【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
【大学教育推進会議】e-Learning推進部会【2023年度】
_ 2023年度のe-Learningの構築の経緯については上記のサイトをご覧ください。
【2024年度】
第8回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和6年4月18日(木)15:00~16:00
場所:本館中会議室
内容:
1.来年度のe-Learning構築科目(15科目)について(3月28日〆切)
〇構築科目には戦略をもって科目構成を考えることが必要です。その戦略の方向性は、大学の新たな展開に結びつけることが重要です。部会で考えている新たな展開は以下の通りです。
- ①大学等連携の推進
②学生 社会人の教育プログラムの開発
③単位互換プログラム事業の展開
④リカレント教育 リスキリング教育の推進
⑤高大接続の推進
⑥学修成果の評価方法の開発 普及
⑦地域活性化の推進
2.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業について
【事業概要】
〇地域産業や地域社会を担う人材確保のため,デジタル・グリーン等成長分野に関するリスキリングを推進する,このためにリスキリング教育のための「Multi Campus One Digital University」を新たに構築し,地域人材の育成カリキュラムを開発し実践する。
(注)「Multi Campus One Digital University」とは,DX(Digital Transformation)時代における“新たな学び”の創出により,デジタル技術を活用し,学びのあり方やカリキュラムを革新させると同時に,リスキリング文化を革新し,時代に対応した新たなリスキリング教育システムである。
〇本システムにより,全ての講座をいつでもどこからでも受講できるようなオープンなデジタルユニバーシティの構築することにより,新たな雇用機会を創出し,地域に必要な人材確保の新たな展開を実現する。
3.その他
資料
2.Multi_Campus_One_Digital_University構想__私立大学地域創生推進事業
4.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会 令和6年度e-Learning構築科目と今年度のスケジュール
次回 令和6年5月30日(木)13:30~14:30(予定)
1.令和6年度 e-Learning構築科目(予定)
| 学科・専攻・専修 | No | 科目名 | 担当者(敬称略) | 大学の新たな展開 |
| 生活科学 | 1 | 被服学概論 | 宮本教雄 | コアカリキュラム |
| 2 | 服飾デザイン文化論 | 齋藤益美 | 衣料管理士 | |
| 3 | 家庭科教育法Ⅰ | 藤木節子・野口雅子 | 中・高家庭科教員免許 | |
| 住居学 | 4 | 建築一般構造Ⅰ | 大崎友記子(黒見敏丈) | 沖縄女子短期大学からの編入対応(建築施工管理技士学科試験対応) |
| 5 | 建築一般構造Ⅱ | 大崎友記子(黒見敏丈) | 沖縄女子短期大学からの編入対応(建築施工管理技士学科試験対応) | |
| 6 | 建築計画専門演習Ⅰ | 冨士覇王(黒見敏丈) | 沖縄女子短期大学からの編入対応(建築施工管理技士学科試験対応) | |
| 7 | 建築法規専門演習Ⅰ | 森田実沙 | 沖縄女子短期大学からの編入対応(建築施工管理技士学科試験対応) | |
| 8 | CAD演習Ⅰ | 森田実沙 | 沖縄女子短期大学からの編入対応(建築施工管理技士学科試験対応) | |
| 9 | CAD演習Ⅲ | 森田実沙 | 沖縄女子短期大学からの編入対応(建築施工管理技士学科試験対応) | |
| 10 | 測量学・実習 | 冨士覇王(森田実沙) | 沖縄女子短期大学からの編入対応(建築施工管理技士学科試験対応) | |
| 11 | 建築計画専門演習Ⅱ | 冨士覇王(黒見敏丈) | 二級建築士学科対策 | |
| 12 | 建築法規専門演習Ⅱ | 森田実沙 | 二級建築士学科対策 | |
| 13 | 生活デザイン論 | 大崎友記子 | 高等学校一種免許状(家庭) | |
| 14 | 構造力学基礎Ⅱ | 黒見敏丈 | 構造力学入門科目 | |
| 健康栄養 | 15 | 基礎栄養学 | 伊佐保香 | 国試対策・予復習 等 |
| 16 | 生化学 | 野村裕也 | 国試対策・予復習 等 | |
| 17 | 調理学実習 | 大場君枝 | 国試対策・予復習 等 | |
| 18 | 化学 | 清水祐美 | 国試対策・予復習 等 | |
| 19 | 調理科学 | 笠井恵里 | 国試対策・予復習 等 | |
| 20 | 臨床栄養学 | 藤田昌子 | 国試対策・予復習 等 | |
| 書道教育 | 21 | 書道研究Ⅰ | 住川英明 | 大学院(特に通信教育課程)の学習環境を整えたいため。 |
| 観光・英語 | 22 | 観光地理Ⅱ | 瀬戸敦子 | 国家資格科目「旅行業務取扱管理者」 |
| 23 | 観光関連法規 | 瀬戸敦子 | 国家資格科目「旅行業務取扱管理者」 | |
| 24 | 英米文学 | 山中マーガレット | 教員免許状(英語) | |
| 25 | リーディングス | 山中マーガレット | 教員免許状(英語) | |
| 26 | 英語学概論 | 河原俊昭 | 教員免許状(英語) | |
| 27 | 在留外国人と言語 | 河原俊昭 | 学部共通科目(R6年度~) | |
| 28 | 文化財学 | 辻 公子 | ||
|
デジタルアーカイブ |
29 | 情報処理Ⅱ-情報と人権- | 久世 均 | 教養科目 |
| 30 | デジタルアーカイブ入門 | 林 知代 | 資格科目(デジタルアーキビスト) | |
| 31 | 情報処理 | 林 知代 | 免許科目(高校一種・情報) | |
| 32 | 情報の管理と流通 | 久世 均 | コアカリキュラム、資格科目(デジタルアーキビスト)、免許科目(高校一種・情報) | |
| 33 | メディア論Ⅲ | 井上 透 | 資格科目(デジタルアーキビスト)、資格科目(上級情報処理士)、免許科目(高校一種・情報) | |
| 34 | 文化情報メディアⅡ(メタバース) | 櫟 彩見 | コアカリキュラム、資格科目(デジタルアーキビスト、上級情報処理士)、免許科目(高校一種・情報) | |
| 35 | 文化情報メディアⅢ | 櫟 彩見 | コアカリキュラム、資格科目(デジタルアーキビスト)、免許科目(高校一種・情報) | |
| 36 | 博物館情報・メディア論 | 谷 里佐 | 資格科目(学芸員、デジタルアーキビスト) | |
| 37 | 図書館サービス概論 | 木幡智子 | 資格科目(図書館司書) | |
| 38 | 図書館情報資源概論 | 木幡智子 | 資格科目(図書館司書、学校司書、デジタルアーキビスト) | |
| 39 | 学校経営と学校図書館 | 木幡智子 | 資格科目(学校図書館司書教諭) | |
| 40 | 読書と豊かな人間性 | 木幡智子 | 資格科目(学校図書館司書教諭) | |
| 41 | 教材リサーチⅠ | 久世 均 | 資格科目(デジタルアーキビスト) | |
| 42 | 教材リサーチⅡ | 久世 均 | 資格科目(デジタルアーキビスト) | |
| 43 | 情報科教育法Ⅰ | 久世 均 | 免許科目(高校一種・情報) | |
|
初等教育学 |
44 | 遊びと文化Ⅰ | 眞喜志悦子 | 「幼児教育コーディネータ養成講座」
幼稚園教諭1種免許状上進のための本学の履修証明プログラム |
| 45 | 遊びと文化Ⅱ | 眞喜志悦子 | ||
| 46 | 保育内容(表現) | 土井のぞみ | ||
| 47 | 教師論 | 齋藤陽子 | ||
| 48 | 教育の方法・技術 | 久世均・齋藤陽子 | ||
| 49 | 幼児理解 | 大井修三 | ||
| 50 | 教育相談Ⅰ | 佐々木恵理 | ||
| 51 | 生徒指導論 | 吉野光浩 | 「小中連携教育コーディネータ養成講座」
小学校教諭2種免許状取得のための本学の履修証明プログラ ム
|
|
| 52 | 教育相談Ⅱ | 佐々木恵理 | ||
| 53 | 初等教科教育法(理科) | 横山隆光 | ||
| 54 | 初等教科教育法(音楽) | 田中陽治 | ||
| 55 | 初等教科教育法(外国語(英語)) | 中村典生 | ||
| 56 | 初等教科教育法(国語) | 森洋子 | ||
| 57 | 初等教科教育法(生活) | 眞喜志悦子 | ||
| 58 | 初等教科教育法(算数) | 坂下正明 | ||
| 59 | 教育方法論 | 村瀬康一郎 | 幼稚園・小学校教諭1種免許状 | |
| 60 | 家庭機器工学 | 横山隆光 | 学部共通科目 | |
| 大学院 | 61 | 教育方法特講Ⅰ | 齋藤陽子 | 専修免許状(各科目対応) |
| 62 | 教育課程特講Ⅳ | 齋藤陽子 | 「学校DX戦略コーディネータ養成講座」としての開講
②学部生・社会人向けの教育プログラムの開発 専修免許状(各科目対応)上進のための本学の履修証明プログラム |
|
| 63 | 教育原理特講 | 高橋正司 | ||
| 64 | 教育実践特講 | 齋藤陽子 | ||
| 65 | 教育情報特講 | 久世 均 | ||
| 66 | 教材開発特講 | 横山隆光 | ||
| 67 | 学校経営特講 | 横山隆光・高橋正司 | ||
| 68 | 教育法規研究 | 三尾寛次 |
※ Noが赤字の科目については構築済(リンクでe-Learningサイトとリンクしています。)
2.提出文書様式
1.【大学教育推進会議】e-Learning_科目学修到達目標並びに課題様式(Word版)(5月31日〆切)
2.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会_タキソノミーテーブル様式(Word版)(6月30日〆切)
3.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会_科目ガイドブック様式(Word版)(8月31日〆切)
4.科目名_テキスト(様式)配付(Word版)(8月31日〆切)
5.科目名_プレゼン(様式)(pptx版)
6.動画の作成(各講20分程度)
動画作成の方法について
第9回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和6年5月30日(木)13:30~14:30
場所:本館中会議室
1.令和6年度e-Learning構築科目(15科目)の科目学修到達目標並びに課題の提出状況(5月31日〆切)
2.タキソノミーテーブル作成(6 月30 日〆切)
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗について
4.その他
次回 令和6 年6月27 日(木)13:30~14:30(予定)
参考資料
会議資料
2.Multi_Campus_One_Digital_University構想__私立大学地域創生推進事業
7.DXで実現する地域のデジタル人材育成事業20240527
提出進捗状況
| 学科・専攻・専修 | No | 科目名 | 担当者(敬称略) | 科目学修到達目標並びに課題
(5月31日〆切) |
タキソノミーテーブル
(6 月30 日〆切) |
科目ガイドブック
(8月31日〆切) |
| 生活科学 | 1 | 被服学概論 | 宮本教雄 | 被服学概論 | 被服学概論 | 被服学概論 |
| 2 | 服飾デザイン文化論 | 齋藤益美 | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 3 | 家庭科教育法Ⅰ | 藤木節子・野口雅子 | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 住居学 | 4 | 建築一般構造Ⅰ | 大崎友記子(黒見敏丈) | 未提出 | 未提出 | 未提出 |
| 5 | 建築一般構造Ⅱ | 大崎友記子(黒見敏丈) | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 6 | 建築計画専門演習Ⅰ | 冨士覇王(黒見敏丈) | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 7 | 建築法規専門演習Ⅰ | 森田実沙 | 建築法規専門演習Ⅰ | 建築法規専門演習Ⅰ | 建築法規専門演習Ⅰ | |
| 8 | CAD演習Ⅰ | 森田実沙 | CAD演習Ⅰ | CAD演習Ⅰ | 未提出 | |
| 9 | CAD演習Ⅲ | 森田実沙 | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 10 | 測量学・実習 | 冨士覇王(森田実沙) | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 11 | 建築計画専門演習Ⅰ | 冨士覇王(黒見敏丈) | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 12 | 建築法規専門演習Ⅱ | 森田実沙 | 建築法規専門演習Ⅱ | 建築法規専門演習Ⅱ | 建築法規専門演習Ⅱ | |
| 13 | 生活デザイン論 | 大崎友記子 | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 14 | 構造力学基礎Ⅱ | 黒見敏丈 | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 健康栄養 |
15 | 基礎栄養学 | 伊佐保香 | 基礎栄養学 | 基礎栄養学 | 基礎栄養学 |
| 16 | 生化学 | 野村裕也 | 生化学 | 生化学 | 生化学 | |
| 17 | 調理学実習 | 大場君枝 | 調理学実習 | 調理学実習Ⅰ | 調理学実習Ⅰ | |
| 18 | 化学・生物 | 清水祐美 | 化学・生物 | 化学・生物 | 化学・生物 | |
| 19 | 調理科学 | 笠井恵里 | 調理科学 | 調理科学 | 調理科学 | |
| 20 | 臨床栄養学各論Ⅰ | 藤田 昌子 | 臨床栄養学各論Ⅰ | 臨床栄養学各論Ⅰ | 臨床栄養学各論Ⅰ | |
| 臨床栄養学各論Ⅱ | 藤田 昌子 | 臨床栄養学各論Ⅱ | 臨床栄養学各論Ⅱ | 臨床栄養学各論Ⅱ | ||
| 病態栄養管理 | 藤田 昌子 | 病態栄養管理 | 病態栄養管理 | 病態栄養管理 | ||
| 書道教育 | 21 | 書道研究Ⅰ | 住川英明 | 書道研究Ⅰ | 書道研究Ⅰ | 書道研究Ⅰ |
| 観光・英語 | 22 | 国内旅行業務応用 | 瀬戸敦子 | 国内旅行業務応用 | 国内旅行業務応用 | 未提出 |
| 23 | 観光関連法規 | 瀬戸敦子 | 観光関連法規 | 観光関連法規 | 未提出 | |
| 24 | 英米文学 | 山中マーガレット | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 25 | リーディングス | 山中マーガレット | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 26 | 英語学概論 | 河原俊昭 | 英語学概論 | 英語学概論 | 英語学概論 | |
| 27 | 在留外国人と言語 | 河原俊昭 | 在留外国人と言語 | 在留外国人と言語 | 在留外国人と言語( | |
| 28 | 文化財学 | 辻 公子 | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
|
デジタルアーカイブ |
29 | 情報処理Ⅱ-情報と人権- | 久世 均 | 構築済 | 構築済 | 構築済 |
| 30 | デジタルアーカイブ入門 | 林 知代 | デジタルアーカイブ入門 | デジタルアーカイブ入門 | デジタルアーカイブ入門 | |
| 31 | 情報処理 | 林 知代 | 情報処理 | 情報処理 | DA情報処理 | |
| 32 | 情報の管理と流通 | 久世 均 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 33 | メディア論Ⅲ | 井上 透 | メディア論Ⅲ | メディア論Ⅲ | メディア論Ⅲ | |
| 34 | 文化情報メディアⅡ(メタバース) | 櫟 彩見 | 文化情報メディアⅡ | 文化情報メディアⅡ | 文化情報メディアⅡ | |
| 35 | 文化情報メディアⅢ | 櫟 彩見 | 文化情報メディアⅢ | 文化情報メディアⅢ | 文化情報メディアⅢ | |
| 36 | 博物館情報・メディア論 | 谷 里佐 | 博物館情報・メディア論 | 博物館情報・メディア論 | 博物館情報・メディア論 | |
| 37 | 図書館サービス概論 | 木幡智子 | 図書館サービス概論 | 図書館サービス概論 | 図書館サービス論 | |
| 38 | 図書館情報資源概論 | 木幡智子 | 図書館情報資源概論 | 図書館情報資源概論 | 図書館情報資源概論 | |
| 39 | 学校経営と学校図書館 | 木幡智子 | 学校経営と学校図書館 | 学校経営と学校図書館 | 学校経営と学校図書館 | |
| 40 | 読書と豊かな人間性 | 木幡智子 | 読書と豊かな人間性 | 読書と豊かな人間性 | 読書と豊かな人間性 | |
| 41 | 教材リサーチⅠ | 久世 均 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 42 | 教材リサーチⅡ | 久世 均 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 43 | 情報科教育法Ⅰ | 久世 均 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
|
初等教育学 |
44 | 遊びと文化Ⅰ | 眞喜志悦子 | 構築済 | 構築済 | 構築済 |
| 45 | 遊びと文化Ⅱ | 眞喜志悦子 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 46 | 保育内容(表現) | 土井のぞみ | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 47 | 教師論 | 齋藤陽子 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 48 | 教育の方法・技術 | 久世均・齋藤陽子 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 49 | 幼児理解 | 大井修三 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 50 | 教育相談Ⅰ | 佐々木恵理 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 51 | 生徒指導論 | 吉野光浩 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 52 | 教育相談Ⅱ | 佐々木恵理 | 未提出 | 未提出 | 教育相談Ⅱ(カウンセリングを含む) | |
| 53 | 初等教科教育法(理科) | 横山隆光 | 未提出 | 初等教科教育法理科 | 初等教科教育法(理科) | |
| 54 | 初等教科教育法(音楽) | 田中陽治 | 未提出 | 未提出 | 初等教科教育法(音楽) | |
| 55 | 初等教科教育法(外国語(英語)) | 中村典生 | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 56 | 初等教科教育法(国語) | 森洋子 | 初等教科教育法(国語) | 未提出 | 初等教科教育法(国語) | |
| 57 | 初等教科教育法(生活) | 眞喜志悦子 | 初等教科教育法(生活) | 未提出 | 小初等教科教育法(生活) | |
| 58 | 初等教科教育法(算数) | 坂下正明 | 未提出 | 未提出 | 未提出 | |
| 59 | 教育方法論 | 村瀬康一郎 | 教育方法論 | 未提出 | 教育方法論 | |
| 60 | 家庭機器工学 | 横山隆光 | 家庭機器工学 | 家庭機器工学 | 家庭機器工学 | |
| 大学院 | 61 | 教育方法特講Ⅰ-Ⅳ | 齋藤陽子 | 構築済 | 構築済 | 構築済 |
| 62 | 教育課程特講Ⅳ | 教育課程特講 | 未提出 | 未提出 | ||
| 63 | 教育原理特講Ⅳ | 高橋正司 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 64 | 教育実践特講Ⅳ | 齋藤陽子 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 65 | 教育情報特講Ⅳ | 久世 均 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 66 | 教材開発特講Ⅳ | 横山隆光 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 67 | 学校経営特講Ⅳ | 横山隆光・高橋正司 | 構築済 | 構築済 | 構築済 | |
| 68 | 教育法規研究Ⅳ | 三尾寛次 | 構築済 | 構築済 | 構築済 |
第10回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和6 年6月27 日(木)13:30~14:30
場所:本館中会議室
1.令和6年度e-Learning構築科目(15科目)の科目学修到達目標並びに課題について
※ 科目学修到達目標並びに課題についてに留意事項
① この科目学修到達目標並びに課題においては、本来e-Learningにおいて自律的な教育用コンテンツとして機能するために提出いただくものです。つまり、学習到達目標を最初に示すことにより学習者が、どこまで学習することが必要か認識して学習に取り組むことが自律的な学習には重要になるからです。
② そのためにも、学習到達目標は、具体的で”〜ができる”というようにDo/Can形式で記入していただくことが必要になります。”〜を理解する”という記述では学習者は達成したかについて自分で評価できないからです。
③ また、今回のe-Learning学習コンテンツは、様々な学習において活用できることを目指しています。自律的な自宅での学習は勿論ですが、ハイブリット授業用の学習コンテンツとして、さらには、反転学習の学習コンテンツとして活用することも視野に入れています。これらの学習方法は授業者によりより効果的な方法を選び”新たな学び”を創出していただくことは必要ですが、本学の学生の実情に合わせて適切に組み合わせて使えるように共通の仕様に沿った学習コンテンツにしていく必要があります。
④ 特に、資格試験対策には効果的であると考えます。学習に向かう前提条件が異なる学習者に対して、e-Learningコンテンツで前提条件を揃えることも可能になります。
⑤ また、e-Learningとして自律に学ぶ教育用コンテンツとして文部科学省にも申請する必要がある場合もあります。可能な限り15コマ分(第1~15講)の内容に分けて作成をお願いいたします。
⑥ 大学の3つのポリシーであるディプロマ・ポリシーと、科目学修到達目標との関係は重要であり、科目学修到達目標を集合化したものがディプロマ・ポリシーとなる。従って、科目学修到達目標とディプロマ・ポリシーの関係を明確化し、今後その関係性をマップ化することが必要となります。
※⑥の内容は既に令和6年1月11日(木) に次のように指摘しました。”タキソノミ―テーブルには、ディプロマ・ポリシーとの関連性を明確にする必要があります。また、ディプロマ・ポリシーには、知識技能と資質能力を分けて構造化することが重要です。下記のタキソノミ―テーブルや科目ガイドブックと各専攻のディプロマ・ポリシーの関連について留意してください。”
以上の点を配慮して、科目学修到達目標並びに課題について再度ご確認をお願い致します。
2.タキソノミーテーブル作成(6 月30 日〆切)
・タキソノミーを作成いただくのは、教育内容の学習深度確認の為です。
| (○○する力がある) 事実、概念、 手続き、メタ認知 |
想起する | 理解する | 応用する | 分析する | 評価する | 創造する |
| (再認、再生) | 解釈、例示、分類、推論、比較、説明 | 実行、遂行 | 比較、組織 結果と原因 |
チェック、判断 | 生み出す、計画 できる、汎化 |
・上記の”想起する”から”創造する”まで課題や到達目標がバランスよく学習深度が網羅されているかを確認する作業です。
・もし、内容が偏っているならば、科目学修到達目標並びに課題から再度見直しをお願いいたします。
3.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会_科目ガイドブックの提出(8月31日〆切)
・【大学教育推進会議】e-Learning推進部会科目ガイドブック様式(Word版)
4.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗について
・【e-Learning】学校DX戦略コーディネータ特論(Ⅰ):学習到達目標
・【e-Learning】学校DX戦略コーディネータ特論(Ⅱ):学習到達目標(内容含)
・【e-Learning】デジタルアーカイブ概論:学習到達目標
5.その他
第11回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和6年8月29 日(木)13:30~14:30
場所:本館中会議室
1.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会_科目ガイドブックの提出(8月31日〆切)
(1)項目“何を学ぶか“は”何のために学ぶか“”どのように学ぶか“”どのように活かせるか“など箇条書きではなく、詳しく文章で記入してください。
(自律的な学習者を育て、自律的に学習をさせるのはこの項目が重要になります。)
(2)学習到達目標は、「何ができるようになるのか=Can-do」を学習到達目標に据えた課題遂行型の教育の実践ができるように工夫してください。
(3)研究課題は、各講2問程度作問してください。
2.プレゼン資料並びに動画作成(10月31日〆切)
(1)プレゼン資料はプレゼン資料のフォーマットに沿って作成してください。
(2)動画は各講20分程度で構成してください。その際に、学習到達目標を最初と最後に入れてください。
(3)動画に教員の顔を入れるかは自由で結構です。
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗について
【令和7年度】(予定)
① GX人材養成
・GX人材の養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
② 環境学・食品学の人材養成
・環境・食品に関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
③ 建築デザインの養成
・建築デザインに関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
4.その他
(1)e-Learningを使った授業についての学生の評価アンケートを取っていただき、授業の評価をしてください。(検証部会でとりまとめをお願いいたします。)
(2)e-Learning化は単に授業のデジタル化に過ぎず、教育DXとして考えるためには変革が必要です。親会議で大学としての新たな展開を協議し示してください。
資料
1.【大学教育推進会議】第11回e-Learning推進部会
次回 令和6年10月17日(木)13:30-14:30 予定
第12回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和6年10月17 日(木)13:30~14:30
場所:本館中会議室
1.科目ガイドブックの提出(8月31日〆切)
2.プレゼン資料並びに動画作成(10月31日〆切)
→ プレゼン資料並びに動画のファイル名を”第〇〇講テーマ”にしてください。
(例:第1講教育DX時代における新たな学び.pdf)
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗について
【令和7年度】(予定)
① GX人材養成
・GX人材の養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
② 食農デザインの人材養成
・環境・食品に関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
③ 建築デザインの養成
・建築デザインに関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
4.その他
・そもそもMulti_Campus_One_Digital_University構想とは何だったのか?
・どこまで実現できたのか?
・令和7年度 e-Learning構築科目(15科目)についての検討
資料
1.【大学教育推進会議】第12回e-Learning推進部会
2.Multi_Campus_One_Digital_University構想
3.Multi Campus One Digital University構想
次回 令和6年11月28日(木)13:30-14:30 予定
第13回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和6年11月28日(木)13:30-14:30
場所:本館中会議室
1.令和6年度e-Learning構築の状況
2.・令和7年度 e-Learning構築科目(15科目)について(提出期限:令和7年1月末)
資料
【大学教育推進会議】e-Learning推進部会 令和7年度のe-Learning構築科目(15科目)並びに担当者(〇〇専攻)
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗と来年度の計画について
資料
① DXで実現する地域のデジタル人材育成事業企画書(2024.10.18)
② ポスター
4.その他
資料
次回 令和7年 1月23日(木)13:30-14:30 予定
第14回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和7年1月23日(木)13:30-14:30
場所:本館大会議室
1.令和6年度e-Learning構築の状況
2.・令和7年度 e-Learning構築科目(15科目)について(提出期限:令和7年1月末)
資料
【大学教育推進会議】e-Learning推進部会 令和7年度のe-Learning構築科目(15科目)並びに担当者(〇〇専攻)
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗と来年度の計画について
資料
① DXで実現する地域のデジタル人材育成事業企画書(2024.10.18)
② ポスター
4.その他
資料
1.【大学教育推進会議】第14回e-Learning推進部会
3.令和7年度のe-Learning構築科目(15科目)並びに担当者
新Multi_Campus_One_Digital_Universityはこちらから
次回 令和7年3月13日(木)13:30-14:30 予定
第15回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和7年3月13日(木)13:30-14:30
場所:本館中会議室
【大学教育推進会議】第15回e-Learning推進部会
1.令和6年度e-Learning構築の状況
2.・令和7年度 e-Learning構築科目(15科目)について
① 令和7年度のe-Learning構築科目(15科目)並びに担当者
② e-Learning部会2025構築科目(初等教育学専攻)提出
③ 令和7年度のe-Learning構築科目(15科目)並びに担当者(アーカイブ・観光・生活・初等・健栄)
| 学科・専攻・専修 | No | 科目名 | 担当者(敬称略) | 大学の新たな展開 |
| デジタルアーカイブ専攻
|
1 | ネットワークと情報表現(含実習) (7回分) |
櫟 | 資格科目(デジタルアーキビスト)、資格科目(上級情報処理士)、免許科目(高校一種・情報) |
| 2 | 図書館概論 | 木幡 | 資格科目(図書館司書) | |
| 3 | 図書・図書館史 | 木幡 | 資格科目(図書館司書) | |
| 4 | 図書館施設論 | 木幡 | 資格科目(図書館司書) |
| 学科・専攻・専修 | No | 科目名 | 担当者(敬称略) | 大学の新たな展開 |
| 観光専修 | 1 | 観光関連法規 | 瀬戸 敦子 | 観光専修必須科目、国家試験対応(R6構築済み 内容一部更新) |
| 2 | 世界遺産論 | 瀬戸 敦子 | 学部共通科目(R5構築済み 内容一部更新) | |
| 3 | 国内旅行業務応用 | 瀬戸 敦子 | 観光専修必須科目、国家試験対応 | |
| 4 | 英米文学 | 山中 マーガレット | 教員免許状(英語) | |
| 5 | リーディングス | 山中 マーガレット | 教員免許状(英語) | |
| 6 | 文化創造学基礎(英語) | 樋田 光代 | 学部共通科目 |
| 学科・専攻・専修 | No | 科目名 | 担当者(敬称略) | 大学の新たな展開 |
| 生活科学学科
生活科学専攻 |
1 | 被服学概論 | 宮本教雄 | コア・カリキュラム |
| 学科・専攻・専修 | No | 科目名 | 担当者(敬称略) | 大学の新たな展開 |
| 初等教育学専攻 | 1 | 初等教科教育法(社会) | 吉野光浩・齋藤陽子 | 「小中連携教育コーディネータ養成講座」
小学校教諭2種免許状取得のための本学の履修証明プログラム |
| 2 | 教育方法研究 | 村瀬康一郎 | 専修免許状 | |
| 3 | 教育経営特講 | 三尾寛次 |
| 学科・専攻・専修 | No | 科目名 | 担当者(敬称略) | 大学の新たな展開 |
| 健康栄養学科
|
1 | 生化学 | 野村 | 国家試験対策、授業の予習・復習 (令和6年度継続、動画作成のみ) |
| 2 | 公衆栄養学 | 板屋 | 国家試験対策、授業の予習・復習 | |
| 3 | 臨床栄養学 | 岩﨑 | 国家試験対策、授業の予習・復習 | |
| 4 | 食品衛生学 | 臼井 | 国家試験対策、授業の予習・復習 | |
| 5 | ライフステージ栄養論 | 土屋・丹羽 | 国家試験対策、授業の予習・復習 | |
| 6 | 栄養教育論・指導論 | 和田 | 国家試験対策、授業の予習・復習 |
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の事業報告と来年度の計画について
③ 令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業費補助金実績報告
4.その他
次回 令和7年4月24日(木)13:30-14:30 予定
【委託研究事業】令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業
~DXで実現する地域のデジタル人材育成事業~
事業概要
〇地域産業や地域社会を担う人材確保のため,デジタル・グリーン等成長分野に関するリスキリングを推進する,このためにリスキリング教育のための「Multi Campus One Digital University」を新たに構築し,地域人材の育成カリキュラムを開発し実践する。
(注)「Multi Campus One Digital University」とは,DX(Digital Transformation)時代における“新たな学び”の創出により,デジタル技術を活用し,学びのあり方やカリキュラムを革新させると同時に,リスキリング文化を革新し,時代に対応した新たなリスキリング教育システムである。
〇本システムにより,全ての講座をいつでもどこからでも受講できるようなオープンなデジタルユニバーシティの構築することにより,新たな雇用機会を創出し,地域に必要な人材確保の新たな展開を実現する。
事業内容
〇少子高齢化社会において,人手不足が深刻化している地方や中小企業ではデジタル化は急務であるが,それを進める人材は少なく採用に苦慮している。このため,現有人材をデジタル人材化するための教育が各企業で進んでいる。
〇2022年秋の段階で,DXに取り組んでいる企業のうち8割以上が従業員のリスキリングに取り組んでいる。
〇総務省も,人への投資を推進しており,官民連携でリスキリングに取り組む自治体が出てきている。地域に必要な人材の確保のため,地方自治体が企業のデジタル人材育成を支援する動きは,今後も活発化すると予想される。
〇企業内研修とは異なり,民間企業や個人向けに学習の機会を提供するには複雑な仕組みが必要である。本学が計画する,①誰もが学べる環境を整備する,②人々が学びたいテーマの教育を準備する,③誰が何を学んだか知識が身についたか進捗を確認するなど,すべてを企業内で行うことは難しい。
〇それを一気通貫で実現できるのが本学が構想する「Multi Campus One Digital University」である。「Multi Campus One Digital University」では,高度な指導者によるカリキュラムの開発やe-Learning配信システムを用いて学習環境を提供する。
〇本システムにより,全ての講座をいつでもどこからでも受講できるようなオープンなデジタルユニバーシティの構築することにより,新たな雇用機会を創出し,地域に必要な人材確保の新たな展開を実現する。
〇これまでの産業構造が根本的に変化したことにより,かつての主力産業の衰退や業務のロボット化・デジタル化が一気に進んだ。それに伴い,企業は大量の余剰人員を抱えることになった。しかも多くの企業は,斜陽に差し掛かっているこれまでの事業の延長線上ではなく,新たな事業を開拓できるイノベーション人材を求めている。
〇その一方で,急速に進んだDXに対応できるIT人材不足は深刻な状況に陥っている。例えば,これまでテレビを主力商品として開発・製造していたメーカーが,テレビの生産をストップさせ,代わりにロボット技術の開発に事業移管する,といったイメージである。
〇こういった場面で直面するのが,もう必要のなくなったスキルしか持たない従業員の処遇と,新事業で必要とされる新たなスキルを持つ人材の不足である。その時,余剰となった人材を再教育(リスキリング)して再配置し,新たな雇用機会の創出につなげるというのがリスキリングの考え方である。
〇リスキリングが重視されているもうひとつの理由として,DXへの対応がある。DXとは単なるデジタル化・効率化ではなく,企業の製品やサービス,ビジネスモデル,そして組織そのものを変革させることである.事業構造の変化に伴い,これまでと全く違うスキルがすべてのプロセスにおいて求められることになる。
〇DXは一部のIT技術者だけが対応すれば良いというものではない。今いるすべての従業員たちが,会社の変化を理解し,新たな知識やスキルを身に付け,新しい仕組みに順応して業務を行い,利益を上げていく。
〇企業がDXに本気で取り組もうとする時,すべての従業員のリスキリングが求められる。自社の従業員が現在保有しているスキルは何か,これから必要となるスキルは何か。それを可視化させ,ギャップを埋めるリスキリングプログラムを用意する必要がある。
大学等における課題解決に向けたこれまでの取組状況
〇地域における大学の使命は,地域における新たな価値の創造による新たな文化と雇用の創出である。そのためには,地域の大学は知の拠点としての機能を有し地域で活躍できる人材の育成が重要である。
〇また,上記の地域資源デジタルアーカイブをという教育リソースと日本の著名な専門家を招聘した下記のような研修講座を実施してきた。
①デジタルアーカイブin岐阜2022・2023の実施
令和5年2月11日(土) 受講者:72名(県内20名)
令和6年2月11日(土) 受講者:55名
②高校生のためのデジタルアーカイブクリエータ資格取得講座
第1期:令和4年 8月27日(土) 受講者:2名
第2期:令和4年12月17日(土) 受講者:43名
第3期:令和5年 8月19日(土) 受講者:35名
第4期:令和5年12月16日(土) 受講者:27名
③高校生のための準デジタルアーキビスト資格取得講座
令和4年4月~7月 受講者:29名
令和5年4月18日~令和5年2月20日 受講者:24名
④社会人のための準デジタルアーキビスト資格取得講座(e-Learning)
令和5年2月11日~2月26日 受講者:35名
令和6年2月11日~2月25日 受講者:55名
この他にも,本学の教育リソースを活用した教員対象の免許状上進など様々な講座を行い教員のリスキングを行っている。
〇 研 究
また,本事業を実施するために本学として次のような研究を現在進めている。
①個別最適化され,創造性を育む学修への転換
○学習者たち一人一人に個別最適化され,創造性を育む学びの実現のための“新たな学び”をデザインする。また,未来社会を見据えて育成すべき資質・能力を育むための“新たな学び”やそれを実現していくための“新たな学びの空間(学修環境)”を形成するためにICTを効果的に活用する。
②効果的で効率的・魅力的な教育方法への転換
○カリキュラムを効率的に教えるために,学習者の特徴や与えられた環境,教育リソースなどを考慮し,最も効果的で効率的・魅力的な教育方法を選択する.そのことにより,実行と評価を繰り返すことで,授業の成果を高める。
③学習者における自律的なオンライン授業への転換
○教えない研修を実現するためには,自律的な学習者となることが重要であり,その自律的な学習者における自律的なオンライン授業を実現する。
◆計画事業の具体的な実施内容
〇本事業では,岐阜県における地域人材の育成事業として次のような課題を設定している。
〇AIやDXによる業務効率化,脱炭素化が進むこれからの時代,社会で活躍し続けるためには,常に知識・スキルをアップデートして変化に対応することが必要である。
〇そのための学びのあり方として,リカレント,リスキリングといった社会人の学び直しへの関心が高まっている。
〇一方で,学び直しに興味はあっても,学費の負担や時間の確保がネックとなり,二の足を踏んでいる社会人は少なくない。
〇そこで,産業界や社会のニーズを満たすリスキング教育プログラムの開発・提供を行い,社会人のスキルアップやキャリアアップ,キャリアチェンジを後押しする。
〇本リスキング教育プログラムのコンセプトとして,時代の潮流に即した最先端で,各分野において最先端の知見を有する講師により,スキル修得を目指したコンテンツを活用し,いつでもどこでも学習できる環境であるオンデマンドな学習環境を構築する。
〇令和6年度,リスキリング教育プログラムとして開発する内容は以下の通りである。
① AI人材の養成
超スマート社会(Society 5.0)の実現に向け,AIを活用して社会課題を解決し,新たな価値を創造できる人材の活躍が期待されている.世界的にAI人材不足が深刻化するなか,各企業の間で優秀なAI人材の争奪戦が行われており,AI人材育成に対するニーズが高まっている.ここでは,次のような内容でAI人材育成を行う。
講座の内容(予定)
人工知能(AI)入門
⑴ AIとはなに?
⑵ AIで何ができるか?
⑶ 「人工知能をつくり出そう」
⑷ 人工知能 概論
⑸ 「生成AIの仕組みと社会へのインパクト」
⑹ 「AIと人間の学び」
⑺ 「人とAIの学習研究から考えるこれからの教育」
⑻ 「人工知能(AI)とデジタルアーカイブの現状と未来」
⑼ 進化するAIと変わる著作権・肖像権 他
② デジタルアーキビストの養成
デジタルアーキビストとは,文化・産業資源等の対象を理解し,著作権・肖像権・プライバシー等の権利処理を行い,デジタル化の知識と技能を持ち,収集・管理・保護・活用・創造を担当できる人材のことをいう。
また,ビジネスのボーダーレス化の進行,来たる超スマート社会(Society 5.0)に向けて,知的財産人材の業務は,これまで主流であった知的財産に関する専門知識を活かす業務だけでなく,ルール形成やビジネスモデル構築等の業務にも拡大しており, 「ビジネス・知財総合戦略」を担える知的財産人材の必要性が高まっている.ここでは,デジタルアーキビスト資格と絡め知的財産人材の育成を行う。
デジタルアーカイブ概論
講座の内容(予定)
⑴ デジタルアーカイブの基礎
⑵ デジタルアーカイブ開発と活用プロセス
⑶ デジタルアーカイブの評価とメタデータ
⑷ デジタルアーカイブの利活用
⑸ デジタルアーカイブによる地域活性化
⑹ デジタルアーカイブと知的財産権
⑺ ジャパンサーチとデジタルアーカイブ活用基盤
⑻ 世界のデジタルアーカイブの発展とその活用
⑼ デジタルアーカイブと法制度の現在地点 他
③ 学校DX戦略コーディネータの養成
学校DX戦略コーディネータは,学校や教育機関においてデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の計画,実施,および評価をし,効果的に推進する役割を担う専門家であり,次の能力を育成する。
〇 学校DX戦略コーディネータは,教育機関のデジタルトランスフォーメーションの方向性を決定し,具体的な戦略や目標を策定する.これは,教育プロセスの効率化,生徒の学習体験の向上,教育成果の最大化などを含むことがある。
〇DXプロジェクトの計画,予算,スケジュール,リソースの調整,および進行状況のモニタリングを担当します.さまざまな関係者と協力して,プロジェクトの成功を確保する。
〇教育分野における最新のデジタルツールやテクノロジーの選定と導入を調整し,教育プロセスや学習環境の向上を促進する。
〇ステークホルダー連携: 学校DX戦略コーディネータは,教師,学生,保護者,教育委員会,地域社会などのステークホルダーと連携し,DX戦略の成功に向けて協力する。
〇DXイニシアティブの成果を評価し,データに基づいて戦略の調整や改善を行う.教育成果や効率性の向上を追求する。
〇デジタル教育環境においてセキュリティリスクを管理し,生徒のデータやプライバシーを守る役割も担う。
学校DX戦略コーディネータ特論
講座の内容(予定)
⑴ 教育DX時代における新たな学び
⑵ 21世紀に求められる学力と学習環境
⑶ 主体的・対話的な深い学びの実現
⑷ 学習目標とその明確化
⑸ 学習目標のデザイン
⑹ 教えて考えさせる授業の展開
⑺ 協働的な学びのデザイン
⑻ 「教えないで学べる」という新たな学び
⑼ 遠隔授業のデザイン手法 他
〇令和7年度には,地域産業や地域社会を担う人材確保のため,特にグリーン等成長分野に関するリスキリングの推進に資する教育リソースを開発し,地域人材の育成カリキュラムの開発・実践する。
◆計画事業の実施により見込まれる地域への影響
〇本システムは,全ての講座をいつでもどこからでも受講できるようなオープンなデジタルユニバーシティの構築することにより,新たな雇用機会を創出し,地域に必要な人材確保の新たな展開を実現する。新し,時代に対応した新たなリスキング教育システムである。
〇本システムにより,全ての講座をいつでもどこからでも受講できるようなオープンなデジタルユニバーシティの構築することにより,新たな雇用機会を創出し,地域に必要な人材確保の新たな展開を実現する。
◆計画事業の成果普及に関する取組予定
①社会人のリスキングのための「Multi Campus One Digital University」を構築する。
②「デジタルアーカイブin岐阜」の開催(予定)
従来,県内各地で行ってきた「デジタルアーカイブin岐阜」を本年度も実施する.岐阜県内の企業や地域の人々に対してリスキリングの内容・有用性について周知すると共に,本事業の成果を普及する。
③「リスキリング講習会」の開催
岐阜県内の企業や地域の人々に対してリスキリングの機会を提供すると共に,本事業の成果を普及する。
◆事業スケジュール
上記の計画事業の実施内容に沿って,「Multi Campus One Digital University」を構築し,DX時代における“新たな学び”の創出により,デジタル技術を活用し,学びのあり方やカリキュラムを革新させると同時に,リスキリング文化を革新し,時代に対応したリスキリング教育システムを確立する.
スケジュール(予定)
5- 7月 リスキリング教育カリキュラムの構築
8-10月 Multi Campus One Digital Universityの構築
11-12月 e-Learningコンテンツの作成
1- 3月 「デジタルアーカイブin岐阜」の開催
「リスキリング講習会」の開催
【令和6年度】(予定)
① AI(人工知能)講座
・AI人材の養成に関する講座カリキュラムの開発(15講座)
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者50名
② デジタルアーキビスト講座
・デジタルアーキビストの養成に関する講座カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者50名
③ 学校DX戦略コーディネータ講座
・学校DX戦略コーディネータの養成に関する講座カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者50名
【令和7年度】(予定)
① GX人材養成
GX人材の養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
② 環境学・食品学の人材養成
環境・食品に関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
③ 建築デザイン人材の養成
建築デザインの活用に関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
資料
4.Multi_Campus_One_Digital_University構想__私立大学地域創生推進事業
第8回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
令和6年4月18日(木)15:00~16:00
場所:本館中会議室
内容:
1.来年度のe-Learning構築科目(15科目)について(3月28日〆切)
〇構築科目には戦略をもって科目構成を考えることが必要です。その戦略の方向性は、大学の新たな展開に結びつけることが重要です。部会で考えている新たな展開は以下の通りです。
- ①大学等連携の推進
②学生 社会人の教育プログラムの開発
③単位互換プログラム事業の展開
④リカレント教育 リスキリング教育の推進
⑤高大接続の推進
⑥学修成果の評価方法の開発 普及
⑦地域活性化の推進
2.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業について
【事業概要】
〇地域産業や地域社会を担う人材確保のため,デジタル・グリーン等成長分野に関するリスキリングを推進する,このためにリスキリング教育のための「Multi Campus One Digital University」を新たに構築し,地域人材の育成カリキュラムを開発し実践する。
(注)「Multi Campus One Digital University」とは,DX(Digital Transformation)時代における“新たな学び”の創出により,デジタル技術を活用し,学びのあり方やカリキュラムを革新させると同時に,リスキリング文化を革新し,時代に対応した新たなリスキリング教育システムである。
〇本システムにより,全ての講座をいつでもどこからでも受講できるようなオープンなデジタルユニバーシティの構築することにより,新たな雇用機会を創出し,地域に必要な人材確保の新たな展開を実現する。
3.その他
資料
2.Multi_Campus_One_Digital_University構想__私立大学地域創生推進事業
4.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会 令和6年度e-Learning構築科目と今年度のスケジュール
次回 令和6年5月30日(木)13:30~14:30(予定)
2.提出文書様式
1.【大学教育推進会議】e-Learning_科目学修到達目標並びに課題様式(Word版)(5月31日〆切)
2.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会_タキソノミーテーブル様式(Word版)(6月30日〆切)
3.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会_科目ガイドブック様式(Word版)(8月31日〆切)
4.科目名_テキスト(様式)配付(Word版)(8月31日〆切)
5.科目名_プレゼン(様式)(pptx版)
6.動画の作成(各講20分程度)
動画作成の方法について
第9回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
令和6年5月30日(木)13:30~14:30
場所:本館中会議室
1.令和6年度e-Learning構築科目(15科目)の科目学修到達目標並びに課題の提出状況(5月31日〆切)
2.タキソノミーテーブル作成(6 月30 日〆切)
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗について
4.その他
次回 令和6 年6月27 日(木)13:30~14:30(予定)
参考資料
会議資料
2.Multi_Campus_One_Digital_University構想__私立大学地域創生推進事業
7.DXで実現する地域のデジタル人材育成事業20240527
第10回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
令和6 年6月27 日(木)13:30~14:30
場所:本館中会議室
1.令和6年度e-Learning構築科目(15科目)の科目学修到達目標並びに課題について
※ 科目学修到達目標並びに課題についてに留意事項
① この科目学修到達目標並びに課題においては、本来e-Learningにおいて自律的な教育用コンテンツとして機能するために提出いただくものです。つまり、学習到達目標を最初に示すことにより学習者が、どこまで学習することが必要か認識して学習に取り組むことが自律的な学習には重要になるからです。
② そのためにも、学習到達目標は、具体的で”〜ができる”というようにDo/Can形式で記入していただくことが必要になります。”〜を理解する”という記述では学習者は達成したかについて自分で評価できないからです。
③ また、今回のe-Learning学習コンテンツは、様々な学習において活用できることを目指しています。自律的な自宅での学習は勿論ですが、ハイブリット授業用の学習コンテンツとして、さらには、反転学習の学習コンテンツとして活用することも視野に入れています。これらの学習方法は授業者によりより効果的な方法を選び”新たな学び”を創出していただくことは必要ですが、本学の学生の実情に合わせて適切に組み合わせて使えるように共通の仕様に沿った学習コンテンツにしていく必要があります。
④ 特に、資格試験対策には効果的であると考えます。学習に向かう前提条件が異なる学習者に対して、e-Learningコンテンツで前提条件を揃えることも可能になります。
⑤ また、e-Learningとして自律に学ぶ教育用コンテンツとして文部科学省にも申請する必要がある場合もあります。可能な限り15コマ分(第1~15講)の内容に分けて作成をお願いいたします。
⑥ 大学の3つのポリシーであるディプロマ・ポリシーと、科目学修到達目標との関係は重要であり、科目学修到達目標を集合化したものがディプロマ・ポリシーとなる。従って、科目学修到達目標とディプロマ・ポリシーの関係を明確化し、今後その関係性をマップ化することが必要となります。
※⑥の内容は既に令和6年1月11日(木) に次のように指摘しました。”タキソノミ―テーブルには、ディプロマ・ポリシーとの関連性を明確にする必要があります。また、ディプロマ・ポリシーには、知識技能と資質能力を分けて構造化することが重要です。下記のタキソノミ―テーブルや科目ガイドブックと各専攻のディプロマ・ポリシーの関連について留意してください。”
以上の点を配慮して、科目学修到達目標並びに課題について再度ご確認をお願い致します。
2.タキソノミーテーブル作成(6 月30 日〆切)
・タキソノミーを作成いただくのは、教育内容の学習深度確認の為です。
| (○○する力がある) 事実、概念、 手続き、メタ認知 |
想起する | 理解する | 応用する | 分析する | 評価する | 創造する |
| (再認、再生) | 解釈、例示、分類、推論、比較、説明 | 実行、遂行 | 比較、組織 結果と原因 |
チェック、判断 | 生み出す、計画 できる、汎化 |
・上記の”想起する”から”創造する”まで課題や到達目標がバランスよく学習深度が網羅されているかを確認する作業です。
・もし、内容が偏っているならば、科目学修到達目標並びに課題から再度見直しをお願いいたします。
3.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会_科目ガイドブックの提出(8月31日〆切)
・【大学教育推進会議】e-Learning推進部会科目ガイドブック様式(Word版)
4.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗について
・【e-Learning】学校DX戦略コーディネータ特論(Ⅰ):学習到達目標
・【e-Learning】学校DX戦略コーディネータ特論(Ⅱ):学習到達目標(内容含)
5.その他
第11回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
令和6年8月29 日(木)13:30~14:30
場所:本館中会議室
1.【大学教育推進会議】e-Learning推進部会_科目ガイドブックの提出(8月31日〆切)
(1)項目“何を学ぶか“は”何のために学ぶか“”どのように学ぶか“”どのように活かせるか“など箇条書きではなく、詳しく文章で記入してください。
(自律的な学習者を育て、自律的に学習をさせるのはこの項目が重要になります。)
(2)学習到達目標は、「何ができるようになるのか=Can-do」を学習到達目標に据えた課題遂行型の教育の実践ができるように工夫してください。
(3)研究課題は、各講2問程度作問してください。
2.プレゼン資料並びに動画作成(10月31日〆切)
(1)プレゼン資料はプレゼン資料のフォーマットに沿って作成してください。
(2)動画は各講20分程度で構成してください。その際に、学習到達目標を最初と最後に入れてください。
(3)動画に教員の顔を入れるかは自由で結構です。
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗について
【令和7年度】(予定)
① GX人材養成
・GX人材の養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
② 環境学・食品学の人材養成
・環境・食品に関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
③ 建築デザインの養成
・建築デザインに関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
4.その他
(1)e-Learningを使った授業についての学生の評価アンケートを取っていただき、授業の評価をしてください。(検証部会でとりまとめをお願いいたします。)
(2)e-Learning化は単に授業のデジタル化に過ぎず、教育DXとして考えるためには変革が必要です。親会議で大学としての新たな展開を協議し示してください。
資料
1.【大学教育推進会議】第11回e-Learning推進部会
次回 令和6年10月17日(木)13:30-14:30 予定
デジタルアーカイブin岐阜2024
日 時:令和7年2月9日(日) 9:00~12:00(予定)
会 場:オンライン講座 (Zoomを使用)+e-Learaning講座
主 催:岐阜女子大学教育推進会議・岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所
後 援:デジタルアーキビスト資格認定機構、日本教育情報学会、デジタルアーカイブ学会(予定)
受講対象:社会人
セッション① AI(人工知能)講座
オンライン講座_令和7年2月9日(日)9:00~12:00
| セッション | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| AI(人工知能)最前線 | 加藤 邦人 | 岐阜大学工学部人工知能研究推進センター長 | 生成AIの現在地(仮題) |
| 安藤 昇 | 青山学院大学非常勤講師 | AI(人工知能)と教育(仮題) | |
| 寺澤滉士良 | 株式会社neoAI・取締役 COO(松尾研究室) | AI(人工知能)最前線(仮題) | |
| コーディネータ | 澤井 進(岐阜女子大学特任教授) | ||
e-Learning(オンデマンド講座)
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| AI(人工知能)概論 | 澤井 進 | 岐阜女子大学特任教授 | AIの過去から未来へのプロローグ ー『コンピュータ歴史博物館』が語るAI文化 |
| 知能の迷宮を解き明かす-暗号解読とチューリングテストの謎めく挑戦 | |||
| AI kouza 3 2 1 知識が翼を得る瞬間-知識表現とエキスパートシステムの知の舞台裏 | |||
| 間の脳のなどと深層学習の魔法 目を持ったコンピュータが見せる未知の領域 | |||
| シンギュラリティの扉を叩け | |||
| 機械翻訳の新時代-トランスフォーマー革命と「生成AI」の驚異的進化 | |||
| AIの過去・現在・未来 - 未来への飛翔 – | |||
| 人工知能(AI)とデジタルアーカイブの現状と未来 | |||
| 生成 AI と学習コンテンツ | |||
| 赤堀侃司 | 東京工業大学名誉教授 | AIと人間の学び | |
| 益川弘如 | 聖心女子大学教授 | 人とAIの学習研究から考えるこれからの教育 |
セッション② デジタルアーキビスト講座
オンライン講座_令和7年2月9日(日)9:00~12:00
| セッション | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| デジタルアーカイブの起源と未来 | 吉見俊哉 | 國學院大學教授・東京大学名誉教授 | 日本にとってデジタルアーカイブとは何か(仮題) |
| 加藤 諭 | 東北大学学術資源研究公開センター 史料館 教授 | 『デジタル時代のアーカイブ系譜学』
~アーカイブの概念史~(仮題) |
|
| 大橋秀亮 | TOPPAN株式会社 チームリーダー | 企業におけるデジタルアーカイブ(仮題) | |
| コーディネータ | 井上 透(岐阜女子大学教授) | ||
e-Learning(オンデマンド講座)
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| デジタルアーカイブ概論 | 林 知代 | 岐阜女子大学 | デジタルアーカイブの基礎 |
| 櫟 彩見 | デジタルアーカイブ開発と活用プロセス | ||
| 谷 里佐 | デジタルアーカイブの評価とメタデータ | ||
| 熊﨑康文 | デジタルアーカイブの利活用 | ||
| 久世 均 | デジタルアーカイブによる地域活性化 | ||
| 加藤真由美 | 文化はどのように記録するの? | ||
| 加藤真由美 | デジタルデータはどのように管理・流通するの? | ||
| 吉川 晃 | デジタルアーカイブと知的財産権(1) | ||
| 坂井知志 | デジタルアーカイブと知的財産権(2) | ||
| 高野明彦 | 国立情報学研究所名誉教授 | ジャパンサーチとデジタルアーカイブ活用基盤 | |
| 時実象一 | 東京大学大学院情報学環 | 世界のデジタルアーカイブの発展とその活用 | |
| 福井健策 | 骨董通り法律事務所パートナー弁護士 | デジタルアーカイブと法制度の現在地点 |
セッション③ 学校DX戦略コーディネータ講座
オンライン講座_令和7年2月9日(日)9:00~12:00
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| 学校DX戦略とその理論 | 武藤久慶 | 文部科学省
教育課程課長 |
GIGAスクールの原点(仮題) |
| 東原義訓 | 信州大学名誉教授
東原学び研究所 |
GIGAスクールと学校DX戦略コーディネータ(仮題) | |
| 堀田龍也 | 東京学芸大学大学院教育学研究科 教授 | NEXTGIGAスクールへの展望(仮題) | |
| コーディネータ | 村瀬康一郎(岐阜女子大学教授) | ||
e-Learning(オンデマンド講座)
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| 学校DX戦略コーディネータ概論【Ⅰ】 | 久世均 | 岐阜女子大学 | 教育DX時代における新たな学び |
| 21世紀に求められる学力と学習環境 | |||
| 主体的・対話的な深い学びの実現 | |||
| 学習目標とその明確化 | |||
| 学習目標のデザイン | |||
| 教えて考えさせる授業の展開 | |||
| 協働的な学びのデザイン | |||
| 「教えないで学べる」という新たな学び | |||
| 遠隔授業のデザイン手法 | |||
| 自律的なオンライン授業の分析と設計 | |||
| 新たな学びと教育リソース | |||
| 教育活動をデジタルアーカイブする | |||
| 思考力を高めるための学習プロセスの反応分析 | |||
| 高大連携による地域課題探究型学習 | |||
| 「教える」から「学ぶ」への変革 |
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| 学校DX戦略コーディネータ概論【Ⅱ】 | 高木 徹 | アイティ・マネジメント研究所・CEO | 学校DX(デジタルトランスフォーメーション)の基本概念 |
| 森下 孟 | 信州大学学術研究院教育学系・准教授 | 教育テクノロジーのトレンドと展望 | |
|
木田 博 |
鹿児島市教育委員会・教育DX担当部長 | デジタル教育プラットフォームの導入 | |
| 今井亜湖 | 岐阜大学教育学部・教授(予定) | 教育データの活用と分析 | |
| 田中康平 | 教育ICTデザイナー | デジタルリテラシーと教育 | |
| 林 一真 | 岐阜聖徳学園大学・講師 | 教育のカスタマイズと個別化 | |
| 堀田博史 | 園田学園女子大学・教授 | デジタルコンテンツの制作と活用 | |
| 成瀬喜則 | 富山大学・名誉教授 | オンライン教育とリモートワーキング | |
| 村瀬康一郎 | 岐阜女子大学・教授 | デジタルセキュリティとプライバシー | |
| 谷 正友 | 一般社団法人ICT政策推進機構・代表理事 | 教育ICTのインフラ整備 | |
| 齋藤陽子 | 岐阜女子大学・准教授 | デジタル教育の評価と効果検証 | |
| 高木 徹 | アイティ・マネジメント研究所・CEO | イノベーションとチェンジマネジメント | |
| 高木 徹 | アイティ・マネジメント研究所・CEO | プロジェクトマネジメントとリーダーシップ | |
| 芳賀高洋 | 岐阜聖徳学園大学・教授 | デジタル教育の法的規制と倫理 | |
| 田中康平 | 教育ICTデザイナー | 学校DX戦略の策定と展望 |
第12回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和6年10月17 日(木)13:30~14:30
場所:本館中会議室
1.科目ガイドブックの提出(8月31日〆切)
2.プレゼン資料並びに動画作成(10月31日〆切)
→ プレゼン資料並びに動画のファイル名を”第〇〇講テーマ”にしてください。
(例:第1講教育DX時代における新たな学び.pdf)
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗について
【令和7年度】(予定)
① GX人材養成
・GX人材の養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
② 食農デザインの人材養成
・環境・食品に関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
③ 建築デザインの養成
・建築デザインに関する養成カリキュラムの開発
・e-Learning教材の開発(15講座)
・受講者100名
4.その他
・そもそもMulti_Campus_One_Digital_University構想とは何だったのか?
・どこまで実現できたのか?
・令和7年度 e-Learning構築科目(15科目)についての検討
資料
1.【大学教育推進会議】第12回e-Learning推進部会
2.Multi_Campus_One_Digital_University構想
3.Multi Campus One Digital University構想
次回 令和6年11月28日(木)13:30-14:30 予定
第13回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和6年11月28日(木)13:30-14:30
場所:本館中会議室
1.令和6年度e-Learning構築の状況
2.・令和7年度 e-Learning構築科目(15科目)について(提出期限:令和7年1月末)
資料
【大学教育推進会議】e-Learning推進部会 令和7年度のe-Learning構築科目(15科目)並びに担当者(〇〇専攻)
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗と来年度の計画について
資料
① DXで実現する地域のデジタル人材育成事業企画書(2024.10.18)
② ポスター
4.その他
資料
次回 令和7年 1月23日(木)13:30-14:30 予定
第14回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和7年1月23日(木)13:30-14:30
場所:本館大会議室
1.令和6年度e-Learning構築の状況
2.・令和7年度 e-Learning構築科目(15科目)について(提出期限:令和7年1月末)
資料
【大学教育推進会議】e-Learning推進部会 令和7年度のe-Learning構築科目(15科目)並びに担当者(〇〇専攻)
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の進捗と来年度の計画について
資料
① DXで実現する地域のデジタル人材育成事業企画書(2024.10.18)
② ポスター
4.その他
資料
1.【大学教育推進会議】第14回e-Learning推進部会
3.令和7年度のe-Learning構築科目(15科目)並びに担当者
5.更新マニュアル(Multi_Campus_One_Digital_University)
新Multi_Campus_One_Digital_Universityはこちらから
次回 令和7年3月13日(木)13:30-14:30 予定
第15回 【大学教育推進会議】e-Learning推進部会
日時:令和7年3月13日(木)13:30-14:30
場所:本館大会議室
1.令和6年度e-Learning構築の状況
2.・令和7年度 e-Learning構築科目(15科目)について
3.令和6年度岐阜県私立大学地方創生推進事業の事業報告と来年度の計画について
4.その他
令和6年度 岐阜県私立大学地方創生推進事業 デジタルアーカイブin岐阜
「DXで実現する地域のデジタル人材育成事業」
~リスキリング(Reskilling)という学び~
【目的】
地域産業や地域社会を担う人材確保のため,デジタル・グリーン等成長分野に関するリスキリングを推進します,
このためにリスキリング教育のための「Multi Campus One Digital University」を新たに構築し,地域人材の育成カリキュラムを開発し実践します。
【事業内容】
産業界や社会のニーズを満たすリスキング教育プログラムの開発・提供を行い,社会人のスキルアップやキャリアアップ,キャリアチェンジを後押しします。
本リスキング教育プログラムのコンセプトとして,時代の潮流に即した最先端で,各分野において最先端の知見を有する講師により,スキル修得を目指したコンテンツを活用し,いつでもどこでも学習できる環境であるオンデマンドな学習環境を構築します。
本学が提案していますリスキリングプログラムは、オンライン(Zoom)講座 とオンデマンド(e-Learning)講座を組み合わせたプログラムです。
令和6年度,本学が提供するリスキリング教育プログラムは以下の通りです。
【プログラム】
AI人材の養成
目的
超スマート社会(Society 5.0)の実現に向け,AIを活用して社会課題を解決し,新たな価値を創造できる人材の活躍が期待されています.
世界的にAI人材不足が深刻化するなか,各企業の間で優秀なAI人材の争奪戦が行われており,AI人材育成に対するニーズが高まっています.ここでは,次のような内容でAI人材育成を行います。
対象
企業の管理職並びにAIにより業務の改善を計画している企業の担当者並びに学校関係者並びに学生
Webページ
◆ オンライン講座
-
生成AI最前線
| セッション | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| 生成AI最前線 | 加藤 邦人 | 岐阜大学工学部人工知能研究推進センター長 | 生成AIの現在地 |
| 安藤 昇 | 青山学院大学非常勤講師・工学院大学ICTアドバイザー | 実践事例から学ぶ生成AIを活用した効果的な教育への応用 | |
| 寺澤滉士良 | 株式会社neoAI・取締役 COO(松尾研究室) | 生成AIスタートアップ、ビジネスでの生成AI活用 | |
| コーディネータ | 澤井 進(岐阜女子大学特任教授) | ||
◆ e-Learning(オンデマンド講座)
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| 人工知能(AI)概論
~ AI(人工知能)の過去から未来へつなぐ ~ |
澤井 進 | 岐阜女子大学特任教授 | AIの過去から未来へのプロローグ ー『コンピュータ歴史博物館』が語るAI文化 |
| 知能の迷宮を解き明かす-暗号解読とチューリングテストの謎めく挑戦 | |||
| AI kouza 3 2 1 知識が翼を得る瞬間-知識表現とエキスパートシステムの知の舞台裏 | |||
| 間の脳のなどと深層学習の魔法 目を持ったコンピュータが見せる未知の領域 | |||
| シンギュラリティの扉を叩け | |||
| 機械翻訳の新時代-トランスフォーマー革命と「生成AI」の驚異的進化 | |||
| AIの過去・現在・未来 - 未来への飛翔 – | |||
| 人工知能(AI)とデジタルアーカイブの現状と未来 | |||
| 生成 AI と学習コンテンツ | |||
| 赤堀侃司 | 東京工業大学名誉教授 | AIと人間の学び | |
| 益川弘如 | 聖心女子大学教授 | 人とAIの学習研究から考えるこれからの教育 |
デジタルアーキビストの養成
目的
デジタルアーキビストとは,文化・産業資源等の対象を理解し,著作権・肖像権・プライバシー等の権利処理を行い,デジタル化の知識と技能を持ち,収集・管理・保護・活用・創造を担当できる人材のことをいいます。
ここでは、デジタルアーキビスト資格と絡め知的財産人材の育成を行います。
対象
企業の管理職並びに知的財産権の管理担当並びに学生
Webページ
◆ オンライン講座
-
デジタルアーカイブの起源と未来
| セッション | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| デジタルアーカイブの起源と未来 | 吉見俊哉 | 國學院大學教授・東京大学名誉教授 | なぜ、デジタルアーカイブなのか? |
| 加藤 諭 | 東北大学学術資源研究公開センター 史料館 教授 | 『デジタル時代のアーカイブ系譜学』~アーカイブの概念史~ | |
| 大橋秀亮 | TOPPAN株式会社 チームリーダー | 企業におけるデジタルアーカイブ | |
| コーディネータ | 井上 透(岐阜女子大学教授) | ||
◆ e-Learning(オンデマンド講座)
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| デジタルアーカイブ概論
~ デジタルアーカイブによる地域活性化 ~ |
林 知代 | 岐阜女子大学 | デジタルアーカイブの基礎 |
| 櫟 彩見 | デジタルアーカイブ開発と活用プロセス | ||
| 谷 里佐 | デジタルアーカイブの評価とメタデータ | ||
| 熊﨑康文 | デジタルアーカイブの利活用 | ||
| 久世 均 | デジタルアーカイブによる地域活性化 | ||
| 加藤真由美 | 文化はどのように記録するの? | ||
| 加藤真由美 | デジタルデータはどのように管理・流通するの? | ||
| 吉川 晃 | デジタルアーカイブと知的財産権(1) | ||
| 坂井知志 | デジタルアーカイブと知的財産権(2) | ||
| 高野明彦 | 国立情報学研究所名誉教授 | ジャパンサーチとデジタルアーカイブ活用基盤 | |
| 時実象一 | 東京大学大学院情報学環 | 世界のデジタルアーカイブの発展とその活用 | |
| 福井健策 | 骨董通り法律事務所パートナー弁護士 | デジタルアーカイブと法制度の現在地点 |
学校DX戦略コーディネータの養成
目的
学校DX戦略コーディネータは,学校や教育機関においてデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の計画,実施,および評価をし,効果的に推進する役割を担う専門家を育成します。
対象
学校における管理職並びに情報化担当並びに学生
Webページ
◆ オンライン講座
-
学校DX戦略とその理論
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| 学校DX戦略とその理論 | 武藤久慶 | 文部科学省 教育課程課長 | 次期教育課程と教育DX |
| 東原義訓 | 信州大学名誉教授 東原学び研究所 | GIGAスクール時代に相応しい授業のために | |
| 堀田龍也 | 東京学芸大学大学院教育学研究科 教授 | セカンドGIGAへの展望と課題 | |
| コーディネータ | 村瀬康一郎(岐阜女子大学教授) | ||
◆ e-Learning(オンデマンド講座)
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| 学校DX戦略コーディネータ特講【Ⅰ】
~ 教育DX時代における新たな学び ~ |
久世 均 | 岐阜女子大学教授
デジタルアーカイブ研究所長 |
教育DX時代における新たな学び |
| 21世紀に求められる学力と学習環境 | |||
| 主体的・対話的な深い学びの実現 | |||
| 学習目標とその明確化 | |||
| 学習目標のデザイン | |||
| 教えて考えさせる授業の展開 | |||
| 協働的な学びのデザイン | |||
| 「教えないで学べる」という新たな学び | |||
| 遠隔授業のデザイン手法 | |||
| 自律的なオンライン授業の分析と設計 | |||
| 新たな学びと教育リソース | |||
| 教育活動をデジタルアーカイブする | |||
| 思考力を高めるための学習プロセスの反応分析 | |||
| 高大連携による地域課題探究型学習 | |||
| 「教える」から「学ぶ」への変革 |
| テーマ | 講 師 名(敬称略) | 所 属 | 講演テーマ |
| 学校DX戦略コーディネータ特講【Ⅱ】
~ 学校DX戦略の策定と展望 ~ |
高木 徹 | アイティ・マネジメント研究所CEO | 学校DX(デジタルトランスフォーメーション)の基本概念 |
| 森下 孟 | 信州大学学術研究院教育学系・准教授 | 教育テクノロジーのトレンドと展望 | |
| 木田 博 | 鹿児島市教育委員会 教育DX担当部長 | デジタル教育プラットフォームの導入 | |
| 今井亜湖 | 岐阜大学教育学部・教授 | 教育データの活用と分析 | |
| 田中康平 | 教育ICTデザイナー | デジタルリテラシーと教育 | |
| 林 一真 | 岐阜聖徳学園大学・講師 | 教育のカスタマイズと個別化 | |
| 堀田博史 | 園田学園女子大学・教授 | デジタルコンテンツの制作と活用 | |
| 成瀬喜則 | 富山大学・名誉教授 | オンライン教育とリモートワーキング | |
| 村瀬康一郎 | 岐阜女子大学・教授 | デジタルセキュリティとプライバシー | |
| 谷 正友 | 一般社団法人ICT政策推進機構・代表理事 | 教育ICTのインフラ整備 | |
| 久世 均 | 岐阜女子大学・教授 | デジタル教育の評価と効果検証 | |
| 高木 徹 | アイティ・マネジメント研究所CEO | イノベーションとチェンジマネジメント | |
| 高木 徹 | アイティ・マネジメント研究所CEO | プロジェクトマネジメントとリーダーシップ | |
| 芳賀高洋 | 岐阜聖徳学園大学・教授 | デジタル教育とELSI | |
| 田中康平 | 教育ICTデザイナー | 学校DX戦略の策定と展望 |
資料
【研究論文】中国の大学の大人数会話クラスでのBYODを用いた授業について考察
論題
昨今、教育現場でもICTが普及し、デジタル教材やタブレット活用が推進されている。筆者は目的用途を明確し、科目、学習環境に適した活用が重要であると考える。本論文では、中国の大学の大人数会話クラスでのBYODを用いた授業について考察する。
論文構成
・教授法と教材
(昔は暗記型の教授法、今はコミュニケーション能力を重視した教授法。つまり、今日の授業で教材に求められる役割もコミュニケーション能力の育成である。タブレットの活用例やデジタルアーカイブを活用したキュレーション授業の紹介)
・会話授業で教える項目
(語彙、発音、文法、定型表現、談話構成など)
・映像教材
(会話授業で映像教材が用いられる理由。市販の教材、アニメドラマを用いた授業の紹介)
・中国の大学の学習環境
(クラス規模、教室設備、会話の授業で教えること、そして問題点)
・解決案
(学生自身のスマホを活用BYOD→協働学習の促進、個別最適化)
(BYODに適した映像教材の活用。アニメやドラマは不適当、市販の教材は限られている→岩本の論文を参考に間違い探しビデオ教材の作成)
・実験
(文法の使用間違いを含んだ日常会話のビデオを作成し、学生自身のスマホで見ながら、文法の間違いを探す。)
・考察
(授業後にアンケート調査を実施。考察する)
研究の目的
BYODを用いる場合、どのような映像教材が適しているのか。
大人数会話クラスにおいてBYODを用いることで授業に対する理解度、学生の満足度を高めることが可能かどうか。
方法
筆者が勤務する大学で実践し、学生にアンケート調査を行い、考察する。
主要参考文献
・無菌操作演習における間違い探しビデオ教材の有効性の検討 岩本真紀
・大学授業を活性化する方法
・会話教材を作る
資料
1.修士論文構想
2.研究のプロセス
3.ICT活用指導力向上のための「間違い探し」動画教材作成・閲覧による学習モデルの開発と評価
4.グループでの間違い探しにおけるリフレクションのプロセスの解明
論 題 日本語教育におけるスマートフォンの活用~間違い探しビデオ教材を活用した授業実践~
第1章 緒 言
研究の背景
イギリスでは1980年代初頭からコンピュータの教育利用が本格化し始めた。各教育機関にコンピュータが導入され、大学・大学院レベルの英語教授法のコースでは「computer assisted learning」の考えの基、BASIC言語を使用して教材を作る授業も行われた。しかし、語学教師がコンピュータ言語を学び、プログラムを作る授業には、機械に対する嫌悪感も多くみられ、コンピュータを使っての言語教育に対して、否定的な考えを持つ層も作る結果となった(市川1994)。
それから約40年後の現在、日本ではGIGAスクール実現推進本部が設置され、一人一台端末と高速大容量の通信ネットワークを整備し、新たな学びを実現する取り組みが始まっている。ICTの活用により一斉学習、個別学習、協働学習において従来の一方的な授業(教師から児童)と異なり、双方向型の授業(教師対児童、児童同士)を行うことを目指している。岩崎(2020)はICTの活用に関する研究報告は、大人数クラスにおける双方向型の授業を実現させるための活用事例が多いと述べている。クラス規模が大きければ、内向的な性格の児童や理解に時間がかかる児童などに対応するのが困難である。ICTを活用することで従来の授業では対応できなかった児童にまで届く指導(個別最適な学び)が行えるなら、積極的に活用する価値があると言える。
一方、ICTの普及による学習環境の変化に伴い、現場の教師からの否定的な意見も表れてきている(物江2023)。教育における電子機器の普及と活用について研究したCuban(1986)は教育現場に新しい技術が普及してく過程を「新しいテクノロジーに対する熱狂→有効性を実証する研究結果→教育現場からの苦情→教師への批判」の4段階にまとめた。つまり、新しい技術が普及しても、教育現場で十分に活用できなければ、教師に責任が問われるということである。筆者は日本語教育の現場において教壇に立つ立場であるが、時代の変化に合わせて、自身の指導法を改善していかなければ、批判を受けても仕方がないように感じる。ただ、活用方法や現場のニーズに合うかどうかといった検証が不十分なまま新しい技術を普及させれば、教育現場は当然混乱する。今後はICTの積極的な活用だけでなく、どのようにして活用していくべきかを考える段階だと思われる。
文部科学省が作成した「GIGAスクール構想の実現へ」によると、GIGAスクール構想における教育とは、個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育であり、従来の教育実践の蓄積とICTを「ベストミックス」した教育である。つまり、アナログからデジタルへ一新すればいいというわけではない。教具としてのデジタル機器の特性を理解し、その特性を活かした学習活動を実施することでベストミックスした教育が実現されるのである。
日本語教育界においても近年ICTの活用に関する研究が見られるようになってきた。ICT活用の主な目的は能動的な授業(アクティブラーニング)を行うことである。ただ、GIGAスクール構想のような昨今の科学技術を積極的に授業で活用しようという方針はない。また、一人一台タブレット端末の購入などICT環境を整備するには資金面で大きなハードルがあることから、限られた教育機関でしか昨今の情報技術の活用はできない状況である。しかしながら、義務教育の小中学校と異なり、大学や留学生受け入れ機関では学生がスマートフォンを所有している。従来ではメールとウェブ閲覧が主な用途であったが、近年の技術発達に伴って、動画の視聴及びアップロード、SNS、ゲーム、ショッピング、投資に至るまで日常生活のあらゆる場面で使用されるツールとなっていることから、タブレット端末と同様に様々な学習活動で活用できるだけの性能を有していると考えられる。教具としてのスマートフォンの特性を理解し、どのような学習活動で活用すべきかを研究することで日本語教育においても「ベストミックス」した教育が実現できると思われる。
研究の目的
日本語教育界においてはICTの活用を促すような研究報告が多く見られる。しかし、タブレットやスマートフォンなどの電子端末の活用が果たして本当に必要かといった研究は管見の限り見当たらない。ダブレット端末の使用については、印刷物と比較して記憶に定着しにくいという研究結果があるほか、ブルーライトによる視力低下などの懸念もある。スマートフォンも画面のサイズこそ違うが、同じような性能の機械であることから同様の問題を有しているだろう。電子端末が全ての面において従来の教具より優れているのではないことから、全ての学習活動で有用に活用できるとは言えない。そこで、本研究ではタブレット端末が有する特性である学習の個別最適化に着目し、この特性をスマートフォンも有していると仮定し、日本語教育におけるスマートフォンの有用な活用法を模索することを目的とする。
研究の方法
スマートフォンの活用が有用であるかを検証する方法として、岩田他(2006)の「間違い探しビデオ教材」を参考に文法の間違いがある会話ビデオを2種類作成した。これを教室のスクリーンで一斉に視聴する場合と学生自身のスマートフォンで視聴する場合で間違いの発見率、学習者のリフレクションの比較と質問紙法の結果からスマートフォンの活用が有用であったかを検証する。研究対象は筆者の勤務校である東北大学秦皇島分校の1年生39名で日語会話(一)の授業で行う。
間違い探し学習
(英語、フランス語の研究紹介)
(新にほんご敬語トレーニング)
(留学生のためのここが大切文章表現のルール)
無菌操作演習における間違い探しビデオ教材
本研究で作成した文法の間違い探しビデオ教材は岩本他(2006)の研究から着想を得たものである。岩本は看護大学で学生が講義で得た知識と技術を統合し、演習に取り組めるようになることを目的として間違い探しビデオを作成した。ビデオは無菌操作に関する8つの内容で構成され、19箇所の間違いがある5分程度のビデオである。これを3~4人のグループで話し合い、間違いを探す学習を行った。学習の流れは以下の通りである。
表1間違い探しビデオ学習の流れ
| 順番 | 作業内容 | 補足 |
| ① | 1回目のビデオ視聴 | ビデオを途中で止めず、通しで視聴する。 |
| ② | 10分間グループで話し合う | |
| ③ | 2回目のビデオ視聴 | 1つの内容だけを視聴する。 |
| ④ | 2~3分間グループで話し合う | |
| ⑤ | 順番③と④を繰り返す | ③④の作業を8回行う。 |
| ⑥ | 3回目のビデオ視聴 | ビデオを途中で止めず、通しで視聴する。 |
| ⑦ | 10分間グループで話し合う |
学習後に行った質問紙調査によって、学生は間違い探しビデオを活用した学習方法を楽しみながらも真剣に、主体的に取り組めたことがわかった。主体的に取り組めたというのは、ビデオを受動的に視聴するのではなく、学習した知識を想起し、考えながら視聴する(能動的な視聴)必要があったためだと考えらえる。一方、66.5%の学生がグループでの話し合いの時間が短かったと回答した。これに対し、岩田他は「話し合いの時間が短かったために、活発な意見交換ができなかったのではないか」との分析をしているが、75.8%の学生が意見交換は活発であったと回答している。つまり、単に話し合いの時間が短かったのではなく、作成したビデオ自体に問題があったと考えられる。実際、話し合いの時間は合計で約44分あり、5分のビデオに44分の話し合い時間で不足しているとは考えにくい。単に間違いが多すぎて、全部探しきれなかったため、話し合いの時間を短く感じたのではないかと思われる。5分間に19箇所の間違いということは約16秒に1回間違いがあるということである。これは探すのに苦労するだろう。仮にビデオを8つの内容ごとに作成すれば、各ビデオの間違いは2.3箇所になり、ビデオの時間も短く、間違いを探しやすいはずだ。加えて、ビデオの視聴を学生のスマートフォンで行えば、より有意義な話し合いが行えると考える。スマートフォンでの視聴は学生自身が見たい箇所を好きな回数だけ自由に見ることができ、学生の能力に合わせて学習を進めることができる。また、ビデオを視聴しながら話し合いができれば、話し合う時間も短縮できると思われる。
中国の大学の会話授業における間違い探し学習の有効性
中国の大学では中国人教師が語彙と文法を教え、日本人教師は会話授業で学習した語彙、文法を使用し会話練習を行う。つまり、習得した知識を使用できるようになることが目的である。会話練習を行う前に、文法を正しく理解しているか確認することは重要である。理解が不十分なまま会話練習した場合、実際に会話する際に活用の間違いや適切な場面で使用できない恐れがある。ただ、普通に文法説明をしても効果がない場合がある。既に既習の内容であるため、学生が注意深く説明を聞かないことがあるためだ。田尻(2010)は説明のタイミングについて、人間には同じことを説明されても、すんなり頭に入って来ない時があり、「一番素直に頭に入ってくるのは、知りたいと思った時に知りたいと思ったことが説明された時」であると述べている。学生一人一人が文法を正しく理解しているかを確認する方法もあるが、中国の大学では通常1クラス20人~30人の大人数クラスであるため、学生一人一人の理解度を確認していたら、会話練習の時間を短くしてしまう。文法の説明はクラス全体に向けて行い、学生、特に正しく理解してない学生が注意深く聞く状況を作ることが望ましい。会話授業でも間違い探しビデオ学習を行えば、会話練習で使用する文法を理解しているかどうかを学生自身が気づくことができる。理解が不十分だと気づいた学生は会話練習前の文法説明を真剣に聞くと思われる。加えて、ビデオを通して文法の使用場面や話し方なども提示できるため、会話授業の導入に適した学習であると思われる。
【研究】学校DX戦略コーディネータ養成カリキュラムの開発
<課 題>
〇大学院専修免許上進のインセンティブがない。
〇専修免許上進のカリキュラムに一貫性(コンセプト)がない。
〇専修免許(16単位8科目)の取得の時間的・経済的負担が大きい。
<解決案>
〇学校DX戦略コーディネータ(仮称)の養成プロクラムを構成し、全体のコンセプトを統一し、いつでも、どこからでも、学修できるプログラムを提案します。
学校DX戦略コーディネータの定義
“学校DX戦略コーディネータ”は、学校や教育機関においてデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の計画、実施、および評価をし、効果的に推進する役割を担う専門家
1.履修証明プログラム
履修証明制度とは、学校教育法第105条及び学校教育法施行規則第164条の規定に基づき、大学が教育や研究に加えてより積極的な社会貢献として、主として社会人向けに体系的な学習プログラムを開設し、その修了者に対して、法に基づく履修証明書を交付するもの。
2.オンラインによるスタートアップ講座(1日)+e-Learning8科目 16単位 )
→オンラインによるスタートアップ講座(1日)により本人確認可能
→オンラインによるスタートアップ講座(地域でのアウトリーチ可能)
3.学校DX戦略コーディネータ概論の作成
4.1期(8か月)で年間2期開設
5.受講費用 (16万円 (1単位1万円)
6.学校DX戦略コーディネータ(仮称)の養成プロクラムの特色
①教員ICT活用指導力の向上(目標)
②生成AIの活用に関する内容(追加)
③教育データの利活用に関する内容(追加)
④著作権や情報セキュリティに関する内容(追加)
7.スケジュール
令和7年度:4月から実施
8.カリキュラム
学校DX戦略コーディネータのカリキュラムを以下のように15講で示します。このカリキュラムは、デジタル技術を活用して学校の教育・運営を改革するための戦略を立案し、実行するためのスキルや知識を提供します。
【講座】学校DX戦略コーディネータ特論(Ⅰ)
【講座】学校DX戦略コーディネータ特論(Ⅱ)(構築中)
令和6年度 第3回 公開講座担当者会議
日時:令和6年6月27日(木) 14:30~15:30
場所:本館中会議室 zoom
内容:
1.学校DX戦略コーディネータ養成講座について
(1)「学校DX戦略コーディネータ養成講座」の趣旨(確認)
(資料)
②【e-Learning】学校DX戦略コーディネータ特論(Ⅰ):学習到達目標
③【e-Learning】学校DX戦略コーディネータ特論(Ⅱ):学習到達目標(内容含)
④ 学校DX戦略コーディネータ養成構想中プレゼン資料20240614
(2)科目と担当者(確認)
(3)各科目担当者の実施内容とスケジュールについて(依頼)
2.その他
【研究論文】学びの個別最適化をめざす自律活用型デジタルコンテンツデザイン
―学びの基礎としてのインストラクショナルデザインを取り入れた初等科教育法(音楽)の構造化とカリキュラム開発―
はじめに
いのち輝く未来社会のデザインをテーマに、EXPO2025が開催された。世界80億人の人類共通の課題解決に向け、先端技術の英知と新たなアイディアを、未来社会に向け共創する。25年後、50年後はどのような未来なのだろうか。
いくら科学技術が進歩しても、人間の本質は変わらない。人は楽しい時、寂しい時、心が動くとき時、思いを音楽で表したり音楽に心をゆだねたりしてきた。日本では、9年間の学校教育で音楽が必修である。その意味は何か。子供たちが多様な音楽と出会い、多様な感じ方や味わい方で表現したり鑑賞したりすることで音楽の感動を共有し、感情や記憶に様々な効果をもつ音楽の魅力を実感することで、柔らかな感性と創造力や豊かな心を育んでいる。
本研究では、時代の要請や学習観の変化に対応した初等科教育法(音楽)のコンテンツを開発した。人がよりよく学ぶには、どうすればよいか、音楽のもつよさを子供が見いだし、音楽で生活を豊かにしていく資質・能力を身につけるため、インストラクショナルデザインの考え方に着目して構想した。学びの基礎としてのインストラクショナルデザインを用いた自律型デジタルコンテンツをつくることで、教師がその学びを通して日頃の小学校音楽科の授業改善を行い、教育パラダイムを学習者中心とした、インストラクション、評価、カリキュラムの設計理論の統合に挑戦した。本コンテンツは、子供の学びの個別最適化をめざすと共に、教師も学ぶことで学びの個別最適化をめざす自律活用型デジタルコンテンツデザインを体験することができるよう設計している。
第1章は序章として、2025年の教育を取り巻く現状と自律活用型デジタルコ
ンテンツデザイン研究の目的を述べた。第2、3章ではその手法として、初等科教育法(音楽)の目標の構造化とカリキュラム開発、e-learningの学習環境についてまとめた。第4章は、初等科教育法(音楽)全15講を掲載した。第5章は結言として、結果及び考察について述べ、まとめでは、今後の展望について記した。本研究が、学習者中心のシステムへの転換となり、効果的なe-learningの在り方を探る実践的研究となるよう寄与したい。
目 次
第1章 2025年の教育を取り巻く現状と自律活用型デジタルコンテンツデザイン研究の目的
第1節 教育における世界の動向と日本の教育
第2節 データ駆動型教育の近未来
第3節 教師の専門職としての自律性に基づく授業改善の手法
第4節 学習観の変化と新しい教育モデルの変革
第5節 小学校音楽科教育の現状と課題
第6節 教員研修のスタイルの変化と研修観の転換
第2章 初等科教育法(音楽)の目標の構造化
第1節 教科内容の構造化
第2節 タキソノミーテーブル
第3章 e-learningの学習環境
第1節 コンテンツの構成
第2節 自律活用に向けた動画の役割と授業改善
第4章 初等科教育法(音楽)テキスト 全15講
第1講 21世紀に求められる学力と学習環境
第2講 インストラクショナルデザイン
第3講 教育デザインの理論的研究
第4講 教育方法の歴史
第5講 子供の学習意欲を高める教育
第6講 教育デザインの実践的研究
第7講 学校段階間の接続
第8講 「教えないで学べる」という新たな学び
第9講 新たな学びとしての反転授業
第10講 協働的な学びのICTデザイン
第11講 主体的・対話的で深い学びの実現
第12講 カリキュラム・マネジメントと学校における音楽科の役割
第13講 カリキュラム・マネジメントと音楽科経営の自己評価
第14講 コンピテンシーを育むデジタルアーカイブの構築と活用
第15講 音楽はなぜ学校に必要か
第5章 結果と考察、今後の課題
第1節 コンテンツの内容更新と維持
第2節 学びの個別最適化をめざす自律活用型デジタルコンテンツのシリーズ化
第3節 成果と課題
第6章 結言
第1章 2025年の教育を取り巻く現状と自律活用型デジタルコンテンツデザイン研究の目的
第1節 教育における世界の動向と日本の教育
「2030年に臨まれる社会のビジョン」ならびに「そのビジョンを実現する主体として求められる生徒像とコンピテンシー(資質・能力)」を追究してきたOECDが、Education 2030プロジェクトとして、第1フェーズとして「ラーニング・コンパス(学びの羅針盤)2030」を公表して以来、日本の教育もコンピテンシー(基盤教育)重視の考え方に移行した。その結果、現行の学習指導要領から、コンピテンシーの育成を重視するようになり、学習観の変化に対応して授業観が変化してきた。
学校で身に付けさせたい21世紀の知識基盤社会における学力は、他者と協働しつつ創造的に生きていくための資質・能力の育成である。この力を育むのが、学校教育の役目であるといえ、そのために、学習活動では、他者と共に新たな知識を生み出し、深い知識を創造させていく経験を数多く積ませるようになった。また、情報化や国際化が進み、社会が⼤きく変化する中で、ICTを積極的に活用するようになった。
OECDの第2フェーズとしては、教師に向けた「ティーチング・コンパス」の検討を進めており、本研究が目指す教師のための自律活用型コンテンツデザインはその考え方を汲むものである。
第2節 データ駆動型教育の近未来
最近では、生徒や保護者、教師へフォームなどのツールを用いてデータを収集し、それを加工して対話にいかしたり、学習プロセスを可視化して学習状況を分析したりするなど活用している。藤原(2025)によると、今世紀初頭以降、アメリカを中心として諸外国では、データ駆動型学校改善(Data-driven school improvement)、データ駆動型教育(Data-driven school instruction)といったワードが使われ、データ活用は、このような身の回りの課題解決をはじめ、次第にビックデータを活用したアクションや意思決定へと広がりをみせ、デジタルアーカイブがAI生成やデータサイエンスにいかされるようになってきた。
国立教育政策研究所内の教育データサイエンスセンターでは、これまで教育の分野で十分にできていなかったEBPM (客観的な根拠に基づく政策立案)につなげていくため、「公教育データ・プラットフォーム」の構築といった教育データの共有基盤を整備している。データにより教育を見える化し、データ駆動型の教育に転換して教育の質向上を図り、成果を教育政策や学校や子供たちのために活用できるよう取り組まれるようになった。
現場にも、データ駆動型教育への対応と開発が求められており、学びのためのデジタルコンテンツもその一つといえる。
第3節 教師の専門職としての自律性に基づく授業改善の手法
今回開発する自律活用型デジタルコンテンツは、現代的な教育の課題を解決しつつ小学校音楽授業の工夫・改善をめざすものである。
そもそも、音楽の授業づくりには、莫大な時間を要する。授業デザインの後には、1つの題材に複数の教材(楽曲)、楽譜、楽器、書籍、音源、動画(演奏、番組、CM等)などの準備、ICT授業用のプレゼンテーションや課題などが、必要なためである。これらを現在主流の考え方になっている学習者中心の学びにデザインして、音楽の楽しさを子どもたちに、よりよく教えたい。指導者に学習者中心のコンテンツで学んでもらい、授業準備・授業づくりに関わる新しい授業デザインの学びのヒントを得ていくことで、子供たちの学びも学習者中心の自律的な学びのつくり手となり、教師の専門職としての力量をつけていく。
本研究では、インストラクショナルデザイン(設計理論の集合)を手がかりに、学んでいく中で小学校音楽科の授業改善を行っていけるよう設計した。
授業は教師の本分である。練られたよい授業は子供の目が輝き、教師も自信をもって提供でき、子供の反応がよく深い学びにつながる授業ができたとき、教師はますます教材研究や授業づくりが楽しくなり、満足感を得る。
2022年度「教員勤務実態調査」(文部科学省)では、「授業時間」は増えた一方で「授業準備」は減少し、6割以上の教員がさらに「削減すべき」と回答した。授業準備についての回答欄には、「削減すべきで削減可能」か「削減すべきだが削減は難しい」の2つしか用意されておらず、「削減すべきではない」という選択肢がなかったため、小学校67.9%、中学校の62.7%が授業準備を「削減すべきで削減可能」「削減すべきだが削減は難しい」と答えていた。しかし、教職の中核である授業の質の担保と不可分のもので、授業の質を維持、向上させるのに、授業準備は不可欠な時間である。その時間が不足しているとすれば、子どもたちの学びに影響を与えるのは必至である。
音楽の授業づくりに話を戻すと、音楽が得意であればよいが、苦手な教科が音楽となると、後回しにした挙句益々時間がかけられない、その結果、指導書のコピーで、まるで内容教科のように、歌唱法や演奏法、鑑賞曲にまつわる知識のみを教え込むような授業をしてしまう、という場面をみかける。専科を取り入れている学校も音楽専科の数は少なく、専門家への相談も難しい。英語や道徳科、総合的な学習の時間の研修、学校研の教科研究が中心となり、音楽の研修まで手が回らないのが現状といえる。それでも、教師が専門職としての自律性に基づき学んでいくとしたならば、タイムパフォーマンス重視で、短時間で効果的に学べるようなものが提供できるとよいのではないか。
本研究では、授業改善に役立つ指導者のための、自律活用型デジタルコンテンツを開発することにした。各講をたどっていけば、自然のうちに現代的課題の中から授業改善のポイントがみつかっていくように構成している。関心のある内容からピックアップして進めることも可能であり、各課題をこなしていく中で、短時間で新たな視点の授業づくりができることをめざしている。インストラクショナルデザインは、複雑で困難な仕事であるが、教師にとって最も重要な仕事である。
第4節 学習観の変化と新しい教育モデルの変革
学習観の変化(行動主義1960、認知主義1970、構成主義1980、社会構成主義1990)による授業観の転換が見られ、現在では、社会構成主義の考え方が主流である。それにより、社会構成主義の考え方による手だてとして、ジグソー法、ICTの協働学習、などが用いられるようになった。これらは、全ての教科にあてはまる手だてになるかどうかは、教科の特性によるものが大きい。例えば、内容教科ではあてはまったとしても、音楽科の学習にそのまま適合できるかどうか、など、音楽科の立場において、内容や取り入れ方を十分に吟味する、などが求められる。
そこで、本研究では、社会構成主義的なインストラクショナルデザインへのアプローチ(個人に合わせた課題選択や個人に合わせた協働学習が設計できる)を大切にしつつ、学習者中心の教育を実現する音楽科としての教科の特性をいかしたインストラクションデザインを行うことにした。
近年e-learningの普及により、インストラクショナルデザインは、より注目を浴びるようになった。インストラクショナルデザインは、様々な教授設計理論やツールを組み込むことができるアプローチであるため、分析→設計→開発→実施→評価(改善)という基本プロセスで、新しい学習コンテンツや教材などを作成していく際に、有力な方法論であるといえる。誰がやっても一定の授業の質が保証できるよう、教えること(子供の学び)を科学的にデザインした。学習科学の立場にある三宅なほみは、「人は元来、自分で考えて学ぶことが得意である」「人が学ぶ力を発揮できる学習環境はデザインできる」という、2つの命題へのこだわりを貫いている。
このような学習者中心の教授法についての知識が、コンピテンシー(基盤教育)重視の考え方の学習指導において必要とされている。
第5節 小学校音楽科教育の現状と課題
学校には、予測不能な社会への対応、多様な子供(不登校、外国籍、発達支援、障がい)への対応が求められている。どの子も置き去りにしない、という個別最適な教育への要請がある。資質・能力を育む学校教育において、音楽科は何を教えるべき教科なのか、どのような役割があるのか、を考え、様々な問いやニーズに対応していかなければならない。
2024年12月に示された論点・整理では、学習指導要領の今後の改訂の具体的な方向性が示された。
前回のような全体的な方向性の変更ない。これらの方向性は、インストラクショナルデザインの考え方で解決できると考える。
デジタル学習基盤としてのICTを取り入れた音楽科の現状としては、表現・鑑賞の領域ともにweb上の多くの参考資料(音楽動画)が手に入り、歌唱・器楽・創作、鑑賞どの分野においても、他者との考えの協働、共有が容易にできることで学習形態の幅を広げ、授業の質の向上につなげてきた。また、ツールの活用により、音楽技能の差に関わらず、創作・追究活動ができるようになった。特に、知識・技能において、教え込みスタイルからの脱却がなされてきている。
課題としては、エドテック(EdTech)による意見の共有により、人の答えをすぐに参考でき、子供が自分の感受や考えをもつことをしなくなりがちになったり、ICT活用が子供の主体性という名の自由な授業になってしまい、教科本質(音楽的感性の育成)をめざすものとならなかったりする実態もある。ICTの活動だけ行っている授業では、かつての活動あって内容なし、に後退する。子供に委ねる一人一人の学びの時間や自由度が拡大する分、個別の課題設定への取り組み方への支援や共通課題をめぐって考えをつなげ深めるファシリテーションが重要となる。これらデジタル学習基盤の現状を前提として、ねらいを明確にした効果的な学びデザインを考えていくことが大切であり、今後益々ICTの果たす役割は大きい。
第6節 教員研修のスタイルの変化と研修観の転換
新たな教師の学びにおいては、一人一人の教師が、自らの専門職性を高めていく営みであると自覚しながら、変化を前向きに受け止め、探究心をもちつつ自律的に学ぶことが望まれる。教師の学びの内容の多様性は、自らの日々の実践や他者から学ぶといった現場の経験やOJT(Office Job Training)も含み、学びのスタイルが多様であることも重要となる。子供が学習者として学び続けることが求められるように、教職を目指す学生や教員も一学習者として学び続けることが求められている。教員も資質・能力を磨く時代である。
免許制の廃止後、研修観も転換している。全国教員研修プラットフォーム「Plant」が構築され、研修の受講や受講履歴記録の作成がデジタルで一元的に行われるようになった。2年目となる2025年度時点では、所属の教育委員会や教育センタ―主催研修に加え、文部科学省や教職員支援機構、大学などのコンテンツが必要に応じて選択できる。
本研究ではこのような背景を受けて、教師の学びとして、自律的に学ぶ仕組みを備えたコンテンツを構築した。新たな知を求める教師が、自律活用できるコンテンツで、個別最適な学びを実現できる。自律的な学びを目指し、①教材の構造化と明確な出口の設定と、②カリキュラムの構造化を行い、③達成を確認できる課題の提供と、④教育リソースを準備した。インストラクションで個人の進捗と達成基盤に合わせられることは、大人の学びとして有効である。学びの目的は授業改善で、教師の学びを手助けし、マネジメントする。
以上の点から、本研究では教職を目指す学生や現職教員の自主的研修に役立つ、初等科教育法(音楽)の自律型デジタルコンテンツをデザインすることにした。子供の学びの変化に伴い、教師に求められるものも変わってきている。人がよりよく学ぶにはどうしたらよいか、小学校音楽科の授業づくりと工夫・改善を行うことで、インストラクショナルデザインの考え方を学ぶものである。
第2章 初等科教育法(音楽)の目標の構造化
第1節 教科内容の構造化
初等科教育法(音楽)のe-learningのための授業の設計、実践、評価について述べていく。
コンピテンシー(基盤教育)重視となった現行の学習指導要領から、目標構造が変わった。アクティブ・ラーニングや主体的・対話的で深い学びの重視のように、教えることから学びへ(教師主導から学習者主体へ)、授業の改革が繰り返し叫ばれ、さらに個別最適な学びで、子供たち一人一人が自ら自由に学ぶようになる考え方も広がりつつある。
C.M.ライゲルース(2020)は、資質・能力の育成にむけては、学習者中心の教育への転換が重要で、学習者中心の教育のためのガイドラインとして、次の5つを示した。
①学習者の進捗は、時間で測るのではなく学習進度の達成度で測る【達成度基盤型インストラクション】、②課題は実際の社会的な文脈に合わせた真正の課題にする【課題中心型インストラクション】、③進めるときは個人に合わせるべき【個人に合わせたインストラクション】、④教育者、学習者、ICTの役割転換と支援【役割の変化】、⑤学習者は自ら学ぶことが必要で、学ぶだけでなく、時には人と協働したり、人に教えたりする役割の変化が求められる、カリキュラムを再構成【カリキュラムの変化】すべきである。
これら5つのポイントを重視して、初等科教育法(音楽)の内容構成を15講で設計した。インストラクショナルデザイン理論に関わる内容は、8講分にわたる。第1講に、21世紀型学力、第2講に、インストラクショナルデザインとは、第3講に学習目標の明確化の手法について、第4講に、教育方法の歴史をたどり、教えと学びのパラダイムが交錯した経緯を、第5講に、インストラクショナルデザインの視点で学習意欲を⾼めるフレームワーク例の紹介、第6講で、インストラクショナルデザイン理論とモデルを活用した音楽科の授業設計について、第8講で、教えないで学べる学習環境、第9講で、反転授業を紹介した。第10講では協働的な学びとICT活用のデザイン手法、第11講、第12講では、カリキュラム・マネジメントについて、さらに、第14講では、音楽科のデジタルアーカイブの展望を追加した。最終講は、教科としての音楽科の存在意義を確認できるものにした。
理論と実践の往還が学習者の理解を深めることにつながると考え、インストラクショナルデザインに関わる講は、理論部分と小学校音楽科教育実践部分の両方で構成するようにした。理論部分は、岐阜女子大学教授 久世 均先生が、これまでのご研究や学生の授業科目として築き上げてこられた理論を、掲載させていただいた。
学習者の実践にあたっては、理論に続く授業デザインの実践部分として、小学校音楽科の学習ではどのような授業づくりをしていくのか、具体的な学習活動例を示し、実際に応用してデザインしてもらえる課題を準備した。
理論基盤としては、学習者中心のインストラクショナルデザインに、C.M.ライゲルースの学習者中心の教育のためのガイドライン②の、コンピテンシー重視の考え方を反映した。この考え方は、コンピテンシーを育む学習者中心のインストラクショナルデザインが、現在の教育の流れに適している。
ジョーンズJones et al.(2002)は、実用面を強調するコンピテンシー(特定のタスクを実行するために必要なスキルと能力、および知識の組み合わせ)達成の実演として、図1の階層図を提案している。
下段から、これまでの経験や適性、特性の違いにより、なぜ人々が異なった学習経験を追究し、様々なレベルと種類のスキルや能力、あるいは知識を獲得するのか、その理由が説明できる。これらは、教室内での学習だけでなく、仕事やコミュニティ活動への参加を含めた、広義の学習経験を通じて開発される。続いてコンピテンシーは、スキルと能力、及び知識が相互作用し、それらに応じ組み立てられたタスクに密接に関連する学習の組み合わせとしての統合的学習経験の結果となる。最後に、コンピテンシーが達成され実演できる力となる。このコンピテンシー階層図は、B.S.ブルームの分類学(Bloom’s Taxonomy 1973)に類似している。
デューイDewey(1902)、スキナーSkinner(1958)ガニェGagne(1985)が築いたコンピテンシー基盤型アプローチの基礎となるタスクの支持する土台は、さらに、アンダーソン(2001)が、能動的学習の方略を組み込むため、改訂版タキソノミーを提案し進化している。教科内容の構造化については、B.S.ブルームの分類学と完全習得学習を理論的基盤として、教科内容の構造化を行った。
第2節 タキソノミーテーブル
教科内容の構造化にあたっては、B.S.ブルームのタキソノミ―を用いた。具体的には、初等科教育法(音楽)の目標を分析し、基礎から高次の目標へ段階的に並べ、目標の偏りを防ぎバランスをとっている。タキソノミ―は、①の達成度基盤型インストラクションに向けて、目標と評価を明確化する目的がある。
タキソノミーは、B.S.ブルームの目標分類の認知的領域の目標分類を応用した分類を基に、本研究では、岐阜女子大学の科目のタキソノミーテーブルのフレームを使用させていただいた。
タキソノミーテーブルについては、認知領域として、既習事項を必要に応じて知識を利用できる「想起する」、伝えられる情報の意味を捉えて必要に応じて活用する「理解する」、すでに学んだことを新しい課題場面や具体的状況に適応する力としての「応用する」、問題を構成要素に分解・再構成し、問題の全体的な構造を明らかにする力としての「分析する」、価値や意味を判断する力としての「評価する」、新しい全体をつくり出す力としての「創造する」の6段階とした。そして、タテ軸に内容、ヨコ軸に学修後にできるようになってほしい具体的な行動を示し、「内容と目標行動のマトリックス」とした。
表2 初等科教育法(音楽)のタキソノミーテーブル
分類の意義として、様々な種類の目標を考慮することで、深い学びにつながる。15講の各講の目標が、全体の中で担っている役割を果たせるように、長期的目標の分類に照らして、不足している目標を確認したり、その目標をどう評価するか、調整したりした。区分した目標が相互に関連性をもっている場合には、2つの枠組を通した目標も設定した。
このような形での目標分類は、カリキュラムの開発と評価などの枠組みとして重要な意味をもつが、授業設計や形成的評価のために用いることが教育実践的意義である。目標を明確にすることで、学習者に何を学んで欲しいのかを明らかに示すことは、その目標が達成できたかどうかを判断する、評価の材料を提供することになる。
初等科教育法(音楽)の調整後のタキソノミーテーブルは、次の通りである。多くの講で、「理解して応用する」を繰り返す中で、実践力をつけていき、そのデザイン力をいかして、「分析したり創造したり」して、実際の題材構成を行うように調整した。「分析したり創造したり」することが、高次の目標となっている。また、できあがった題材デザインを評価して、よりよいものに練り直す過程も構想している。
目標と評価のための初等科教育法(音楽)は以上の通りだが、授業デザインの過程では、カリキュラムや学習指導要領の目標を、授業の目標として検証可能な形にして明確化を行うこと、目標は、期待する子供の行動や姿で記述し、その妥当性の検討も行うこと、次に、目の前の子供の実態を明らかにすること、さらに、題材レベルで目標分析をして、下位の行動目標の学習順序を決定すること、学習環境と教材、学習形態を決めること、評価の方法を決定すること、また設計の修正をすること、を大切にした。また、子供の授業デザインには、情意領域を表に加えた改訂版タキソノミーを応用して、現行の学習指導要領のコンピテンシーと対応させた、タキソノミ―テーブルを独自で作成した。
第3章 e-learningの学習環境
第1節 コンテンツの構成
e-Learningは、あらかじめ用意されたコンテンツを視聴して学習する研修方法で、学習管理システム(サーバー)に保存された動画教材を視聴する。e-Learningの設計は、「学ぶためのもの」であり、「教えるためのもの」ではない。全体目標をより効果的に達成するような選択肢を組み合わせることが求められる。
本研究のデジタルコンテンツの構成は、デジタルテキストと動画である。原則は、テキストで基本的な考え方を伝え、動画で具体的な音楽科の授業づくりについて例示して課題を出す。動画時間は、最長でも20分とし、できるだけ音楽の楽曲や関連資料を動画の中で演示し、実践に応用したり課題をイメージしたりしやすいようにした。動画作成にあたっては、教えない選択肢を考え、どうしてもそれでは達成できないものだけ、教えるという手段で実現するように心がけた。その結果として、より効果的・効率的・魅力的なe-Learning教材が実現することになる。学習者が各講を学び、個別最適な自分の授業づくりに取り組むことができる。
教育活動の効果を高めるために、より短期間に、そしてより労力をかけずに当初の目標を達成するため、またやってみたいと思う気持ちをもたせるため、インストラクショナルデザインの発想が有用である。
e-Learningについては、岐阜女子大学大学院「遠隔教育特講」第9講 遠隔授業のデザイン手法 2.e-Learningと遠隔授業を組み合わせた授業構成、第10講 自律的なオンライン授業の分析と設計 を参照願いたい。
第2節 自律活用に向けた動画の役割と授業改善
自律型デジタルコンテンツには、動画作成の工夫が欠かせない。動画は、プレゼンテーションを用いて説明し、エドテック(EdTech)の実際や楽曲の提示や紹介など、実際の授業ですぐに使える教材を多く提示していくようにした。
講義ビデオの撮影技法や、印刷教材のレイアウトや構成、あるいは学びやすさについてのデザイン原則がふまえられていなければ、e-Learningの学習効果が向上することは期待できない。e-Learning教材の設計には、e-Learning以前から培われてきたインストラクショナルデザイン技法も参照し、部品の精度を上げていく必要がある。
今回は、魅力的な動画づくりのため、プレゼンテーション作成ソフトとしてオンラインデザインツール、説明にはオンラインアニメーション制作ソフトを用いた。実際に用いたツールは、以下の通りである。
使用できるデザインには制限があるものの、無料で使用できるものを利用した。動画も学習者がクリックしてすすめるよう設計し、プレゼンテーションや説明動画、アニメーションなどを組み合わせて構成した。
最後に、e-Learning開発工程とインストラクショナルデザインプロセスモデルの関係と授業改善について述べていく。
e-Learningのコンテンツ開発には、一般的なインストラクショナルデザインプロセス(ADDIEモデル)の段階にしたがって、分析(Analysis)、設計(Design)、開発(Development)、実施(Implementation)、評価(Evaluation)のフェーズがある。どんなコンテンツが必要かを見極め(分析)、どのように教えるかを考え(設計)、web上などに教材を実現する(開発).研修を行い(実施)、その結果を見ながら必要な修正を行う(評価).この5段階を必要に応じて繰り返すことで、よりよいものができる。
つまり、これまでの教育で蓄えられた様々なノウハウをe-Learningの一要素として組み入れ、トータルに学習環境をデザインすることが求められている。様々な手法の長所を組み合わせて、より効果的な学習環境を整備する統合プラットフォームとして、e-Learningを位置づけているのが、現在の考え方である。
e-Learningが人の学びを根本から変えていく手段として発展するために、e-Learningの実践のみならず、インストラクショナルデザインの知見が生かされ、また、e-Learningの実践から得られた知見が応用されてインストラクショナルデザインが発展していくことが、期待できる。この能動的な学びが、自律的なディープアクティブラーニングの道へと続く。
第4章 初等科教育法(音楽)全15講
【授業】初等教科教育法(音楽)【構築中】
Ⅰ はじめに
21世紀の知識基盤社会における「学力」は「他者と協働しつつ創造的に生きていく」ための資質・能力の育成である。そのために,学習活動では,他者と共に新たな知識を生み出す活動を引き出しつつ深い知識を創造させていく経験を,数多く積ませることが重要である。また,情報化や国際化が進み,社会が⼤きく変化する中で,学校,そして教師は様々な変化に直面している。児童に求められる学力の変化や授業でのICT活用など,教師はどう対応していけばよいか。
本講座では「インストラクショナルデザイン」を手がかりに,学びの基礎としてのインストラクショナルデザインを取り入れた音楽教育について考える。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
知識基盤社会とは,新しい知識やアイデア,技術のイノベーションがほかの何よりも重視される社会である。そのイノベーションのために,他者とのコミュニケーションやコラボレーション(協働,協調)が重視され, それらが効果的・建設的に行えるように,人と人を繋ぐコミュニティやICTの役割に注目が集まっている。つまり,現在決まった答えのないグローバルな課題に対して,大人も子供も含めた重層的なコミュニティの中で,ICT を駆使して一人ひとりが自分の考えや知識を持ち寄り,交換して考えを深め,統合することで解を見出し,その先の課題を見据える社会へと,社会全体が転換しようとしている。ここでは,その高度情報社会とそれに応じて求められる音楽における資質や能力について考える。
Ⅲ 授業の教育目標
(1)「インストラクショナルデザイン」を手がかりに,効果的・効率的・魅力的な授業づくりや学びの方法について考え,自分の考えを具体的に述べることができる。
(2)21世紀に求められる学力を育む新たな授業と評価を,背景や音楽における実践事例を紹介しながら考え,説明できる。
(3)目標を分析して構造がわかると,評価規準ができる。目標の構造がわかるというのは,評価規準のなかで,重要度を決定することを考える。
(4)「教えないで学べる」学びの視点を考え,音楽教育の内容を構造化し整理し提示する。
(5)音楽教育における「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実について考える。
動画資料
第1講 21世紀に求められる学力と学習環境
1.何を学ぶか
21世紀にふさわしい主体的・協働的な授業をいかに設計し、評価していくべきだろうか。21世紀の知識基盤社会における「確かな学力」は「他者と協働しつつ創造的に生きていく」資質・能力の育成であるため、授業では、他者と共に新たな知識を生み出す活動を引き出しつつ深い知識を創造させていく経験を、数多く積ませることが重要である。ここでは、21世紀に求められる学力を育む新たな授業と評価について、背景や実践事例を紹介しながら考える。
2.学習到達目標
(1)21世紀に求められる学力について説明できる。
(2)資質・能力を引き出す授業の条件を説明できる。
3.研究課題
(1)知識習得モデルと知識創造モデルの違いを説明しなさい。
(2)知識習得モデルから知識創造モデルへの授業改善について、具体例をあげて説明しなさい。
(3)変容的評価について、具体例をあげて説明しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第2講 インストラクショナルデザイン
1.何を学ぶか
情報化や国際化が進み、社会が大きく変化する中で、学校、そして教師は様々な変化に直面している。子供達に求められる学力の変化や授業でのICT(Information Communication Technology)活用など、教師はどう対応していけばよいのだろうか。本講では「インストラクショナルデザイン」を手がかりに、効果的・効率的・魅力的な授業づくりや教材開発について、考えていく。
インストラクショナルデザイン(ID:Instructional Design)の「インストラクション」は、教授や授業、指示を示す言葉で、授業設計や授業デザインと呼ばれることもあるが、以下の鈴木(2005)の定義に「学習環境」とあるように、今日では広く捉えられている。
IDとは「教育活動の効果的・効率的・魅力的な学習環境をデザインしていくための手法を集大成したモデルや研究分野、またはそれらを応用して学習支援環境を実現するプロセスのこと」(鈴木、2005)
またこの定義の中で「効果的・効率的・魅力的な学習環境をデザイン」とある。これはIDが重要視していることで、学習者が短時間で(効率的)、学習目標に到達し(効果的)、もっと学びたいという気持ちになる(魅力的)、そのようなよい授業やよい教材を目指せるよう、IDではさまざまな手法やモデルが提案されている。教員研修プログラムや映像教材を開発する際に、IDの手法やモデルを応用することで、「効果的・効率的・魅力的」を目指せるようになるのである。
2.学習到達目標
(1)インストラクショナルデザインとは何か説明できる。
(2)インストラクショナルデザイン専用のPDCAサイクル「ADDIE(アディ―)モデル」について事例をあげて説明する。
3.研究課題
(1)ADDIEのプロセスを検討し,音楽の教材を作成しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第3講 教育デザイン研究と授業デザインの実践
1.何を学ぶか
学習者が目標を十分に達成できることが、よい授業の条件である。そのような授業づくりには、インストラクショナルデザイン(第2講)のはじめの段階で、学習目標を明確に設定しておくことが重要となる。学習目標とは、学習者が、わかるようになること、できるようになること、身に付けることなど、教師が授業でねらいとすることを、より具体的な形で表し、わかったか、できるようになったか、身に付いたか、を判断できるように書かれたものである。学習目標を明確にすれば、その目標が適切かどうか、学習者にとって達成可能かどうか、などの検討が可能となり、学習目標と評価を一致させて、授業の展開や評価などの学習をデザインしていくことができる。
IDの「設計」は、学習目標を設定し、すべての学習者が目標を実現できるように、それに向けた計画を立てることである。学習目標が明確になると、授業で何を目指して、どのように授業を進めていくのか、適切な教材は何か、などの授業設計ができる。
2.学習到達目標
(1)ブルームの教育⽬標分類について、⾏動⽬標による具体例を挙げて説明できる。
(2)ガニェの学習成果の5分類について、⾏動⽬標による具体例を挙げて説明できる。
(3)音楽科の題材における学習⽬標について、具体的に説明できる。
3.研究課題
1.ブルームの教育目標分類について、行動目標による例を取り上げて説明しなさい。
2.ガニェの学習成果の5分類について、具体例を挙げて説明しなさい。
3.具体的な題材において、目標分類表を設定しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第4講 教育方法の歴史 ~教えと学びのパラダイムの交錯~
1.何を学ぶか
「教育とは何か」、と問われると、どのような解を思い浮かべるだろうか。「学ぶとは何か」と問われると、どうだろうか。「教える」と「学ぶ」は、同じなのか、異なるのか。解は、簡単なようで簡単ではない気がする。「教育」を「教え」「育む」と分けて考えることもできる。「教える」行為は、その歴史を振り返れば、古代ギリシアまで遡ることができる。
それは、古代ギリシアの哲学者によって探究され、伝聞・口述による行為であった。古代ギリシアの著名な哲学者としては、ソクラテス、プラトン、アリストテレスを挙げることができる。ソクラテスは青年たちに金銭や名声ではなく、自分の「魂の世話」に心がけた市民としての生き方を唱えた。その中で、対話をすることによる「問答法」を生み出している。プラトンはアテナイの民主主義の混乱期に、国家が「正義」を実現するための理想的な国家制度を考えた。子供を素質に応じて庶民、戦士、支配者候補に振り分け、真に「知恵」を有する者を支配者にする教育制度である。アリストテレスは、知性や特性は有徳な人々と交際し、現実生活の中で習慣と反復によって身に付くと考えた。教育には実用目的のものと、人間的な教養のためのものがあるとした。
このように「教える行為」は、古代ギリシアから始まっていると言える。そこから、中世・近世・近代と時代の軸を進めていくこととなる。
2.学習到達目標
(1)教育方法の歴史をつかみ、現行学習指導要領の転換が図られていることを理解し、説明することができる。
(2)現在の学習指導要領において、重要視されている学習者の主体的に学ぶ態度(自律的な学び)について、音楽科の具体例を示しながら説明できる。
3.研究課題
(1)教育方法の歴史としての学習観の変遷を、学習者の具体的な姿を示し、述べなさい。
(2)現在の学習観において重要視されている、学習者中心の主体的に学ぶ態度を育成する音楽科に適する学習の方法を1つ取り上げ、具体的な活動例を示して説明しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第5講 子どもの学習意欲を高める教育
1.何を学ぶか
予測困難な社会の変化に、主体的に関わり感性を豊かに働かせながら、どのような未来をつくっていくのか、どのように社会や人生をよりよいものにしていくのかという目的を、子供たちが⾃ら考え、⾃らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を、身に付けられるようにすることが必要である。
人間性の涵養を目指し、学習においてもこのような資質や能⼒を育てるために、学びを人生や社会に生かそうとする力を伸ばし、学習の評価として「主体的に学習に取り組む態度」を評価している。しかし、学習到達度調査などによると、⽇本の⼦供の学習意欲は、改善傾向にあるとはいえ、平均を下回っていることが指摘されている。ではどうすれば、学習意欲を⾼めることができるのであろうか。
意欲とは、進んで何かをしようと思うことであり、⼼理学では「動機づけ」と呼ばれる。「動機づけ」については、マズロー(A.H.Maslow)の欲求段階説など、様々な研究が⾏われてきた。ここでは、基本的な分類である「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」について取りあげる。
「外発的動機づけ」は、義務、賞罰、強制などによってもたらされる動機づけで、たとえば、試験に合格したり⾼得点を取ったりするためにする勉強がそれにあたる。活動それ⾃体を楽しむのではなく、何かのために活動するのが、「外発的動機づけ」である。
2.学習到達目標
(1)学習意欲を⾼める指導法について説明できる。
(2)J.M.ケラーの ARCS(アークス)モデルについて、音楽科の学習活動の例を挙げて、具体的に説明できる。
(3)アンドラゴジー(Andragogy)をもとにして、学校式教育から⼤⼈の学び⽀援についてその違いを具体的に説明し、授業設計に生かすことができる。
3.研究課題
(1)音楽科の学習の動機づけの具体的な⽅法をあげて、J.M.ケラーのARCS(アークス)モデルのどの分類にあたるか、説明しなさい。
(2)アンドラゴジーの特徴を、ペタゴジーとの比較をもとにして、学校式教育から大人の学び支援について、その違いを具体的にカードで5つ挙げ、みんなの広場でグループごとに分類し、説明しなさい。【タブレット課題】
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第6講 音楽科授業の分析と授業設計
1.何を学ぶか
「子供がいかに学ぶものか」という理念(理論、学習観)とその不断の検証が、何よりも重要だと考えている。それは、教科の特性と子供の実態に応じて、どのような学習活動を選択し、どのような学習環境をデザインするかは、授業のねらいに応じて、学習理論や教授学(ペダゴジー)に基づいた必要な教授ストラテジーを選択することが、大事だと見なしている。インストラクショナルデザインとして確立された一般的な理論に、組織・個人の価値観を加えて、児童にマッチしたデザインを構築していくことが大切である。
2.学習到達目標
(1)学びの関連性、学びの積み重ね、学びのつながりを高めていく授業設計が構想できる。
(2)「主題による題材構成」「楽曲による題材構成」について説明できる。
3.研究課題
(1) 学びの関連性、学びの積み重ね、学びのつながりを高めていく題材として、第1・2学年の学習で身に付けたことを関連付けて活用する第3・4学年の主題による題材構成を構想し、説明しなさい。その際、「教授フローチャート」を用いて、題材構成(授業デザイン)を示しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第7講 学校段階間の接続
1.何を学ぶか
教育課程は、社会が著しく変化する中で未来を創造する次世代への教育を実現するものであり、各学校段階と各教科等が相互に連携し全体としての学校教育の在り方を示すことを特色としている。
2024年12月論点整理では、学校段階間の連携・接続について、幼児教育から高等学校段階までの発達を連続的に支えるものとして重要であり、義務教育9年間を通した教育課程・指導体制等の在り方や高大接続の観点も含め、引き続きその在り方について検討すべきと示した。特に幼児教育と小学校教育の連携・接続については、「架け橋プログラム」の成果も踏まえつつ、資質・能力の育成に向けて、幼児教育の学びと連続性のある学びを小学校教育でも実現するといった観点のみならず、小学校教育以降の資質・能力の育成に繋がる多様な体験をいずれの幼児教育施設でも経験できるようにするといった観点も含め、幼児教育と小学校教育が相互にその教育のよさを取り入れていくためにはどうすればよいか検討すべき、と指摘した。中学校教育との接続については、小中一貫教育の制度化に関係する動き等も踏まえた検討が必要である。こうした接続を確かなものとするため、接続を担当する教員のみならず、小学校全体の教職員による取組が求められる。
2.学習到達目標
(1)保幼小の連携、小中の学習指導要領の構成について、説明できる。
(2)発達段階を踏まえた指導の充実(低・中・高学年)について、具体的な手だてを説明できる。
3.研究課題
(1)器楽分野における「思考力、判断力、表現力」「知識」「技能」に関する資質・能力を身に付けさせる事項、の各学年の内容を、歌唱分野を参考にして表にしなさい。
(2)①低学年から中学年、②中学年から高学年、③小学校及び中学校で教材の重なり、の中から、いずれかの接続を意識した発展的な学習の関連題材例を提案しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第8講 「教えないで学べる」という新たな学び
1.何を学ぶか
学習者にはそれぞれに個性があり、個人の資質や興味・関心が異なる。このような個人差について、教師はどのように考えたらいいか。
学習者の学習の目標の達成ができないことについて、学習者の能力が原因ではなく、図14-1の式で示すように、キャロル(J.B.Carroll)は、1963年に提唱した学校学習の時間モデルで、学習の目標を達成するための学習者の時間が不足していたと考えた。学校で授業を受ける中で、何故、ある子供は成功し、ある子供は失敗を重ねる現象が起きているのか、を分析し、失敗を防いだり、立ち直らせたりするための手だてをどう考えたらよいか、を模索した結果として、能力から時間への発想の転換を行ったのである。
多くの子供は、その子に必要な時間さえかければ、大抵の学習課題を達成することができる」という視点に立つことで、その子にとって課題達成に必要な時間をどう確保し、どんな援助(環境、問題、助言など)を工夫したら、より短い時間で良い効果(成績)がおさめられるような授業になるのか、を検討できるのではないかと考えた。
2.学習到達目標
(1)「教えないで学べる」とはどのようなことか、具体例を挙げて説明できる。
(2)「教えないで学べる」という新たな学びの環境について、説明できる。
3.研究課題
(1)キャロル(J.B.Carroll)の学校学習の時間モデルについて説明しなさい。
(2)「教えないで学べる」学習環境について具体的に説明しなさい。
(3)「教えないで学べる」研修を実現するための手だてを考えなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第9講 新たな学びとしての反転授業
1.何を学ぶか
近年、「反転授業」とよばれる新たな学びが注目を集めている。タブレット端末やデジタル教材、インターネット環境など情報通信技術(ICT: Information and Communication Technology)を組み合わせて反転授業を取り入れる教育実践が普及し始めている。
日本では1980年代から「自ら学び自ら考える力」が重視されてきた。このことは、他律的でない自律的な学習態度の教育が基盤となっている。ここでは、この実践的資質・能力の向上と、教科における反転授業の効果の向上について検討する。
2.学習到達目標
(1)反転授業について具体例を挙げて説明できる。
(2)反転授業について具体的に音楽科の授業設計ができる。
3.研究課題
(1)反転授業とその効果と可能性について説明しなさい。
(2)反転授業の効果的な学習展開を具体的に構想し、反転授業を取り入れた音楽科の学習指導案を作成しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第10講 協働的な学びのICTデザイン
1.何を学ぶか
チームの中で効果的に働く能力は、様々な職場において極めて重要であると認識されており、21世紀における学習目標の一つとされてきた。(OECD,2013)仕事や地域など、社会では、様々な⼈と協調的に関わり合いながら、複雑な問題を解決し、新しいアイデアを創造している。
⽇本において「協働学習(Collaboration Learning)」という⾔葉や概念は、教育⼯学・認知科学の分野において使⽤され始め、ICT環境の整備とテクノロジによる学習⽀援が実現されていくと共に、広く知られるようになった。「協働」とは、⾃らが属する組織や⽂化の異なる他者と、⼀つの⽬標に向けて、互いにパートナーとして働くことである。
この考え方を学習に取り入れた「協働学習」は、単に「問題を⼀緒に解く」というような活動や形態のことだけではなく、問題を解く場⾯で「どうしても他⼈がいないと解決に結びつかない活動」を通じて相互作用を促し、「他⼈がいることで、⾃分⼀⼈で解くより答えの質が上がる」経験を繰り返すことで、柔軟な解決をめざす、使えるスキルを身につけていくことができる。
2.学習到達目標
(1)協働学習の考え⽅について説明できる。
(2)ジグソー学習について説明できる。
(3)協働学習を取り入れた、音楽科の授業デザインができる。
3.研究課題
(1)ICTを活用した協働学習を含めた題材を構想し、学習者⾃⾝が知識を統合して答えを出す学習活動過程について理解を深め、その効⽤を検討しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第11講 「主体的・対話的な深い学び」の実現
1.何を学ぶか
学校教育でのアクティブ・ラーニングは、「教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称(文部科学省)」と定義され、大学教育の質的転換を図るために提唱されたものだった。その後、包括的な教育改革の流れの中で、初等中等教育の授業改善に適用されることになった。
子供たちが成人して社会で活躍する頃には、生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会や職業の在り方そのものが大きく変化する可能性が指摘されている。そうした厳しい挑戦の時代を乗り越えていくためには、伝統や文化に立脚しながら、他者と協働し価値の創造に挑み、未来をきり拓いていく力が必要とされている。このような時代だからこそ、子供たちには、変化を前向きにとらえて、人間らしい感性を働かせ、社会や生活、人生、未来を豊かに拓いていってほしい。
資質・能力を育成する場としての学校の役割は大きくなっている。学ぶことと社会とのつながりを意識し、「何を教えるか」という知識の質・量の改善に加え、「どのように学ぶか」という、学びの質や深まりを重視することが必要とされる。現行の学習指導要領の特徴は、学習者主体のコンピテンシーベースへの転換である。これを明確化して実現するために、児童が身に付けるべき能力を3つの柱に整理し、これを育むため子供たちが「どのように学ぶか」として、「主体的で・対話的で深い学び」という教育の方法が示された。
2.学習到達目標
(1)「主体的・対話的で深い学び」について、具体例を挙げて説明できる。
(2)ICTを活用した「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業をデザインできる。
3.研究課題
(1)「主体的・対話的な深い学び」を実現するための視点を説明しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第12講 カリキュラム・マネジメントと学校における音楽科の役割
1.何を学ぶか
よりよい学校教育が、よりよい社会を創ること、を基本の考え方として、学校では、子供たちに「生きる力」を育んでいる。変化の激しいこれからの時代を見据えて、子供たちに必要な資質・能力をしっかりと身に付けることができるよう、学校の教育目標や目指す子供像などを地域社会と共有しながら、連携・協働を進めることが大切である。そのため学校は、「社会に開かれた教育課程」の実現に向けた取り組みを構想することが大切とされている。
カリキュラム・マネジメントとは、「社会に開かれた教育課程」の理念の実現に向けて、学校教育に関わる様々な取組を、教育課程を中心に据えながら、組織的かつ計画的に実施し、教育活動の質の向上を図っていくことを示している。学校が、社会の中の学校となるために、教育課程もまた、社会や地域とのつながりを意識することが求められている。つまり、教育課程を介して、学校が社会や世界との接点をもつことが、これからの時代において、より一層重要となってくるのである。
2.学習到達目標
(1)音楽科におけるカリキュラム・マネジメントの充実について、説明できる。
(2)「社会に開かれた教育課程」の実現のために、カリキュラム・マネジメントの充実を目指して、学校教育目標をふまえた音楽科における地域社会とのかかわりを構築することができる。
3.研究課題
(1)(あなたの所属校、もしくは出身校の)子供や地域の実態を生かした「カリキュラム・マネジメント」実現のための特色ある音楽の指導計画を立てなさい
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第12講_テキスト「カリキュラム・マネジメントと学校における音楽科の役割」
第13講 カリキュラム・マネジメントと音楽科経営の自己評価
1.何を学ぶか
カリキュラム・マネジメントについては、マネジメントの技法としての3つの側面が示されている。この3つの側面を手がかりとしながら、学校の教育目標を達成するうえで、音楽科がどのように貢献できるのか、具体的な音楽科経営のカリキュラム・マネジメントについて検討したい。
2.学習到達目標
(1)カリキュラム・マネジメントの3つの側面から、音楽科経営の重点を説明できる。
(2)音楽科経営の自己評価の観点と振り返りについての考え方を説明できる。
3.研究課題
(1)PDCAサイクルにおける音楽科教育経営の自己評価を行いなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第13講_テキスト「カリキュラム・マネジメントと音楽科経営の自己評価」
第14講 コンピテンシーを育むデジタルアーカイブの構築と活用
1.何を学ぶか
音楽科の授業をデザインしていくうえで、目の前の子供に必要な力をつけるための教材(楽曲)は何が適していて、子供がその力をつけるために、どのような曲と出会い、どんなコンセプトで何を大事にしていきたいか、コンピテンシーベースの改革をきっかけに、音楽では子供が何を学ぶのか、という視点が重要とされている。
かなり早い段階からコンピテンシー主義を重視する傾向が強まってきた英国では、専門家による報告書(Department for Education,U.K.,2011)において、コンピテンシーとコンテンツは二項対立的でない、と指摘し、何かを学習することなしに、独自に「学び方」を概念化することは不可能である、と述べている。白井(2025)はこの分析として、いくらコンピテンシーの育成が大事だとしても、教師が、「批判的に考える力をつけましょう」「創造性を発揮しましょう」と呼びかけたところで、子供たちは何をすればよいか分からず、自分でコンテンツを探すだけで、授業時間が終わってしまうかもしれない、やはり学習のコンテンツは必要だ、と結論づけている。
これまで音楽科教師は、題材授業のための楽譜、参考書籍、音源、演奏映像などを、指導者個人で収集することが多かった。同じものを異動先の学校が備えていなかったり、独自で開発した題材に適した教材が見当たらなかったりして、教材開発には事前の労力と費用・時間を要するためである。
デジタルアーカイブは、そうした授業者が集めた資料を、デジタル技術を駆使した記録でコンテンツとして保管しておくことを指す。コンピテンシーを育む授業のために必要な、学習効果の高い資料を厳選したデジタルアーカイブを構築しておくことで、授業の度に一から準備せず、また、共有すれば誰でもどこからでも使えるデータとして、加工や編集が自由に行うことができるようになる。資料に加えて、実際の授業を動画で保存することで、組織固有のノウハウ、達人の技法のような、これまで「経験や勘」などと言われて記録が残らず、その先生だけができた技術・ノウハウなどの暗黙知までも、動画などのデータで記録・整理することにより、検証し形式知化して、次世代に継承していく可能性も高まる。
2.学習到達目標
(1)音楽科におけるデジタルアーカイブの利点を説明できる。
(2)音楽科デジタルアーカイブを構想できる。
3.研究課題
(1)1 適切な楽曲を挙げなさい。採択している教科書をはじめ、それ以外の教科書の掲載楽曲、子供の身の周りにある音や音楽も参考にして教材選択をすすめ、必要とされる音楽科のデジタルアーカイブのフレームワークを構成しなさい
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
第14講_テキスト「コンピテンシーを育むデジタルアーカイブの構築と活用」
第15講 音楽はなぜ学校に必要か~未来を生きる世代に必要なこと~
1.何を学ぶか
音楽「ミュージック(Music)」の語源は古代ギリシャの「ムーシケー(mousike)」
とされ、詩・音楽・舞踊を指し、音楽の起源とされている。アリストテレス(Aristoteles)は、音楽は、遊戯や休養、徳の涵養、高尚な楽しみにおいて有用であると論じ、徳の涵養が教育の目的として最も重要であるとした。
紀元前のローマ帝国では、算術・幾何学・天文学・音楽の4つの科学的学問(数学)に文法学・論理学(弁証法)・修辞学の3つの人文学分野が取り入れられ、科学的学問(数学)に統合した「自由七科」となり、ギリシャで発展した学問が引き継がれ、リベラルアーツ(artes liberales)が形づくられていった。
古代中国の孔子は、教育は、詩(詩経)に始まり、礼(典礼)を学び、最後に音楽を学ぶことによって完成すると述べた。これら、古代社会における哲学は、その後の歴史に大きな影響を与えた。音楽の学びの意義に関わる原点である。
2.学習到達目標
(1)学校における音楽科教育の意味と役割を説明できる。
(2)未来を生きる世代に必要な音楽の意義と価値について、自分の考え方を反映させて授業デザインできる。
3.研究課題
(1)音楽を学校教育で学ぶ意味を、子供にわかる言葉で説明しなさい。
4.映像資料
5.プレゼン資料
6.テキスト
Ⅳ レポート課題
課題1
課題2
Ⅴ アドバイス
課題1
課題2
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
Ⅷ 参考文献
資料
1.学修到達目標
2.【e-Learning】初等科教育法(音楽):学習到達目標(Word版)
3.学修到達目標7.17(Word版)
4.【e-Learning】初等科教育法(音楽):学習到達目標10.14(Word版)
5.【e-Learning】修正 初等科教育法(音楽):学習到達目標2.11
6.【e-Learning】 初等科教育法(音楽)学習到達目標
7.【e-learning】 _初等科教育法(音楽)タキソノミ—テーブル
8.【e-Learning】 初等科教育法(音楽)学習到達目標
9.【e-learning】 _初等科教育法(音楽)タキソノミ—テーブル
第5章 結果と考察、今後の課題
第1節 コンテンツの内容更新と維持
日本の教育は、時代の変化に対応するため、学習指導要領はおおよそ10年スパンで改訂されている。本コンテンツは、現行学習指導要領のキーワードで構成している。テキストや動画は今後の改訂にあわせて、変更・再構成して差し替えていくことが容易である。
2024年12月に学習指導要領の改訂に向けた検討が、中央教育審議会に諮問され、生成AIの発展などを踏まえ、知識の集積だけでなく、深い意味の理解を促す学びのあり方などが、検討課題として挙げられた。
今回の諮問で強調されたのが、画一的な教育から脱した柔軟な教育課程のあり方である。生成AIなどのデジタル技術が急速に発達する一方で、不登校の子どもたちが増え続ける中で、未来を担う子どもたちの教育をどのように行っていくのか、この課題を解決し、多様な子どもたちが、主体的に深く学べることを目指している。具体的に想定されているのが、授業時間の短縮などの工夫や子どもたちの理解度に応じた授業の実現である。この実現には、教員のサポートが不可欠である。特に授業づくりにおいて深い学びを考えるうえで、先生の負担が大きくならないよう、現場の取り組みを後押ししたい。コンパクトに現代的研修課題をまとめた学びの個別最適化をめざす自律活用型デジタルコンテンツは更新していくことで、これに対応できると考えている。個人の進捗と達成基盤に合わせられるインストラクショナルデザインは、有効である。
また、動画コンテンツのアニメーション進化はめざましく、プレゼンテーションや動画編集が、簡単にわかりやすく、思い通りにできるようになっている。今後も、新しくわかりやすく、AI操作や互換性など、便利な動画作成ができるよう、動向をつかんでいきたい。
第2節 学びの個別最適化をめざす自律活用型デジタルコンテンツのシリーズ化
今回、学びの個別最適化をめざす自律活用型デジタルコンテンツデザインは、第1段として、教職を目指す学生や現職教員の大学での学修、研修にいかすものとして構築した。今後は、実践部分を入れ替えた中等教育(音楽)への応用、教職を目指す学生のための教職実践演習、を続けて展開したいと考えている。また、子供たちが多様な能力や個性に応じ、それぞれのペースで学習を進められる教材や方法として、生徒用の学びの個別最適化をめざす自律活用型デジタルコンテンツ(中学校音楽)で、新しい学習指導要領改訂の趣旨に対応できるものを開発したいと考えている。
第3節 成果と課題
2022年7月1日から教員免許更新制は発展的に解消された。現在は文部科学省や各教育委員会、大学が、より成果につながる研修を設計し、その研修履歴を活用するなど、新しい研修制度の整備が進められている。
最後に、本論文で提案したコンテンツの有用性、新規性、信頼性、についてあらためて指摘したい。
本コンテンツは、岐阜女子大学及び岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所が、本学独自で育んできた実践的な解決や新しい文化を創造できる人材育成のために開発した、学習システムの一環である。本研究は、この枠組をお借りして、スタートした。テキスト、動画・プレゼンテーション、資料リソースをまとめたコンテンツは、現代の学修スタイルにマッチしており、通信教育課程学生として、自身も実際にそのコンテンツで学修し、その有用性を実感している。そもそも実技を伴う音楽科においては、音楽の研修そのものを受けることが難しい現状がある。かつての教員免許更新でも、音楽に関する単位取得が困難(芸術・音楽大学の設置がない県がある)で、東京をはじめとする各地の芸術・音楽大学等の講座を受けに行ったり、教科単位がそろわないため代わりに他教科や分野の単位を受講したりしていた経験がある。現職で働きながら、芸術・音楽の大学院や通信制課程に進む選択肢はなかった。
音楽科の教職を目指す学生や現職教員の大学での学修、研修にいかすものとして構案した学びの個別最適化をめざす自律活用型デジタルコンテンツデザインは、指定された期間であれば、いつでもどこからでも自分のペースで学修・研修できる。音楽科としては画期的な本コンテンツは、時代のニーズによって、変更・再構成して差し替えできるようにしている。したがって、本コンテンツには、汎用性と利便性からなる有用性がある、と考えることができる。
初等科教育法(音楽)のツコンテンツは、前半部がインストラクショナルデザインによる構成、後半部は現学習指導要領のキーワードをもとにした現代的課題解決に向けた内容構成としている。受講者の興味・関心のある講から選んで学修・研修でき、また、参照すべき資料はQRコードですぐに確認できる。テキストはコンパクトでありながらも、動画の中では具体例を紹介し、自分の展開例を実際に試してみることができるダイナミックな学びを準備した点、動画コンテンツをアニメーション動画にしたり、プレゼンテーションに入れ込むスタイルに工夫したりした点に、本コンテンツの新規性がある。
また、本コンテンツは、各講とも理論部分と小学校音楽科における具体的実践部分で構成している。インストラクショナルデザインの考え方については大学教員が、実践部分を現職教員が担当しており、その信頼性についてはいうまでもない。小学校音楽科での実践例をきっかけに、自身の実践を考えやすいコンテンツとなっており、学ぶうちにカリキュラム・マネジメントを推進していることにもつながる構成となっている。
研究と修養は、教員の務めである。時代に沿った研修の在り方で、現代的教育の課題解決に対応できる研修内容で、教員の学びの個別最適化を描く一助としてのティーチング・コンパスになることと期待したい。
第6章 結言
インストラクショナルデザインは、さらなる授業改善の手だてとして実施していくところからはじまる。本コンテンツを使ってみたことが日々の授業改善を図るきっかけになったり、新たな改善策を生み出していくことにつながったりして、子供たちの資質・能力を育む新たな方法や手だてを発見し、カリキュラム・マネジメントが活性化されていく。
各講における受講者の音楽の事例は、受講者相互の双方向の交流で練り上げたり、参考にして自身のプランを充実させていったりすると、成果をデジタルアーカイブして自身が担当していない学年の教材開発も利活用できるようにすると、いつか自分も利活用できるタイミングがやってくる。目の前の子供たちの実態に合わせて、修正し実践していった別の実践が、新たなストラテジー(ICTを活用した反転学習のようなもの)を生み出す可能性につながるかもしれない。今後も、学びの支援技術の確立に向けた音楽科教育・学習の研究活動の推進に尽力していきたいと考えている。
なお、2024年11月時点で、JMOOC認定講座数は765講座、登録者数約163万人、延べ学習者数は185万人を超えた。学習者は大学卒業生を中心とした継続学習意欲の高い方々が集まっており、近年は10代の若い学習者も増えている。講座認定による質の保証やアジア諸国との連携などが推進されており、ニーズの高さがうかがえる。
e-learningの学習環境は整った。今後は、学習行動データを蓄積且つ分析することで、新たに得た知見を、学習支援技術にフィードバックしていく方法や継続的学習を目指す取り組みについて、学修・研修のサブスクのようなシステムで、知や価値を守りつつ発展させていく方法についても、あわせて検討していきたい。
音楽科における学び続ける教師とは、主体的かつ自律的に、子供たちに音楽の何を伝えるのか、何のための音楽教育なのかを問い続ける教師である。教師は授業を通して成長する。今後も学校教育は、社会の変化によって見直され、教師に求められる資質・能力は変わっていく。既存の理論を実践化し、行った実践の蓄積から新たな理論を導き、導いた理論は固定化せず仮説的にとらえ、再び新たな実践を積んで検証し、さらに新たな理論として描き、その過程を省察して論理的に説明できる力が求められる。
実践経験やその省察を通して暗黙的な実践知を学び豊かにしていく一方で、理論知(教科内容、子供の学習、教育方法)を学ぶことも重要である。理論を学びだ明けで実践はできないが、だからと言って理論を学ばないというのは誤りである。教師は自分の実践を支えている理論を自覚化し、より広い視野から実践の意味を理解し、それをかたる言葉をもつ。それは、教師の感覚的な判断を、根拠や革新を伴ったものとし、実践の変革可能性や柔軟性も準備するだろう。失敗や天気となる経験の先に、その経験や出来事の本質に気付き、そうかつし、知識化する際に、理論を学び枠組みや言葉をもっておくことは、自らの実践家哲学を豊かなものにする。教師の学びは、模倣と省察の過程で理論値と実践知を統一する研究的な学びとして遂行されねばならない。(2024 石井)
創造的な一斉授業はフレキシブルな形態を含むものだった。(齋藤2006)
時代や社会が求める力を育むインストラクショナルデザインの音楽の授業づくりができるようになり、教育で未来の社会を創造しつづけていくことができることは、真の喜びである。
Acknowledgment謝辞
Reference引用
はじめに
高橋暁子 ほか(2019) 日本におけるインストラクショナルデザイン研究の動向(2003-2018)(日本教育工学会論文誌) 43(3)、253-265
第1章
全米科学・工学・医学アカデミー(2024)「How people learn Ⅱ」人はいかに学ぶのか授業を変える学習科学の新たな挑戦(北大路書房)
ライゲルースet al.(編)(2020)「学習者中心の教育を実現する インストラクショナルデザイン理論とモデル」(北大路書房)
石井英真(2015):「今求められる学力と学びとは―コンピテンシー・ベースのカリキュラ
ムの光と影―」(日本標準)
秋田喜代美(2020)「見通し・行動・振り返り」の繰り返しが生徒自身の幸せな未来創造へとつながる」Career Guidance 2020 DEC. Vol.435 リクルート進学総研
藤原文雄(2025)「データ駆動型教育の近未来」Educasphere 全国公立学校教頭会
白水始「認知科学 三宅なほみ研究史 すぐ、そこにある夢」
文部科学省(2020)「小学校音楽科の指導におけるICTの活用」
https://www.mext.go.jp/content/20200911-mxt_jogai01-000009772_05.pdf
文部科学省(2024) 教員勤務実態調査(令和4年度)【速報値】について(R6.4)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01232.html
第2章
沼野一男、鈴木克明、生田孝至 他(1989)「教育方法・技術」(学文社)
梶田叡一(1999)「教育評価」(有斐閣双書)
B.S.ブルーム(1973)「学習評価法ガイドブック上・下」(第一法規)
第3章
鈴木克明(2005)e-Learning 実践のためのインストラクショナル・デザイン(日本教育
工 学会論文誌 29(3>,197205)
日本能率協会マネジメントセンター(2024)eラーニングとは?メリット・デメリットを
徹底解説!https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0143-eleaning.html
岐阜女子大学大学院(2022)「遠隔教育特講」第9講 遠隔授業のデザイン手法
第4章
第1講
1)P・グリフィン編、三宅なほみ監訳、益川弘如編訳(2014)「21世紀型スキル 学びと
評価の新たなかたち」(北大路書房)
2)勝野頼彦(2013)「社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理」(国立教育政策研究所)
3)岐阜女子大学編:教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザイン
4)白井俊(2020)「OECDEducation2030プロジェクトが描く教育の未来」(ミネルヴァ書房)
5)白水始(2017)評価の刷新―「前向き授業」の実現に向けて―(国立教育政策研究所
紀要第146集)
第2講
1)C.M.ライゲルース編、鈴木克明監訳(2020)「学習者中心の教育を実現するインストラクショナルデザイン理論とモデル」(北大路書房)
2)スーザン・マッケニー著、鈴木克明訳(2021)「教育デザイン研究の理論と実践」(北
大路書房)
3)鈴木克明(2019)「インストラクショナルデザイン-学びの「効果・効率・魅力」の
向上を目指した技法-」(電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン13巻 2
号 p. 110-116)
4)赤堀侃司(2004)「授業の基礎としてのインストラクショナルデザイン」(財団法人
日本視聴覚教育協会)
5)島宗理(2004)「インストラクショナルデザイン」(米田出版)
6)鈴木克明(2015)「授業設計マニュアルVer.2」(北大路書房)
7)鄭仁星、久保田賢一、鈴木克明(2008)「最適モデルによるインストラクショナルデ
ザイン ブレンド型eラーニングの効果的な手法」(東京電機大学)
第3講
1)岐阜女子大学編(2015)「教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザイン」
2)スーザン・マッケニー編、鈴木克明訳(2021)「教育デザイン研究の理論と実践」(北
大路書房)
3)鈴木克明(1995)「放送利用からの授業デザイナー入門~若い先生へのメッセージ
~」(日本放送教育協会)
4)梶田叡一(2001)「教育評価」(有斐閣双書)
5)教育課程企画特別部会資料(2015)「教育目標・内容と学習・指導方法、学習評価の在
り方に関する補足資料ver.5」
第4講
1)岐阜女子大学編(2015)「教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザイン」
2)森本康彦(2008)「e ポートフォリオの理論と実際」(教育システム情報学会誌 Vol.25 No.2、pp245-263)
第5講
1)J. M. Keller、鈴木克明(監訳)(2010)「学習意欲をデザインする―ARCS モデルに
よるインストラクショナルデザイン」(北大路書房)
2)鈴木克明(2010)「授業設計マニュアル」(北大路書房)
3)島 美佐子(2019)「M. ノールズの成人教育理論に関する考察」(早稲田大学大学院教
育学研究科紀要 別冊26号)
4)アチーブメントHRソリューションズ(2024)「アンドラゴジーとは?成人学習におけ
る5つの観点とペタゴジーとの違い」https://achievement-
hrs.co.jp/ritori/andoragogy/
第6講
1)久世 均、生田孝至 他(「教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザイン」
「第4講 教材の分析と設計」(岐阜女子大学)
2)スーザン・マッケニー、鈴木克明訳(2021)「教育デザイン研究の理論と実践」
3)全米科学・工学・医学アカデミー、秋田喜代美 編(2024)「人はいかに学ぶのかー授
業を変える学習科学の新たな挑戦」(北大路書房)
4)髙口 努「資質・能力を育成する教育課程の在り方に関する研究報告書 1~ 使って育
てて 21 世紀を生き抜くための資質・能力」(2015、(国立教育政策研究所 教育
課程研究センター
5)沼野一男、鈴木克明、生田孝至(1989)「教育の方法・技術」(学文社)
6)B.S.ブルーム(1973)「学習評価法ガイドブック上・下」(第一法規)
7)梶田叡一(1999)「教育評価(第2版)(有斐閣)
8)加藤真由美、櫟 彩見 他(2021)「e-learningとデジタルアーカイブを結ぶ学習フロー
チャートの紹介」(アーカイブData Report No.81、NPO日本アーカイブ協会・岐
阜女子大学・沖縄女子短期大学・学習システム研究会)
9)初等科音楽教育研究会(2020)「初等科音楽教育法」(音楽之友社)
第7講
1)文部科学省(2024)「今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有
識者検討会(論点整理)」
2)宮下俊也(2018)「平成29年改訂 小学校教育課程実践講座」(ぎょうせい)
第8講
1)久世 均(2022)「教育のDX時代における “新たな学び”の在り方-教育リソースと
連携したe-Learningシステムの構築-」
2)久世 均(2022)「遠隔教育特講」(岐阜女子大学)
3)多鹿秀継(1999)「認知心理学からみた授業課程の理解」(北大路書房)
第9講
1)久世 均(2022)「遠隔教育特講」(岐阜女子大学)
第10講
1)全米科学・工学・医学アカデミー編(2024)「How people learn ; Brain, mind, experience, and school」人はいかに学ぶのか」(北大路書房)
2)田村学(2021)「個別学習と協働学習を往還する授業デザインで、知識を構造化・概
念化する「深い学び」に導く」(VIEWnextベネッセコーポレーション)
3)熊谷圭二郎(2017)「児童生徒同士の互恵的な相互作用を活用した教授・学習法に関
する研究の動向について」(学級経営心理学研究)
第11講
1)岐阜女子大学編「教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザイン」
2)石井英真(2024)「教育変革の時代の羅針盤 教育DX個別最適な学びの光と影」
3)中央教育審議会(2024)「論点整理」
4)宮下俊也(2018)「平成29年改訂小学校教育課程実践講座音楽」(ぎょうせい)
5)津田正之 他(2017)「特集Ⅱ学習が深まった子供の姿を大切にした音楽の授業づく
り」(初等教育資料)
第12講
1)文部科学省(2020)スライド「カリキュラム・マネジメント」
2)宮下 俊也(2018)「平成29年改訂 小学校教育課程実践講座 音楽」(ぎょうせい)
3)初等科音楽教育研究会 編(2020)「初等科教育法」(音楽之友社)
第13講
1)文部科学省(2020)スライド「カリキュラム・マネジメント」
2)天笠 茂(2024)「カリキュラム・マネジメント」(独立行政法人教職員支援機構)
3)宮下俊也(2018)「平成29年改訂 小学校教育課程実践講座 音楽」
4)初等科音楽教育研究会 編(2020)「初等科音楽教育法」(音楽之友社)
5)藤田文子(2019)「音楽科におけるカリキュラム・マネジメントに関する研究 –幼稚
園、小・中学校、高等学校における理論と実践を中心に-」(茨城大学教育実践研
究 38、p25-34)
6)高階玲治、岩木美詠子 他(2003)「学校の自己評価・外部評価」(教育開発研究所)
第14講
1)白井 俊(2025)「世界の教育はどこへ向かうか」(中公新書、p166,167)
2)石井英真(2024)教育「変革」の時代の羅針盤「教育DX×個別最適な学び」の光と影(教育出版、p211、212)
3)文部科学省(2020)「教育データの利活用について」
4)後藤忠彦 他(2020)「デジタルアーカイブの利活用基礎」(岐阜女子大学)
5)中教審教育課程部会(2019)「これからの社会を生きるすべての子供たちに求められる資質・能力の育成における芸術教育の意義とICTの活用」
6)文部科学省(2021)「学習指導要領コード」
7)文部科学省(2021)「GIGAスクール構想のもとでの小学校音楽科の指導について」
第15講
1)マーセルJ.L.Mursell(1967)「音楽教育と人間形成」(音楽之友社)
2)日本音楽教育学会(2019)「音楽教育研究ハンドブック」(音楽之友社)
3)菅野恵理子(2020)「MITマサチューセッツ工科大学 音楽の授業~世界最高峰の「創
造する力」の伸ばし方」(あさ出版)
4)今川恭子(2020)「わたしたちに音楽がある理由【音楽性の学際的探究】」(音楽之友社)
5)小路明善(2024)「全世代型教育システムの構築」週刊 経団連タイムス No.3622 https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2024/0125_05.html(日本経済団体連合会)
第5章
おわりに
1)日本音楽教育学会(2019)「音楽教育研究ハンドブック」宮下俊也「教職大学院の動
向と課題」(音楽之友社)
2)石井英真(2024)「教育変革の時代の羅針盤 教育DX個別最適な学びの光と影」
p189
【研究論文】地域資源デジタルアーカイブにおけるオープンデータの有用性の研究 ~ 沖縄の地域文化遺産を例にして ~
1.はじめに
官民データ活用推進基本法(平成28年法律第103号)において、国及び地方公共団体はオープンデータに取り組むことが義務付けられた。しかし、2022年9月の時点で、沖縄県内市町村の取り組み率は、1位である岐阜県の100%に対し、26.8%と全国最下位だ。結果から、DXに対する意識の格差やデジタル技術不足の現状を知った。また、沖縄には特有の地域文化遺産が存在する。それらを地域活性化に活かしたいと考えた。
そこで、本研究では沖縄の地域文化遺産を中心にデジタルアーカイブを行うとともに、データを活用してWebページ制作を行う。そのWebページを地域文化遺産の保存、地域活性化を目的としたオープンデータ化を行い、どのような有用性があるのか明らかにする。
2.研究の方法
①オープンデータの定義、意義・目的などの基本となる情報やオープンデータ化における課題など、その活用推進の社会的背景について調査を行う。
②国及び地方公共団体が取り組んでいるオープンデータの利活用事例を調査する。事例を参考に、沖縄がオープンデータに取り組む際の課題や改善点について考察する。
③デジタルアーカイブの対象を、沖縄の地域文化遺産を情報収集、文献調査して決定する。現地で対象の地域文化遺産の撮影を行い、実際の情報、資料を収集・記録する。
④撮影データをもとに、地域文化遺産の保存、及び地域活性化を目的としたWebページ制作を行い、オープンデータとして公開する。
3.研究の結果
オープンデータの定義とは、機械判読に適し、二次利用可能なルールが適用され、無償で利用できるように公開されたデータである。その意義・目的は、諸課題の解決、経済活性化、行政の高度化・効率化、透明化・信頼の向上だ。日本でオープンデータの活用が推進されるきっかけとなったのは、東日本大震災や急速なインターネット普及による情報社会化が挙げられる。オープンデータの懸念点は、誰でも容易に利用できるため、個人情報漏えいのリスクがあることだ。他にも、オープンデータ化に取り組むことでの具体的なメリットがイメージできない、そもそも方法が分からないという知識・技術者不足も課題である。
利活用事例の調査を行い、大阪市立図書館では、平成28年度より市立図書館の蔵書統計・利用統計や、デジタルアーカイブの著作権が消滅したデジタル画像情報等のオープンデータ化を進めていることが分かった。ブックカバーや書籍、スウェット・Tシャツ等にオープンデータ画像が活用され、日本経済新聞電子版の記事にも活用されるなどその有用性は高いと考える。
4.おわりに
オープンデータの社会的背景、利活用事例の文献調査が終了し、そこから課題や有用性の有無を考察した。今後は現地で地域文化遺産の撮影を行い、Webページ制作も行う。
参考文献
1)琉球新報.今日のニュース.琉球新報.
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1587009.html
論文
地域資源デジタルアーカイブにおけるオープンデータの有用性の研究
~沖縄の地域文化遺産を例にして~
第1章 緒 言
官庁と民間が保有するデータを流通・活用することで、自立的で個性豊かな地域社会の形成、新事業の創出、国際競争力の強化などを目指す官民データ活用推進基本法(平成28年法律第103号)において、国及び地方公共団体はオープンデータに取り組むことを義務付けられている。しかし、デジタル庁の「都道府県別の市区町村オープンデータ取組率」についての調査では、令和4年6月28日時点で沖縄県内市町村の取り組み率は、1位である岐阜県100%に対し26.8%と全国最下位になっている。その調査結果から、沖縄ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)に対する意識の格差やデジタル技術不足の現状があるのではないかと考察した。また、沖縄には琉球王国時代の名残をとどめている特有の地域文化遺産があり、それらを地域活性化に活かしたいと考えた。そこで、本研究では沖縄の地域文化遺産を撮影してデジタルアーカイブを行うとともに、データを活用してWebページ制作を行う。そのWebページを地域文化遺産の保存、地域文化理解、地域活性化を目的としたオープンデータにどのような有用性があるのかを考察する。
第2章 オープンデータとは
1.オープンデータの定義
オープンデータの定義とは、オープンデータを効果的に利用しやすくし、利用者がデータを有効に活用できるようにするために設けられており、平成29年5月30日IT総合戦略本部の官民データ活用推進戦略会議にて決定され、令和3年6月15日に改正されたものである。
その内容はオープンデータの基本事項を示している「オープンデータ基本指針」に、以下のように定義されている。
国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、次のいずれの項目にも該当する形で公開されたデータをオープンデータと定義する。
① 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
② 機械判読に適したもの
③ 無償で利用できるもの
引用:「オープンデータ基本指針」より抜粋
2.オープンデータの意義・目的
オープンデータは、様々な分野で重要な意義を持っており、公共データの二次利用可能な形での公開、またその活用を促進する意義、いくつかの重要な目的については、以下のように規定されている。
(1)国民参加・官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済活性化
広範な主体による公共データの活用が進展することで、創意工夫を活かした多様なサービスの迅速かつ効率的な提供、官民の協働による公共サービスの提供や改善が実現し、ニーズや価値観の多様化、技術革新等の環境変化への適切な対応とともに、厳しい財政状況、急速な少子高齢化の進展等の我が国が直面する諸課題の解決に貢献することができる。
(2)行政の高度化・効率化
国や地方公共団体においてデータ活用により得られた情報を根拠として政策や施策の企画及び立案が行われることで(EBPM:Evidence Based Policy Making)、効果的かつ効率的な行政の推進につながる。
(3)透明性・信頼の向上
政策立案等に用いられた公共データが公開されることで、国民は政策等に関して十分な分析、判断を行うことが可能になり、行政の透明性、行政に対する国民の信頼が高まる。
引用:「オープンデータ基本指針」より抜粋
3.オープンデータの必要性
オープンデータの提供と活用は、現代社会において多岐にわたる利点と必要性を有している。
その重要な側面の1つは、オープンデータの意義・目的にもある通り透明性と信頼性の向上だ。政府や組織が行動や決定をデータとして公開することで、市民はこれらのプロセスを理解し、監視することが可能となる。透明性の向上は、行政の公正性や誠実性に対する信頼感を高め、民主主義の基盤を強化することに繋がる。
第2に、オープンデータは市民参加を促進し、民主的な社会の形成に寄与する。市民がデータを利用して政策や提案に参加できる環境が整うことで、より効果的な意思決定が可能となる。これにより、行政が市民のニーズや懸念を正確に把握し、それに応じた施策を打つことが期待できる。
第3に、オープンデータはイノベーションの推進に役立っている。データの自由なアクセスは、新しいアプリケーションやサービス、ビジネスモデルの創造を助長する。研究者や企業が異なるデータセットを組み合わせ、新たな洞察を得ることで、社会に新しい価値をもたらすことが可能となるのだ。
第4に、オープンデータは社会的課題に対する効果的な解決策を見つけ出す手段を提供している。例えば、環境データを活用して持続可能な開発戦略を策定したり、医療データを分析して効果的な治療法を見つけたりすることが可能になる。
以上の、透明性の向上、市民参加の促進、イノベーションの推進、社会的課題への対応といった側面から見ても、オープンデータは社会全体に広がる利益と必要性を有しているといえるだろう。現代社会においてオープンデータの役割はますます不可欠となるのだ。
第3章 地域のオープンデータ
1.大阪市立図書館のオープンデータ
地方自治体が取り組んでいるオープンデータの事例として大阪市立図書館を紹介する。
平成28年度より、大阪市立図書館では「大阪市オープンデータの取り組みに関する指針」や「大阪市ICT戦略」に基づき、活力と魅力ある大阪の実現に資することを目的に、オープンデータ化を進めている。また他機関とも連携し、ビジネスの活性化や学校における教科学習での活用をも視野に入れた利活用推進に取り組むとともに、提供するオープンデータの拡大を図っている。
大阪市立図書館Webサイトでは、公開しているデータのうち、CC(クリエイティブコモンズ)ライセンスにおけるCC-BY4.0の表示があるデータをオープンデータとして取り扱っている。また、CC(クリエイティブコモンズ)ライセンスの「CC-BYコンテンツ」「CC-BY-SAコンテンツ」「CC0コンテンツ」について、例文とともにわかりやすく利用条件が記載されている。大阪市立図書館Webサイトで公開されている不正確な情報の混在等による利用者の損害等、一切の行為について大阪市立図書館はいかなる責任も負わないという表記があり、利用者は注意する必要がある。
オープンデータの活動事例を募集し、それらを一覧にまとめて記事として紹介している。大阪市立図書館のオープンデータは、一般の利用者からテレビ局、YouTubeなど幅広い分野で利活用されており、大阪市立図書館オープンデータの有用性は高いと考えられる。
オープンデータ活用事例の募集も同ページで行っている。使用したオープンデータの種類や何に活用したかを入力してフォームを送り、それを大阪市立図書館が記事にして紹介している。
2.地域におけるオープンデータの現状
地方自治体におけるオープンデータに関する取組の実施状況は、平成29年総務省にて行われた「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」において、2012年度の調査から2016年度調査まで、「取組を推進している団体数」「取組を行っている団体数の比率」ともに増加している。
また、オープンデータに関する取組を推進している自治体では、6割程度が一定以上の成果が上がっているが、約4割では成果が上がっていない。そのため地方自治体にとってオープンデータは、なかなか成果が見えにくい取組であると考えられる。
3.地域におけるオープンデータの課題
オープンデータに関する取組を進める上での課題として、2016年度の調査では「具体的な利用イメージやニーズの明確化」(69.2%)、「提供側の効果・メリットの具体化」(61.5%)が2013年度に比べて増加した。一方、「個人情報等の機微情報の扱いに関する制度的な整備」、「政府におけるオープンデータの具体的な全体方針の整備」は2013年度に比べて10%程度減少している。
この結果から地方公共団体等がオープンデータに関する取組を推進していく上での大きな課題は、具体的にどうオープンデータを利用したらよいのか、オープンデータに取り組む目的や取り組むことで得る提供側のメリットが分からない等、オープンデータに対する知識・理解不足が挙げられる。反対に、権利処理の整備や政府における全体方針の整備、利用者と提供者間の責任分担の整理については、2013年度の調査からオープンデータに取り組む中でそれらの理解が広まり適応されたといえるだろう。
また、このアンケート調査の項目以外にもオープンデータの普及と利用にはさまざまな課題が存在する。これらの課題は、データの公開や利用を妨げる可能性があり、慎重な対応が求められる。
1つに、プライバシーとセキュリティの懸念だ。オープンデータは一般に匿名化や個人情報の削除が行われているが、これが十分に行われない場合、個人のプライバシーが侵害される可能性がある。また、データが悪意ある者の手に渡ることでセキュリティリスクが生じる可能性もある。こういったことから、機密情報やセンシティブなデータの公開には慎重な対応が求められる。
2つめに、データの品質と信頼性だ。オープンデータが利用価値を有するためには、データの品質と信頼性が確保されている必要がある。大阪市立図書館Webサイトにも「公開するオープンデータは、正確な情報となるよう努めていますが、不正確な情報の混在等による利用者の損害等、一切の行為について大阪市立図書館はいかなる責任も負いません。」と記載されている。誤った情報や不正確なデータが公開されると、これを基にした意思決定や研究が誤った方向に進む可能性があるため注意しなければならない。
3つめは、アクセスとデジタル格差だ。オープンデータを利用するためにはアクセスが必要だが、一部の地域や社会階層ではデジタル格差が依然として存在する。データへの平等なアクセスを確保するためには、デジタルリテラシーの向上やアクセス可能なインフラの整備が重要となる。
4つめは、文化的・倫理的な課題だ。特定の文化やコミュニティに関連するデータを公開する際には、文化的な課題や倫理的な配慮が必要となる。特に先住民族に関するデータなど、敏感なトピックに対する配慮が求められる。
これらの課題に対処するためには、データプロバイダや利用者、政府などが協力して適切なガイドラインや標準を策定し、透明性と公正性を確保する取組が求められる。オープンデータの利活用を進める上で、これらの課題に対する適切な対応は必要不可欠といえるだろう。
第4章 沖縄の地域文化遺産デジタルアーカイブ
1.沖縄の地域文化遺産撮影
地域文化遺産は、その地域の歴史・伝統・文化を集約した象徴的な存在であり、そこに属する人々にとって何ものにも代え難い誇りであると同時に、世界の多くの国の人々をも感動させる価値を持っている。実際に文化遺産へ訪れた際には、多国籍の外国人観光客が多いような印象があった。そのような文化遺産を人類共通の貴重な遺産として国際的に手を携えて次世代へ伝えていくことは、お互いの文化を認め、尊重する姿勢にもつながり、安定した国際社会の基礎を成すものといえるだろう。
沖縄の地域文化遺産は、琉球王国時代の名残をとどめているものが多く存在する。その中から世界遺産の城跡に着目し、座喜味城跡、中城城跡、勝連城跡、首里城跡の撮影を行うことにした。撮影に使用したカメラはDJI Osmo Pocketである。撮影は静止画撮影と動画撮影を行った。(首里城跡は、雨天で動画撮影が困難だったため動画撮影を行っていない。)
⑴.座喜味城跡(ざきみじょうあと)
座喜味城跡は、沖縄県中頭郡読谷村にある史跡名勝天然記念物だ。読谷村按司護佐丸によって築かれたと伝えられる座喜味城は、昭和47年5月15日、沖縄の本土復帰と同時に史跡に指定した。しかし、アメリカ軍の基地として使用されていた部分は指定し得なかったので、返還されたのを機に追加指定することになる。
沖縄本島西海岸の南部と中部の境、城原の山の上にあり、沖縄史上第一の築城家として名高い護佐丸(ごさまる)の居城である。中山王(尚巴志)の北山討伐に従った護佐丸が、一時今帰仁城で戦後処理にあたるが、やがてこの城を築き、読谷山一帯の広大な地域を確保し、北方の長浜港での貿易の利を掌握した。
城郭は丘陵の先端部に位置し、本丸の南側二の丸には第1・第2のアーチ型の城門があり、石垣がめぐらされている。どのようにしてアーチ型の城門を石垣で造ったのか気になった。本丸は二の丸より高く、もと5段の石の階段があったが現在はない。護佐丸は数年後に中城城に移ったので、この城はまもなく廃城となった。だが、築城の技術、護佐丸の歴史上の役割からもこの城は重要だといえる。
座喜味城は、戦乱の世だった「三山時代」に活躍し、琉球王国統一後の国の安定に尽力した名将護佐丸(ごさまる)によって築かれた城です。
国王に対抗する勢力を監視する目的でつくられ、1420年頃に完成しています。
規模は小さいですが、城壁や城門の石積みの精巧さや美しさは沖縄の城の中で随一といわれ、当時の石造建築技術の高さを示す貴重な史跡となっています。
⑵.中城城跡(なかぐすくじょうあと)
中城城跡は、沖縄県中頭郡北中城村・中城村にある史跡名勝天然記念物だ。1972年5月15日(日本復帰)の日に、国の史跡に指定された。指定面積は、110,473㎡(約33,440坪)で、その内14,473㎡(約4,300坪)が城壁面積だ。2000年12月2日には、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つとして世界遺産にも登録された。
中城城跡は、かつて貿易が行われていた屋宜の港から2㎞離れた標高約160mの高台上
にある。300余もあるとされる沖縄のグスクの中で最も遺構がよく残っていることで知られている城跡だ。東北から西南に一直線に連郭式に築かれた城で、6つの郭で構成されている。城壁は、主に琉球石灰岩の切石で積まれており、自然の岩石と地形的条件を活かした美しい曲線で構成されている。その構築技術の高さは、芸術的といわれ、歴史的にも高い評価を受けている。裏門からはいって、次第に高く、かつ広くなる三の丸・二の丸・本丸は、それぞれ堅牢優美な石塁で囲まれ、石の階段と門で各郭に通じている。とくに三の丸の城壁のように外側から目立つ石組は五角形の石を積みあげ、またアーチ門の回りは特に大きな切石を用い、石塁の角が丸味を帯びているのも特徴であるが、全体としてきわめて堂々たる外観を呈している。城の規模は必ずしも大きくはないが、東南側は自然の絶壁をなし、西北側は10mほど低い位置で外郭の石塁が走り、城の繩張りは日本中世の城に似たものがある。築城は護佐丸といわれるが、護佐丸が座喜味城から中城城に居城を移したのは、尚泰久の妻となった自分の娘の住む首里に近いということのほかに、王権を勝連按司阿麻和利から守るためであった。後に紹介する勝連城は、この城から直線で8キロ、中城湾をはさんで東北方指呼の間にある堅固な城である。つまり、護佐丸と阿麻和利が、それぞれ相手の居所のよく見える位置に築城して対峙したわけである。
しかし1458年、護佐丸は阿麻和利に滅ぼされ、中城城は王の直轄となり、第2尚氏の時代には王子の居城となった。中城城は、近年琉球政府文化財保護委員会の手で一部修理が加えられたが、当初の遺構をほとんどそのまま残し、その技法や構造において沖縄城郭史上いっそうの完成度を見ることのできる城である。とくに丸には門が1つ、二の丸には三の丸からはいる門と本丸に通じる門が2つ設けられ、殿舎の遺構、「いべ」と、三のいうように、あらゆる条件を備えている。しかも、この城こそが、沖縄における第1尚氏による中央集権の確立に重要な役割を果たし、沖縄のいわば中世的な戦乱の最後の築城であったことはきわめて注目すべきところだろう。
1853年に来島したペリー探検隊一行が現地調査を行い、「要塞の資材は、石灰岩であり、その石造建築は、賞賛すべきものであった。石は・・・非常に注意深く刻まれてつなぎ合わされているので、漆喰もセメントも何も用いてないが、この工事の耐久性を損なうようにも思わなかった。」と記し、中城城跡のすばらしさを讃えている。
また、中城城跡から14世紀後半から15世紀前半のものと思われる中国製青磁器が発掘されている。
中城城は、勝連城の勢力を牽制するために、国王の命令によって武将・護佐丸(ごさまる)が移り住んだ城として知られています。
標高167メートルの丘陵地に築かれ、城壁の上からは海を見渡すことができます。
名築城家でもあった護佐丸が増築した城壁と、それ以前の古い城壁が共存していて、築城文化を知る上でも貴重な城です。
⑶.勝連城跡(かつれんじょうあと)
勝連城跡は、沖縄県うるま市勝連南風原にある史跡名勝天然記念物だ。沖縄本島南部の東海岸に突出した与勝半島の付け根に近い台地上に、自然の地形を利用して築かれた一種の山城形式の城である。東南から北西にかけて、現在米軍基地になっている東郭から一段下がって鞍部のような部分の郭、それから珊瑚性石灰岩で石垣をめぐらす三の丸・二の丸・本丸、その先は深い谷となる。昭和40年から3年間、琉球政府文化財保護委員会によって発掘調査され、各郭の構造および他の郭に通ずる門や石段などがかなり明確になったほか、宋・元の青磁や南蛮手の陶器など、中国・南海との貿易資料も発見できた。
この城は、もと一平民であった阿麻和利が茂知附(もちづき)按司に代わって城主となり、勢力が増大して尚泰久の王女をめとった。護佐丸と対決してこれを滅ぼすが、1458年中山王と争い、敗死するまでの居城である。また城下町の形成など、政治史的、社会史的にも重要な城跡だ。
勝連城(かつれんぐすく・かつれんじょう)は、沖縄県うるま市にあったグスク(御城)の城趾である。阿麻和利の城として有名。
概要
城は勝連半島の南の付け根部にある標高60mから100mの丘陵に位置する[1]。南城(ヘーグシク)、中間の内、北城(ニシグシク)で構成されている。北城は石垣で仕切られた一の曲輪、二の曲輪、三の曲輪を備える(曲輪は郭とも言う)。一から三までの曲輪が階段状に連なり、一の曲輪が最も高い。
城の南側に南風原集落(南風原古島遺跡)が広がり、交易のための港を備えていた。城の北側は田地として穀倉地帯であった[1]。
城内の「浜川ガー」(はんがーがー)は、7代目城主濱川按司の女(むすめ)、真鍋樽が身の丈の1つ半の長さもある長髪を洗髪したと伝わる[2]。
構造
二の曲輪には正面約17m、奥行き約14.5mほどの比較的大きな舎殿跡が発見された。等間隔に柱が並び礎石もある社殿であったと推定されている。また城が構築された時代の屋根は板葺きが主流であったが、大和系の瓦も付近から発見されている[3]。
歴史
勝連城は、14世紀初頭に英祖王統2代・大成の五男、勝連按司によって築城されたと考えられているが、いっぽうで12世紀から13世紀頃には既に築城が始まっていたとする説もある。
そして、この城の最後の城主・阿麻和利(10代目勝連按司)は、圧政を敷き酒に溺れていた9代目勝連按司の茂知附按司に対してクーデターを起こし殺害、この地方の按司として成り代わり海外貿易などを推し進めますます力を付けた。阿麻和利は護佐丸・阿麻和利の乱で護佐丸を討ち取ったのち、尚泰久王をも倒そうと琉球の統一を目論んだが、1458年に王府によって滅ぼされた。[4]
城内からは中国、元代の陶磁器(染付)が出土しており、『おもろさうし』からも当時の繁栄をみることができる。民俗学者の柳田国男は、勝連が当時の文化の中心であったことは大和(やまと)の鎌倉のごとしと『おもろさうし』にあるように、浦添・首里・那覇を中心とした浦添文化に対して、系統上異なる勝連文化と言うべきものがあったのではないか、と推測した[5]。
現代
城壁の石は道路工事の石材などとして持ち去られてきたが、現在は復元工事により往時の姿を取り戻しつつある。
1972年(昭和47年)5月15日、沖縄の本土復帰にともない即日、日本国の史跡に指定された。2000年(平成12年)11月首里城跡などとともに、琉球王国のグスク及び関連遺産群としてユネスコの世界遺産(文化遺産)にも登録されている(登録名称は勝連城跡)。登録されたグスク(城)の中では最も築城年代が古いグスクとされている。
2010年(平成22年)、沖縄本島近海地震で城壁の一部が崩落する被害を受けた[6]。
2016年、2013年の遺構調査で発掘された10枚の金属製品の中に14世紀から15世紀の地層から3世紀から4世紀頃に製造されたローマ帝国のコインが4点、17世紀の地層から17世紀頃に製造されたオスマン帝国の貨幣が1点が確認された[7]。14世紀から15世紀にかけての海上交易を通じて東アジア経由で流入したと考えられ[8]、また、日本国内でローマ、オスマン帝国の貨幣が発見されたのは初めてのこと[9]。
2017年(平成29年)4月6日、続日本100名城(200番)に選定された。
歴代城主
勝連城は、14世紀始め頃に英祖王統の第二代国王・大成の五男、勝連按司によって築城され、阿麻和利に到るまで十代の城主により統治されたと考えられている。
勝連按司二世の娘は察度に嫁ぎ、察度が西威を倒して中山王国を建てると勝連も中山との結びつきを強め、中興し栄えたと伝わる。
初代 勝連按司一世(英祖王統・第二代王大成の五男)
二代 勝連按司二世(一世の世子、娘・眞鍋樽は察度王の妃)
三代 勝連按司三世(二世の世子)
四代 勝連按司四世(三世の世子)
五代 勝連按司五世(勝連の伊波按司に敗れ戦死)
六代 勝連の伊覇按司(伊覇按司一世の六男、姉妹の眞鍋金は尚巴志の妃。勝連按司五世の家臣・浜川按司に敗れ戦死)
七代 浜川按司一世(前領主・勝連按司五世の家臣)
八代 浜川按司二世(一世の世子)
九代 茂知附按司(家臣の阿麻和利に敗れ戦死)
十代 阿麻和利(越来賢雄率いる尚泰久王の王府軍に敗れ戦死、廃城)
観光
この城跡は山を利用して造られている天険の要害であり、城跡入口から急勾配がつづくため、軽装でも良いが足回りには注意が必要。
真鍋樽伝説
前述7代目城主濱川按司の女(むすめ)真鍋樽(マナンダルー、マランラルー)は絶世の美女だったと言う伝承が琉球各地にあり、例として具志頭間切(八重瀬町具志頭)の若者、白川桃樽金(シラカワトゥバルタルガニー)が真鍋樽に恋をし結婚を申し込むが結ばれず、二人は恋焦がれるうちに病死してしまい、葬送の行列が北中城で会合したので一緒に埋葬されたと言う伝承がある(「熱田マーシリー」)[10]。また、南山他魯毎の子、樽真佐(タルマサ)の孫に四郎樽金(シルタルガニー)がいて、彼の親はもてなかったが彼は真鍋樽と結婚したと言う。先述の白川桃樽金は謎かけをして解けない内に死んでしまい、四郎樽金は謎かけを解いて結ばれたと言う伝承である。
⑷.首里城跡(しゅりじょうあと)
首里城跡は、沖縄県那覇市首里にある史跡にある名勝天然記念物だ。首里城跡は、琉球王国の栄華を物語る世界遺産であり、沖縄の歴史・文化を象徴する城跡である。1429年から1879年までの450年間にわたり存在した王政の国である琉球王国では、中国や日本、東南アジア諸国との盛んな交易により琉球独自の文化が育まれていた。その王国の政治・外交・文化の中心として栄華を誇ったのが首里城なのである。
首里城は14世紀頃に創建されたといわれ、中国や日本の文化も混合する琉球独特の城で、随所に中国や日本の建築文化の影響を受けている琉球王国最大の木造建築物だった。小高い丘の上に立地し、曲線を描く城壁で取り囲まれ、その中に多くの施設が建てられている。いくつもの広場を持ち、また信仰上の聖地も存在する。これらの特徴は、首里城に限られたものではなく、グスクと呼ばれる沖縄の城に共通する特徴である。首里城は内郭(内側城郭)と外郭(外側城郭)に大きく分けられ、内郭は15世紀初期に、外郭は16世紀中期に完成している。正殿をはじめとする城内の各施設は東西の軸線に沿って配置されており、西を正面としている。西を正面とする点は首里城の持つ特徴の一つである。
首里城は国王とその家族が居住する「王宮」であると同時に、王国統治の行政機関「首里王府」の本部でもあった。また、各地に配置された神女(しんじょ)たちを通じて、王国祭祀(さいし)を運営する宗教上のネットワークの拠点でもあった。さらに、首里城とその周辺では芸能・音楽が盛んに演じられ、美術・工芸の専門家が数多く活躍していた。首里城は文化芸術の中心でもあったのである。
1879年(明治12)の春、首里城から国王が追放され「沖縄県」となった後、首里城は日本軍の駐屯地、各種の学校等に使われた。1930年代には大規模な修理が行われたが、1945年にアメリカ軍の攻撃により全焼した。戦後、跡地は琉球大学のキャンパスとなったが、大学移転後に復元事業が推進され現在に及んでいる。
そして、2000年12月、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が日本で11番目の世界遺産として文化遺産に登録された。世界遺産に登録されたグスクの中でもひときわ目立っているのが首里城跡だ。また、尚巴志が琉球を統一した頃には、すでに歴史の表舞台に登場していたという。
2019年10月31日の火災で、正殿を含む9つの施設が焼損した。現在は、国内外の多くの人々からの支援により、「見せる復興」をテーマに一歩ずつ着実に復興へ向け歩みを進めている首里城。復元工事は正殿から着手しており、正殿の建っていた御庭には、木材を加工する「木材倉庫」、原寸大の図面を描く「原寸場」、建設中の正殿を雨風や埃から守る「素屋根」が建てられ、併設された見学エリアからガラス越しに復元工事の様子を見ることができる。
今から400~500年前の首里城は、板葺き屋根だった。1660年に火事になり、それから
再建した首里城は、瓦葺きになった。しかし瓦の色は、発掘調査によると、赤ではなく灰色の瓦が出たそうだ。赤瓦になったのは、また火事で首里城が焼けた後、1715年に再建した首里城からだ。なぜ灰色から赤瓦に変わったかと言うと、その頃の琉球で起こった人口増加問題にあったようである。400年前の琉球の人口は約10万人。それから100年後、人口は20万人近くになり、今も昔も、生活に欠かせない火は、薪を燃料にしていたので、人が増えると薪が無くなる。灰色の瓦だと高い温度で焼かないといけないが、赤瓦だと低い温度でも焼けるので、薪を使う量を節約できるのだ。
首里城の瓦を赤くして資材を節約した後、琉球王国では、山原(やんばる)に植林して、各村の山を管理し、守ろうとした。当時の琉球の人々は、すでに自然の大切さに気付いていたのだ。その証拠の一つが、首里城の赤瓦とも言えるのではないだろうか。瓦屋根は士族の家の他、陶器を焼く窯(かま)元、酒屋等の火を使う職業の家屋などに制限されていた。このことから、赤瓦は省エネ対策のひとつだったと考えられる。
平成の復元で首里城の赤瓦が蘇り、さらに県内の公共建築物や住宅・ホテル等でも赤瓦が見かけられるようになってきている。首里城正殿の赤瓦は、浸水防止等のための低吸収や割れにくいことが求められる。なお、平成の復元で原料とした沖縄本島北部の粘土は、現在入手できない状況である。
平成の復元以降、県内に継承されている技術や材料をできるだけ活用するため、令和の復元では沖縄本島内での材料調査から取り組み、試作瓦の作成や瓦をプレス加工するための金型の検討を行っている。
また、沖縄県では、首里城復興を応援するため、首里城のデザインを取り入れた「首里城図柄入りナンバープレート」の普及推進に取り組んでいる。このプレートを付けることで首里城復興を応援することができる。
首里城正殿の唐破風正面と屋根瓦の両端に大きな龍の棟飾が取り付けられている。これは、「龍頭棟飾」といい、首里王府の史書である「球陽」によると1682年の正殿修理の際に平田典通(ひらたてんつう)という人物が五彩の釉薬を全島に探し求め、焼物で作り正殿に飾ったと記されている。この平田典通は、それまで琉球では焼くことが出来なかった釉薬を使用する方法を中国で学び次々と焼物の歴史に残る功績を上げた琉球の名工だった。この釉薬を使った焼物技法は、現在では「上焼」と呼ばれ、平田典通の弟子たちによって伝え受け継がれていったと考えられている。
首里城(しゅりじょう、沖縄方言: スイグシク[1])は、琉球王国中山首里(現在の沖縄県那覇市)にあり、かつて海外貿易の拠点だった那覇港を見下ろす丘陵地にあったグスク(御城)の城趾である。現在は国営沖縄記念公園の首里城地区(通称・首里城公園)として都市公園になっている。
第二次世界大戦中に焼失後、1992年に柱・壁・瓦など朱色を基調として再建された[2][3][4][5]。しかし、2019年10月31日に正殿など主要7棟が火災で焼失し[6]、その後復興作業が進められている[7]。
概要
首里城の空中写真(2010年)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
城壁
城内より市街を望む
琉球王朝の王城で、沖縄県内最大規模の城であった。戦前は沖縄神社社殿としての正殿などが旧国宝に指定されていたが[8]、1945年(昭和20年)の沖縄戦と戦後の琉球大学建設によりほぼ完全に破壊され、わずかに城壁や建物の基礎などの一部が残っている状態だった。
1980年代前半の琉球大学の西原町への移転にともない、本格的な復元は1980年代末から行われ、1992年(平成4年)に、正殿などが朱色を基調とした形で完成した[2][3][4]。
1993年(平成5年)に放送されたNHK大河ドラマ「琉球の風」の舞台になった。1999年(平成11年)には都市景観100選を受賞。その後2000年(平成12年)12月、首里城跡(しゅりじょうあと)として「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の名称で世界遺産に登録されたが、復元された建物や城壁は世界遺産に含まれていない。
2019年10月31日未明の火災により、正殿を始めとする多くの復元建築と収蔵・展示されていた工芸品が焼失または焼損した。
周辺には同じく世界遺産に登録された玉陵(たまうどぅん)、園比屋武御嶽(そのひゃんうたき)石門のほか、第二尚氏の菩提寺である円覚寺(えんかくじ)跡、国学孔子廟跡、舟遊びの行われた池である龍潭、弁財天堂(べざいてんどう、天女橋)などの文化財がある。
2.Webページ制作
現地で撮影した映像データを、岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所の「地域資源デジタルアーカイブにおけるオープンデータの有用性の研究」ページに掲載した。
城跡の概要、歴史や建てられた目的等の情報、またGoogleマップでその所在地をわかりやすく記載した。座喜味城跡、中城城跡、勝連城跡の3つは動画も添付した。そして、このWebページをオープンデータとして公開した。
第5章 考 察
ここまで、オープンデータの必要性や地方自治体のオープンデータの現状と課題等について考えてきた。それをふまえて地域文化遺産の保存、地域文化理解、地域活性化を目的としたオープンデータにどのような有用性があるのかを考察する。
大阪市立図書館は、活力と魅力ある大阪の実現に資することを目的に、オープンデータの取組を進めている。結果、書籍やブックカバー、新聞の電子版の記事といった一般の利用者からテレビ局、YouTubeなど幅広い分野で利活用されており、オープンデータとしての高い有用性を持っていると考えられる。
沖縄の地域文化遺産については、その独自の文化、歴史から世界中から人々が訪れている観光スポットの一つになっている。しかし、2019年に起きた首里城の火災では、正殿を含む9つの施設が焼損してしまった。そのような事態で地域文化遺産が失われてしまうことがあったときに、復興のために重要なのは「記録」だろうと、実際に現地で撮影しWebページを作成したことで理解できた。地域文化遺産の保存の観点からみて、データとして記録・保管・管理することでより深く文化遺産について理解でき、復興のための情報も多く残すことができると考えられる。また、オープンデータとして公開することで、現地に行くことができない場合でも地域文化遺産への理解を深めることができることがわかった。
第6章 結 言
本研究を通して、地方公共団体のオープンデータ化の取組率は増加し、成果も上がっている一方で、取り組むことで見えてくる課題もあるとわかった。また、大阪市立図書館のように上手くオープンデータ化を進めている地域もあれば、沖縄の市町村のようにあまりオープンデータ化に取り組むことができていない地域もあるため、オープンデータ化の課題でもあるように適切なガイドラインや標準の策定、その普及が重要になる。
本研究では、沖縄の世界遺産の城跡のオープンデータ化を行った。このような地域文化遺産のオープンデータ化を進めていくことで、その地域文化遺産の保存や地域文化への理解、地域活性化につながり、社会全体に広がる。
このことはオープンデータ化が必要であるといえる1つの理由になるだろう。
参考文献
本論文の作成にあたり、終始適切な助言と丁寧な指導をして下さった久世均先生に深く感謝します。また、調査にあたり多くの方にご協力をいただきましたことに、感謝の念を示します。今回の卒業論文では多くのご支援・ご協力のおかげで自分の納得のいく結論を出すことができました。卒業論文制作にあたり関係して下さった全ての方々に、厚く御礼を申し上げ、感謝の意をしめします。
謝 辞
岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究室: 教育リソース
(2023年1月22日アクセス)
https://digitalarchiveproject.jp/category/text/
文化遺産オンライン:首里城跡(2023年1月22日アクセス)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/164241
大阪市立図書館ホームページ:オープンデータについて(2023年3月1日アクセス)
https://www.oml.city.osaka.lg.jp/?page_id=1633
総務省:平成29年版情報通信白書:オープンデータに関する取り組み状況と課題
(2023年3月2日アクセス)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc122210.html
首里城公園(2023年3月10日アクセス)
https://oki-park.jp/shurijo/
デジタル庁:オープンデータ(2023年5月30日アクセス)
https://www.digital.go.jp/resources/open_data
大阪市立図書館:オープンデータ利活用事例の紹介(2023年6月5日アクセス)
https://www.oml.city.osaka.lg.jp/?page_id=1636
文化遺産オンライン:座喜味城跡(2023年6月13日アクセス)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/173575
文化遺産オンライン:中城城跡(2023年6月28日アクセス)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/217969
文化遺産オンライン:勝連城跡(2023年10月3日アクセス)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/140047
沖縄地域文化資源デジタルアーカイブ(2023年12月10日アクセス)
https://digitalarchiveproject.jp/category/database/okinawa/
沖縄県オープンデータカタログサイト(2024年1月2日アクセス)
https://www.pref.okinawa.jp/site/kikaku/joho/kikaku/opendata/opendata.html
沖縄市オープンデータ(2023年12月19日アクセス)
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/k010-004/shiseijouhou/opnedata/index.html
那覇市公式ホームページ:オープンデータ(2023年10月25日アクセス)
https://www.city.naha.okinawa.jp/online/opendata/
論文資料
デジタルアーカイブ研究所資料集(飛騨高山編)
はじめに
平成29年度に文部科学省の私立大学研究ブランディング事業の「地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備事業」で採択され、3年間にわたりこれまでに本学独自で育んできたデジタルアーカイブ研究を活用し、地域資源のデジタルアーカイブ化とその展開によって、伝統文化産業の活性化などの地域課題の実践的な解決や新しい文化を創造できる人材育成を行い、地域の知の拠点となる大学を目指し事業を展開してきた。
その中でも「飛騨高山の匠の技デジタルアーカイブ」は、以下の点に注力して研究を進めてきた。
①伝統文化産業(飛騨春慶・一位一刀彫等)を多視点でデジタルアーカイブし、歴史的な視点を総合的にまとめ、匠の “こころ”をオーラルヒストリー等により「知の増殖型サイクル」を構成し、これらの一部を海外へ発信することにより伝統文化産業の振興を図る。
②伝統文化産業における匠の技とその歴史的な背景をまとめてデジタルアーカイブ化することで、伝統文化産業の理解と継承が容易になる。さらに、継承の過程で生まれた新しい知見を「知的創造サイクル」で取り込み、その利活用によって地域社会の振興を支援できる。
③フィールドにおける効果検証をするためのデジタルアーカイブ研究として捉え、解の見えない地域課題の解決をするための地域資源デジタルアーカイブとそのメソッドを確立する。
これらにより、地域の知が適切に循環・増殖することで新たな価値の創造と、これらを実践できる高度な専門的な知識を持つ人材の養成による雇用の創出を促進し、その結果として「知的創造サイクル」としてデジタルアーカイブの効果が認められ、さらにデジタルアーカイブの新たな展開が期待できる。また、これにより大学は地域に開かれた「知の拠点」となりうる。
この「デジタルアーカイブ研究所資料集(飛騨高山匠の技編)」は、本学が展開しているデジタルアーカイブの最新成果であり、これらの研究の拠点となるデジタルアーカイブ研究所では、大学が大学としてのアイデンティティを確立するためにも、「知」の拠点としての地域資源デジタルアーカイブを含めた総合的な大学デジタルアーカイブを構築することを支援している。今後は継続してデジタルアーカイブ研究に取り組むとともに新たな養成カリキュラムを構築することが本学として社会的な責務と捉えている。
2023年10月 デジタルアーカイブ研究所長 久世 均
岐阜女子大学 デジタルアーカイブ研究所
資料集(飛騨高山匠の技編)
発行年月日 2023年10月
発 行 所 岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所
〒500-8813
岐阜県岐阜市明徳町10番地 杉山ビル4階
印 刷 所 有限会社 青山印刷


















































































































































































































