飛騨の史跡 ~ 名馬大黒と駒ケ鼻峠 ~
文武天皇の時代、大宝2年(702)に空を飛ぶように走る素晴らしい黒馬を斐陀の国から朝廷に献上した。朝廷では瑞祥(ずいしょう=良いこと)の印だといって国をあげてのお祝いとなった。この黒い馬の出現を記念して和銅6年(713)、斐陀の国名を飛ぶ馬の意味である「飛騨」に改めたと地元に伝わる。
黒馬の産地は、高山市上宝町在家駒ケ鼻だとして二つの石碑が駒ケ鼻に建てられ、産地の伝承がされている。「名馬大黒之碑」と、もう一つの碑には、万葉集巻第十六から引用された「烏羽玉之斐太乃大黒毎見巨勢小黒之所念可聞」とあり「かくよめる斐太のおおぐろといえる馬は昔このあたりより出しゆえ ここを駒ケ原とは名づけしとぞ」と説明している。