【授業】博物館情報・メディア論
【授業】博物館情報・メディア論
Ⅰ はじめに
本授業では、博物館における情報の意義、提供および活用方法などに関する基礎を学び、情報・メディアの現状と課題について考察する。とくに、博物館が取り扱う情報資源(資料)のドキュメンテーションやデータベース化をはじめとしたデジタルアーカイブ化の方法および理論を学んだ上で、博物館情報を発信する上で必要となる知的財産権の知識として、著作権や個人情報の取り扱いについて学ぶ。さらに、実際に博物館で取り扱う資料を想定しての権利処理書類の作成など、体験による理解も重視する。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・博物館情報の意義、提供、活用などに関する基礎を学ぶ。
・博物館のデジタルアーカイブ化における現状と課題について理解する。
・博物館における情報の取り扱いについて、知的財産権の処理も含め理解する。
Ⅲ 授業の教育目標
・博物館情報の基礎理論を理解できる。
・博物館情報とデジタルアーカイブ化について理解できる。
・博物館における情報の取り扱いを理解し、処理できる。
第1講 対面授業
※省略
第2講 博物館と情報(e-learning①)
1.何を学ぶか
博物館の重要な機能として、「収集」・「保存(保管)」・「展示」・「研究」があり、近年は、博物館の教育活動重視の立場から、「教育」の要素も重視されている。これら機能の主語はすべて資料であり、資料とともに存在するものが情報といえる。本講では、博物館にとっての情報の役割や、種類、資料と情報の流れ、目録とカタログなどドキュメンテーションに関わることについて学ぶ。
2.学習到達目標
・博物館活動の基本要素をまとめることができる。
・資料の流れと情報の流れについてそれぞれ説明できる。
・資料のドキュメンテーションの役割について説明できる。
3.研究課題
授業動画を視聴し、別紙「e-learning①課題シート」の問題に取り組みなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第3講 資料の管理と記述(e-learning②)
1.何を学ぶか
博物館資料や関連情報の管理、発信の軸となるのは、資料のドキュメンテーション、目録作成と「記述」である。そこで、本講では、資料の管理と記述について、資料の管理で重要なことは何なのか、記述とは何なのか、実際に記述する際の留意事項、記述しやすい領域としにくい領域とは何かなどについて学ぶ。
2.学習到達目標
・記憶と記録の違いについて具体的な事例を挙げることができる。
・レコードマネジメントについて説明できる。
・博物館資料を記述する際の基本的ルールについて具体的に説明できる。
3.研究課題
授業動画を視聴し、別紙「e-learning②課題シート」の問題に取り組みなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第4講 資料の記述項目とメタデータ(e-learning③)
1.何を学ぶか
博物館が扱う資料は、絵画、彫刻などの人間が作り上げたものから、鉱物や動植物という自然にうまれたもので、人間が作り上げたものではないものまで、多種多様なものが対象となる。それらの資料記述を考えるとき、人間が作り上げた人工物 と そうではない自然物 それぞれの記述は同じではないと想定できる。本講では、資料の分野ごとの記述項目とメタデータについて、記述項目の共通化も含めその概要を学ぶ。
2.学習到達目標
・博物館資料情報の特性について説明できる。
・博物館資料のメタデータの事例を挙げることができる。
・博物館資料情報の概念間の関係について説明できる。
3.研究課題
授業動画を視聴し、別紙「e-learning③課題シート」の問題に取り組みなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第5講 対面授業
※省略
第6講 情報メディアの歴史と意義(e-learning④)
1.何を学ぶか
博物館情報について理解するためには、情報やメディアに関連する概念などを整理し、把握する必要がある。そこで、本講では、博物館での情報メディアの歴史や位置付け、その意義について考えを深め、学ぶ。これまでに、情報メディアの基礎について学んだことがある人は、復習としてさらに理解を深め、はじめて学ぶ人は、用語の意味も含めて理解する。
2.学習到達目標
・データと情報の違いとDIKWモデルの概念について説明できる。
・博物館に関わるメディアの事例を複数挙げることができる。
・情報メディアの歴史的変遷からその意義や意味を自分の考えとしてまとめることができる。
3.研究課題
授業動画を視聴し、別紙「e-learning④課題シート」の問題に取り組みなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第7講 博物館の情報発信(e-learning⑤)
1.何を学ぶか
博物館は、所蔵資料の情報、展示の情報、教育活動の情報、調査研究情報、管理運営情報、図書情報などさまざまな情報を有しており、これらの博物館情報は、博物館の内部で提供されるだけでなく、外部に向けての情報発信が必要とされる。そこで、本講では、博物館の情報発信について事例を中心に紹介し、今後、博物館はどのような情報発信をしていくとよいか、していくべきであるかを考える。
2.学習到達目標
・博物館の情報にはどのようなものがあるか説明できる。
・e-Statを用いて博物館における情報提供方法についてデータに基づき説明できる。
・博物館ホームページやSNSでの情報提供の事例とその効果についてまとめることができる。
3.研究課題
授業動画を視聴し、別紙「e-learning⑤課題シート」の問題に取り組みなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第8講 展示とメディア(e-learning⑥)
1.何を学ぶか
博物館にとって展示は、来館者に、展示対象物の魅力を伝える重要なはたらきを持つ。展示を通して
伝えたい情報とは何かを整理し、その情報をどのように見せ、伝えていくかを考えることが必要とされる。本講では、展示自体もメディアであり、展示を魅力的にするために、さまざまなメディアを複合的に利用していることを含め、その理論や実際の事例について学ぶ。
2.学習到達目標
・「言語知」と「実物知」の違いについて説明できる。
・「展示は総合的なコミュニケーションメディア」とはどういうことか説明できる。
・展示に利用される情報メディアについて、事例を複数挙げることができる。
3.研究課題
授業動画を視聴し、別紙「e-learning⑥課題シート」の問題に取り組みなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第9講 博物館における知的財産(e-learning⑦)
1.何を学ぶか
博物館で情報・メディアを取り扱う上で、知的財産の知識やその対応が必要とされる。そこで、本講では、知的財産の権利の内、博物館の諸活動に関わりを持つ著作権や個人情報保護を中心に学び、博物館における権利処理の方法について理解する。
2.学習到達目標
・著作権と産業財産権(工業所有権)の違いを理解し、著作物の種類、著作者の権利、著作権の制限規定について説明できる。
・著作権などの諸権利について説明できる。
・博物館における権利処理の方法について具体的にまとめることができる。
3.研究課題
授業動画を視聴し、別紙「e-learning⑦課題シート」の問題に取り組みなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第10講以降 対面授業
※省略
Ⅵ 科目修得試験(持ち込み不可)
Ⅶ テキスト
全国大学博物館学講座協議会西日本部会 (編) 『新時代の博物館学』 (芙蓉書房出版)
ISBN : 978-4829505519
Ⅷ 参考文献
・大堀哲ほか 『博物館学Ⅲ』(学文社)
・日本デジタルアーキビスト資格認定機構(編) 『デジタルアーカイブの理論と実践』(樹村房)
・本間浩一(編著) 『ミュージアムのソーシャル・ネットワーキング(博物館情報学シリーズ3)』(樹村房)