【講義】幼児教育コーディネータ概論

幼児教育コーディネータ概論

Ⅰ はじめに

今般の子ども・子育て支援関係の人材に対する需要の増加等を受け,私立施設を中心として,幼稚園において幼児教育の質を支える優秀な教員の確保が喫緊の課題となっている.また,平成19年度の岐阜県の幼稚園教諭免許状授与件数の77.9%は二種免許状であり,一種免許状への上進の必要性が高まっている.
また,教育再生実行会議第十二次提言では,一人一人の多様な幸せと社会全体の幸せ(ウェルビーイング)の実現を目指し,学習者主体の教育に転換することを提言している.そのために,教師の質の向上や多様な人材の活用のための方策や「教学マネジメント指針」に基づく密度の高い組織的な大学教育の展開が求められている.
社会,特に子どもを取り巻く環境が多様化し,幼稚園や認定こども園で幼児教育に携わる教員にもこうした状況に対応する資質・能力の向上が求められる.とりわけ,幼児教育の現場で中心的な役割を担う中堅層(ミドルリーダー)の果たすべき役割は大きい.
しかし,中堅層の多くは二種免許状所有者であり,その専門性を向上させるためには教育委員会の研修で学ぶ教育の最新事情とともに,理論と実践を往還する内容が必要といえる.そのために,教員養成大学においても免許法認定講習等で,二種免許状保有者の専門性の向上を図り,上進を推進することが求められている.
そこで,教員自身が時代や社会,環境の変化を的確につかみ取り,その時々の状況に応じた適切な教育・保育の提供を行うためには,個々の教員が自ら課題を持って,主体的に研修に参加する研修体制の確立が必要である.その際,受講者のニーズに応じて柔軟に研修内容を組み合わせたり,ワークショップ型研修方法を取り入れたりして,受講者が主体的に学ぶ講座の場を考えていく必要がある.
ここでは,幼稚園教諭の資質向上を目指すキャリアステージにおける講座の在り方を研究し,幼児教育の新たなキャリアである幼児教育コーディネータの養成について考える.

Ⅱ 授業の目的・ねらい

・幼稚園教諭の資質向上を目指すキャリアステージにおける講座の在り方を研究し,幼児教育の新たなキャリアである幼児教育コーディネータの養成について考える.

Ⅲ 授業の教育目標

幼児教育コーディネータ養成コースは,「地域・学校園における幼児教育の研修及び専門的指導」のための研修講座の計画立案実践能力,組織化,および地域課題解決への具体的対応力を身につけることにより,地域,学校園における保幼こ小連携などの幼児教育をコーディネートできる人材の育成や,その能力の向上を図ることを目標とする.

第1講 幼児教育に関する社会的背景

1.目 的
子どもは幼児期のうちに,社会性や表現力,人間関係など,社会でよりよく生きるために必要な力の基礎を学ぶ.生活や遊びのあらゆる体験をとおして学びを得て,人間的な成長を目指すのが幼児教育である.ここでは,幼児教育に関する社会的背景について考える.
2.学修到達目標
・幼児教育に関する社会的な課題について説明できる.
・幼稚園教員に求められる専門性について具体例を示して説明できる.
・幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について説明できる.
3.課 題
(1)幼稚園教員の資質向上についてその方策について説明しなさい.
(2)幼稚園教員に求められる専門性について,具体例を挙げて説明しなさい.
(3)それぞれ地域の教員のキャリアステージにおける資質の向上に関する指標を説明しなさい.
(4)幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方の課題について具体例を挙げて説明するとともに,その解決方法を示しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第1講)
5.動画資料

第2講 幼児教育コーディネータ

1.目 的
子どもは幼児期のうちに,社会性や表現力,人間関係など,社会でよりよく生きるために必要な力の基礎を学ぶ.生活や遊びのあらゆる体験をとおして学びを得て,人間的な成長を目指すのが幼児教育である.ここでは,幼児教育に関する社会的背景について考える.
2.学修到達目標
・幼児教育に関する社会的な課題について説明できる.
・幼稚園教員に求められる専門性について具体例を示して説明できる.
・幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について説明できる.
3.課 題
(1)幼児教育コーディネータついて説明しなさい.
(2)幼児教育コーディネータの活動について具体的に説明しなさい.
(3)幼児教育コーディネータと幼児教育アドバイザーの違いについて具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第2講)
5.動画資料

第3講 ハイブリット型授業のデザイン

1.目 的
未来社会を見据えて育成すべき資質・能力を育むためのこれら3つの「新たな学び」やそれを実現していくための「新たな学びの空間」を形成するためにICTを効果的に活用することが重要である.さらに,ICTを活用することで,チームとしての学校の経営力を高め,教育の質の向上と教員が子供と向き合う時間的・精神的余裕を確保することにつながる.そこで,ここでは遠隔授業の教育利用・研究での課題について考える.
2.学修到達目標
・ハイブリット型授業について具体的に説明できる.
・ハイブリット型授業について授業設計ができる.
3.課 題
(1)遠隔教育の変遷について説明しなさい.
(2)ハイブリット型授業の3つのパターンについて,具体例を挙げて説明しなさい.
(3)ハイブリット型授業を具体的に企画しなさい.
(4)ハイブリット型授業の課題について具体例を挙げて説明しなさい.
(5)遠隔教育の必要性について具体例を挙げて説明しなさい.
(6)遠隔協働学習を企画し,実際にやってみなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第3講)
5.動画資料

第4講 「教えないで学べる学習」という新たな学び

1.目 的
「インストラクショナルデザイン」や「教えないで学べる」学習環境は,キャロルの学校学習の時間モデル(2)の授業の質を高め,授業理解力を助け,学習機会や学習持続力を高めるための手法であり,学習環境でもある.「教えないで学べる」ためには,これらの手法や環境を整備することによって実現するものであり,学習者の学ぶ意欲を促し,自律的に継続して学ぶ力をつけていくことが重要である.
2.学修到達目標
・「教えないで学べる」とはどのようなことは具体例を挙げて説明できる.
・「教えないで学べる」という新たな学びの設計ができる.
3.課 題
(1)J・B・キャロル(Carroll)の学校学習の時間モデルについて説明しなさい.
(2)「教えないで学べる」学習環境について具体的に説明しなさい.
(3)「教えないで学べる」研修を実現するための手立てを考えなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第4講)
5.動画資料

第5講 キャリアステージに対応した幼稚園教諭に求められる資質能力の構造化

1.目 的
幼稚園教諭として不易とされる資質能力と新たな課題に対応できる力並びに組織的・協働的に諸問題を解決する力を中心にキャリアステージに対応した幼稚園教諭の資質能力を明確化し,講座の学習目標の分析と構造化を図り,資質能力とのカリキュラムマップを作成するとともに各講座のタキソノミーテーブルについて考える.
2.学修到達目標
・キャリアステージに対応した幼稚園教諭に求められる資質能力を説明できる.
3.課 題
(1)キャリアステージに対応した幼稚園教諭に求められる資質能力を説明しなさい.
(2)キャリアステージに対応した幼稚園教諭に求められる資質能力は,どのような活動によって向上できるかについて具体例を挙げて説明しなさい.
(3)キャリアステージに対応した幼稚園教諭に求められる資質能力について,自己をメタ認知し,どの部分が不足し,その不足を補う方法を説明しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第5講)
5.動画資料

第6講 幼児教育コーディネータ養成カリキュラム

1.目 的
幼児教育にまつわる社会的な課題である幼児教育の人材の質の向上は,特にミドルリーダーを対象に幼稚園教諭2種免許を1種免許に上進すると共に,国内外における幼児教育の重要性についての認識を高め,幼児教育の量の拡充だけでなく,質の向上を求める声を高め,新たな学びを創造する資質が幼稚園教員にも求められていることの再認識をすることが必要である.ここでは,幼児教育コーディネータ養成カリキュラムについて考える.
2.学修到達目標
・幼児教育コーディネータに求められる資質能力を説明できる.
3.課 題
(1)幼児教育コーディネータに求められる資質能力を説明しなさい.
(2)インストラクショナルデザイン指導力について具体例を挙げて説明しなさい.
(3)インストラクショナルデザインを活用した授業改善について,具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第6講)
5.動画資料

第7講 幼児教育コーディネータの学習目標の分析

1.目 的
目標の構造は,子どもの実態によって変わる.子どもの実態,先生の指導方法・指導力,そういうことを含めた教材研究がなされて初めて目標分類ができる.ここでは,幼児教育コーディネータの学習目標の分析を考える.
2.学修到達目標
・BS.ブルームの「教育目標の分類学」を説明できる.
3.課 題
(1)あなたは,どのような場面でメディアの影響を強く受けている と思うか,また,どのような場面でメディアの影響をあまり受けていないと思うか説明しなさい.
(2)テレビなどのCMは,専門家がなんとか視聴者をひきつけようとして創作した作品である.どんなCMが印象に残っているか.それは何故か.メディアの特性をどのように使っているか具体例を示して説明しなさい.
(3)インターネットで,いくつかの教材を調べて,その教材の有効性を5段階で判定しなさい.そして,どのような要因でその判定結果になったかを説明しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第7講)
5.動画資料

第8講 新たな学びと教育リソース

1.目 的
日本では1980年代から「自己教育力」が推奨され,「自ら学び自ら考える力」が重視されている.このことは,他律的でなく自律的な学習態度の教育が重要になっている.ここでは,この実践的資質能力の向上と,反転授業での活用を想定した教育リソースの開発について考える.
2.学修到達目標
・反転授業について具体例を挙げて説明できる.
・反転授業について具体的に授業設計ができる.
3.課 題
(1)反転授業とその効果と可能性について説明しなさい.
(2)反転授業の学習展開について具体的に説明しなさい.
(3)反転授業の学習展開について具体的に指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第8講)
5.動画資料

第9講 教えて考えさせる授業の展開

1.目 的
小学校理科における児童の多視点映像教材を活用した実験支援方法に関する研究を通じて,“教えて考えさせる授業”の展開について考える.
2.学修到達目標
・多視点映像教材の処理方法について順を追って説明できる.
・多視点映像教材を使った“教えて考えさせる授業”への展開について説明できる.
3.課 題
(1)多視点映像教材の処理方法について順を追って説明しなさい.
(2)多視点映像教材を使った“教えて考えさせる授業”への展開について説明しなさい.
(3)マルチアングル映像と多視点映像の違いと特徴を説明しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第9講)
5.動画資料

第10講 研修の目標とその評価方法

1.目 的
研修の設計の考え方において,1960年代に米国の教育工学研究者のロバート・メーガー (Robert F. Mager)は,次の3つの質問をすることで,研修の目標と評価方法を定めることの重要性について考える.
2.学修到達目標
・ロバート・メーガー (Robert F. Mager)の3つの質問について説明できる.
・研修目標の明確化について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
(1)ロバート・メーガー (Robert F. Mager)の3つの質問について説明しなさい.
(2)研修目標の明確化について具体例を挙げて説明しなさい.
(3)「知識習得モデル」と「知識創造モデル」の違いと特徴を説明しなさい.
(4)変容的評価について説明をしなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第10講)
5.動画資料

第11講 自律的なオンライン研修の分析と設計

1.目 的
教えない研修が実現するためには,自律的な学習者となることが重要であり,自律的な学習者であれば自律的なオンライン研修が実現する.ここでは,自律的なオンライン研修の分析と設計について考える.
2.学修到達目標
・e-Learningという学習について説明できる.
・研修の効果分析について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
(1)自律的なオンライン研修について,具体的に企画しなさい.
(2)研修の効果測定について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第11講)
5.動画資料

第12講 教育活動をデジタルアーカイブする

1.目 的
日本の授業のみならず具体的に諸外国の授業をアーカイブ化し,長期保存を考えデジタルアーカイブ手法による関連教育資料の構成について考える.
2.学修到達目標
・授業分析に必要な教育資料の構成について説明できる.
・授業分析手法について具体的に説明できる.
3.課 題
(1)授業分析に必要な教育資料の構成について具体例を挙げて説明しなさい.
(2)授業分析手法について具体的に説明しなさい.
(3)英国の授業分析を授業アーカイブプロジェクトの例に倣って、行ってみなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第12講)
5.動画資料

第13講 親子のコミュニケーションを分析する

1.目 的
活動を教育として適用するためには,活動についての親子の状況を調査し,親子の共同学習として,どのような指導方法,展開をさせるか検討する必要がある.そこで,この「動く紙おもちゃ作り」の教材化と意識の調査を考える.
2.学修到達目標
・コミュニケーションの定義について説明できる.
・コミュニケーションを促す講座の設計について説明できる.
3.課 題
(1)コミュニケーションの定義について具体的に説明しなさい.
(2)コミュニケーションを促す講座を設計しなさい.
(3)コミュニケーションに関する独自の調査用紙を作成しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第13講)
5.動画資料

第14講 「新たな学びの空間」の構成と学習環境

1.目 的
放課後児童クラブを「新たな学びの空間」として社会の中に定義し,「新たな学びの空間」に求められる機能や学習環境,カリキュラム,指導方法を考える.
2.学修到達目標
・新たな学びの空間について説明できる.
・新たな学びの空間における幼児教育コーディネータに求めるものについて説明できる.
3.課 題
(1)放課後子どもプランの課題について具体的に説明しなさい.
(2)新たな学びの空間について具体的に説明しなさい.
(3)新たな学びの空間における幼児教育コーディネータの必要性について説明しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第14講)
5.動画資料

第15講 「教える」から「学ぶ」への変革

1.目 的
行動主義の代表としてはバラス・スキナー(B.F.Skinner),認知主義の代表としてはピアジェ(J,Piaget)の理論を取り上げ,カリキュラム改革運動期における教授・学習論について考える.さらに,構成主義的学習論から社会的構成主義に至る経緯を考える.
2.学修到達目標
・教授学習に関する基本的な理論を具体的に説明できる.
・行動主義と認知主義の2つの学習論の区別を説明できる.
3.課 題
(1)行動主義的学習論と認知主義的学習論,構成主義的学習論に対応した課題(問題)を作成しなさい.
(2)社会人の学習方法の特徴について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
幼児教育コーディネータ概論_プレゼン(第15講)
5.動画資料

Ⅳ 総合課題

課題1 第1から第8講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめよ.
課題2 第9から第15講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめてよ.

Ⅴ アドバイス

課題1解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
課題2解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.

Ⅵ 科目習得試験

 レポート試験

Ⅶ テキスト

幼児教育コーディネータ概論_テキスト

Ⅷ 参考文献

主にテキストの中に記してある文献が参考になります.

Ⅸ 資料

(1)幼児教育コーディネータ概論_ガイドブック
(2)タキソノミーテーブル_幼児教育コーディネータ概論
(3)【幼児教育コーディネータ】募集要項