常に多くの国を網羅しておりますので、そこがやっぱり非常にダイバーシティーというか多様性を担保しているっていうことが一つはすごいのかなと思っています。
DPLAですけど、アメリカのデジタルアーカイブコレクションで、ちょっと数字が隠れちゃっていて申し訳ないですけど、そこの下に2200万と書いてありますが、これもちょっともう古くなった数字なんですけれども、ごめんなさい、ヨーロピアーナもDPLAもそうですけど、こういう数字ってなかなか難しくて、例えば時々ごみ掃除をやるんですよね。本当にどうでもいいっていったら言葉は悪いけど、非常に汚いデータなんかも紛れ込んでいますので、こういうのを捨てたりすると時々減ったりするんですよね。
だからこういう数字っていうのはあくまで目安として見ていただいて、また先ほどヨーロピアーナっていうのは4000万ぐらい、こっちは2000万ぐらいってちょっと少ないということが言えます。これもアメリカも先ほど言いましたように、大変日本の文化資産っていうのはありますし、これもたまたま歌麿ですけれどもこういうものを見ることができます。
(2)米国デジタル公共図書館(Digital Public Library of America)
これはDigital Public Library of Americaということでヨーロピアーナが非常に成功しているので、ぜひアメリカでもやりたいと。ただ、そのアメリカというのは特定の機関を除いて国っていうのがこういう文化事業に関与するっていう伝統がないんですよ。
確かに公文書館とか議会図書館とかありますけれども、例えば国立美術館っていうのはないんじゃないかな。あるかもしれないけど、そういうところはやっぱり違うんですよね。だからどうしたかっていうと、図書館なんかが話し合って、私たちでつくりましょうという、ある意味では草の根でつくったというところが大変違います。
したがって、これが2013年4月に始まって、2019年4月にはこういうふうにアメリカ中に広がったと。まだ一部参加していない国がある。これも2019年の数字ですけども、この後コロナになっちゃって、DPLAの総会っていうのがちょっとなくなっちゃったものですからその後の数字がちょっと手に入らないのですけれども、大体今はこんな状態になっています。
何を言いたかったかっていうと、ここで図書館の連合体ですから、基本的に国の支援っていうのはないわけです。図書館なんかは、会費を出しても知れているので、これは基本的にいろんなところの補助金を取って運営しています。
ですからちょっとヨーロピアーナと比べて財政的にはかなり苦しいっていうか、どうやって維持していくかっていう問題がある。もちろんスタッフもそんなに多くないというのですけども、一応かなりこう、システムとして確立している。
そういう意味では日本のモデル、ジャパンサーチっていうのは、これは完全に日本の国のお金でやっていますから大変ある意味じゃ安定している、財政的に安定しているっていうことでヨーロピアーナに近いというようなモデルになっています。
ちょっと特筆したのはウィキペディアとの連携ということで、ウィキペDPLAっていうのですけど、これはどういうのかというと、一つはDPLA、横浜っていうこれはウィキペディアの英語版ですけど、検索してみますとこういうふうにDPLAのリンクが出てくると。こういうような機能があります。
これはクロームの、グーグルクロームのアドオンみたいな形で実現できます。それからもう一つは、これをやりますと、ここをクリックしますと、この場合はニューヨークパブリックライブラリーのデジタルコレクションから横浜の横浜吉田町より馬車道を臨むという、こういう色つき写真ですね。カラー写真ではなくて後から色をつけた絵はがきですけど、こういうものを見ることができます。
① 何を教えるのか、そのための教材作成のあり⽅について説明できる。
② システム的な教材設計・開発の⼿順を5 つに分けて説明できる。
3. 研究課題
① あなたは、どのような場⾯でメディアの影響を強く受けていると思うか、また、どのような場⾯でメディアの影響をあまり受けていないと思うかグループで話し合って発表しなさい。
② テレビなどのCM は、専⾨家がなんとか視聴者をひきつけようとして創作した作品である。どんなCM が印象に残っているか。それは何故か。メディアの特性をどのように使っているか。グループで話し合って発表しなさい。
③ インターネットで、いくつかの教材を調べて、その教材の有効性を5段階で判定しなさい。そして、どのような要因でその判定結果になったかを、書きなさい。
① 企業の教材開発の視点を説明できる。
② 企業の教材開発の⼯夫を具体的な例を挙げて説明できる
③ 企業の教材開発におけるストラテジーとは何かを説明できる。
3. 研究課題
① 同じ正答であっても問題によって正答率が異なるのは何故か、具体例を挙げてグループで考えなさい。
② プリント教材の⻑所と短所について、グループで話し合って発表しなさい。
③ 紙(アナログ)の教材とICT(デジタル)を組み合わせたり、連携させたりして新しい教材を、グループで話し合って考えなさ い。
④ ⼀⻫学習、協働学習、個別学習のいずれかで活⽤できそうなデジタル教材(タブレットアプリも可)を、グループで話し合って考えなさい。
(1)1988年に米ゼロックス パロアルト研究所のマーク・ワイザー(Mark Weiser)は,人間とコンピュータの相互作用の発展として,「TSSにより,1台のコンピュータを共同利用できる環境」から「パソコンの普及により,1人が1台のコンピュータを使う環境」へと進んできたが,将来は「ユビキタス・コンピューティングの環境」へと発展するといいました(”The Computer for the 21st Century”,Scientific American,1999)。
(2)総務省は,ユビキタスネット社会の実現に向けて,その具体的な姿や実現のための政策について検討を行うために,2004年3月から「ユビキタスネット社会の実現に向けた政策懇談会」を開催してきましたが,2004年12月に最終報告書として,「u-Japan政策」をとりまとめました。