Ⅰ はじめに
最近の情報技術等の進展に伴い,多様な学習者に対応した多方向から撮影した教材化の開発がなされてきた.また,高品位で大容量の記録も安価で可能になり,また大容量記憶装置や高速ネットワークが急速に進み,映像教材も高品位で大容量の配信が可能になった.従来の学習教材の撮影方法や記録方法は,単方向からの撮影・記録が主なものであり,撮影方向には教材作成者の撮影意図 が多く反映されていた.
今後,多様な学習者に対応した映像の教材化を考えると,これまでの単方向を主として撮影・記録されてきたものから,多様な視点で教材を提示することが必要となる.そこで,本研究は,学習教材を多方向同時撮影することにより多視点映像として教材化し,多視点映像教材の教育利用・研究での課題について考える.
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・この授業は全15講に分かれて論述している.各講における参考文献並びに関連情報は,横のQRコードで示してある.
各講においてこれらの参考文献などを読み込んで発展的な学修ができるように構成されている.
・各講の最後に研究課題が設定されており,個別で学修する場合にも,集団で学修する場合においても学修を深めるため
に主体的に研究課題を考えることが重要である.
・多視点映像教材の開発を主体的に探求し,深化させ課題の本質を探り教材作成手法を導き出すための手法を研究する.
Ⅲ 授業の教育目標
学習教材を選定・開発するに当たっては,多視点映像教材の活用により児童生徒が自ら考えることができるようにするなどの教育効果を高めるため,身近な事柄を取り上げたり,児童生徒の興味・関心等を生かしたりするなどの教材作成を行う.なお,学習教材の選定・開発に際しては,児童生徒の発達段階を十分考慮すると共に,その内容を公正な観点から吟味する.さらに,例えば身近な事柄を取り上げる場合など教材の内容によっては,プライバシーの保護等にも十分配慮することを理解する.
第1講 多視点映像教材と複眼的思考法
1.何を学ぶか
学習教材を多方向同時撮影することにより多視点映像として教材化し,多視点映像教材の教育利用・研究での課題について考える.
2.学修到達目標
・多視点映像教材について説明できる.
・多視点映像教材の教育利用について具体例を示して説明できる.
・多視点映像教材と複眼的思考法との関係について説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材についてその効果と可能性について説明しなさい.
2.多視点映像教材の教育利用について,具体例を挙げて説明しなさい.
3.多視点映像教材を具体的に企画しなさい.
4.複眼的思考法と多視点映像教材の関係について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第1講)
5.動画教材
VIDEO
第2講 多視点映像教材と教えて考えさせる授業
1.何を学ぶか
理科実験の学習で,児童が理科の実験方法を身につけるための支援として,児童・教師が簡単に操作でき,必要な部分を繰り返し見ることができる理科実験のデジタルコンテンツを考える.
2.学修到達目標
・小学校の理科における多視点映像教材の活用ついて説明できる.
・理科実験の学習における学習展開について具体的に説明できる.
・教えて考えさせる授業の学習展開について具体例を挙げて説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材の理科への活用についてその効果と可能性について説明しなさい.
2.理科実験の学習における学習展開について具体的に説明しなさい.
3.教えて考えさせる授業の学習展開について具体的に指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第2講)
5.動画教材
VIDEO
第3講 表示映像の違いは理解度に影響を与えるか
1.何を学ぶか
高山での遠隔親子教室を例に表示視点の違いが理解度に与える影響に関する調査をしたので,この調査結果の分析と今後の課題について考える.
2.学修到達目標
・表示映像の違いが理解度に与える影響について説明できる.
・遠隔学習における多視点映像の効果について具体的に説明できる.
3.課 題
1.表示映像の違いが理解度に与える影響について具体例を挙げて説明しなさい.
2.遠隔学習における多視点映像の効果について具体的に説明しなさい.
3.遠隔学習における多視点映像を配信する効果について具体的に説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第3講)
5.動画教材
VIDEO
第4講 多視点映像教材による主体的な学習の支援
1.何を学ぶか
小学校における器械運動の学習で,児童が自己の能力に適した技を選んで主体的に身につけるための支援として,児童・教師が簡単に操作でき,必要な部分を繰り返し見ることができる模範演技のデジタルコンテンツを考える.
2.学修到達目標
・小学校の器械体操における多視点映像教材の効果ついて説明できる.
・主体的な学習と多視点映像教材との関係について説明できる.
3.課 題
1.小学校の器械体操における多視点映像教材の効果ついて具体的に説明しなさい.
2.主体的な学習と多視点映像教材との関係について具体的に説明しなさい.
3.個別最適な学びにおける多視点映像の効果について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第4講)
5.動画教材
VIDEO
第5講 伝統と文化の視点を考える
1.何を学ぶか
地域の伝統文化に関する“知”の伝承サイクルを支援するためのデジタルアーカイブの技術的考察を沖縄の「獅子舞・エイサー」を例にして考える.
2.学修到達目標
・伝統文化教材の作成に関する視点を説明できる.
・伝統文化の多視点映像教材の作成手順を説明できる.
3.課 題
1.伝統文化教材の作成に関する視点を具体的に説明しなさい.
2.伝統文化の多視点映像教材の作成手順を作成しなさい.
3.地域の伝統文化を教材化した指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第5講)
5.動画教材
VIDEO
第6講 授業技術の対象化とデジタルアーカイブ
1.何を学ぶか
多視点映像教材を用いた授業や自己学習教材としての利用方法等の総合的な教材化の開発が,多様な学習者に対応した映像の教材化の開発として重要である.そこで,多視点映像の授業技術の対象化について考える.
2.学修到達目標
・授業技術の対象化とは何か説明できる.
・授業実践を多視点で撮影する利点について説明できる.
3.課 題
1.実践的な教師力とは何か説明しなさい.
2.授業実践を多視点で撮影する利点について説明しなさい.
3.授業実践を多視点で撮影する企画書作成しなさい.
4.授業技術の対象化とは何か説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第6講)
5.動画教材
VIDEO
第7講 「伝統」と「文化」の同時代性と創造
1.何を学ぶか
地域の伝統と文化に関する“知”の伝承サイクルを支援するために,沖縄の伝統と文化に関して,我が国の政策を整理し,「伝統と文化」を教育に取り入れる必要性について考える.
2.学修到達目標
・学校教育における伝統と文化について説明できる.
・伝統と文化教育の歴史について説明できる.
3.課 題
1.学校教育における伝統と文化について具体的に説明しなさい.
2.伝統と文化教育の歴史についてについて具体例を挙げながら説明しなさい.
3.学校で「伝統と文化」の教育を行うために必要と思われる教材を考えて一覧表を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第7講)
5.動画教材
VIDEO
第8講 「でき る授業」と「わかる授業」
1.何を学ぶか
体育(本研究では器械運動)の指導で活用する上で大切なことは,児童に「お手本」を示す際,技能のポイントなどがわかりやすい資料(映像)を提示できるか,児童が運動に対してより理解を深め,仲間とともに課題解決に向けて主体的に取り組んでいくときに,ICT を活用できるような環境を整えて指導ができるかということを考える.
2.学修到達目標
・体育教科における ICT 活用について具体的な事例を挙げて説明できる.
・体育における教材について企画し設計できる.
3.課 題
1.体育教科における ICT 活用について具体的な事例を挙げて説明しなさい.
2.体育における教材について企画し設計しなさい.
3.自分で自分のフォームを撮影し,主体的に学ぶという指導案を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第8講)
5.動画教材
VIDEO
第9講 複眼的思考法により主体的な学習を伸ばす
1.何を学ぶか
見たい視点を自分で選択でき,横や正面等自分では客観視することのできない視点からの映像を見ることで,跳び方のイメージを持つことが容易になり,主体的に跳び箱学習を楽しむことができるようになることについて考える.
2.学修到達目標
・主体的な学習態度を育てることについて具体的に例を挙げて説明できる.
・主体的な学習態度を育成するために,どのように多視点教材を活用すればよいか説明できる.
3.課 題
1.主体的な学習態度を育てることについて具体的に例を挙げて説明しなさい.
2.主体的な学習態度を育成するために,どのように多視点教材を活用すればよいか説明しなさい.
3.主体的な学習態度を育成するための教材活用事例を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第9講)
5.動画教材
VIDEO
第10講 教えて考えさせる授業の展開
1.何を学ぶか
小学校理科における児童の多視点映像教材を活用した実験支援方法に関する研究を通じて,教えて考えさせる授業の展開について考える.
2.学修到達目標
・多視点映像教材の処理方法について順を追って説明できる.
・多視点映像教材を使った“教えて考えさせる授業”への展開について説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材の処理方法について順を追って説明しなさい.
2.多視点映像教材を使った教えて考えさせる授業への展開について説明しなさい.
3.マルチアングル映像と多視点映像の違いと特徴を説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第10講)
5.動画教材
VIDEO
第11講 単視 点映像と多視点映像の違いを考える
1.何を学ぶか
小学校教育においては,授業は担任の教師が全ての科目を担当している.つまり教師の専門外の科目でも教えなければならない.専門家でなくても授業を円滑に進めることが大変重視される.そこで誰でも簡単に操作ができ,尚且つ授業を進めるうえでの手助けとなる書写の授業のための教材開発を考える.
2.学修到達目標
・書写教育における多視点映像の必要性について説明できる.
・書写教育においてどこからの視点が効果的か説明できる.
3.課 題
1.書写教育における多視点映像の必要性について具体例を挙げて説明しなさい.
2.書写教育においてどこからの視点が効果的かを具体的に説明しなさい.
3.書写教育における多視点映像教材の企画書を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第11講)
5.動画教材
VIDEO
第12講 授業をデジタルアーカイブする
1.何を学ぶか
日本の授業のみならず具体的に諸外国の授業をアーカイブ化し,長期保存を考えデジタルアーカイブ手法による関連教育資料の構成について考える.
2.学修到達目標
・授業分析に必要な教育資料の構成について説明できる.
・授業分析手法について具体的に説明できる.
3.課 題
1.授業分析に必要な教育資料の構成について具体例を挙げて説明しなさい.
2.授業分析手法について具体的に説明しなさい.
3.英国の授業分析を右の授業アーカイブプロジェクトの例に倣って,行ってみなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第12講)
5.動画教材
VIDEO
第13講 多視点映像教材の流通を考える
1.何を学ぶか
多様な学習者に対応した映像の教材化を考えると,これまでの単方向を主として撮影・記録されてきたものから,多様な視点で教材を提示・流通することを考える.
2.学修到達目標
・多視点映像教材の教育利用とその効果について説明できる.
・単視点と多視点の映像教材の違いについて説明できる.
・多視点映像教材の有効的な流通方法について説明できる.
3.課 題
1.多視点映像教材の教育利用とその効果について具体的な例を挙げて説明しなさい.
2.単視点と多視点を比較し映像教材の違いについて説明しなさい.
3.多視点映像教材とするとよい教育の対象を説明し,多視点映像教材の企画書を作成しなさい.
4.多視点映像教材の有効的な流通方法について説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第13講)
5.動画教材
VIDEO
第14講 遠隔学習における多視点映像の評価法
1.何を学ぶか
高山での遠隔親子教室を例にアンケートを実施したので,このアンケート結果の分析と今後の課題について考える.
2.学修到達目標
・遠隔学習において動く紙おもちゃのどの視点を配信するとよいか,その学習シーンを想定して説明できる.
・目的に対応したアンケート調査用紙を作成できる.
3.課 題
1.遠隔学習において動く紙おもちゃのどの視点を配信するとよいか,その学習シーンを想定して設計しなさい.
2.遠隔学習における学習効果のアンケート調査用紙を作成しなさい.
3.遠隔学習において教師はどのようなことに配慮して指導することが必要か具体的に説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第14講)
5.動画教材
VIDEO
第15講 多視点映像で変える授業
1.何を学ぶか
岐阜と沖縄の親子教室で,親子を対象に意識調査を実施したので,この意識調査の結果の分析と今後の課題について考える.
2.学修到達目標
・意識調査の必要性について説明できる.
・子どもを対象にした調査の留意点について説明できる.
3.課 題
1.意識調査の必要性について具体的に説明しなさい.
2.子どもを対象にした調査の留意点について具体例を挙げて説明しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第15講)
5.動画教材
VIDEO
第16講 コミュニケーションを可視化する
1.何を学ぶか
このような活動を教育として適用するためには,活動についての親子の状況を調査し,親子の共同学習として,どのような指導方法,展開をさせるか検討する必要がある.そこで,この「動く紙おもちゃ作り」の教材化と意識の調査を考える.
2.学修到達目標
・コミュニケーションの定義について説明できる.
・コミュニケーションを促す講座の設計について説明できる.
3.課 題
1.コミュニケーションの定義について説明しなさい.
2.コミュニケーションを促す講座を設計しなさい.
3.コミュニケーションに関する独自の調査用紙を作成しなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第16講)
5.動画教材
VIDEO
第17講 コミュニケーションを分析する
1.何を学ぶか
講師の提示と親子のコミュニケーションによる直接・間接的影響について量的分析を考える.
2.学修到達目標
・フランダースの相互分析カテゴリーシステムについて説明できる.
・コミュニケーションを可視化する方法について説明できる.
3.課 題
1.フランダースの相互分析カテゴリーシステムについて説明しなさい.
2.コミュニケーションを可視化する方法について具体的に説明しなさい.
3.コミュニケーション分析を実際に行ってみなさい.
4.プレゼン資料
教材リサーチⅡ(第17講)
5.動画教材
VIDEO
課 題
Ⅳ 総合課題
課題1 第1から第8講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめよ.
課題2 第9から第17講の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめてよ.
Ⅴ アドバイス
課題1解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
課題2解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
Ⅵ 教材リサーチⅡガイドブック
Ⅶ テキスト
課題提出用
Ⅷ 参考文献
主にテキストの中に記してある文献が参考になります.
Ⅷ タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)
2021年10月26日
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dapro 2021-10-26 18:29:53 2024-01-18 17:56:18 【講義】教材リサーチⅡ
授業アーカイブプロジェクト
授業アーカイブプロジェクト
授業アーカイブとは,行われた授業の記録とともに,授業研究に関連する情報を総合的に記録し,管理し,保管していく手法である.授業研究は,授業分析をはじめとする授業改善への取り組みである.授業研究をすることにより,教師の「暗黙知」の獲得が促進され,実践的な授業力の向上へとつながる.その認識を広げるため,また後世へ伝えるために,現代における優れた授業の授業アーカイブを行う.授業研究においては,授業を撮影したビデオ映像を対象に分析を行うことが重要である.多くの授業研究では,授業ビデオから教師や学習者の発話等を文字によって表記したプロトコルを作成し,発話内容や行動をカテゴリーに分類し(コーディング),授業における教師や学習者の相互作用を分析したり,教授=学習過程におけるコミュニケーションのパターンを見出したりする作業を行う.そのような授業分析を通して授業改善を繰り返していくことが重要であると同時に,長期保存を考えた授業アーカイブにおける関連教育資料を構成することが必要である.
1.教員に求められる実践的指導力
教職の専門性とその中核をなす「実践的指導力」は,大学における養成教育→教育現場での初任者研修→現職研修の各段階を通じて獲得され,形成される.そのうち大学における養成教育は,その位置づけと性格からみて「完成教育」ではありえず,あくまでも「準備教育」にとどまらざるを得ない.言い換えれば,教職の専門性と「実践的指導力」は,実際に子どもと向き合いながら教育実践を重ね,教師集団のなかで相互に授業分析をし合うことを通じて,本格的に,そしてより豊かに形成されていくものである.
また,学習指導要領に示された,教育のねらいである「生きる力」を育成するためには,教科の授業を中心にして,知の側面である「確かな学力」の定着を図ることが求められている.そのためには,授業を行う教師自身の授業力の向上が不可欠である.授業力の向上には,一人ひとりが自らの授業を振り返り,課題を明らかにし,授業改善に努めることが必要である.そのために授業分析が重要な役割を果たす.
平成22年10月,東京都教育委員会では「小学校教諭教職課程カリキュラムについて」を発表した.その中の「東京都教育委員会が求める教師として最小限必要な資質・能力」において,3領域「①教師の在り方に関する領域」「②各教科等における実践的な指導力に関する領域」「③学級経営に関する領域」を示し,「到達目標」「内容」について背景や趣旨,大学の講義,教育実習等における指導方法等を具体的に示している.この領域②(6)「授業力向上と授業改善」において,到達目標に「授業力を構成する要素や,授業力向上のためのPDCA サイクルを理解し,自己の授業実践を改善できる方法を身に付けている.」が示された.このように,実践的な指導力を身に付けるために授業研究方法の習得の必要性が述べられている.
授業研究は日本の教育現場において,注目されてきた研修方法である.
時代の変遷とともに子どもが変わり,保護者が変わり,既存の授業方法が成立しにくくなっている今日において,授業研究こそが,教師の実践的力量を育むために求められる研修方法である.(千々布敏弥 2005)
これまでにも優れた授業者は授業分析を行ってきており,その方法も多様に開発されてきた.これまでの授業研究は,主に音声のみや単視点の映像を基に行われてきたものが多いが,それだけでは授業全体の様子が分からない.しかし,音声や正面からの映像だけでなく,児童生徒の学ぶ姿を併せて授業を丸ごと記録できると,授業改善に向けてより多くのことに気付けるはずである.このように授業分析では,授業の様子を記録した音声やビデオ映像という事実を基に作業を行うことが重要である.そして,後世に授業の様子や優れた授業技術を伝えていくことが重要である.本研究では,授業を多視点で撮影した映像を基に,様々な授業分析の方法を用いて授業を実際にデジタル・アーカイブし,長期保存を考えた授業アーカイブにおける関連教育資料の構成について研究した.
また,授業分析を踏まえた授業改善の取組は,教員養成の段階として行うことは勿論であるが,大学としても授業アーカイブを組織的に行い,授業分析の課題やその成果を共有することが重要である.いつ・どこで・誰が・どんな授業を行って,どんな特徴や効果があったのかを検討し,よりよい授業づくりに向けて,示唆を得られるよう授業者は努力を重ねたい.
2.授業アーカイブのための関連教育資料
様々な授業を記録する授業アーカイブでは,ビデオ映像だけをアーカイブしても意味がない.その授業について背景等の情報が必要不可欠である.いつ・どこで・誰が・どんな計画をし,どんな思いをもって授業を行ったのか,ということや時代背景等の情報を知ることができると,授業を見る視点がより深まるはずである.そのためには,その授業を記録するための関連教育資料の整備が重要になる.特に,何十年,何百年後にも優れた授業を残していくことを考えると,それらの 情報の存在は重要な意味を持つ.
授業アーカイブの大きな目的は,教師の授業力向上と授業改善である.授業を改善へと導くためには,関連教育資料をマネジメントサイクルで構成していくことが必要である.マネジメントサイクルとは,目的を達成するために,多元的に計画し,計画通りに実行できたのかを評価し,次期への行動計画へと結びつける一連の管理システムである.
次のように,典型的なマネジメントサイクルである「PDCAサイクル」を基本に,関連教育資料の構成を考えた.例示したものは,アーカイブする関連教育資料として考えられるものである.
(1)計画(P)段階
授業を行うために授業全体を組み立てる.学習指導案や板書計画などが必要となる.
例:学習指導案・板書計画・教材・テキスト・指導者に関する資料
(2)実施(D)段階
授業を実施する.そして授業分析のための資料収集を行う.授業は一過性の面があり,一見しただけでは捉えにくいものである.そこで授業の事実を捉えるために,文字化された記録だけでなく,メディアによる記録も収集し,分析の際に事実がはっきりと分かるようにする.
例:授業実践の記録(多視点映像教材・逐次言語記録)・データ化した授業活動の記録
(3)評価(C)段階
授業分析はこの段階で行われる.収集した授業記録に基づき,一つひとつの事実が持つ意味を明らかにすることを通して授業における課題を明らかにする.課題を明らかにすることで授業改善が図れるとともに,授業を行うための力量の向上が図れる.従って授業分析は授業研究において大切な位置を占める.
例:各種分析データの記録・評価カード
(4)改善(A)段階
成果と課題に基づいて具体的な改善策を考える.
例:授業改善のための資料,得られた情報を活かした実践報告の記録
3.関連教育資料の構成
授業分析は授業という事実に基づいて行われるため,授業を振り返ることができる客観的な資料を収集しておく必要がある.授業研究会では,授業者の力量が高いにもかかわらず,参観者に見せることを意識して,子どもの追究が甘くなってしまった授業,授業に多数の問題がありながらも,参会者から賛辞の言葉しか挙がってこない事後研究会,参観者の間で見解の相違がありながら,追究することなく終わってしまう事後研究会などが見られることが多い.授業分析をするとき,資料を何も用意せずに,授業場面を思い出すだけでは,主観的な分析の域を越えることはできない.授業研究においては,客観的な資料に基づく分析が大切であり,逐次発言記録に基づく授業分析では,正確で客観的な記録を集めることが重要である.感覚的に行うのではなく,事実を基に授業を見つめなおすことができるとより充実した授業研究となる.
授業分析のための基礎資料としては次のものがある.
(1)授業者による授業評価記録
図3のように,分析しようとする授業について,あらかじめ設定した観点に基づいて授業者自身が評価を行うものである.また,日々取り組まれている授業においても振り返りを行うことで,その蓄積した記録も大切な資料となる.
(3)多視点授業映像記録
HDビデオを使って授業を記録するものである.音声とともに教師や児童の様子を映像で再現できるところに音声記録との明らかな違いがある.特に,本学では,デジタル・アーカイブ手法を活用した多視点授業映像記録を行っている.図5のような多視点授業映像では,従来の単視点映像に比べて,児童生徒の様子がよくわかり,授業分析するための記録として重要である.ビデオ記録を活用した授業リフレクションについては,藤岡(1998)
が,「授業リフレクションを通じ,教師は子どもの見方を再構築し,さらには自分自身についての見方も再構築していくことができる」と述べている.
(4)授業者インタビュー
授業を撮影した後に,授業担当者と授業を参観した学生によるインタビューを行い(オーラル・ヒストリー)その様子を撮影する.
インタビュー実施には,授業で何が起こったのか理解を深めることや授業に関する様々な見方・考え方を交流し深めることなどの目的があり,授業に対してより深い理解を得ることができる.ただし,授業担当者へのインタビューでは,教師が授業中の各場面で何を考えていたか正確に記憶しているとは考えにくく,インタビュー内容が必ずしも授業中の教師の思考を正確に反映しているわけではない,という問題点もある.それでも教師の思考については本人に尋ねる以外ない.教師にインタビューしつつ,授業中の教師の態度との整合性を検討するなどして,教師の授業デザインの思考を明らかにしていくことが重要となる.
(5)参観者による観察記録
授業の参観者が,見聞きしながら直に記録するものである.あらかじめ作成されている用紙に記録する.多視点映像記録では分からない,授業全体の雰囲気や授業者の問いかけに対する児童の表情などの非言語活動もとらえることができる.
資料
報告書
授業分析テンプレート
映像資料
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2021年10月18日
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dapro 2021-10-18 15:10:22 2023-06-21 10:54:28 【報告書】授業アーカイブプロジェクト
資料のデジタル化・保管・流通・活用等の実践紹介 アーカイブData Report
2021年10月15日
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dapro 2021-10-15 11:18:31 2021-12-13 10:59:40 【資料集】アーカイブData Report
【講義】教育の方法・技術
Ⅰ はじめに
21 世紀の知識基盤社会における「学力」は「他者と協働しつつ創造的に 生きていく」ための資質・能⼒の育成である。そのために、授業では、他者と共に新たな知識を⽣み出す活動を引き出しつつ深い知識を創造させていく経験を、数多く積ませることが重要である。また、情報化や国際化が進み、社会が⼤きく変化する中で、学校、そして教師は様々な変化に直⾯している。児童・生徒に求められる学⼒の変化や授業でのICT活⽤など、教師はどう対応していけばよいのだろうか。本講座では「インストラクショナルデザイン」を⼿がかりに、教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインについて考えていく。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
高度情報社会は新しい課題を世界にもたらし、新しい解を生み出せる人間を求める社会である。つまり、これからの社会は、一部の専門家があらかじめ有する「正解」を適用するだけで解決できるものではなく、問題を共有する者が知識やアイデアを出し合い、不完全にせよ解を出して実行する。そして、その結果を見ながら解とゴールを見直すことが求められている。このような課題に対して、社会全体が応えようとしている表れが、知識基盤社会、コミュニティ基盤社会への転換と進展、ICTの利活用である。知識基盤社会とは、新しい知識やアイデア、技術のイノベーションがほかの何よりも重視される社会である。そのイノベーションのために、他者とのコミュニケーションやコラボレーション(協働、協調)が重視され、 それらが効果的・建設的に行えるように、人と人を繋ぐコミュニティやICTの役割に注目が集まっている。
つまり、現在決まった答えのないグローバルな課題に対して、大人も子 供も含めた重層的なコミュニティの中で、ICT を駆使して一人ひとりが自分の考えや知識を持ち寄り、交換して考えを深め、統合することで解を見出し、その先の課題を見据える社会へと、社会全体が転換しようとしている。ここでは、その高度情報社会とそれに応じて求められる資質や能力について考える。
Ⅲ 授業の教育目標
教育情報とは、検索利用可能な形で集積され、流通される情報を第一義的なものと考え、狭義には学資教材情報を、広義には、教育研究情報や教育の管理経営の情報その他を含めて考えることが情報管理論的に妥当である。こうした教育情報のシステムは、すでに学術的には開発され、試行されているものがあるので、これを基準に、教育情報について体系的に考察する。
(1)「イ ンストラクショナルデザイン」を⼿がかりに、効果的・効率的・魅⼒的な授業づくりや教材開発について考える。
(2)21 世紀に求められる学⼒を育む新たな授業と評価を、背景や実践事例を紹介しながら考える。
(3)⽬標を分析して構造がわかると、評価規準ができる。⽬標の構造がわかるというのは、評価規準のなかで、重要度を決定することを考える。
(4)企業の教材開発の視点を考える。
(5)協働学習の⼿法の⼀つである「ジグソー学習法」を経験し、学習者⾃⾝で知識を統合して答えを出す学習活動過程について理 解を深め、その効⽤を考える。
第1講 インストラクショナルデザイン
1. 何を学ぶか
情報化や国際化が進み、社会が⼤きく変化する中で、学校、そして教師は様々な変化に直⾯している。⼦供達に求められる学⼒の変 化や授業でのICT活⽤など、教師はどう対応していけばよいのだろうか。ここでは「イ ンストラクショナルデザイン」を⼿がかりに、効果的・効率的・魅⼒的な授業づくりや教材開発について考える。
2. 学習到達目標
① インストラクショナルデザインとは何か説明できる。
② ADDIEモデルについて事例をあげて説明できる。
3. 研究課題
① ADDIEのプロセスを検討し、折り紙を折れるようになる教材を作成しなさい。
5.映像
VIDEO
第2講 授業デザインの基本
1. 何を学ぶか
教育の世界ではデザインというと美術関係や建築関係のことを連想するかもしれない。ここでは、サイモンがシステムの科学で⽰したデザイ ンの概念を紹介しつつ、教育での改善や問題解決あるいは改⾰に関わることについて考える。
2. 学習到達目標
① サイモンのデザインの考えをもとに、授業デザインを状態記述と過程記述から説明できる。
3. 研究課題
① 各⾃の授業を取り上げ、状態記述と過程記述で授業デザインを検討しなさい。
5.映像
VIDEO
第3講 21世紀に求められる学⼒と学習環境
1. 何を学ぶか
21 世紀にふさわしい主体的・協働的な授業をいかに設計し、評価していくべきだろうか。21 世紀の知識基盤社会における「確かな学⼒」は「他者と協働しつつ創造的に⽣きていく」資質・能⼒の育成であるため、授業では、他者と共に新たな知識を⽣み出す活動を引き出しつつ深い知識を創造させていく経験を、数多く積ませることが重要である。ここでは、21 世紀に求められる学⼒を育む新たな授業と評価を、背景や実践事例を紹介しながら考える。
2. 学習到達目標
① 21 世紀に求められる学⼒について説明できる。
② 資質・能⼒を引き出す授業の条件を説明できる。
3. 研究課題
① 知識習得モデルと知識創造モデルの違いを説明しなさい。
5.映像
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第4講 教材の分析と設計
1. 何を学ぶか
⽬標分析をできないと評価規準をつくるのは難しいと⾔われる。「⽬標分析をする」とは、⽬標の構造を捉えることである。つまり、 ⽬標は平⾯的で、それだけでは構造はわからない。しかし、⽬標を分析して構造がわかると、評価規準ができる。⽬標の構造がわかるというのは、評価規準のなかで、重要度を決定することである。「この単元で何をしたいのか、何を教えたいか、何を指導したいか、どのような順序で教えるのか」を決定する。そして、「それを指導するために、何がいるのか」を考える。
2. 学習到達目標
① 何を教えるのか、そのための教材作成のあり⽅について説明できる。
② システム的な教材設計・開発の⼿順を5 つに分けて説明できる。
3. 研究課題
① あなたは、どのような場⾯でメディアの影響を強く受けていると思うか、また、どのような場⾯でメディアの影響をあまり受けていないと思うかグループで話し合って発表しなさい。
② テレビなどのCM は、専⾨家がなんとか視聴者をひきつけようとして創作した作品である。どんなCM が印象に残っているか。それは何故か。メディアの特性をどのように使っているか。グループで話し合って発表しなさい。
③ インターネットで、いくつかの教材を調べて、その教材の有効性を5段階で判定しなさい。そして、どのような要因でその判定結果になったかを、書きなさい。
5.映像
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第5講 学習⽬標のデザイン
1. 何を学ぶか
授業づくりは、まず学習⽬標を適切かつ明確にすることからスタートする。学習⽬標とは、学習者が、わかるようになること、できるようになること、⾝に付けることなど、教師が授業でねらいとすることを、より具体的な形で表し、どのようにわかったか、どのようにできるようになったか、どのように⾝に付いたかについて考える。
2. 学習到達目標
① ブルームの教育⽬標分類について、⾏動⽬標による例を取り上げて説明できる。
② ガニェの学習成果の5 分類について、具体例を挙げて説明できる。
③ 明確な学習⽬標について、具体的な単元において説明できる。
3. 研究課題
① ガニェの学習成果の5分類をもとに、各教科や単元を例にとって、グループで明確な学習⽬標を設定して発表しなさい。
5.映像
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第6講 教材開発のストラテジー
1. 何を学ぶか
本来教材というものは、教師⾃⾝が担任(担当)している⼦供の実態や学習⽬標に応じて⾃作するべきである。しかし、そうするには学習課題や教材を使⽤する⼦供の分析から始まり、具体的に製作するまで膨⼤な時間と労⼒がかかってしまう。そのため全ての教材を⾃作することはたいへん困難をきわめる。ここでは、企業の教材開発の視点を考える。
2. 学習到達目標
① 企業の教材開発の視点を説明できる。
② 企業の教材開発の⼯夫を具体的な例を挙げて説明できる
③ 企業の教材開発におけるストラテジーとは何かを説明できる。
3. 研究課題
① 同じ正答であっても問題によって正答率が異なるのは何故か、具体例を挙げてグループで考えなさい。
② プリント教材の⻑所と短所について、グループで話し合って発表しなさい。
③ 紙(アナログ)の教材とICT(デジタル)を組み合わせたり、連携させたりして新しい教材を、グループで話し合って考えなさ い。
④ ⼀⻫学習、協働学習、個別学習のいずれかで活⽤できそうなデジタル教材(タブレットアプリも可)を、グループで話し合って考えなさい。
5.映像
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第7講 教材の開発とその活⽤
1. 何を学ぶか
⼩中学校における理科の実験教材を開発する場合、先⽣が実験を⾒せる時に、実験台の周辺に児童⽣徒が集合することになるが、⼀⽅向からしか⾒えない児童⽣徒が⼤半で⼗分に理解することができない。しかし、多視点映像教材を⽤いると、従来の映像教材では⾒られない被験者の⽬線による映像や正⾯からの映像、左右側⾯からの映像や俯瞰による映像を⾒ることができ、理解の⼿助けとなる。ここでは、多視点映像教材の開発とその活用について考える。
2. 学習到達目標
① 多視点映像教材の開発とその活⽤について説明できる。
3. 研究課題
① 看護技術の多視点映像タブレット教材を使ってみて、他の教材への応⽤をグループで話し合って、その効果について考えなさい。
5.映像
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6.資料
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第8講 魅⼒ある授業をつくる
1. 何を学ぶか
教師の誰もが「⼦供にとって魅⼒ある授業をしたい。」と願っている。「魅⼒ある授業」とは、画⼀的な教え込みの教師主導型の授業ではなく、教師の⼯夫によって⼦供が教材や指導内容に引き付けられ、⾼まった学習意欲をもとに⼦供が主体的・協働的に追求する授業のことである。今後の教育の⽅向として重視されている「アクティブ・ラーニング」(主体的・対話的な深い学び)も、魅⼒ある授業を⽀える条件の⼀つとして⼤切である。ここでは、魅⼒ある授業をつくる上で⼤切なこととして、教師の指導⼒(児童⽣徒理解⼒、授業⼒、学級経営・⽣徒指導⼒)と、授業を⾏う上での教師の基礎・基本(教師が⾝に付けるべきスキル、⼦供に⾝に付けさせたいスキル、学習環境の整備)に視点を当てて考える。
2. 学習到達目標
① 魅⼒ある授業をつくる教師の指導⼒について説明できる。
② ガニェの9教授事象について具体例をあげて説明できる。
3. 研究課題
① ガニェの9教授事象をもとに、魅⼒ある授業をつくるのにどんな授業展開をするとよいのかを具体的な教科名や単元名をあげ ながら、グループで話し合って発表しなさい。
5.映像
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第9講 学習意欲を⾼める
1. 何を学ぶか
変化の激しい社会を生き抜いていくためには、⾃ら課題を⾒付け、 ⾃ら学び、⾃ら考え、主体的に判断し、⾏動し、よりよく問題を解決できる能⼒や態度を⾝につける必要がある。このような能⼒や態度を育てる教育を実現するためには、⼦供の学ぶことへの関⼼・意欲を高めることが必要であり、学習の評価においても「関心・意欲・態度」の観点が重視されている。しかし、学習到達度調査などによると⽇本の⼦供の学習意欲は、改善傾向にあるとはいえ、平均を下回っていることが指摘されている。では、どうすれば学習意欲を⾼めることができるかについて考える。
2. 学習到達目標
① 学習意欲を高める指導法について説明できる。
② ジョン・M・ケラーのARCS モデルについて具体的に説明できる。
③ アンドラゴジーをもとにして学校式教育から⼤⼈の学び⽀援について、その違いを具体的に説明できる。
3. 研究課題
① アンドラゴジーをもとにして、学校式教育から⼤⼈の学び⽀援について、その違いを具体的に5つあげて、KJ 法を使って、グループごとに分類し、説明しましょう。
② 各グループで、学習の動機づけの具体的な⽅法をあげて、ジョン・M・ケラーのARCSモデルのどの分類にあたるか分類しましょう。
5.映像
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第10講 協働的な学びをデザインする
1. 何を学ぶか
⽇本において「協働学習(Collaboration Learning)」という⾔葉や概念は教育⼯学・認知科学の分野において使⽤され始め、ICT環境の整備とテクノロジによる学習⽀援が実現されていくのと共に広く知られるようになった。もともと「協働」とは⾃らが属する組織や⽂化の異なる他者と⼀つの⽬標に向けて互いにパートナーとして働くことである。従って「協働学習」は、単に「問題を⼀緒に解く」というような抽象的な活動のことではない。問題を解く場⾯で「どうしても他⼈がいないと起きない活動」を通じて「他⼈がいると⾃分⼀⼈で解くより答えの質が上がる」ことを繰り返し経験することで柔軟に解決できる“使えるスキル“の育成について考える。
2. 学習到達目標
① 協働学習の考え⽅を理解し実際に授業デザインできる。
② ワークショップの⼿法を5種類説明できる。
③ ジグソー学習について説明できる。
3. 研究課題
① 協働学習の⼿法の⼀つである「ジグソー学習法」を経験し、学習者⾃⾝で知識を統合して答えを出す学習活動過程について理解を深め、その効⽤を検討してみましょう。
5.映像
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第11講 ICTの活⽤とその効果
1. 何を学ぶか
⽂部科学省は、平成26 年度の委託事業である「ICT を活⽤した教育の推進に資する実証事業」において「ICT を活⽤した教育効果
の検証⽅法の開発」を⾏った。この実証事業は、ICT を活⽤した教育の推進を図る上で不可⽋な教育効果の明確化を⽬的として、1⼈1 台のタブレット端末を活⽤した授業と活⽤しない授業を実施し、児童⽣徒にもたらされるタブレット端末の活⽤効果を検証するとともに、ICT を活⽤した教育効果の検証⽅法を開発した。ここでは、タブレット端末を活⽤した授業の実践によりもたらされる「児童⽣徒の学⼒への効果」と「教員のICT 活⽤指導⼒への効果」、更に、「児童⽣徒のICT 操作スキルと学⼒への効果の関係性」について考える。
2. 学習到達目標
① ICT を活⽤した効果的な指導法について説明できる。
② アンケートやインタビューによる⾏動変容の調査について具体的に説明できる。
3. 研究課題
① ⼀⻫授業におけるメディアの活⽤と、個別指導におけるメディアの活⽤では、その学習形態は異なる。どのような学習が考えられ、学習環境に分けて、メディアの活⽤と学習形態について話し合って下さい。
5.映像
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6.資料
第12講 授業を分析してみよう
1. 何を学ぶか
平成27 年7 ⽉16 ⽇に⽂部科学省より提⾔のあった、「これからの学校教育を担う教員の資質能⼒の向上について(中間まとめ)」において、「教員⼀⼈⼀⼈が、その職は⾼度に専⾨的なものであり、国家社会の活⼒を作り出す重要な職であるとの誇りを持ちつつ、⾼い志で⾃ら研鑽することの重要性が改めて認識されるようになってきた。」とあり、教員の資質能⼒の向上については、教育基本法第9条においても定義づけられており、教員の資質能⼒向上は、教員⾃⾝の責務でもある。それでは、教員の資質能⼒とは何か。様々な議論があるであろうが、 ⼀つには「授業⼒」であるといえる。この授業⼒を磨き上げていくことは、教員の資質能⼒の向上にもつながる。そこで、授業⼒を磨き上げることについて考える。
2. 学習到達目標
① 授業記録の⽅法について説明できる。
② 授業分析の⽅法について具体的に説明できる。
③ マイクロティーチングの⽅法について説明できる。
3. 研究課題
① 授業改善のチェックリストをグループで作成しなさい。
5.映像
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6.資料
第13講 教授・学習の理論と教育実践
1. 何を学ぶか
⼈が「学ぶ」ということについて、古くからいろいろな領域での研究がなされてきた。教授と学習という概念は、⼀般に教育者の⾏う教授活動と、学習者の⾏う学習活動という意味で理解されている。しかしながら、現実の多くの教育においては、「教授と無関係に成り⽴っている学習」もあれば、「教授が学習を導けない場合」もある。また、「教師がいないで⾏われている学習」であっても「教師からいかなる指⽰も影響も受けずに学習者が学習を⾏う場合」もあれば、「教師から前もっての指⽰のもとに、⼀⼈で学習する場合」もある。さらには、「教師の指⽰に反する⽅法で学習を⾏うような学習者」もいる。このように、現実の教育の場においては、教授と学習は必ずしもひとつの教育過程を構成しているとはいえない場合がある。ここでは、このような教授・学習の理論の変遷について考える。
2. 学習到達目標
① 教授学習に関する基本的な理論を具体的に説明できる。
② ⾏動主義と認知主義の2つの学習論の区別を説明できること。
3. 研究課題
① ⾏動主義的学習論と認知主義的学習論、構成主義的学習論に対応した教材や課題(問題)を作成し、グループで協議をしなさい。
5.映像
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第14講 授業⼒の向上
1. 何を学ぶか
これからの社会で求められる⼈材像を踏まえた教育の展開、学校現場の諸課題への対応を図るためには、社会からの尊敬・信頼を受ける教員、思考⼒・判断⼒・表現⼒等を育成する実践的指導⼒を有する教員、困難な課題に同僚と協働し、地域と連携して対応する教員が必要である。また、教職⽣活全体を通じて、実践的指導⼒等を⾼めるとともに、社会の急速な進展の中で、知識・技能の絶えざる刷新が必要であることから、教員が探究⼒を持ち、学び続ける存在であることが不可⽋である。ここでは、これからの教員に求められる資質能⼒について考える。
2. 学習到達目標
① 教育委員会が必要とする資質・能⼒について説明できる。
② 資質・能⼒を⾼めるための校内研修の⽅法を実践できる。
3. 研究課題
① ⾃分の資質・能⼒について強み、弱みを分析し、グループで弱みを強みに変える校内研修を提案し計画を⽴てなさい。
5.映像
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第15講 教師の成⻑
1. 何を学ぶか
教師教育は、教員の養成̶採⽤̶研修の段階に⼤きくわけられて論じられている。養成段階は、⼤学での教職のために必要な科⽬を学修する。さらに、教職に就くためには、都道府県等が⾏う採⽤試験に合格しなければならない。さらに、採⽤後は職場や都道府県等で⾏われる教員研修を受けなければならない。採⽤後の研修がこれであるが、研修は退職まで続き、教師の発達を促す重要な役割となる。教師の成⻑はこのように養成・採⽤・研修の段階を包み込む⻑期的な過程として捉えて教員養成について考える。
2. 学習到達目標
① 教師の成⻑を、養成―採⽤―研修の過程で説明できる。
② 教師の技能発達を認知と技術の統合で説明できる。
3. 研究課題
① ⾃分の教育技術を振り返り、課題として何があり、それを乗り越えるためにどうするか、について書いてみよう。
4.映像
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Ⅳ レポート課題
課題1 21 世紀に求められる学⼒について論述しなさい。(A4用紙1枚程度)
課題2 ブルームの教育⽬標分類について、⾏動⽬標による例を取り上げて論述しなさい。(A4用紙1枚程度)
Ⅴ アドバイス
課題1解説 第3講参照
課題2解説 第5講参照
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
『教育情報研究』 岐阜女子大学、2017
Ⅷ タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)
教材作成
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2021年10月6日
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dapro 2021-10-06 09:29:31 2024-01-18 17:56:56 【講義】教育の方法・技術
【講義】教材リサーチⅠ
Ⅰ はじめに
21 世紀の知識基盤社会における「学力」は「他者と協働しつつ創造的に 生きていく」ための資質・能⼒の育成である。そのために、授業では、他者と共に新たな知識を⽣み出す活動を引き出しつつ深い知識を創造させていく経験を、数多く積ませることが重要である。また、情報化や国際化が進み、社会が⼤きく変化する中で、学校、そして教師は様々な変化に直⾯している。児童・生徒に求められる学⼒の変化や授業でのICT活⽤など、教師はどう対応していけばよいのだろうか。本講座では「インストラクショナルデザイン」を⼿がかりに、教材開発の基礎としてのインストラクショナルデザインについて考えていく。
Ⅱ 授業の目的・ねらい
高度情報社会は新しい課題を世界にもたらし、新しい解を生み出せる人間を求める社会である。つまり、これからの社会は、一部の専門家があらかじめ有する「正解」を適用するだけで解決できるものではなく、問題を共有する者が知識やアイデアを出し合い、不完全にせよ解を出して実行する。そして、その結果を見ながら解とゴールを見直すことが求められている。このような課題に対して、社会全体が応えようとしている表れが、知識基盤社会、コミュニティ基盤社会への転換と進展、ICTの利活用である。知識基盤社会とは、新しい知識やアイデア、技術のイノベーションがほかの何よりも重視される社会である。そのイノベーションのために、他者とのコミュニケーションやコラボレーション(協働、協調)が重視され、 それらが効果的・建設的に行えるように、人と人を繋ぐコミュニティやICTの役割に注目が集まっている。
つまり、現在決まった答えのないグローバルな課題に対して、大人も子 供も含めた重層的なコミュニティの中で、ICT を駆使して一人ひとりが自分の考えや知識を持ち寄り、交換して考えを深め、統合することで解を見出し、その先の課題を見据える社会へと、社会全体が転換しようとしている。ここでは、その高度情報社会とそれに応じて求められる資質や能力について考える。
Ⅲ 授業の教育目標
教育情報とは、検索利用可能な形で集積され、流通される情報を第一義的なものと考え、狭義には学資教材情報を、広義には、教育研究情報や教育の管理経営の情報その他を含めて考えることが情報管理論的に妥当である。こうした教育情報のシステムは、すでに学術的には開発され、試行されているものがあるので、これを基準に、教育情報について体系的に考察する。
(1)「イ ンストラクショナルデザイン」を⼿がかりに、効果的・効率的・魅⼒的な授業づくりや教材開発について考える。
(2)21 世紀に求められる学⼒を育む新たな授業と評価を、背景や実践事例を紹介しながら考える。
(3)⽬標を分析して構造がわかると、評価規準ができる。⽬標の構造がわかるというのは、評価規準のなかで、重要度を決定することを考える。
(4)企業の教材開発の視点を考える。
(5)協働学習の⼿法の⼀つである「ジグソー学習法」を経験し、学習者⾃⾝で知識を統合して答えを出す学習活動過程について理 解を深め、その効⽤を考える。
第1講 インストラクショナルデザイン
1. 何を学ぶか
情報化や国際化が進み、社会が⼤きく変化する中で、学校、そして教師は様々な変化に直⾯している。⼦供達に求められる学⼒の変 化や授業でのICT活⽤など、教師はどう対応していけばよいのだろうか。ここでは「イ ンストラクショナルデザイン」を⼿がかりに、効果的・効率的・魅⼒的な授業づくりや教材開発について考える。
2. 学習到達目標
① インストラクショナルデザインとは何か説明できる。
② ADDIEモデルについて事例をあげて説明できる。
3. 研究課題
① ADDIEのプロセスを検討し、折り紙を折れるようになる教材を作成しなさい。
5.映像
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第2講 授業デザインの基本
1. 何を学ぶか
教育の世界ではデザインというと美術関係や建築関係のことを連想するかもしれない。ここでは、サイモンがシステムの科学で⽰したデザイ ンの概念を紹介しつつ、教育での改善や問題解決あるいは改⾰に関わることについて考える。
2. 学習到達目標
① サイモンのデザインの考えをもとに、授業デザインを状態記述と過程記述から説明できる。
3. 研究課題
① 各⾃の授業を取り上げ、状態記述と過程記述で授業デザインを検討しなさい。
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第3講 21世紀に求められる学⼒と学習環境
1. 何を学ぶか
21 世紀にふさわしい主体的・協働的な授業をいかに設計し、評価していくべきだろうか。21 世紀の知識基盤社会における「確かな学⼒」は「他者と協働しつつ創造的に⽣きていく」資質・能⼒の育成であるため、授業では、他者と共に新たな知識を⽣み出す活動を引き出しつつ深い知識を創造させていく経験を、数多く積ませることが重要である。ここでは、21 世紀に求められる学⼒を育む新たな授業と評価を、背景や実践事例を紹介しながら考える。
2. 学習到達目標
① 21 世紀に求められる学⼒について説明できる。
② 資質・能⼒を引き出す授業の条件を説明できる。
3. 研究課題
① 知識習得モデルと知識創造モデルの違いを説明しなさい。
5.映像
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第4講 教材の分析と設計
1. 何を学ぶか
⽬標分析をできないと評価規準をつくるのは難しいと⾔われる。「⽬標分析をする」とは、⽬標の構造を捉えることである。つまり、 ⽬標は平⾯的で、それだけでは構造はわからない。しかし、⽬標を分析して構造がわかると、評価規準ができる。⽬標の構造がわかるというのは、評価規準のなかで、重要度を決定することである。「この単元で何をしたいのか、何を教えたいか、何を指導したいか、どのような順序で教えるのか」を決定する。そして、「それを指導するために、何がいるのか」を考える。
2. 学習到達目標
① 何を教えるのか、そのための教材作成のあり⽅について説明できる。
② システム的な教材設計・開発の⼿順を5 つに分けて説明できる。
3. 研究課題
① あなたは、どのような場⾯でメディアの影響を強く受けていると思うか、また、どのような場⾯でメディアの影響をあまり受けていないと思うかグループで話し合って発表しなさい。
② テレビなどのCM は、専⾨家がなんとか視聴者をひきつけようとして創作した作品である。どんなCM が印象に残っているか。それは何故か。メディアの特性をどのように使っているか。グループで話し合って発表しなさい。
③ インターネットで、いくつかの教材を調べて、その教材の有効性を5段階で判定しなさい。そして、どのような要因でその判定結果になったかを、書きなさい。
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6.映像資料
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第5講 学習⽬標のデザイン
1. 何を学ぶか
授業づくりは、まず学習⽬標を適切かつ明確にすることからスタートする。学習⽬標とは、学習者が、わかるようになること、できるようになること、⾝に付けることなど、教師が授業でねらいとすることを、より具体的な形で表し、どのようにわかったか、どのようにできるようになったか、どのように⾝に付いたかについて考える。
2. 学習到達目標
① ブルームの教育⽬標分類について、⾏動⽬標による例を取り上げて説明できる。
② ガニェの学習成果の5 分類について、具体例を挙げて説明できる。
③ 明確な学習⽬標について、具体的な単元において説明できる。
3. 研究課題
① ガニェの学習成果の5分類をもとに、各教科や単元を例にとって、グループで明確な学習⽬標を設定して発表しなさい。
5.映像
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第6講 教材開発のストラテジー
1. 何を学ぶか
本来教材というものは、教師⾃⾝が担任(担当)している⼦供の実態や学習⽬標に応じて⾃作するべきである。しかし、そうするには学習課題や教材を使⽤する⼦供の分析から始まり、具体的に製作するまで膨⼤な時間と労⼒がかかってしまう。そのため全ての教材を⾃作することはたいへん困難をきわめる。ここでは、企業の教材開発の視点を考える。
2. 学習到達目標
① 企業の教材開発の視点を説明できる。
② 企業の教材開発の⼯夫を具体的な例を挙げて説明できる
③ 企業の教材開発におけるストラテジーとは何かを説明できる。
3. 研究課題
① 同じ正答であっても問題によって正答率が異なるのは何故か、具体例を挙げてグループで考えなさい。
② プリント教材の⻑所と短所について、グループで話し合って発表しなさい。
③ 紙(アナログ)の教材とICT(デジタル)を組み合わせたり、連携させたりして新しい教材を、グループで話し合って考えなさ い。
④ ⼀⻫学習、協働学習、個別学習のいずれかで活⽤できそうなデジタル教材(タブレットアプリも可)を、グループで話し合って考えなさい。
5.映像
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第7講 教材の開発とその活⽤
1. 何を学ぶか
⼩中学校における理科の実験教材を開発する場合、先⽣が実験を⾒せる時に、実験台の周辺に児童⽣徒が集合することになるが、⼀⽅向からしか⾒えない児童⽣徒が⼤半で⼗分に理解することができない。しかし、多視点映像教材を⽤いると、従来の映像教材では⾒られない被験者の⽬線による映像や正⾯からの映像、左右側⾯からの映像や俯瞰による映像を⾒ることができ、理解の⼿助けとなる。ここでは、多視点映像教材の開発とその活用について考える。
2. 学習到達目標
① 多視点映像教材の開発とその活⽤について説明できる。
3. 研究課題
① 看護技術の多視点映像タブレット教材を使ってみて、他の教材への応⽤をグループで話し合って、その効果について考えなさい。
5.映像
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第8講 魅⼒ある授業をつくる
1. 何を学ぶか
教師の誰もが「⼦供にとって魅⼒ある授業をしたい。」と願っている。「魅⼒ある授業」とは、画⼀的な教え込みの教師主導型の授業ではなく、教師の⼯夫によって⼦供が教材や指導内容に引き付けられ、⾼まった学習意欲をもとに⼦供が主体的・協働的に追求する授業のことである。今後の教育の⽅向として重視されている「アクティブ・ラーニング」(主体的・対話的な深い学び)も、魅⼒ある授業を⽀える条件の⼀つとして⼤切である。ここでは、魅⼒ある授業をつくる上で⼤切なこととして、教師の指導⼒(児童⽣徒理解⼒、授業⼒、学級経営・⽣徒指導⼒)と、授業を⾏う上での教師の基礎・基本(教師が⾝に付けるべきスキル、⼦供に⾝に付けさせたいスキル、学習環境の整備)に視点を当てて考える。
2. 学習到達目標
① 魅⼒ある授業をつくる教師の指導⼒について説明できる。
② ガニェの9教授事象について具体例をあげて説明できる。
3. 研究課題
① ガニェの9教授事象をもとに、魅⼒ある授業をつくるのにどんな授業展開をするとよいのかを具体的な教科名や単元名をあげ ながら、グループで話し合って発表しなさい。
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第9講 学習意欲を⾼める
1. 何を学ぶか
変化の激しい社会を生き抜いていくためには、⾃ら課題を⾒付け、 ⾃ら学び、⾃ら考え、主体的に判断し、⾏動し、よりよく問題を解決できる能⼒や態度を⾝につける必要がある。このような能⼒や態度を育てる教育を実現するためには、⼦供の学ぶことへの関⼼・意欲を高めることが必要であり、学習の評価においても「関心・意欲・態度」の観点が重視されている。しかし、学習到達度調査などによると⽇本の⼦供の学習意欲は、改善傾向にあるとはいえ、平均を下回っていることが指摘されている。では、どうすれば学習意欲を⾼めることができるかについて考える。
2. 学習到達目標
① 学習意欲を高める指導法について説明できる。
② ジョン・M・ケラーのARCS モデルについて具体的に説明できる。
③ アンドラゴジーをもとにして学校式教育から⼤⼈の学び⽀援について、その違いを具体的に説明できる。
3. 研究課題
① アンドラゴジーをもとにして、学校式教育から⼤⼈の学び⽀援について、その違いを具体的に5つあげて、KJ 法を使って、グループごとに分類し、説明しましょう。
② 各グループで、学習の動機づけの具体的な⽅法をあげて、ジョン・M・ケラーのARCSモデルのどの分類にあたるか分類しましょう。
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第10講 協働的な学びをデザインする
1. 何を学ぶか
⽇本において「協働学習(Collaboration Learning)」という⾔葉や概念は教育⼯学・認知科学の分野において使⽤され始め、ICT環境の整備とテクノロジによる学習⽀援が実現されていくのと共に広く知られるようになった。もともと「協働」とは⾃らが属する組織や⽂化の異なる他者と⼀つの⽬標に向けて互いにパートナーとして働くことである。従って「協働学習」は、単に「問題を⼀緒に解く」というような抽象的な活動のことではない。問題を解く場⾯で「どうしても他⼈がいないと起きない活動」を通じて「他⼈がいると⾃分⼀⼈で解くより答えの質が上がる」ことを繰り返し経験することで柔軟に解決できる“使えるスキル“の育成について考える。
2. 学習到達目標
① 協働学習の考え⽅を理解し実際に授業デザインできる。
② ワークショップの⼿法を5種類説明できる。
③ ジグソー学習について説明できる。
3. 研究課題
① 協働学習の⼿法の⼀つである「ジグソー学習法」を経験し、学習者⾃⾝で知識を統合して答えを出す学習活動過程について理解を深め、その効⽤を検討してみましょう。
5.映像
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6.動画資料
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第11講 ICTの活⽤とその効果
1. 何を学ぶか
⽂部科学省は、平成26 年度の委託事業である「ICT を活⽤した教育の推進に資する実証事業」において「ICT を活⽤した教育効果
の検証⽅法の開発」を⾏った。この実証事業は、ICT を活⽤した教育の推進を図る上で不可⽋な教育効果の明確化を⽬的として、1⼈1 台のタブレット端末を活⽤した授業と活⽤しない授業を実施し、児童⽣徒にもたらされるタブレット端末の活⽤効果を検証するとともに、ICT を活⽤した教育効果の検証⽅法を開発した。ここでは、タブレット端末を活⽤した授業の実践によりもたらされる「児童⽣徒の学⼒への効果」と「教員のICT 活⽤指導⼒への効果」、更に、「児童⽣徒のICT 操作スキルと学⼒への効果の関係性」について考える。
2. 学習到達目標
① ICT を活⽤した効果的な指導法について説明できる。
② アンケートやインタビューによる⾏動変容の調査について具体的に説明できる。
3. 研究課題
① ⼀⻫授業におけるメディアの活⽤と、個別指導におけるメディアの活⽤では、その学習形態は異なる。どのような学習が考えられ、学習環境に分けて、メディアの活⽤と学習形態について話し合って下さい。
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6.資料
第12講 授業を分析してみよう
1. 何を学ぶか
平成27 年7 ⽉16 ⽇に⽂部科学省より提⾔のあった、「これからの学校教育を担う教員の資質能⼒の向上について(中間まとめ)」において、「教員⼀⼈⼀⼈が、その職は⾼度に専⾨的なものであり、国家社会の活⼒を作り出す重要な職であるとの誇りを持ちつつ、⾼い志で⾃ら研鑽することの重要性が改めて認識されるようになってきた。」とあり、教員の資質能⼒の向上については、教育基本法第9条においても定義づけられており、教員の資質能⼒向上は、教員⾃⾝の責務でもある。それでは、教員の資質能⼒とは何か。様々な議論があるであろうが、 ⼀つには「授業⼒」であるといえる。この授業⼒を磨き上げていくことは、教員の資質能⼒の向上にもつながる。そこで、授業⼒を磨き上げることについて考える。
2. 学習到達目標
① 授業記録の⽅法について説明できる。
② 授業分析の⽅法について具体的に説明できる。
③ マイクロティーチングの⽅法について説明できる。
3. 研究課題
① 授業改善のチェックリストをグループで作成しなさい。
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6.資料
第13講 教授・学習の理論と教育実践
1. 何を学ぶか
⼈が「学ぶ」ということについて、古くからいろいろな領域での研究がなされてきた。教授と学習という概念は、⼀般に教育者の⾏う教授活動と、学習者の⾏う学習活動という意味で理解されている。しかしながら、現実の多くの教育においては、「教授と無関係に成り⽴っている学習」もあれば、「教授が学習を導けない場合」もある。また、「教師がいないで⾏われている学習」であっても「教師からいかなる指⽰も影響も受けずに学習者が学習を⾏う場合」もあれば、「教師から前もっての指⽰のもとに、⼀⼈で学習する場合」もある。さらには、「教師の指⽰に反する⽅法で学習を⾏うような学習者」もいる。このように、現実の教育の場においては、教授と学習は必ずしもひとつの教育過程を構成しているとはいえない場合がある。ここでは、このような教授・学習の理論の変遷について考える。
2. 学習到達目標
① 教授学習に関する基本的な理論を具体的に説明できる。
② ⾏動主義と認知主義の2つの学習論の区別を説明できること。
3. 研究課題
① ⾏動主義的学習論と認知主義的学習論、構成主義的学習論に対応した教材や課題(問題)を作成し、グループで協議をしなさい。
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第14講 授業⼒の向上
1. 何を学ぶか
これからの社会で求められる⼈材像を踏まえた教育の展開、学校現場の諸課題への対応を図るためには、社会からの尊敬・信頼を受ける教員、思考⼒・判断⼒・表現⼒等を育成する実践的指導⼒を有する教員、困難な課題に同僚と協働し、地域と連携して対応する教員が必要である。また、教職⽣活全体を通じて、実践的指導⼒等を⾼めるとともに、社会の急速な進展の中で、知識・技能の絶えざる刷新が必要であることから、教員が探究⼒を持ち、学び続ける存在であることが不可⽋である。ここでは、これからの教員に求められる資質能⼒について考える。
2. 学習到達目標
① 教育委員会が必要とする資質・能⼒について説明できる。
② 資質・能⼒を⾼めるための校内研修の⽅法を実践できる。
3. 研究課題
① ⾃分の資質・能⼒について強み、弱みを分析し、グループで弱みを強みに変える校内研修を提案し計画を⽴てなさい。
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第15講 教師の成⻑
1. 何を学ぶか
教師教育は、教員の養成̶採⽤̶研修の段階に⼤きくわけられて論じられている。養成段階は、⼤学での教職のために必要な科⽬を学修する。さらに、教職に就くためには、都道府県等が⾏う採⽤試験に合格しなければならない。さらに、採⽤後は職場や都道府県等で⾏われる教員研修を受けなければならない。採⽤後の研修がこれであるが、研修は退職まで続き、教師の発達を促す重要な役割となる。教師の成⻑はこのように養成・採⽤・研修の段階を包み込む⻑期的な過程として捉えて教員養成について考える。
2. 学習到達目標
① 教師の成⻑を、養成―採⽤―研修の過程で説明できる。
② 教師の技能発達を認知と技術の統合で説明できる。
3. 研究課題
① ⾃分の教育技術を振り返り、課題として何があり、それを乗り越えるためにどうするか、について書いてみよう。
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Ⅳ レポート課題
課題1 21 世紀に求められる学⼒について論述しなさい。(A4用紙1枚程度)
課題2 ブルームの教育⽬標分類について、⾏動⽬標による例を取り上げて論述しなさい。(A4用紙1枚程度)
Ⅴ アドバイス
課題1解説 第3講参照
課題2解説 第5講参照
Ⅵ 科目修得試験:レポート試験
Ⅶ テキスト
Ⅷ タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)
資 料
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教材 作成
以下の資料が、最初に作成した教材と本講座を受講後に作成した教材を比較したものです。
2021年度 作成教材
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2022年度 作成教材
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2023 年度 作成教材
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2021年10月6日
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dapro 2021-10-06 09:27:45 2024-01-18 17:57:31 【講義】教材リサーチⅠ
3.「おもしろ紙おもちゃづくり教室」報告書 ~ 紙おもちゃを作って遊ぼう ~
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資料
2021年10月5日
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dapro 2021-10-05 19:19:48 2022-07-12 13:53:23 【報告書】「おもしろ紙おもちゃづくり教室」
【講義】情報の管理と流通
Ⅰ はじめに
デジタルアーカイブは,さまざまな分野で必要とされる資料を記録・保存・発信・評価する重要なプロセスである.このデジタルアーカイブは,わが国の知識基盤社会を支えるものであり,デジタルアーカイブ学会でも,デジタルアーカイブ立国に向けて「デジタルアーカイブ基盤基本法(仮称)」などの法整備への政策提言を積極的に行っている.今後,知識基盤社会おいてデジタルアーカイブについて責任をもって実践できる専門職であるデジタルアーキビストが必要とされている.ここでは,デジタルアーキビストの学術的な基礎として,デジタルアーカイブに関する歴史から我が国の動向並びにデジタルアーカイブの課題を学ぶ.また,この内容は,今後の学修におけるデジタルアーキビストの学びの地図となる.
Ⅱ 授業の目的・ねらい
・この授業は全15講に分かれて論述している.各講における参考文献並びに関連情報は,横のQRコードで示してある.各講においてこれらの参考文献などを読み込んで発展的な学修ができるように構成されている.
・各講の最後に研究課題が設定されており,個別で学修する場合にも,集団で学修する場合においても学修を深めるために主体的に研究課題を考えることが重要である.
・解が見えない地域課題を主体的に探求し,深化させ課題の本質を探り実践的な解決方法を導き出すための手法を研究する.
Ⅲ 授業の教育目標
・日本の目指す知識基盤社会を支えるのはデジタルアーカイブといっても過言ではありません.初期の文化遺産を中心とした展示やウェブ公開など提示中心から,いかに社会の全領域で知的生産やナレッジマネジメントに活用できるインターフェイス,横断的ネットワークなどの環境を確保するかの段階に入ったといえます.
・ここでは,15のテーマに基づいて,それぞれのテーマの中に研究課題を設定し,また,各講に学修到達目標を設定し,個々に学修の到達を確認することができる.
第1講 デジタルアーカイブの歴史とその課題
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブの日本にける歴史と本学のデジタルアーカイブの変遷を比較しながら,どのような点が明らかになり,新たにどのような課題が創出されたのかについて考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブの歴史について説明できる.
・知識基盤社会におけるデジタルアーカイブの必要性について事例をあげて説明できる.
3.研究課題
・デジタルアーカイブの歴史をまとめて,何が変化して何が課題になっているかを話し合ってみなさい.
4. 情報の管理と流通(第1講)
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第2講 デジタルアーカイブプロセス
1.何を学ぶか
2000年代における第1次のデジタルアーカイブブームの現在の状況を見て,第1次のデジタルアーカイブブーム(デジタルアーカイブ1.0)のプロセスから何が問題で,今後何をどのように改善することが持続可能なデジタルアーカイブ(デジタルアーカイブ2.0)を開発するために必要であるかについて考える.
2.学修到達目標
・「Wonder沖縄」におけるWeb用コンテンツがなぜ消滅したかについて説明できる.
3.研究課題
・「Wonder沖縄」のアーカイブプロセスでは何が足りなかったのか.どうすれば持続可能になったのかを考えなさい.
4.情報の管理と流通(第2講)
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第3講 知のデジタルアーカイブ
1.何を学ぶか
知のデジタルアーカイブに関する研究会により知のデジタルアーカイブ ―社会の知識インフラの拡充に向けて―(2012年3月30日)という提言がされ,システム(技術),人材育成,災害の3テーマに焦点を当てたグループを構成して議論を行った.こうした議論から,デジタルアーカイブのための技術,知識,ノウハウの共有の重要性,デジタル・ネットワーク社会に適合したデジタルアーカイブ連携の必要性について考える.
2.学修到達目標
・知のデジタルアーカイブの提言について説明できる.
・MLA連携などデジタルアーカイブの連携の必要性について説明できる.
3.研究課題
・知のデジタルアーカイブの提言を受けて博物館・図書館・公文書館の現状と課題について論述しなさい.
4.情報の管理と流通(第3講)
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第4講 デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン(2012年3月26日)が総務省から提言されている.ここでは,図書・出版物,公文書,美術品・博物品,歴史資料等公共的な知 的資産の総デジタル化を進め,インターネット上で電子情報として共有・利用できる仕組みを 構築し,知の地域づくりを推進するため,地域の知の記録組織で活用することを提言している.ここでは,インターネット上で電子情報として共有・利用できる仕組みを 構築し,知の地域づくりを推進することを考える.
2.学修到達目標
・知の地域づくりの推進するために必要なことは何かを説明できる.
・デジタルアーカイブの構築・連携において大切なことを説明できる.
3.研究課題
・デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドラインをよく読んで,それぞれの組織のデジタルアーカイブ構築・連携の手引きを完成しなさい.
4.情報の管理と流通(第4講)
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6.資料
第5講 知の増殖型サイクルの情報処理システムの構成
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブのプロセスとして,知的創造サイクルをデジタルアーカイブに当てはめた知の増殖型サイクルを開発した.ここではこのシステムについて理解する.このためには,知の増殖型サイクルにおけるデータ分析・解析・加工処理システムなどのスキルやその考え方を知る必要がある.ここでは,これらのデータ処理における留意事項について解説する.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブのプロセスとして,知的創造サイクルをデジタルアーカイブに当てはめた知の増殖型サイクルについて説明できる.
3.研究課題
・知の増殖型サイクルにおけるメタデータの項目を作成してみなさい.なお,その際にDublin Core(ダブリン・コア)に配慮すること.
4.情報の管理と流通(第5講)
5.映像
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6.資料
第6講 知の増殖型サイクルの知的処理と流通システム
1.何を学ぶか
デジタルアーカイブにおける知の増殖型サイクルの構成は,資料の保管,検索,分析処理とその結果の利用という閉じたサイクルとして成立つものである.そのためには,利用の計画,活用,評価の面のみではなく,知の増殖型サイクルで最も重要なデジタルアーカイブの保管,メタデータ,検索,抽出,提示,分析,解析処理についても研究する必要がある.また,このデジタルアーカイブを用いた知の増殖型サイクルでは,利用目的に対し,いかに適した資料を検索し,分析・解析・加工処理して提供できるかが重要である.ここでは,知の増殖型サイクルが何回もサイクルを繰り返すことにより,新しい知が各サイクルに追加され,より精度の良いデータの利用が可能になる.ここでは,いかに適した資料を検索し,分析・解析・加工処理して提供できるかという視点から,横断検索やサイクル処理を支えるメタデータ,また,知的処理に対応した著作権,プライバシーの問題及び検索結果の選定・提供における課題を考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブにおける知の増殖型サイクルの構成を説明できる.
3.研究課題
・「沖縄おぅらい」における知の増殖型サイクルはどのように構成されるか述べなさい.
・沖縄の学力向上における知の増殖型サイクルとは,どのようなサイクルになるか論じなさい.(参考:沖縄における教育資料デジタルアーカイブを活用した学力向上について)
4.情報の管理と流通(第6講)
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6.資料
第7講 知の増殖型サイクルを支えるメタデータの構成
1.何を学ぶか
知の増殖型サイクルでは,新たな知を創造することが重要であり,また,その新たな知をデジタルアーカイブする閉じたサイクルである.そのために,新たにメタデータをその新たな地に対応した項目を追加し,ここでダイナミックなメタデータを提案する.
2.学修到達目標
・地域資源のメタデータの構成について説明できる.
3.研究課題
・地域資源のデジタルアーカイブのメタ情報の項目を考えてみなさい.そのうえで,それらの項目がなぜ必要なのか利用を考えて論述しなさい.
4.情報の管理と流通(第7講)
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第8講 我が国におけるデジタルアーカイブ推進の方向性
1.何を学ぶか
平成 29 年4月に「我が国におけるデジタルアーカイブ推進の方向性」がデジタルアーカイブの連携に関する 関係省庁等連絡会・実務者協議会より提言された.この新たな提言で新たに追加されたデジタルアーカイブの考え方について考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブ社会について説明できる.
・オープンなデジタルコンテンツの必要性について具体例を挙げて説明できる.
3.研究課題
・デジタルコンテンツのオープン化と著作権はどうしても利害が衝突する.デジタルアーカイブ社会においてオープンデータ化はなぜ必要で,そのために著作権をどのように改正する必要があるかについて論述しなさい.
4.情報の管理と流通(第8講)
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6.資料
第9講 デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン
1.何を学ぶか
平成29年4月に「デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン」がデジタルアーカイブの連携に関する 関係省庁等連絡会・実務者協議会にてまとめられた.ここでは,博物館・美術館,図書館,文書館といった文化的施設に加えて,大学・研究機関,企業,市民団体,官公庁・地方公共団体などの有形・無形の様々なコンテンツを保有する機関・団体等を対象に,業務にもサービスにも役立つデジタル情報資源の整備・運用方法について報告している.ここでは,各機関におけるデジタルアーカイブの構築・共有・活用について考える.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブの構築・提供ついて説明できる.
・アーカイブ機関が無理なくデータを整備・共有・連携できる共通基盤(プラットフォーム)の構築について,その機能を具体的に説明できる.
3.研究課題
・活用する場合は,メタデータを共有することで,様々なアプリの提供,付加価値の追加等を通じて,活用を行い,その成果物を保存・共有領域に還元し,再資源化することも期待されると報告されている.そのためには,具体的に何をすることが必要になるか述べよ.
4.情報の管理と流通(第9講)
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6.資料
第10講 知的財産推進計画に見るデジタルアーカイブ
1.何を学ぶか
知的財産戦略本部より知的財産推進計画2017(2017年5月)が発表され,そこには,「我が国の知や文化資源を結集し,世界中に発信しながら新たな価値創造につなげることができるデジタルアーカイブの構築とその利活用について,計画的に推進していくことが必要である」と,デジタルアーカイブに関する記述が増加していることを見ることができる.知的財産推進計画の目的と今後の方向性について考える.
2.学修到達目標
・知的財産推進計画を理解し説明できる.
・新たな価値創造とデジタルアーカイブの構築について具体例を出して説明できる.
3.研究課題
・知的財産推進計画とデジタルアーカイブとの関係を明確にして,知的財産計画の目的について論述しなさい.
4.情報の管理と流通(第10講)
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6.資料
第11講 地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点の形成
1.何を学ぶか
知識基盤社会においてデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという本学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,地域課題に実践的な解決方法を確立するために,地域に開かれた地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成をする.このことにより,地域課題に主体的に取り組む人材を養成する大学として,伝統文化産業の振興と新たな観光資源の発掘並びにデジタルアーカイブ研究による地方創成イノベーションの創出を行う.
2.学修到達目標
・デジタルアーカイブと地域課題解決について説明できる.
・地方創成イノベーションの創出について具体的に説明できる.
3.研究課題
・飛騨高山匠の技デジタルアーカイブにより,地域の文化産業を振興するための方策を3つ挙げて論述しなさい.
4.情報の管理と流通(第11講)
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6.資料
第12講 知の拠点形成のための基盤整備
1.何を学ぶか
知識基盤社会においてデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという岐阜女子大学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,地域課題に実践的な解決方法を確立するために,地域に開かれた地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備が必要となる.このことにより,地方創成イノベーションの実現と伝統文化産業の振興並びに新たな観光資源の発掘を行うことができることを考える.
2.学修到達目標
・知識基盤社会とデジタルアーカイブの関係について説明できる.
・知識循環型社会について具体的に説明できる.
・地域課題の解決とデジタルアーカイブについて説明できる.
3.研究課題
・大学が地域の知の拠点形成のための基盤整備に必要な要素は何か論述しなさい.
4.情報の管理と流通(第12講)
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第13講 デジタルアーカイブにおける新たな評価法
1.何を学ぶか
20017年10月,Europeanaより評価方法の新規開発プロジェクトの成果物として“Impact Playbook: For Museums, Libraries, Archives and Galleries”(以下プレイブック)の第一部が公開された.プレイブックは「インパクト評価」を実施するための手順・方法をまとめた一種のガイドラインであり,Europeanaだけでなく,その参加機関である欧州各域の図書館・博物館・公文書館・ギャラリー等が各々のデジタルアーカイブ関連事業の持つ多様な価値を各々の見方で評価し,かつその評価結果を他者と共有できるようにするための「共通言語」としての役割を果たすという.筑波大学大学院図書館情報メディア研究科・西川開氏によると,インパクト評価はもともと環境分野で発達した評価方法であると言われており,その後公衆衛生や社会福祉事業などの諸領域にも普及・発展してきた.近年では公的助成金の減額等を背景として図書館を始めとする文化機関においても自組織の持続可能な発展に資する手段として注目を集めている.
2.学修到達目標
・新たな評価法であるインパクト評価について具体的に説明できる.
3.研究課題
・デジタルアーカイブの新しい評価について論述しなさい.
4.情報の管理と流通(第13講)
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6.資料
第14講 デジタルアーカイブを活用した地域課題の解決手法
1.何を学ぶか
飛騨高山匠の技の歴史は古く,古代の律令制度下では,匠丁(木工技術者)として徴用され,多くの神社仏閣の建立に関わり,平城京・平安京の造営においても活躍したと伝えられている.しかし,現在の匠の技術や製品についても,これら伝統文化産業における後継者の問題や海外への展開,地域アイデンティティの復活など匠の技を取り巻く解が見えない課題が山積している.ここでは,知識基盤社会におけるデジタルアーカイブを有効的に活用し,新たな知を創造するという本学独自の「知の増殖型サイクル」の手法により,これらの地域課題に実践的な解決方法を確立するために,「知的創造サイクル」をデジタルアーカイブに応用して飛騨高山の匠の技に関する総合的な地域文化の創造を進めるデジタルアーカイブの新たな評価指標ついて考える.
2.学修到達目標
・「知の増殖型サイクル」の手法による地域課題に実践的な解決方法を確立することについて説明できる.
3.研究課題
・住民R(Resident)-地域資源L(Local Resources)認知度診断表から何がわかるか論述してみなさい.
4.情報の管理と流通(第14講)
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第15講 首里城の復元とデジタルアーカイブの可能性
1.何を学ぶか
鎌倉芳太郎は沖縄で撮影したガラス乾板を自身の避難先である防空壕で保管していたという.これら保存されていた資料が,首里城復元において大きな役割を果たしたという事実は,「知の増殖型サイクル」の考え方に当てはめることができる.首里城復元の際に利用された鎌倉資料は原資料であり,デジタルアーカイブではない.しかし,「知の増殖型サイクル」に適応することで,これからのデジタルアーカイブの在り方が見えてくる.
2.学修到達目標
・鎌倉芳太郎と首里城復元の過程で説明できる.
・デジタルアーカイブという視点から鎌倉芳太郎資料集について説明できる.
3.研究課題
・首里城の復元に鎌倉芳太郎の資料が重要であったかについてデジタルアーカイブの視点で論述しなさい.
4.情報の管理と流通(第15講)
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6.資料
Ⅳ 課題
課題1 テーマ1からテーマ8の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめよ.
課題2 テーマ9からテーマ15の中で,興味を持った研究課題についてさらに詳しく調べA4用紙1ページにまとめてよ.
Ⅴ アドバイス
課題1解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
課題2解説 テキスト並びに参考文献を参考に論述しなさい.
Ⅶ テキスト
久世均著:情報の管理と流通 岐阜女子大学 2020
課題提出用
年表
Ⅷ タキソノミーテーブル(教育目標の分類体系:タキソノミー)
映像資料
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資料
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市民キュレーション講座資料
アンケート
2021年10月5日
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dapro 2021-10-05 18:16:18 2024-01-18 17:58:00 【講義】情報の管理と流通