【授業】家庭機器工学
Ⅰ はじめに
家庭用電化製品や通信機器などの動作や制御、仕組み、および、情報処理を学ぶ。スマートフォンや家電製品、自動車のエンジン制御など、私たちの日常生活に欠かせない分野で、情報の伝達処理における電子の流れについて学ぶ。また、冷蔵庫やエアコン、洗濯機などの家庭用電化製品も電子工学の技術により電子センサーと制御回路を備えており、これらについても学ぶ。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
家庭用電化製品や通信機器などの動作や制御、仕組み、関連する法令等を理解し、これらの機器を適切に選択して、安全に利用するすることができる。
Ⅲ 授業の教育目標
第1講~第15講の各研修目標に基づいて、テキストと動画教材を利用して、家庭機器について理解し、各講の課題に取り組むことで、家庭機器の安全な利用法の習得を図る。
第1講 電気製品
1.何を学ぶか
身のまわりの電気製品について知り、省エネについて理解し、安全に使用することを学ぶ。
2.学習到達目標
① 身のまわりの電気製品について理解することができる。
② 身のまわりの電気製品について説明することができる。
3.研究課題
① 身のまわりの電気製品をひとつ選び、調べたことをレポートにまとめなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第2講 LED照明
1.何を学ぶか
白熱電球や蛍光灯を抑えて圧倒的な普及率となっているLED照明のメリットや特性について知り、使用条件に合った種類のLED照明を選択することを学ぶ。
2.学習到達目標
① LED照明のメリットを説明できる。
② 使用条件に合った種類のLED照明を選択することができる。
3.研究課題
① 使用条件に合ったLED照明の選び方について説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第3講 ディスプレイ
1.何を学ぶか
パソコンやテレビなどで使われているディスプレイの種類を理解し、仕組みを知って、目的に合ったディスプレイを選んで利用することを学ぶ。
2.学習到達目標
① ディスプレイの種類を説明できる。
② ディスプレイの仕組みを理解できる。
3.研究課題
① ディスプレイの仕組みと,種類についてまとめなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第4講 電池
1.何を学ぶか
電池の特徴と仕組みを知り、目的に合った電池を選んで安全に利用することを学ぶ。
2.学習到達目標
① 電池の特徴を説明できる。
② 電池の仕組みを理解できる。
3.研究課題
① 電池のしくみと特性についてまとめなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第5講 家庭の電気設備
1.何を学ぶか
電気が家庭に届くまでの仕組みを知り、家庭の電気設備の仕組みを理解して、安全に家庭用電気機器を利用することを学ぶ。
2.学習到達目標
① 電気が家庭に届くまでの仕組みを理解できる。
② 家庭の電気設備の仕組みを理解できる。
3.研究課題
① 家庭の電気設備の仕組みを説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第6講 電気工具と部品
1.何を学ぶか
資格がなくてもできる簡単な電気配線の道具の使い方を知り、電気部品や電子部品の仕組みを知る。
2.学習到達目標
① 電気工具の種類と使い方を理解できる。
② 電気部品,電子部品の仕組みについて理解できる。
3.研究課題
① 電気部品,電子部品の仕組みについて説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第7講 電気製品と安全
1.何を学ぶか
家庭の電気製品は、日常生活に欠かせないもので、仕組みを知り、正しく使用することで安全に利用することを学ぶ。
2.学習到達目標
① 家庭内の電気製品の特長を理解できる。
② 家庭内の電気製品を安全に使用することができる。
3.研究課題
① 家庭内の電気製品を安全に使用するための方法について具体的に説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第8講 コンピュータ
1.何を学ぶか
コンピュータの仕組みを知り、目的に合ったパソコンを選んで利用することを学ぶ。
2.学習到達目標
① コンピュータの仕組みを理解できる。
② 目的に合ったパソコンを選んで利用できる。
3.研究課題
① 目的に合ったパソコンの選び方について説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第9講 通信
1.何を学ぶか
通信の仕組みを理解し、現在のデジタル機器と通信の関係について学ぶ。
2.学習到達目標
① 通信の仕組みを理解できる。
② 日本の通信の歴史を理解できる。
3.研究課題
① 通信の仕組みについて説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第10講 インターネットとWebブラウザ
1.何を学ぶか
インターネットの仕組みを理解し、Webブラウザの種類と特徴、Webブラウザに実装されるようになったAIの利用方法について学ぶ。
2.学習到達目標
① インターネットの仕組みを理解できる。
② Webブラウザを利用してできることについて説明できる。
3.研究課題
① Webブラウザを利用してできることについて説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第11講 電子メールとSNS
1.何を学ぶか
電子メールの仕組みと利用の仕方を理解するとともに、SNS の特徴と注意点について知り、安全に利用することを学ぶ。
2.学習到達目標
① 電子メールの仕組みと利用の仕方を理解できる。
② SNS の特徴と注意点について説明できる。
3.研究課題
① 電子メールの仕組みと利用の仕方について説明しなさい。
② SNS の特徴と注意点について説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第12講 メーリングリストとネットを利用したサービス
1.何を学ぶか
メーリングリストの仕組みを理解し、ネットを利用したサービスの仕組みを知り、安全に利用することを学ぶ。
2.学習到達目標
① メーリングリストの仕組みと利用の仕方を理解できる。
② ネットを利用したサービスの仕組みを知り,安全に利用できる。
3.研究課題
① ネットを利用したサービスの仕組みと安全な利用方法について説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第13講 セキュリティ
1.何を学ぶか
ウィルスの種類や活動について知り、セキュリティの仕組みを理解して、安全に利用することを学ぶ。
2.学習到達目標
① セキュリティについて理解できる。
② ウィルスの活動とセキュリティ対策について説明できる。
3.研究課題
① ウィルスの活動とセキュリティ対策について説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第14講 データ記憶装置
1.何を学ぶか
データ記憶装置の種類と機能を理解し、目的に合ったデータ記憶装置を選んでデータの利用・管理することを学ぶ。
2.学習到達目標
① データ破損とデータ破損対策について説明できる。
② データ記憶装置の特性を知り,適切に利用することができる。
3.研究課題
① データ記憶装置の特性に合った利用法について説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第15講 暗号化
1.何を学ぶか
暗号化の仕組みを知り、セキュリティ対策について理解し、情報を安全に取り扱うことを学ぶ。
2.学習到達目標
① 暗号化の仕組みを理解できる。
② 情報セキュリティポリシーについて説明できる。
3.研究課題
① セキュリティ対策について説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
Ⅳ レポート課題
課題1
家庭の電気製品は,私たちの日常生活に欠かせないもので,さまざまな目的で使用されている。家庭で使う電気製品は,正しく使用することで安全に利用できる。家庭内の加熱器具をひとつ取り上げて、その仕組みと安全に利用方法について1200文字以内で記述しなさい。
課題2
脆弱性とは,コンピュータのOSやソフトウェアにおいて,プログラムの不具合や設計上のミスが原因となって発生した情報セキュリティ上の欠陥のことを言う。インターネットに接続しているコンピュータにおける情報セキュリティ上の大きな問題のひとつになっている。コンピュータのセキュリティ対策について1200文字以内で記述しなさい。
Ⅴ アドバイス
課題1解説
家庭内には様々な加熱器具がある。その中から、例えば、IHを取り上げて、電磁誘導加熱の仕組みを説明し、自動調理機能を使う場合には,説明書に明記されている大きさの調理器具を使って調理器具の温度を調べるセンサーが正しく働くようにすることなどの正しい使い方について書く。
課題2解説
コンピュータのセキュリティ対策は、個人や組織がデータやプライバシーを守るために重要で、主な対策は次のものである。
・ソフトウェアの更新: OSやアプリケーションを最新の状態に保つ
・ウイルス対策ソフトウェアを導入する
・強固なパスワードと多要素認証を導入する.
・不審なメールを見極める
・情報の持ち出しを制限する
これらを網羅して、詳しく記述する。
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
Ⅷ 参考文献
① よくわかる電気機器(森北出版)
② 電気機器学の基礎理論(コロナ社)
【授業】メタバース基礎
Ⅰ はじめに
誰でもメタバースのリアルな仮想世界に参加して、ゲームやライブ、イベントを楽しむことができ、研修会や会議などのビジネスシーンでも活用できる。VR技術の進展により、遠くの人と簡単にコミュニケーションができ、観光、医療、研修など幅広い分野での活用が始まっている。メタバースの基礎を学び、活用方法や基礎的な技術について理解することを目指す。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
メタバースの活用事例、メタバース制作の基礎的な技術、制作手順、法令などの基礎を理解する。
Ⅲ 授業の教育目標
第1講~第15講の各研修目標に基づいて、テキストと動画教材を利用してメタバースの基礎について理解し、各講の課題に取り組むことで、メタバースの基礎の習得を図る。
第1講 メタバースとは
1.何を学ぶか
メタバースの概要を理解し、メタバース関連の技術の概要について学ぶ。
2.学修到達目標
・メタバースの概要を理解することができる。
・メタバース関連の技術の概要について説明することができる。
3.課題
1.メタバースの概要について整理しなさい。
2.メタバース関連の技術について整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第2講 XRとVR
1.何を学ぶか
メタバースを実現する技術XRであるVR,MR,ARの違いについて理解し、メタバース制作の技術VRの基礎について学ぶ。
2.学修到達目標
・メタバースを実現する技術XRについて理解することができる。
・VRについて説明することができる。
3.課題
1.メタバースを実現する技術XRについて説明しなさい。
2.VRについて整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第3講 VRの活用(医療、広告)
1.何を学ぶか
ビジネスの分野で広く利用が始まっている医療、および、広告の分野でのVRの活用事例について学ぶ。
2.学修到達目標
・医療でのVR活用について理解することができる。
・広告でのVR活用について理解することができる。
3.研究課題
1.医療でのVR活用について整理しなさい。
2.広告でのVR活用について整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第4講 VRの活用(エンターテイメント、スポーツ、不動産)
1.何を学ぶか
ビジネスの分野で広く利用が始まっているエンターテイメントやスポーツ、および、不動産の分野でのVRの活用事例について学ぶ。
2.学修到達目標
・エンターテイメントでのVR活用について理解することができる。
・スポーツでのVR活用について理解することができる。
・不動産でのVR活用について理解することができる。
3.課題
1.エンターテイメントでのVR活用について整理しなさい。
2.スポーツでのVR活用について整理しなさい。
3.不動産でのVR活用について整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第5講 VRの活用(建築・土木、自動車)
1.何を学ぶか
ビジネスの分野で広く利用が始まっている建築・土木、および、自動車の分野でのVRの活用事例について学ぶ。
2.学修到達目標
・建築・土木でのVR活用について理解することができる。
・自動車でのVR活用について理解することができる。
3.研究課題
1.建築・土木でのVR活用について整理しなさい。
2.自動車でのVR活用について整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第6講 VRの活用(観光・ホテル)
1.何を学ぶか
ビジネスの分野で広く利用が始まっており、岐阜女子大学メタバースプロジェクトで取り組んでいる観光・ホテルの分野でのVRの活用事例について学ぶ。
2.学修到達目標
・観光でのVR活用について理解することができる。
・ホテルでのVR活用について理解することができる。
3.課題
1.観光でのVR活用について整理しなさい。
2.ホテルでのVR活用について整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第7講 VRの活用(教育・研修)
1.何を学ぶか
教育DXにともない、授業や家庭学習でのメタバースの活用事例、遠隔協働学習での活用事例、及び、ビジネスシーンでの研修の事例について学ぶ。
2.学修到達目標
・教育でのVR活用について理解することができる。
・遠隔協働学習ついて理解することができる。
・研修でのVR活用について理解することができる。
3.課題
1.教育でのVR活用について整理しなさい。
2.遠隔協働学習ついて整理しなさい。
3.研修でのVR活用について説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第8講 メタバースと経済活動
1.何を学ぶか
仮想通貨、DeFi、NFT、DAOを使ったメタバースでの経済活動、および、トークンの基礎について学ぶ。
2.学修到達目標
・メタバースと経済活動について理解することができる。
・トークンについて理解することができる。
3.課題
1.メタバースと経済活動について整理しなさい。
2.トークンについて説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第9講 メタバースと法律
1.何を学ぶか
発展途上にあるメタバースとメタバースに関連する基礎技術によってもたらされる事態に対処するための法律が未整備であり、今後、新たな法律が適用されることやトラブルへの対処について学ぶ。
2.学修到達目標
・メタバースと法律について理解することができる。
・トラブルへの対処について理解することができる。
3.課題
1.メタバースと法律について整理しなさい。
2.トラブルへの対処について整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第10講 3DCG
1.何を学ぶか
メタバースを制作する基礎的な技術の3DCG、および、3DCGの制作工程ついて学ぶ。
2.学修到達目標
・3DCGについて理解することができる。
・3DCGの工程ついて理解することができる。
3.課題
1.3DCGについて説明しなさい。
2.3DCGの工程について整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第11講 メタバースプラットフォーム
1.何を学ぶか
メタバースを制作するためのメタバースプラットフォーム制作ソフト、および、メタバース制作工程ついて学ぶ。
2.学修到達目標
・メタバースプラットフォームについて理解することができる。
・メタバース制作の工程ついて理解することができる。
3.課題
1.メタバースプラットフォームについて説明しなさい。
2.メタバース制作の工程について整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第12講 3Dモデリング
1.何を学ぶか
3Dモデリングの種類と制作方法、および、3Dモデリングの表現方法について学ぶ。
2.学修到達目標
・3Dモデリングについて理解することができる。
・3Dモデリングの表現方法について理解することができる。
3.課題
1.3Dモデリングについて説明しなさい。
2.3Dモデリングの表現方法について整理しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第13講 ゲームエンジン
1.何を学ぶか
ゲームエンジンの基礎、および、レンダリングソフトについて学ぶ。
2.学修到達目標
・ゲームエンジンについて理解することができる。
・レンダリングソフトについて理解することができる。
3.研究課題
1.ゲームエンジンについて説明しなさい。
2.レンダリングソフトについて説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第14講 モーションキャプチャー
1.何を学ぶか
モーションキャプチャーの基礎、および、モーションキャプチャーの種類について学ぶ。
2.学修到達目標
・モーションキャプチャーについて理解することができる。
・モーションキャプチャーの種類について理解することができる。
3.課題
1.モーションキャプチャーについて説明することができる。
2.モーションキャプチャーの種類について説明することができる。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第15講 メタバース開発
1.何を学ぶか
Web上での3Dコンテンツ作成の基礎、及び、レンダリングソフトについて学ぶ。
2.学修到達目標
・Web上での3Dコンテンツ作成について理解することができる。
・レンダリングソフトについて理解することができる。
3.課題
1.モーションキャプチャーについて説明することができる。
2.モーションキャプチャーの種類について説明することができる。
4.プレゼン資料
5.動画資料
Ⅳ レポート課題
課題 メタバースを活用することで、様々な課題を解決することができる。次の社会やビジネスの課題事例からひとつ取り上げて、メタバースを利用して解決する方法について、1200文字以内で記述しなさい。
・リモートワークの促進
・教育分野への応用
・ビジネスの新しい形の創出
・社会問題の解決
Ⅴ アドバイス
課題解説 メタバースでは、アバターを通じて仮想空間でコミュニケーションを取り、会議やプロジェクトを進めることができる。プライバシーを守りつつ、セキュリティ対策にも配慮して、場所や時間に制約されずに仕事や学習(学修)を進めることができる。これらの利点を生かして、さまざまな社会的な課題を解決するアイデアを考えよう。
Ⅵ 科目修得試験:定期試験
Ⅶ テキスト
Ⅷ 参考文献
①メタバース見るだけノート(岡嶋裕史)
②60分でわかる!メタバース超入門(武井勇樹)
③メタバース未来戦略(久保田瞬・石村尚也)
④メタバースの教科書(雨宮智浩)
⑤ザ・メタバース 世界を創り変えしもの(マシュー・ボール)
資料
【授業】教育の方法・技術(2024年度版)
Ⅰ はじめに
21世紀の知識基盤社会における「学力」は「他者と協働しつつ創造的に生きていく」ための資質・能力の育成である。そのために,学習活動では,他者と共に新たな知識を生み出す活動を引き出しつつ深い知識を創造させていく経験を,数多く積ませることが重要である。また,情報化や国際化が進み,社会が⼤きく変化する中で,学校,そして教師は様々な変化に直面している。児童に求められる学力の変化や授業でのICT活用など,教師はどう対応していけばよいのでしょうか。本講座では「インストラクショナルデザイン」を手がかりに,学びの基礎としてのインストラクショナルデザインについて考える。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
知識基盤社会とは,新しい知識やアイデア,技術のイノベーションがほかの何よりも重視される社会である。そのイノベーションのために,他者とのコミュニケーションやコラボレーション(協働,協調)が重視され, それらが効果的・建設的に行えるように,人と人を繋ぐコミュニティやICTの役割に注目が集まっている。つまり,現在決まった答えのないグローバルな課題に対して,大人も子供も含めた重層的なコミュニティの中で,ICT を駆使して一人ひとりが自分の考えや知識を持ち寄り,交換して考えを深め,統合することで解を見出し,その先の課題を見据える社会へと,社会全体が転換しようとしている。ここでは,その高度情報社会とそれに応じて求められる資質や能力について考える。
Ⅲ 授業の教育目標
(1)「インストラクショナルデザイン」を手がかりに,効果的・効率的・魅力的な授業づくりや学びの方法について考え,自分の考えを具体的に述べることができる。
(2)21世紀に求められる学力を育む新たな授業と評価を,背景や実践事例を紹介しながら考え,説明できる。
(3)目標を分析して構造がわかると,評価規準ができる。目標の構造がわかるというのは,評価規準のなかで,重要度を決定することを考える。
(4)「教えないで学べる」研修の視点を考え,整理し提示する。
(5)協働学習の手法の一つである「ジグソー学習法」を経験し,学習者自身で知識を統合して答えを出す学習活動過程について理解を深め,その効⽤を考える。
第1講 教育方法の歴史 ~教えと学びのパラダイムの交錯~
1.何を学ぶか
(1)教育方法の歴史としての行動主義的学習観について
(2)教育方法の歴史としての認知主義的学習理論について
(3)教育方法の歴史としての構成主義的学習理論について
(4)教育方法の歴史としての社会構成主義的学習理論について
(5)これからの学びにおける,学習者の学びに向かう態度とは何か
2.学習到達目標
(1)幼稚園教育要領・学習指導要領の転換が図られていることを理解し,説明することができる。
(2)現在の幼稚園教育要領・学習指導要領において,重要視されている学習者の主体的に学ぶ態度(自律的な学び)について,具体例を示しながら説明できる。
3.研究課題
(1)教育方法の歴史としての,学習観の変遷を,学習者の具体的な姿を示し,述べなさい。
(2)現在の学習観において,重要視されている学習者の主体的に学ぶ態度(自律的な学び)について,具体例を示し,述べなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第2講 インストラクショナルデザイン
1.何を学ぶか
(1)インストラクショナルデザインとは
(2)教材開発とインストラクショナルデザイン
(3)ADDIE
2.学習到達目標
(1)インストラクショナルデザインとは何か説明できる。
(2)ADDIEモデルについて事例をあげて説明できる。
3.研究課題
(1)ADDIEのプロセスを検討し,折り紙を折れるようになる教材を作成しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第3講 21世紀に求められる学力と学習環境
1.何を学ぶか
(1)知識基盤社会で求められる力
(2)21世紀型学力を育成する授業への変革
(3)授業・教育課程のすがた
(4)評価のすがた
(5)取り組み事例
2.学習到達目標
(1)21世紀に求められる学力について説明できる。
(2)資質・能力を引き出す授業の条件を説明できる。
3.研究課題
(1)知識習得モデルと知識創造モデルの違いを説明しなさい。
(2)知識習得モデルから知識創造モデルへの授業改善について,具体例をあげて説明しなさい。
(3)変容的評価について,具体例をあげて説明しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第4講 システム的アプローチによる授業の設計
1.何を学ぶか
(1)システム的アプローチ
(2)研修を設計する
(3)TOTEモデル
(4)カークパトリックモデル
2.学習到達目標
(1)システム的なアプローチ(システムズアプローチ)の意味を理解し,説明できる。
(2)システムズアプローチの理論を基に,研修講座の設計の基本的な考え方を整理し,述べることができる。
3.研究課題
(1)システムズアプローチとは,どのような考えかを整理して,述べなさい。
(2)システムズアプローチの考えを基に,自身が行うと仮定する授業の設計の基本的な考え方を整理し,述べなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第5講 授業の分析と設計
1.何を学ぶか
(1)授業の目標分析
(2)教育目標の分類学
(3)教材の構造
(4)授業の設計・開発の手順
2.学習到達目標
(1)何を学ぶのか,そのための授業のあり方について説明できる。
(2)システム的な授業設計・開発の手順を5つに分けて説明できる。
3.研究課題
(1)自分が授業を行うとするならば,何を学ぶ授業とするのかを具体的に述べなさい。学ぶことを実現するために,どのような授業とするのか,その方針を述べなさい。
(2)(1)で述べた授業を基に,システム的な授業設計について,①何をしたいのか②何学びたいか③何を指導したいか④どのような順序で学ぶのか⑤それを指導するために,何がいるのか,の5つに分けて,具体例を示しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第6講 学習目標のデザイン
1.何を学ぶか
(1)学習目標の明確化
(2)学習目標の分類
(3)明確な学習目標を設定する
2.学習到達目標
(1)ブルームの教育⽬標分類について,行動目標による例を取り挙げて説明できる。
(2)ガニェの学習成果の5分類について,具体例を挙げて説明できる。
(3)明確な学習目標について,研修を仮定し,具体的に説明できる。
3.研究課題
(1)ブルームの教育目標分類について,行動目標による例を取り上げて説明しなさい。
(2)ガニェの学習成果の5分類について,具体例を挙げて説明しなさい。
(3)明確な学習目標について,具体的な単元において設定しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第7講 e-Learningの方法と技術
1.何を学ぶか
(1)e-learning
(2)e-learning開発の方法
2.学習到達目標
(1)e-Learningとは,どのような学び方であるのか,そしてどのような特徴を持っているのかを,具体的な授業を例に,説明できる。
(2)e-Learningを活用した授業を,具体的に立案できる。
3.研究課題
(1)e-Learningとは,どのような学び方であるのか,そしてどのような特徴を持っているのかを,具体的な授業を例に述べなさい。
(2)e-Learningを活用した授業を,具体的に立案しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第8講 ハイブリッド型授業の方法と技術
1.何を学ぶか
(1)遠隔教育
(2)e-learningと遠隔授業を組み合わせた授業構成
(3)遠隔教育の必要性
(4)遠隔協働学習のすすめ
2.学習到達目標
(1)ハイブリット型授業について具体的に説明できる。
(2)ハイブリット型授業で授業設計ができる。
3.研究課題
(1)遠隔教育の変遷について説明しなさい。
(2)ハイブリット型授業の3つのパターンについて,具体例を挙げて説明しなさい。
(3)ハイブリット型授業を具体的に企画しなさい。
(4)ハイブリット型授業の課題について具体例を挙げて説明しなさい。
(5)遠隔教育の必要性について具体例を挙げて説明しなさい。
(6)遠隔協働学習を企画し,実際にやってみなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第9講 魅力ある研修をつくる
1.何を学ぶか
(1)研修を始める前に
(2)講師の指導力
(3)ガニェの9教授事象
(4)講師が身に付けるべきスキル
(5)受講者に身に付けさせたいスキル
(6)学習環境を整える
2.学習到達目標
(1)魅力ある研修をつくる講師の指導力について説明できる。
(2)ガニェの9教授事象について具体例をあげて説明できる。
3.研究課題
(1)ガニェの9教授事象をもとに,魅力ある研修をつくるのにどのような研修の展開をするとよいのかについて,具体的な教育・保育活動をあげながら,グループで話し合って発表しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第10講 学習意欲を高める
1.何を学ぶか
(1)動機づけを高める要因
(2)ARCSモデル
(3)アンドラゴジーとペダゴジー
(4)学習意欲を高める指導法
(5)学ぶ意欲を保ち続けるために
2.学習到達目標
(1)学習意欲を高める指導法について説明できる。
(2)ジョン・M・ケラーの ARCS モデルについて具体的に説明できる。
(3)アンドラゴジーをもとにして学校式教育から大人の学び支援について,その違いを具体的に説明できる。
3.研究課題
(1)アンドラゴジーをもとにして,学校式教育から大人の学び支援について,その違いを具体的に5つあげて,KJ 法を使って,グループごとに分類し,説明しなさい。
(2)各グループで,学習の動機づけの具体的な方法をあげて,ジョン・M・ケラーの ARCSモデルのどの分類にあたるか分類しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第11講 協働的な学びをデザインする
1.何を学ぶか
(1)日本における協働学習
(2)協働学習と互恵的教授法の考え方と学習効果
(3)協働学習に影響を与える要因
(4)協働学習のデザインの手法
(5)協働学習を支援する教材開発
2.学習到達目標
(1)協働学習の考え方を理解し実際に授業デザインできる。
(2)ワークショップの手法を5種類説明できる。
(3)ジグソー学習について説明できる。
3.研究課題
(1)協働学習の手法の一つである「ジグソー学習法」を経験し,学習者自身で知識を統合して答えを出す学習活動過程について理解を深め,その効用を検討しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第12講 新たな学びと教育リソース
1.何を学ぶか
(1)反転授業
(2)メディアを組み合わせた教育リソース
(3)新たな学びと教育リソース
(4)デジタルアーカイブと教育リソースの連携
2.学習到達目標
(1)反転授業について具体例を挙げて説明できる。
(2)反転授業について具体的に授業設計ができる。
3.研究課題
(1)反転授業とその効果と可能性について説明しなさい。
(2)反転授業の学習展開について具体的に説明しなさい。
(3)反転授業の学習展開について具体的に指導案を作成しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第13講 行動変容のモニタリング技法
1.何を学ぶか
(1)教育支援プログラム(スクールアーク)
(2)カークパトリック・モデル
(3)行動変容のアンケート調査の実施
(4)実践から10年後の追跡調査
2.学習到達目標
(1)行動変容とは何か具体例を挙げて説明できる。
(2)行動変容を起こすための仕掛けには何が必要か説明できる。
(3)行動変容を評価する方法について説明できる。
3.研究課題
(1)行動変容の評価についてその効果と可能性について説明しなさい。
(2)行動変容を促す研修企画について具体的に説明しなさい。
(3)カークパトリック・モデル(Kirkpatric Model)の4段階評価を活用する事例を考えなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第14講 「教えないで学べる」という新たな学び
1.何を学ぶか
(1)J・Bキャロル(Carroll)の学校学習の時間モデル
(2)「教えないで学べる」学習環境
2.学習到達目標
(1)「教えないで学べる」とはどのようなことか具体例を挙げて説明できる。
(2)「教えないで学べる」という新たな学びの設計ができる。
3.研究課題
(1)J・B・キャロル(Carroll)の学校学習の時間モデルについて説明しなさい。
(2)「教えないで学べる」学習環境について具体的に説明しなさい。
(3)「教えないで学べる」研修を実現するための手立てを考えなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
第15講 授業を分析してみよう
1.何を学ぶか
(1)学びを改善する意義
(2)学びを記録・分析する方法
(3)学びの振り返りの意義と方法
2.学習到達目標
(1)学びを改善する意義を,自分にとってとして捉え,生み出すことができる。
(2)学びを記録して,分析・振り返ることを実践できる。
3.研究課題
(1)学びを改善する意義を説明しなさい。
(2)模擬的な授業を例に取り挙げ,それに対して学びの記録・分析の方法を立案しなさい。
(3)学びの振り返りの方法を活用して,自分の学びの振り返りを実施しなさい。
4.プレゼン資料
5.動画資料
Ⅳ レポート課題
課題1 教育の方法・技術を学んで、各講の課題に取り組まれたと思います。テーマ1~8の中から、現在の自分の中で、最も興味を持った課題を1題選択して、その解を述べてください。
回答の際に、第〇講 課題番号 を必ず書いてください。
※興味とは、自分がもっと考えてみたいと思えたこと、と捉えてください。
※字数は、各課題に従います。課題に字数制限がない場合は、A4・1ページとします。
課題2 教育の方法・技術を学んで、各講の課題に取り組まれたと思います。テーマ9~15の中から、現在の自分の中で、最も興味を持った課題を1題選択して、その解を述べてください。
回答の際に、第〇講 課題番号 を必ず書いてください。
※興味とは、自分がもっと考えてみたいと思えたこと、と捉えてください。
※字数は、各課題に従います。課題に字数制限がない場合は、A4・1ページとします。
Ⅴ アドバイス
課題1解説 各講のテキストや動画を再度見直したり,参考文献を読んだりしてください。
「自分の解」を導き出すことを意識してください。
課題2解説 各講のテキストや動画を再度見直したり,参考文献を読んだりしてください。
「自分の解」を導き出すことを意識してください。
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
「インストラクショナルデザイン」を手がかりに,効果的・効率的・魅力的な授業づくりや学びの方法について,自分の考えを具体的に述べることができる。インストラクショナルデザインに基づいた具体的な学びの例を提示し,述べること。
Ⅶ テキスト
・齋藤陽子著(2024)『教育の方法・技術』岐阜女子大学
Ⅷ 参考文献
1)P・グリフィン著:21世紀型スキル 北大路書房
2)鈴木克明)(2015)『研修設計マニュアル 人材育成のためのインストラクショナルデザイン』北大路書房
3)岐阜女子大学編:教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザイン
資 料
1.1e-Learnirng科目ガイドブック(教育の方法・技術)
3_1 教育の方法・技術_テキスト