与那原の文化財 与那原親川
与那原の親川には、天地開闢の昔、浜の御殿(御殿山)に舞い降りた天女が、子どもを出産する際に、この湧井の水を産湯に使ったとの神話が伝えられています。
与那原は周囲を山に囲まれていたため、全域で水が豊富でした。特に親川は豊富な水が湧き出る水場であり、古くから大切にされている拝所でした。
琉球王朝時代には国王の久高島参詣時の休憩場であるとともに住民の生活に密着した井戸でもあり、2022年4月には新しく親川広場として整備され、遊具が設置されたり芝生が植えられるなど、与那原町民の憩いの場所となっています。
資料(データベース)
与那原町の文化財_親川
与那原町の歴史_親川広場
与那原の歴史 材木ストリート
江戸時代から木材の流通地として栄えていた与那原には与那原港があり、戦前・戦後と国頭(くにがみ;沖縄本島の北部)の山原(やんばる)から山原船で、沖縄本島東海岸のいくつかの港を経由して、材木や薪、炭などの生活必需品が運びこまれた。運び込まれた材木は、首里や各地域に運ばれるなど、町にはさまざまな物流や往来で活気があり、町の発展に大きな影響を与えていた。
当時、与那原には「シチバ(敷場;材木等の荷物置き場とか、薪の荷揚げを行う場所のこと)」とよばれる材木屋が港周辺に立ち並び、材木ストリートとよばれるようになった。その後、港は埋め立てられ現在の東浜地区ができたが、以前の位置に数軒、営業を続けている材木屋がある。材木ストリートから与那原の歴史や住民の活気を感じ取ることができる。
*港区コミュニティーセンターからえびす橋までの川沿いのとおりが材木ストリートである。
*Googlemap等に掲載されていないためわかりずらい。
資料(メタデータ)
沖縄の怖い話『ミミチリボウジ』
■中城御殿(大村御殿)とは
「中城御殿」は琉球の王世子のための宮殿として建てられた邸宅であった。王世子は伝統的に中城間切(中城村〔沖縄中部〕)の統治が任されていたことから中城王子とよばれており、それに由来する。大村御殿ともいわれる。
*間切・・・琉球王国時代および明治時代の沖縄県の行政区分のひとつ。
■中城御殿の歴史
中城御殿は尚豊王代(1621~40年)に創建され、二百数十年間、世子殿であった。1875年に世子殿が龍潭の北側(旧県立博物館敷地)に移転すると、跡地は「下の薬園(シムヌヤクエン)」となった。
1879年の沖縄県設置後、1891年に沖縄尋常中学校(後の県立第一中学校)が置かれた。沖縄戦で建物内に保管された大事な宝物とともに重要な資料も散逸しまった。沖縄戦後は首里高等学校の校地となった。元々の建造物のうち、残ったのは井戸が1つと、周辺の大きな石垣だけだったが、中城御殿に関する資料や写真は多く残っている。その場所には1966年に沖縄県立博物館・美術館が建てられたが、2008年に解体され、現在は重要な発掘作業が進められている。
【中城御殿にまつわる怖い話『耳ちりぼーじ』】
琉球王朝時代に首里に黒金座主(くるがにざーし)という僧がいた。その僧が怪しい術を使って女性をたぶらかし襲っているという事に怒った琉球王は北谷王子に彼の殺害を命じた。
北谷王子は黒金座主に囲碁の対局を持ちかけ、黒金座主は両耳を、北谷王子は髷をそれぞれ賭けた。黒金座主が怪しい術で北谷王子を眠らせようとしたところを逆に北谷王子が黒金座主の両耳を切り落として殺した。
その後、黒金座主は幽霊となって北谷王子の住む大村御殿を囲う石壁の角に夜な夜な現れた。またそれ以来、大村御殿には男の子が生まれるとすぐ死ぬとう事が続きどちらが生まれても「ウフーイナグ(大きな女の子)の生まれたんどオ」と唄う風習ができたという。
*諸説あり
資料(メタデータ)
沖縄の怖い話_ミミチリボウジ
与那原の産業 セーイカ
セーイカとはソデイカの沖縄方言での呼び方であり、最初にソデイカ漁業が始まった久米島で、「せー(エビ)」に似た味がすることからこの名がついたといわれている。寿命は1年程度、外套長1m、体重は20kgにも達する巨大なカで、世界に一属一種の生物である。昼間は水深400~600mの深海で過ごし、夜間は餌を追って海面付近にまで浮上する。通常2個体ずつで遊泳する習性をもっている。撮影日には、当添漁港に600杯のセーイカがあがった。多い時には800~1000杯あがることもある。
イカは足が早いため、水揚げしてすぐに船の上で頭と足とにさばき、それぞれをひとつずつ包んで冷凍庫で保管しながら漁港に戻る。そのため、漁港につくと冷凍されたセーイカがベルトコンベアを渡して水産物荷さばき施設に移される。水産物荷さばき施設では、ベルトコンベアからおろされたセーイカを1包み毎に目方にのせて重さを記録する。その後、大きなコンテナにまとめて入れ、さらにコンテナごと大きな計りで総重量をはかり、二つ重ねてトラックへ運ぶ。
セーイカの身の繊維は柔らかいため調理もしやすく、刺身や寿司ネタだけでなく、最近はソーセージやチキアギ(沖縄の揚げかまぼこ)などの加工品も開発されている。ファーマーズマーケット与那原あがりはま市場などで購入することができる。
資料(メタデータ)
与那原町の漁業_セーイカ
平和への願い 白梅之塔
白梅之塔は高嶺村真栄里(現在の糸満市真栄里)にある、沖縄県立第二高等女学校の慰霊塔である。沖縄戦で戦没した校長・職員・生徒および同窓会員、他の場所で戦死した学校関係者合わせて149名を合祀している。
八重瀬岳の第24師団第1野戦病院解散後、白梅学徒隊16人の学徒が戦地をさまよった末にたどり着いたのが、上の壕(眞山之塔裏)、下の壕(白梅之塔側)とよばれた真栄里の自然壕である。上の壕は食糧弾薬倉庫、下の壕は傷病兵の看護場所で、学徒らは負傷兵の手当てを手伝った。6月21日に下の壕が、翌22日に上の壕が米軍の激しい攻撃を受けた。
敗戦後の1948年1月に自然石の小さな碑を建立し、第1回の慰霊祭が執り行われた。「塔」とされているが、実物は琉球石灰岩でできた高さ数十センチの石碑である。その後、1951年8月に建て替えられ、再度、1992年6月に現在の慰霊塔に改修された。白梅同窓会が維持管理を行っている。現在も毎年6月23日の慰霊の日に例祭が執り行われている。
資料(メタデータ)
沖縄の怖い話『仲西ヘーイ』
潮渡橋は、泊と那覇の間を流れる潮渡(すーわたい)川にかかる橋で、塩田潟原(かたばる)の上に明治42(1909年)に架けられた、長さ7間(約13m)の木橋だった(東恩納寛惇『南島風土記』)。
潟原は干潮時に徒歩で横断すると泊から若狭・那覇方面への近道になることから、人の往来の多かったようだ。現在の潮渡橋は那覇市前島のリッチモンドホテルのそばに移され、橋の上を国道58号線が通っている(位置は当時よりも南に移動)。
*潮渡川は安里川が崇元寺付近から分かれて久茂地川となり、その先の美栄橋付近から海に向かって別れて流れる川である。
【怖い話】
仲西は那覇市に伝わる妖怪で、夜になって那覇と泊の間にある塩田潟原にかかった潮渡橋で「仲西ヘーイ(仲西やーい)」とよぶと、「ヘーイ」と返事が返ってきて現れる。現在、潮渡橋はかつてあった場所から移動しており、昔のように呼んでも現れなくなったようである。
*違う内容の話がいくつか伝わっている。
資料(メタデータ)
沖縄の有用植物 沖縄の薬草文化
沖縄は気候による温暖さや降水量の多さから多様な植物が生育しやすい環境であり、独特の生態系を育んでいる。特に、沖縄本島北部のヤンバル(山原)は「生物の宝庫」、八重山(諸島)は「東洋のガラパゴス」といわれている。また、琉球列島は地理的に日本本土と東南アジアの中央に位置している。日本本土、台湾、中国大陸、フィリピン、東南アジア、オーストラリアなど、様々な地域の植物が混ざり合った植物相で、約150種類の薬草が自生していることから「薬草の宝庫」ともいわれている。
日本では薬草は『古事記』や『日本書紀』にも登場し、古くから健康を支える存在として治療や儀式に利用されてきた。沖縄の薬草文化は、干ばつや台風などの自然災害にたびたび見舞われてきた沖縄において、厳しい環境と上手く付き合う知恵のひとつとして、野菜や薬草を巧みに取り入れて薬餌効果を優先する「養生食」のなかで育まれてきたと考えられる。
沖縄には、グァバ(蕃石榴〔ばんじろう〕、沖縄の方言で ばんしるー)、ウコン(鬱金〔うこん〕、沖縄の方言で うっちん)、クミスクチン(別名ねこのひげ)の三大薬草があり、葉や茎などを乾燥させ、煎じて服用する。現在ではグァバはジュースとしても販売されており、南国のフルーツジュースとして馴染みがある。またウコンはウコン茶(ウッチン茶)としてペットボトルや缶での販売がある。
資料(メタデータ)
沖縄の生活文化 花ブロック
■沖縄独自の建築資材 花ブロック
花ブロックとは沖縄の建築に使用される装飾的なコンクリートブロックをさし、沖縄独自の建築材料である。主に外壁に用いられ、透かし模様が施されている。これにより通気性を保ちながら沖縄の強い日差しを遮る機能があり、また、その透かし部分から朝昼夕と時々の光が差し込み、夜は内側からの光の陰影を楽しめるというデザイン性ももちわせている。
周囲の自然や環境を大切にさりげなく生活に取り込む沖縄のあたたかさが感じられる。
沖縄県のある初期の花ブロックを利用した有名な建築としては、1958年に建築された聖クララ修道院(与那原町与那原)、1981年に建築された名護市市役所(名護市港)などがある。
資料(メタデータ)
沖縄の有用植物 サトウキビ
サトウキビは、琉球王朝時代、儀間真常(1557-1644)により中国福建省からその栽培方法と製糖方法が伝えられた。現在では沖縄県の全耕地面積の約5割がその栽培に使われており、県内農家の約7割が栽培に従事している(令和4年度 沖縄県農林水産部調査)。サトウキビは強風や日照りに強く高温多湿を好むため、台風の多い沖縄でも栽培することができる。
栽培・製糖・加工・販売による雇用機会の確保など、沖縄の地域経済を支える主要農産物である。
サトウキビは沖縄方言でウージとよばれ、沖縄の特産品でもある黒糖は、郷土料理や菓子、土産品など、幅広く使われており、古くからの沖縄の慣習や生活文化に深く根付いている。
野外博物館である琉球村(沖縄県恩納村)には、サーター車(砂糖車)が展示されている。サーター車は牛や馬に砂糖車を引かせてサトウキビを絞る歯車のことで、古くから黒砂糖を作る製糖方法であり、儀間真常によって中国から伝えられたもののひとつである。
近年では、サトウキビのしぼり汁から取り除かれた糖蜜はバイオエタノールの原料や家畜のエサに、搾りかす(バガス)は製糖工場の燃料や次のサトウキビ栽培の肥料に使用されるなど、持続可能なエネルギーや資源として注目されている。
資料(メタデータ)
飛騨の匠の技を繋ぐ
飛騨高山匠の技デジタルアーカイブは、文部科学省私立大学研究ブランディング事業(2017~2020)及び岐阜県私立大学地方創生推進事業(2022~2023)として、岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所が高山市などの自治体や関係機関の協力を得て構築した飛騨の匠に関する資料10万点のデータで構成されています。
飛騨高山匠の技デジタルアーカイブ
飛騨高山匠の技デジタルアーカイブのデータ提供について(2025.3.28)
【公開講座】デジタルアーカイブ概論【Ⅱ】 ~ デジタルアーカイブにおける新たな価値創造 ~
Ⅰ はじめに
デジタルアーカイブは,さまざまな分野で必要とされる資料を記録・保存・発信・評価する重要なプロセスである.このデジタルアーカイブは,わが国の知識基盤社会を支えるものであり,デジタルアーカイブ学会でも,デジタルアーカイブ立国に向けて「デジタルアーカイブ基盤基本法(仮称)」などの法整備への政策提言を積極的に行っている.今後,知識基盤社会おいてデジタルアーカイブについて責任をもって実践できる専門職であるデジタルアーキビストが必要とされている.ここでは,デジタルアーキビストの学術的な基礎として,デジタルアーカイブに関する歴史から我が国の動向並びにデジタルアーカイブの課題を学ぶ.また,この内容は,今後の学修におけるデジタルアーキビストの学びの地図となる.
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・この授業は全15講に分かれて論述している.各講における参考文献並びに関連情報は,横のQRコードで示してある.各講においてこれらの参考文献などを読み込んで発展的な学修ができるように構成されている.
・各講の最後に研究課題が設定されており,個別で学修する場合にも,集団で学修する場合においても学修を深めるために主体的に研究課題を考えることが重要である.
・解が見えない地域課題を主体的に探求し,深化させ課題の本質を探り実践的な解決方法を導き出すための手法を研究する.
Ⅲ 授業の教育目標
・日本の目指す知識基盤社会を支えるのはデジタルアーカイブといっても過言ではありません.初期の文化遺産を中心とした展示やウェブ公開など提示中心から,いかに社会の全領域で知的生産やナレッジマネジメントに活用できるインターフェイス,横断的ネットワークなどの環境を確保するかの段階に入ったといえます.
・ここでは,15のテーマに基づいて,それぞれのテーマの中に研究課題を設定し,また,各講に学修到達目標を設定し,個々に学修の到達を確認することができる.
第1講 デジタルアーカイブの歴史とその課題
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブの日本にける歴史と本学のデジタルアーカイブの変遷を比較しながら,どのような点が明らかになり,新たにどのような課題が創出されたのかについて考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブの歴史について説明できる.
・知識基盤社会におけるデジタルアーカイブの必要性について事例をあげて説明できる.
3.研究課題
・デジタルアーカイブの歴史をまとめて,何が変化して何が課題になっているかを話し合ってみなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
6.資料
第2講 デジタルアーカイブプロセス
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
2000年代における第1次のデジタルアーカイブブームの現在の状況を見て,第1次のデジタルアーカイブブーム(デジタルアーカイブ1.0)のプロセスから何が問題で,今後何をどのように改善することが持続可能なデジタルアーカイブ(デジタルアーカイブ2.0)を開発するために必要であるかについて考える.
2.学修到達目標
・「Wonder沖縄」におけるWeb用コンテンツがなぜ消滅したかについて説明できる.
3.研究課題
・「Wonder沖縄」のアーカイブプロセスでは何が足りなかったのか.どうすれば持続可能になったのかを考えなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
第3講 知のデジタルアーカイブ
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知のデジタルアーカイブに関する研究会により知のデジタルアーカイブ ―社会の知識インフラの拡充に向けて―(2012年3月30日)という提言がされ,システム(技術),人材育成,災害の3テーマに焦点を当てたグループを構成して議論を行った.こうした議論から,デジタルアーカイブのための技術,知識,ノウハウの共有の重要性,デジタル・ネットワーク社会に適合したデジタルアーカイブ連携の必要性について考える.
2.学修到達目標
・知のデジタルアーカイブの提言について説明できる.
・MLA連携などデジタルアーカイブの連携の必要性について説明できる.
3.研究課題
・知のデジタルアーカイブの提言を受けて博物館・図書館・公文書館の現状と課題について論述しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
6.資料
知のデジタルアーカイブ
第4講 デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン(2012年3月26日)が総務省から提言されている.ここでは,図書・出版物,公文書,美術品・博物品,歴史資料等公共的な知 的資産の総デジタル化を進め,インターネット上で電子情報として共有・利用できる仕組みを 構築し,知の地域づくりを推進するため,地域の知の記録組織で活用することを提言している.ここでは,インターネット上で電子情報として共有・利用できる仕組みを 構築し,知の地域づくりを推進することを考える.
2.学修到達目標
・知の地域づくりの推進するために必要なことは何かを説明できる.
・デジタルアーカイブの構築・連携において大切なことを説明できる.
3.研究課題
・デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドラインをよく読んで,それぞれの組織のデジタルアーカイブ構築・連携の手引きを完成しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
6.資料
第5講 知の増殖型サイクルの情報処理システムの構成
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブのプロセスとして,知的創造サイクルをデジタルアーカイブに当てはめた知の増殖型サイクルを開発した.ここではこのシステムについて理解する.このためには,知の増殖型サイクルにおけるデータ分析・解析・加工処理システムなどのスキルやその考え方を知る必要がある.ここでは,これらのデータ処理における留意事項について解説する.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブのプロセスとして,知的創造サイクルをデジタルアーカイブに当てはめた知の増殖型サイクルについて説明できる.
3.研究課題
・知の増殖型サイクルにおけるメタデータの項目を作成してみなさい.なお,その際にDublin Core(ダブリン・コア)に配慮すること.
4.プレゼン資料
5.映像
第6講 知の増殖型サイクルの知的処理と流通システム
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブにおける知の増殖型サイクルの構成は,資料の保管,検索,分析処理とその結果の利用という閉じたサイクルとして成立つものである.そのためには,利用の計画,活用,評価の面のみではなく,知の増殖型サイクルで最も重要なデジタルアーカイブの保管,メタデータ,検索,抽出,提示,分析,解析処理についても研究する必要がある.また,このデジタルアーカイブを用いた知の増殖型サイクルでは,利用目的に対し,いかに適した資料を検索し,分析・解析・加工処理して提供できるかが重要である.ここでは,知の増殖型サイクルが何回もサイクルを繰り返すことにより,新しい知が各サイクルに追加され,より精度の良いデータの利用が可能になる.ここでは,いかに適した資料を検索し,分析・解析・加工処理して提供できるかという視点から,横断検索やサイクル処理を支えるメタデータ,また,知的処理に対応した著作権,プライバシーの問題及び検索結果の選定・提供における課題を考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブにおける知の増殖型サイクルの構成を説明できる.
3.研究課題
・「沖縄おぅらい」における知の増殖型サイクルはどのように構成されるか述べなさい.
・沖縄の学力向上における知の増殖型サイクルとは,どのようなサイクルになるか論じなさい.(参考:沖縄における教育資料デジタルアーカイブを活用した学力向上について)
4.プレゼン資料
5.映像
第7講 知の増殖型サイクルを支えるメタデータの構成
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知の増殖型サイクルでは,新たな知を創造することが重要であり,また,その新たな知をデジタルアーカイブする閉じたサイクルである.そのために,新たにメタデータをその新たな地に対応した項目を追加し,ここでダイナミックなメタデータを提案する.
2.学修到達目標
・地域資源のメタデータの構成について説明できる.
3.研究課題
・地域資源のデジタルアーカイブのメタ情報の項目を考えてみなさい.そのうえで,それらの項目がなぜ必要なのか利用を考えて論述しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
第8講 我が国におけるデジタルアーカイブ推進の方向性
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
平成 29 年4月に「我が国におけるデジタルアーカイブ推進の方向性」がデジタルアーカイブの連携に関する 関係省庁等連絡会・実務者協議会より提言された.この新たな提言で新たに追加されたデジタルアーカイブの考え方について考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブ社会について説明できる.
・オープンなデジタルコンテンツの必要性について具体例を挙げて説明できる.
3.研究課題
・デジタルコンテンツのオープン化と著作権はどうしても利害が衝突する.デジタルアーカイブ社会においてオープンデータ化はなぜ必要で,そのために著作権をどのように改正する必要があるかについて論述しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
6.資料
第9講 デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
平成29年4月に「デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン」がデジタルアーカイブの連携に関する 関係省庁等連絡会・実務者協議会にてまとめられた.ここでは,博物館・美術館,図書館,文書館といった文化的施設に加えて,大学・研究機関,企業,市民団体,官公庁・地方公共団体などの有形・無形の様々なコンテンツを保有する機関・団体等を対象に,業務にもサービスにも役立つデジタル情報資源の整備・運用方法について報告している.ここでは,各機関におけるデジタルアーカイブの構築・共有・活用について考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブの構築・提供ついて説明できる.
・アーカイブ機関が無理なくデータを整備・共有・連携できる共通基盤(プラットフォーム)の構築について,その機能を具体的に説明できる.
3.研究課題
・活用する場合は,メタデータを共有することで,様々なアプリの提供,付加価値の追加等を通じて,活用を行い,その成果物を保存・共有領域に還元し,再資源化することも期待されると報告されている.そのためには,具体的に何をすることが必要になるか述べよ.
4.プレゼン資料
5.映像
6.資料
デジタルアーカイブジャパン推進委員会及び実務者検討委員会
3か年総括報告書 我が国が目指すデジタルアーカイブ社会の実現に向けて
第10講 知的財産推進計画に見るデジタルアーカイブ
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知的財産戦略本部より知的財産推進計画2017(2017年5月)が発表され,そこには,「我が国の知や文化資源を結集し,世界中に発信しながら新たな価値創造につなげることができるデジタルアーカイブの構築とその利活用について,計画的に推進していくことが必要である」と,デジタルアーカイブに関する記述が増加していることを見ることができる.知的財産推進計画の目的と今後の方向性について考える.
2.学修到達目標
・知的財産推進計画を理解し説明できる.
・新たな価値創造とデジタルアーカイブの構築について具体例を出して説明できる.
3.研究課題
・知的財産推進計画とデジタルアーカイブとの関係を明確にして,知的財産計画の目的について論述しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
6.資料
第11講 地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点の形成
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知識基盤社会においてデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという本学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,地域課題に実践的な解決方法を確立するために,地域に開かれた地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成をする.このことにより,地域課題に主体的に取り組む人材を養成する大学として,伝統文化産業の振興と新たな観光資源の発掘並びにデジタルアーカイブ研究による地方創成イノベーションの創出を行う.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブと地域課題解決について説明できる.
・地方創成イノベーションの創出について具体的に説明できる.
3.研究課題
・飛騨高山匠の技デジタルアーカイブにより,地域の文化産業を振興するための方策を3つ挙げて論述しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
6.資料
第12講 知の拠点形成のための基盤整備
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
知識基盤社会においてデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという岐阜女子大学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,地域課題に実践的な解決方法を確立するために,地域に開かれた地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備が必要となる.このことにより,地方創成イノベーションの実現と伝統文化産業の振興並びに新たな観光資源の発掘を行うことができることを考える.
2.学修到達目標
・知識基盤社会とデジタルアーカイブの関係について説明できる.
・知識循環型社会について具体的に説明できる.
・地域課題の解決とデジタルアーカイブについて説明できる.
3.研究課題
・大学が地域の知の拠点形成のための基盤整備に必要な要素は何か論述しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
6.資料
第13講 デジタルアーカイブにおける新たな評価法
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
20017年10月,Europeanaより評価方法の新規開発プロジェクトの成果物として“Impact Playbook: For Museums, Libraries, Archives and Galleries”(以下プレイブック)の第一部が公開された.プレイブックは「インパクト評価」を実施するための手順・方法をまとめた一種のガイドラインであり,Europeanaだけでなく,その参加機関である欧州各域の図書館・博物館・公文書館・ギャラリー等が各々のデジタルアーカイブ関連事業の持つ多様な価値を各々の見方で評価し,かつその評価結果を他者と共有できるようにするための「共通言語」としての役割を果たすという.筑波大学大学院図書館情報メディア研究科・西川開氏によると,インパクト評価はもともと環境分野で発達した評価方法であると言われており,その後公衆衛生や社会福祉事業などの諸領域にも普及・発展してきた.近年では公的助成金の減額等を背景として図書館を始めとする文化機関においても自組織の持続可能な発展に資する手段として注目を集めている.
2.学修到達目標
・新たな評価法であるインパクト評価について具体的に説明できる.
3.研究課題
・デジタルアーカイブの新しい評価について論述しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
第14講 デジタルアーカイブを活用した地域課題の解決手法
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
飛騨高山匠の技の歴史は古く,古代の律令制度下では,匠丁(木工技術者)として徴用され,多くの神社仏閣の建立に関わり,平城京・平安京の造営においても活躍したと伝えられている.しかし,現在の匠の技術や製品についても,これら伝統文化産業における後継者の問題や海外への展開,地域アイデンティティの復活など匠の技を取り巻く解が見えない課題が山積している.ここでは,知識基盤社会におけるデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという本学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,これらの地域課題に実践的な解決方法を確立するために,「知的創造サイクル」をデジタルアーカイブに応用して飛騨高山の匠の技に関する総合的な地域文化の創造を進めるデジタルアーカイブの新たな評価指標ついて考える.
2.学修到達目標
・「知の増殖型サイクル」の手法による地域課題に実践的な解決方法を確立することについて説明できる.
3.研究課題
・住民R(Resident)-地域資源L(Local Resources)認知度診断表から何がわかるか論述してみなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
第15講 首里城の復元とデジタルアーカイブの可能性
久世 均(岐阜女子大学・教授)
1.何を学ぶか
鎌倉芳太郎は沖縄で撮影したガラス乾板を自身の避難先である防空壕で保管していたという.これら保存されていた資料が,首里城復元において大きな役割を果たしたという事実は,「知の増殖型サイクル」の考え方に当てはめることができる.首里城復元の際に利用された鎌倉資料は原資料であり,デジタルアーカイブではない.しかし,「知の増殖型サイクル」に適応することで,これからのデジタルアーカイブの在り方が見えてくる.
2.学修到達目標
・鎌倉芳太郎と首里城復元の過程で説明できる.
・デジタルアーカイブという視点から鎌倉芳太郎資料集について説明できる.
3.研究課題
・首里城の復元に鎌倉芳太郎の資料が重要であったかについてデジタルアーカイブの視点で論述しなさい.
4.プレゼン資料
5.映像
資料
Ⅳ 課題
課題1
テーマ1からテーマ8の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめよ.
課題2
テーマ9からテーマ15の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめてよ.
Ⅴ アドバイス
課題1解説
テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
課題2解説
テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
Ⅶ テキスト
1.学修ガイドブック
デジタルアーカイブ特講Ⅱガイドブック
久世均著:情報の管理と流通 岐阜女子大学 2020
1.表紙&奥付
2.目次
3.デジタルアーカイブ特講
年表
4.年表